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政策と見解

障害者自立支援法施行にともなう問題についての申し入れ

2006/09/21 更新
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京都府知事 山田 啓二様

日本共産党府会議員団 団長 松尾 孝

 障害者自立支援法施行にともなう問題についての申し入れ

 障害者自立支援法が施行され、10月から本格実施の段階を迎え、障害者と家族、事業者の中でますます混乱が深まっています。

 第一に、応益負担の導入によって、法人減免や府の負担軽減制度を活用してもなお、通所の授産施設や居宅サービスなどを利用する障害者の負担は月平均1万数千円にのぼり、施設サービスの利用断念や利用控え、負担金の滞納など自立生活に逆行する事態が広がっています。

 第二に、介護給付や訓練等給付の事業は10月1日から完全実施となりますが、グループホームの報酬が半分に切り下げられるため、すでに京都市内のグループホームで閉鎖する事業者が生まれるなど事業がたちゆかない深刻な事態となっています。施設サービス体系の移行は、5年間の猶予がありますが、報酬が日額方式となったため、すべての施設事業者が大幅減収となっており、事業移行どころか事業の継続すら危ぶまれる事態になっています。

 第三に、10月から市町村で実施される地域生活支援事業について、コミュニケーション支援や移動支援は本来無料でおこなわれなければならないものであり、その他の事業についても応能負担で低所得者に配慮すべきです。その点で京都市や舞鶴市、綾部市、京田辺市などがガイドヘルパー利用料の無料化に踏み出していますが、京都府内のすべての自治体が足並みをそろえているとはいえません。

 こうした混乱と深刻な事態を打開するとともに、障害者の自立を真に支援し、安心して地域で生活できるようにするため、わが議員団は、緊急に京都府として以下のとおり対策を講じるよう強く求めるものです。

 記

1.国に要望すべき事項

 (1)障害者の自立に反する応益負担を中止し、本人の収入に応じた応能負担とするよう国に求めること。

 (2)報酬の日払い方式を改め、月払い方式とすること。

 (3)新事業体系の報酬基準額を抜本的に見直し、施設経営と職員の雇用・配置などが成り立ち、事業が移行・継続できる水準に改善すること。

 (4)平成18年度精神障害者社会復帰施設等運営費の国庫補助については、25%減額する旨の事務連絡が示されているが、新事業体系への移行は5年間の猶予があるものであり、その間の補助額は現行水準を維持すること。

 (5)障害程度区分の認定において、知的障害者と精神障害者の障害の特性を正しく反映できるよう改善すること。

 (6)障害者福祉予算を増額し、障害者が地域で必要なサービスを受けられるよう基盤整備を進めること。

2.京都府として対策を講じるべき事項

 (1)府独自の負担軽減制度について、給食費や居住費も対象に加えるなどいっそうの充実をはかること。

 (2)施設・事業所が安定的に事業を運営できるように、日割り方式による減収を補填する運営費助成を創設すること。

 (3)地域生活支援事業において、コミュニケーション支援や移動支援がすべての市町村で無料化され、その他の事業でも低所得者への負担軽減がなされるよう府としてガイドラインを示し、市町村を支援する助成制度を創設すること。

 (4)地域活動支援センター事業については、現行の補助金の水準を維持できるように補助額を設定し、府独自の助成制度を創設すること。

 (5)小規模作業所が新事業体系に移行するまでは、現行の府独自補助制度の水準を維持すること。日払い方式や利用者負担の導入はしないこと。

 

 以上