関西電力美浜原発3号機の事故に関する申し入れ
2004/08/10 更新
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昨日、関西電力美浜原発3号機で発生した蒸気漏れ事故は死者4名、負傷者7名という日本原発史上最多の死傷者を出す深刻な事態となった。
今回の蒸気漏れ事故は、配管が冷却水による腐食ですり減り、薄く延ばされて破れる「延性割れ」によるものとの疑いが極めて強い。事故があった3号機は、運転開始以来27年間、一度も配管の交換が行われていなかっただけでなく、ミスによる検査漏れが明らかになっており、関西電力の責任は重大である。全国各地で原発の高齢化、老朽化への不安が増大する中での事故であり、同様の事故は加圧水型軽水炉原発すべてで起こる可能性がある。
また、2次系配管の損傷による水や蒸気の漏れが、1次系に影響を与えることも否定できず、最悪の場合は炉心溶融につながりうる事故であり、今回の事故を「放射能漏れはない」などと甘く見ることはできない。
さらに、現在、稼働中の軽水炉原発で、プルトニウムをふくむMOX燃料を燃やすプルサーマル計画については、一連の事故が明るみに出る中で東京電力が計画を凍結しているにもかかわらず、関西電力は再開する方向であるが、いっそうの危険が懸念される。
京都府におかれては、関西電力と政府に対し、何よりも被害者の救命、救済、事故原因の徹底究明に全力をあげるとともに、同機のような老朽原発をはじめ、原発の総点検をおこなうよう強く求められたい。また、プルサーマル計画の中止など、安全確保第一の原子力行政への転換を働きかけるべきである。