警察本部報償費等の書類保存と特別監査実施等についての申し入れ
全国で警察の裏金疑惑が問題になり、本府においても、捜査旅費が「一括管理」されていたことが発覚した。先の9月定例会で警察本部の「内部調査では、不正請求、不正流用の事実はない」との報告がおこなわれた。しかし、これは何ら具体的証拠が示されたものではなく、極めて不十分なものである。
また、捜査報償費についても、これまで「監査を受け、何ら指摘はなかった」との報告であったが、捜査報償費の監査は「昨年度後半分からおこなっており、それまでは実施していなかった」ことが明らかとなった。
この捜査費、捜査報償費について、北海道警では、1998年~2000年度の3年間の報償費全額14億円が裏金になり、その使途について大半が説明できないという事実が明らかとなり、道警本部長はその返還を約束した。このように捜査費、捜査報償費が「捜査上の秘密」を理由に監査が及ばないことから、「裏金」として処理され、不正に使用されてきた。これは北海道警だけでなく、全国共通の問題として指摘され、マスコミ報道では京都府警においても同様の問題があることが指摘されている。
この真相を究明する上で、予算の執行者である知事の姿勢が問われている。北海道では知事が、道警全組織の調査可能な過去6年間の報償費・食料費・旅費・交際費を対象に地方自治法第199条6項に基づく特別監査を道監査委員に請求し、捜査員からの事情聴取などを含む特別監査が実施されたことが、真相解明への大きな役割を果たした。
この間の、府議会警察常任委員会での質疑等を通じて、警察本部の説明に重大な食い違いやあいまいな答弁、不正常な事務処理が明らかになった。また警察本部の内部調査報告も、その信憑性はきわめて低く、府民が納得できるものではない。また、警察常任委員会での資料要求についても、捜査の秘密等を理由に提出を拒むなど、府民の願う真相解明への姿勢が見られない。よって、下記の点について、知事の全面的な真相解明への最大限の努力と権限の行使を求めるものである。
1)現在、監査委員によって、地方自治法第199条5項による監査が、一部の費目、一部の所属において行われているが、知事の権限で、警察本部の全組織の報償費、食料費、旅費、交際費について、過去5年間さかのぼって地方自治法第199条6項に基づく特別監査を行うこと。
2)直ちに、警察本部のすべての会計書類について、保存期限が切れたものも廃棄せず、厳重に保存するよう警察本部長に指示すること。
3)国費の捜査費、報償費等についても、府の監査委員が必要に応じて監査することができるよう関係機関に働きかけ、調整すること。