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提案説明

「京都府の施設の管理等に関する条例案」修正案について松尾 孝府議の提案趣旨説明

2004/12/17 更新
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 日本共産党の松尾です。第3号議案「京都府の施設の管理等に関する条例」について修正案の提案理由を説明します。

 ご承知のとおり指定管理者制度は昨年6月の地方自治法改正により、公の施設の管理が「地方公共団体が出資している法人等への委託」から、「地方自治体が指定する指定管理者への指定」に変更されたことに伴い導入されたものであります。指定管理者には営利を目的とする会社なども含まれ、公の施設の公共性が保てるのか、施設設置の目的、自治体の公的責任が果たせるのか、などの問題点が指摘されているところであります。これは、この制度をつよく求めてきた財界などが、「ビジネスチャンスの拡大のため」とその狙いを公然と語っているところからも当然であります。

 条例の制定に当たってはこれらの問題点に留意し、可能な限りそれらを排除すべきであります。わが議員団が提出いたしました修正案はこの観点から原案を正したものであり、次の3点が主要な点であります。

 第1に、指定管理の対象は法改正に沿ったものにすべきであり、条例内容も手続き規定に限るべきであります。

 第2に住民福祉の増進のため、公的責任や公共性の確保等を明記することであります。

 第3に、指定管理者の申請及びその候補者の選定に当たっての厳格な規定です。

 以下、具体的に説明します。

 第1点についてですが、原案は指定管理の対象を「京都府の施設」として普通財産等も含めていますが、改正法では「公の施設」に限定されています。この点から、普通財産にも条例を適用しようとする第六条は全面削除しました。また、原案中の「京都府の施設」はすべて「公の施設」に改めました。

 さらに第1条で条例の目的を「管理及び活用に関し必要な事項を定める」としていますが、法改正に沿って「指定の手続き等に関し必要な事項を定める」と改めます。従って、条例の名称も「公の施設に係る指定管理者の指定の手続きに関する条例」と改めました。

 第2点についてですが、原案は第2条で「管理及び活用の基本」として「効果的かつ効率的に管理し、又は活用する」としています。府民福祉の増進を図るためとは言いながら、効果的、効率的な管理、活用が自己目的化し採算性、効率性優先で府民福祉が後退する恐れがあります。また、営利目的にそった管理、運営とならない保障も有りません。そこで、公の施設の管理、運営の基本として、地方自治法第244条各項の趣旨を生かし、「当該施設が公正・適切・平等に供されるよう努めなければならない」ことを明確に規定しました。

 また、公共性の確保、公的責任を全うする上で情報公開は不可欠であり第6条に規定しました。

 第3点ですが、修正の趣旨から、原案第3条の「法人等」の表現を「指定管理者の指定を受けようとする者」に改め、また、指定管理者の申請にあたり兼業禁止規定を盛り込むこととしました。さらに第4条1項2号、3号で、公の施設の安定管理によって「住民福祉の増進」に資することができるよう、指定管理者の実績、専門性、技術、人材等の確保、ならびに賃金、労働条件の確保等について、原案より以上の明確な規定を盛り込みました。以上が修正提案の概要であります。

 なお、委員会審議に置きまして、兼業禁止規定いついて、府三役などが役員に加わっている団体等が申請できなくなり、公平性を欠くのではないかとの指摘がありましたが、該当者をはずすなど申請者の判断、選択によってクリヤーできるのではないかと考えます。また、第6条の情報公開規定は本府情報公開条例との整合が必要との指摘もありましたが、修正成立後、必要に応じて整合を図ることは十分に可能であると考えます。 

 以上で提案理由の説明を終わります。是非ご賛同くださいますよう御願い申しあげます。ご清聴ありがとうございました。