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政策と見解

子どもたちの成長を支え、いのちを育む学校を安全・安心の場とするための緊急要望書

2003/12/26 更新
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 去る12月18日の昼過ぎ、宇治市立宇治小学校の給食時間中に、外部からの侵入者によって、1年生の子ども2名が教室内において刃物によって切りつけられ、負傷するという事件が発生しました。負傷された子どもたちとご家族の皆さんに、心からのお見舞いを申し上げるとともに、心身に深い傷を負った子どもたちの一日も早い回復を願うものです。

 今回の事件は、子どもたちの成長を支え、もっとも安全であるべき学校での痛ましい事件であり、1999年12月の京都日野小学校、2001年7月の大阪池田小学校での子どもたちへの殺傷事件に次ぐ事件として、府民に大きな衝撃を与えています。

 日本共産党府会議員団は、被害にあった宇治小学校や宇治市教育委員会をはじめ、教育関係者などへの調査と意見交換をおこなってまいりました。そのうえで、子どもたちの成長を支え、いのちを育む学校を安全・安心の場とするために、下記事項について緊急に具体化されるよう求めるものです。

 1.子どもたちの心のケア、学校と教職員を支援するための対応を引き続き強めること。

 (1)心身に深い傷を負った子どもたちへの心のケアを重視すること。とりわけ、事件後数日で「冬休み」を迎えた子どもたちへの影響を考慮し、保護者との連携によるケアや支援を、「冬休み」・新学期・新学年をも見通して継続すること。

 (2)すべての子どもたちの様子や状況を把握し、ていねいに指導・援助するとともに、保護者との緊密な連携などを重視すること。「当面の措置(一か月間)」として配置されている加配教員1名と養護教員1名を、学校の要望もふまえながら、子どもたちの心身の状況が完全に回復するまで継続して配置すること。

 (3)宇治市の緊急対応・安全対策への支援、とりわけ、安全指導員・学校運営支援員などの措置に対して、京都府として財政的な支援をおこなうこと。また、学童保育所や障害児などの通園施設に対しても安全確保をはかる措置をおこなうこと。

 2.学校を安全・安心の場とするため、教職員等の人的な配置増をおこなうこと。

 今回の事件は、機械警備だけでは安全を確保することができないことが明らかとなった。学校での不測の事態に対応できる人的配置がきわめて不十分であり、安全を確保するための要員をすべての学校に配置すること。そのために、府として教職員の配置基準を改善するとともに、国に対して財政措置を強く要望すること。

 3.すべての学校の校舎内・外や通学路の総点検をおこない、安全対策を強めること。

 (1)子どもたちや教職員、保護者や地域住民の安全対策への意見や要望を重視し、校舎内・外や通学路の総点検と改善をおこなうこと。とりわけ、緊急の対応が求められる際の連絡方法の確立、教室や保健室・特別教室などと職員室を結ぶインターフォンなどの設置をおこなうこと。

 (2)学校における「暗く危険な」個所の総点検と改修、校区内・通学路の安全確保をおこなうこと。そのために、国に対して財政措置を強く要望すること。

 (3)登下校の安全や地域パトロールなど、自主的な活動をしている保護者や地域への支援をおこなうこと。

 4.「学校安全対策マニュアル」の徹底や見直しにあたっては、今回の事件の教訓を明らかにし、十分に生かすこと。また、教職員や保護者、教育関係者や地域住民の意見・要望を尊重し、学校と地域・家庭が協力して、子どもたちのいのちを育み、安全を守るための体制をつくること。