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政策と見解

危機管理の参事としての自衛官採用の中止を求める申し入れ

2004/04/21 更新
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 京都府は、5月1日付で発令する組織改革と人事異動に際し、「有事」などへの対処を目的に、指揮・命令系統を一元化するためとして、知事直轄の「危機管理監」を新設し、「危機管理担当」として、防衛計画立案や実戦部隊指揮の経験がある自衛官(一等陸佐)を常勤で採用するとしている。

 京都府は、この数年、タンカーN号の油漂着災害、BSE対策、SARSをはじめ今回の鳥インフルエンザなどの感染症対策など、大規模な危機対応を迫られてきた。東南海地震への対応が強調されている今、今後、いっそうの体制強化が求められていることは当然である。

 しかし、今回の京都府の措置は、明らかに「テロ攻撃」や「武力攻撃事態」に対応した「危機管理」を想定したものであり、現在、国会で審議されている有事法制関連7法案等の先取りともいうべきものである。

 テロ対策を言うのなら、いま府民にとって必要なことは、「テロや武力攻撃事態」にどう対処するかということではなく、こうした事態を発生させないためにどう力をつくすのかということである。そのためには、「危機管理」を口実とした「有事」体制づくりの具体化ではなく、京都府として、憲法9条の精神を生かした平和・友好の活動にこそ力を尽くすべきである。

 よって、京都府におかれては、危機管理の参事としての自衛官採用を中止されるよう強く要望する。