府立洛東病院廃止問題についての申し入れ
府立洛東病院の「廃止」報道が相次ぐ中で、職員や患者・家族に不安が広がっています。
そもそも、「府立洛東病院のあり方」については、2000年3月の「包括外部監査」結果報告で、「急性期、回復期、維持期の分野において、脳血管、心臓、呼吸器、骨関節疾患、外傷などにも対応できる機能を整備し、訪問、在宅リハビリやスポーツリハビリを含めた『総合リハビリ』病院をめざすなど、時代のニーズに対応した施策を講ずるべき」と指摘されています。党議員団としても、こうした立場から、府域におけるリハビリテーション医療の提供体制の確立のために洛東病院が中心的役割を果たせるよう、整備・拡充を求めてきたところです。本府も「洛東病院の専門性を生かしながら、高齢化社会におきますリハビリ医療に対するニーズに的確に応えていくということを視点に、新しい回復期リハビリ病棟の新設などの充実強化をはかり、特色ある病院づくりを進めていく」「今後の地域リハビリテーション体制のあり方について検討する中で洛東病院の果たしている役割についても鋭意検討したい」とされてきました。
また、現在、開催中の「府立病院あり方検討委員会」でも、洛東病院が果たしてきた役割と、京都府のリハビリテーション施策の遅れが指摘をされ、急性期・小児・難病リハビリ等の整備、及び、府全体のリハビリテーションを支援するセンター機能の整備等を、府が「政策医療」として位置づけ、取り組むことの重要性が提起されています。
ところが、本府は、この間の包括外部監査報告の「全病棟廃止」提言、9月6日開催予定の「府立病院あり方検討委員会」の報告をうけ、9月中にも一定の方向を出されると聞き及んでいます。これは、あまりにも府民不在の拙速な進め方と言わなければなりません。
本府として今、急ぐべきは、府域における総合的なリハビリテーション施策の確立にむけてのより真剣な努力であります。
よって、洛東病院の行方と、今後のリハビリテーション政策・体制整備にかかわる重要な問題について、「廃止」結論を急ぐ拙速なやり方をやめ、慎重な検討を重ねられますよう要望します。