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政策と見解

山城養鶏生産組合による偽装表示問題について

2004/01/27 更新
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1、昨年12月、山城養鶏生産組合が半年も前に採卵した鶏卵を混入させて販売した事件について、京都府は12月の段階では27人もの下痢等の症状や「異臭がする」などの訴えがあったにもかかわらず、「菌は検出されなかった」「食中毒患者は発生していない」「食品衛生法違反とはいえない」などとして「文書指導」にとどめてきたが、1月21日に食品衛生法違反として「7日間の営業停止処分」を行った。

 2、わが党議員団は、府民の食の安全を守る立場から、知事に対して1月13日に、全容の解明と厳正な対応を求めるなど「緊急申し入れ」を行い、さらに、その後の経過をふまえ1月16日に、京都府域では「社告」が行われていない問題や教育、福祉施設への納入がないかどうか、「故意」に混入措置が取られたのではないかなど第二次の緊急申し入れを行った。この申し入れは、事件の全容を府民的に明らかにし、京都府の責任を問うために、期限を区切って知事より返答をもらうことを求めたものであった。

 

 3、1月23日に、京都府保健福祉部から、第二次緊急申し入れに対する返答があった。その内容は(1)事件発生当時、業者が京都府民に対して「社告」などで事件の全容を明らかにしていなかったことを京都府は把握していたこと(2)学校、医療施設、高齢者施設などへの納入については、すでに納入が明らかになっている城陽市の学校以外には、なかったこと(3)同一パック内に古い卵を「故意」に混入させていたことについては把握していたこと、(4)保管業者の冷蔵庫から卵を取り出したあと、常温の「原卵室」に3日間も保管していたことについては、その後の調査で把握したこと、などであった。

 

 4、今回の事件では、採卵日を半年も偽る明白な虚偽表示や、生鮮品である鶏卵を常識では考えられない、半年も後の賞味期限を表示するなど、「食品の安全性の確保」を定めた食品衛生法に反していることは、昨年12月に事件が発覚した時点であきらかであった。ところが京都府は、法にもとづく厳正な処分を行わず、「行政指導」にとどめ、さらに京都府のホームページで山城養鶏生産組合をマスコミに指摘されるまで「優良農家」として府民に紹介し続けるなど、適切、迅速な対応を怠っていたことは重大である。

 府民の「食品の安全」を確保する責任を負う京都府として、なぜ、こうした事態を招いたのか、その経過と全容を府民の前に明らかにする責任がある。こうしてこそ失われた食品表示への信頼を回復する一歩を踏み出すことができる。

 わが党議員団はこのことを強く求めるものである。

 

 5、さらに、今回の事件を通じて食品衛生法の問題点も浮き彫りとなった。現行法は賞味期限の表示を義務付けてはいるが、本来必要なことは「製造日の表示」である。にもかかわらず政府は、食品衛生法の改正にあたって、多くの国民、消費者団体から「製造日の表示」が強く求められていたにもかかわらず、アメリカなどの要求に配慮して、これを盛り込まなかった。その上、賞味期限の設定も製造者・販売者任せとなっており、こうした虚偽表示がされても、それを取り締まる上ではきわめて不備があるのである。

 わが党は、消費者の知る権利、選択の権利を保障し、「食品の安全性」を確保するためにも、製造日の明記を義務付けるよう、食品衛生法など関係法令の改正を強くもとめるものである。