資料ライブラリー

12月定例会 本庄孝夫議員の一般質問

2006/12/07 更新
この記事は 16 分で読めます。

南山城養護学校の過密解消と南部養護学校再編計画について

【本庄】  日本共産党議員団の本庄孝夫です。通告に基づき、知事並びに関係理事者に質問します。

 先ず、南山城養護学校の過密解消と南部養護学校再編計画について伺います。南山城養護学校は、本年度は12名増の227名となり、全国の肢体不自由児養護学校で3番目の大規模校です。今後も地域の子どもの増加が見込まれることから、増加傾向は、さらに続くことが予想されます。

 ところが、府内最大の児童生徒数でありながら、校地面積は府内の通学制の養護学校で1番狭いだけでなく、普通教室が足りず、今年度は美術室を普通教室に転用、プレイルームも足りず、食堂をプレイルーム兼音楽室として使用、「廊下で体育」という状況があたり前のように続いています。この夏に校舎北側に3番目のプレハブ校舎が建設されましたが、日当たりも悪く、トイレも設置できず、本館とプレハブ校舎をつなぐ屋根もなく、教育条件の改善が急務となっています。また、スクールバスの通学時間も、1台増えたにもかかわらず最長で70分を超え、これは「府立学校のあり方懇話会」から「スクールバスでの乗車時間が、おおむね60分を越えない程度が望ましい」という意見をふまえ、府教委自身も「改善が必要」としていることからも、改善は緊急の課題です。このような南山城養護学校の過密状況とそれに伴う教育条件の劣悪化は、府立高校再編計画とリンクさせたため、その本格的改善は5年後まで先送りされているのです。建設を遅らせてきた知事と府教委の責任は重大です。

 しかも、養護学校再編計画も重大な問題を持っています。城南高校跡地に新しく建設される養護学校の校区は宇治市と城陽市で、開校当初から200名を超えることは確実です。しかも、特別支援教育で養護学校がセンター的役割を果たすとされていますが、この養護学校の校区には小学校で32校、中学校で14校、拠点校としての機能が保てるのかという問題も生じます。

 そこで先ず知事にお伺いします。知事は、昨年12月定例会で「子どもたちの保護者や関係市町村等の意見をよく聞いて」、「充実した教育環境の中で、生きいきとした学校生活を送れるよう、自立し社会参加する力を養うことができるよう、教育委員会を積極的に支援、応援したい」と答弁されました。知事が「子どもたちや保護者の目線」でといわれるのであれば、設置者として、こうした南山城養護学校における深刻な状況を、緊急に改善することが必要だとお考えになりませんか。また、再編計画によっても200名を超える大規模校が生まれること、バス通学が困難な府立桃山学園の子どもたちの八幡への通学が、適切だとお考えですかお答えください。

 さらに、教育委員会にお伺いします。先ず、南山城養護学校の過密状況の1日も早い解消、充実した教育環境への緊急対策です。南山城養護学校校区にある学校の空き教室を利用する分教室や分校の設置なども、緊急措置として検討すべきではありませんかお答えください。また、南山城養護学校のスクールバスの増車・改善が必要と思いますがいかがですか。次に、再編計画の見直しです。大規模校解消のために、城陽養護学校を拡充し活用すれば可能と思いますがいかがですか。さらに、桃山学園と隣接する桃山養護学校を存続させるなどの見直しも必要と思いますがいかがですか。

【知事】  養護学校の教育環境は、教育委員会が教育的視点に立ち専門的な立場からまず責任を持って対応し、それを知事部局も総合的に支援する形になっている。南山城養護学校についても、教育委員会からの要求を受け、今年度、スクールバスの増車や教育棟の増築を行うなど子どもたちが少しでも充実した学校生活を送れるよう、知事として厳しい財政状況ではあるが重点的整備に努めてきた。

 また、新設養護学校の再編整備計画については、学校規模も含め、教育委員会が保護者や関係市町の意見をよく聞きながら責任を持ってすすめており、障害がある子どもたちが充実し、社会参加する力を養える内容となるように期待している。今後とも、厳しい財政状況ではあるが、舞鶴養護学校の建設と同様に、知事として積極的な教育環境の整備に、教育委員会の意見をふまえ努めたい。

【教育長】  南山城養護学校では、これまでから校長の意見を聞きながら、スクールバスや教室などの整備を図ってきたところで、学校においては、児童生徒の状況に十分に配慮しつつきめ細かな教育活動をすすめている。新設養護学校の開校までの間については、現在の敷地での教育活動を基本にして児童生徒が安心して学ぶことができるよう、学校の実状を踏まえ適切に対処したい。

 再編整備計画については、関係市町と協議しながら懇談会や府民説明会等でいただいた意見も参考に検討を進め、総合的な判断の下に作成した。すでに新設養護学校の具現化にむけ、保護者からも意見を伺い、教育内容等について校長会での研究会を行うなど開設年度を見通した計画の準備を進めている。

教育長は、南山城養護学校自らが限界と説明する状態を認識していないのか

【本庄】  南山城養護学校の過密解消についての緊急対策で再度伺うが、教育長は「校長の意見を聞きながら適切に対処する」旨を答弁されたが、南山城養護学校ではいま体験入学や学校説明が行われているが、保護者や療育担当者、障害児学級担任から不安と落胆の声が広がっている。それは、学校から「過密でいっぱい」「満杯だ」と説明されて養護学校に受け入れてもらえないという不安、子どもの成長、学ぶ権利が保障されないことへの落胆だ。事実とすれば、生きる権利にも関わる重大問題だ。そのような学校の説明は承知されているのか。教育条件整備に責任を持つ教育委員会の責任が求められている。教育長、再度答弁願いたい。

【教育長】  ご指摘のような点については、報告が出ていない。必要な対応については適切に行いたい。

【本庄】  報告を受けていないという答弁だが、保護者の方にお聞きいただいたら明らかになる。学校自ら「限界だ」と説明されているわけだから、もはやこの現状をこれ以上放置するわけにはいかない。緊急措置を講じるよう求めておく。また、再編計画の見直しは、城陽市に養護学校を設置することで、養護学校の大規模化、桃山学園の子どもたちの問題も解決できる。現にある城陽養護学校の拡充・活用の検討が必要だ。知事の言われる「経営の視点」とは、学校も「効果的な再編・再整備」と、高校同様に養護学校も切り捨てるものでしかない。子どもと保護者の声に真正面から応えられるよう強く要望する。

新たな寄宿舎の設置、入舎規定の見直し、正規指導員の計画的採用を

【本庄】  次に、養護学校の寄宿舎について伺います。学校教育法の「改正」で、来年4月には、これまでの「障害児教育・障害児学校」から、「特別支援教育・特別支援学校」が施行されます。この最大の問題は、「一人ひとりのニーズに応じた特別支援教育」を標榜しながら、教職員配置基準などの条件整備がなおざりにされていることです。同時に、引き続き「特別支援学校には、寄宿舎を設けなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる」と設置義務を位置づけ、文部科学省も国会答弁で「児童生徒の生活に、非常に重要な役割」と評価しています。寄宿舎設置の各学校では、限られた通年入舎に加えて、緊急一時入舎の予防的対応としての「運用入舎」が取り組まれ、2週間、4週間などの短期間入舎で、教育的にも大きな成果をあげています。

 保護者の一人は、「娘は、身体障害で全介助です。会話も返事程度しかできません。でも、心の中は普通の女の子です。どんどん親から離れていく時期です。1年間の内のたった2週間ですが、寄宿舎にいるときは自分で決めて行動することができ、表情を見ていると、これがどんなに素適なことなのか、よく伝わってきます。帰ってきて直ぐなのに、『来年も入舎する』と楽しそうに言っています。親離れ・子離れは、どの親子も通る道ですが、重度の障害をもった子を人に預けるのはとても勇気がいります。『人に預けるなんて』『母親がずっと面倒を見るべき』という人もいます。でも娘は、どうすれば豊かな人生が送れるかを考え、いろんな人と関わって、体験する方を選択しています。何年生きるかではなく、どう生きるかを考え始めている娘にとって、寄宿舎の充実は最重要課題です」と述べられています。

 寄宿舎のもつ教育的機能の1つは、人を安心させ、育てることです。もう1つは、子育て支援です。この2つの機能は、障害児教育を豊かにする寄宿舎の特性であり、教育力として発展させる課題でもあります。ところが、1978年の丹波養護学校の開校以降、81年の南山城、83年の中丹、そして昨年開校した舞鶴養護学校にも寄宿舎は設置されておりません。加えて、寄宿舎の入舎についても、教育委員会は「通学困難が解消された」ことを理由に、入舎規定の中心に「遠隔地、交通機関等による通学が困難な場合」としています。

 そこでお伺いします。来年度からの「特別支援教育・特別支援学校」のスタートにあたり、「特別支援教育の理念」である「一人ひとりのニーズを把握して、適切な教育的支援をおこなう」ためにも、寄宿舎は必要不可欠な存在となります。そのためにも、「入舎規定」の見直しと充実、南部の新しい養護学校をはじめ、寄宿舎の設置計画が必要だと考えますがいかがですか。また、この機会に寄宿舎に入舎させている保護者の声を聞かれてはいかがでしょうか。

 さらに、寄宿舎教育にとって欠かせないのが寄宿舎指導員の採用試験の問題です。京都では、この13年間1度も採用試験がなく、指導員97名のうち正規職員は69名、そのうち46名が50歳台で7割近くも占めています。その結果、臨時職員は約3割の28名と増えつづけています。

 そこでお伺いします。臨時職員の若い人たちは、意欲も素質もあるのに正規になれない事態が続いています。団塊世代の退職前の今こそ、寄宿舎教育を引き継ぐことが求められており、直ちに採用試験の実施が必要と思いますがいかがですか。

【教育長】  寄宿舎については、遠距離などの理由で自宅から通学できない児童・生徒が支障なく学べるよう設置しているもので、養護学校を増設しようとしている現在、新たな寄宿舎の設置や入舎規定の見直しは必要ないと考える。各学校では寄宿舎の有無にかかわらず、児童生徒の障害の状況等を踏まえ自立にむけた支援活動に取り組んでおり、保護者の方々からはこのような活動をさらに充実して欲しいとの声を聞いており、各学校においてまさに特別支援教育の理念により児童生徒一人ひとりのニーズをしっかりと把握し、地域社会で育てるという視点を大切にしながら、自立し社会参加する力の育成にむけた教育活動をさらに推進したい。

 寄宿舎指導員は、ここ十数年の間に約60名もの寄宿舎生が減少するなか、寄宿舎生の将来見込み等を踏まえ、今後とも長期的展望に立って、計画的に人事管理を行いたい。

【本庄】  寄宿舎については、保護者からも充実が求められており、適切な教育的支援の場として不可欠だ。この際、保護者の声を聞くなど前向きの取組みを求めたい。また、寄宿舎指導員の採用試験を早期に実施されるよう求める。

「同和」の特別扱い、解放同盟への学力情報等の提供はただちに中止せよ

【本庄】  次に、旧同和地区生徒の学力状況等の調査についてお伺いします。八幡市では、八幡市教委が昨年11月に、府南部17市町村の自治体で構成する「山城地区市町村連絡協議会」と「解同」山城地区協議会との統一交渉で、「解同」から請求された05年1学期の「地区生徒の学力状況及び不登校状況と高校・大学進学率」の資料を提出していたことが明らかになりました。そして、わが党市議団が「同和の特別扱いと資料提供」を止めるよう求めたのに対して、八幡市教委は「地区児童生徒の学力等の現状認識を共有するために、教育委員会より資料提供した」と事実関係を認めるとともに、今後の取り扱いについては、「17市町村で協議する」としています。また、同じように、宇治市教委も、「学力実態報告資料」として、中学校1年生から3年生の学力状況を、国語・数学・英語の3教科を5段階評定に表した資料や、不登校の状況などを提出しており、資料によっては対象者が少ないために個人が特定できるものとなっています。

 去る9月定例会・文教常任委員会での私の質問に対して、教育委員会は「詳細は承知していない。高等学校については、実態についての状況を正確ではないが把握している。当然、公表するという内容ではない」と答弁され、さらに、決算特別委員会でのわが党・光永議員の「京都府の回答文書では、数字をあげて回答しているのではないか」との指摘に、「法が切れたから、正確には調査できないが、数値は答えている」と答弁されています。

 そこでお伺いします。このような調査は、差別の固定化となるのではありませんか。また、府教委や市町村教委が、旧同和地区児童生徒かどうかを何によって知っているのですか。誰が認定しているのですか。そして、今後については、不法・不当な調査資料の提供はもちろん、差別を固定化する調査そのものも止めるべきだと思いますがいかがですか。

【教育長】  同和問題の解決については、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律にもとづき策定された国の基本計画において、地対財特法失効後も一般対策の中で取り組むこととしており、その中で、教育問題については、学校、家庭及び地域社会が一体となって進学意欲と学力の向上を促進し、学校教育及び社会教育を通じて同和問題の解決にむけた取組みを推進していくこととされている。こうした基本認識のもと、本府も新京都府人権啓発推進計画の中で、同和問題の残された課題の解決にむけて現行制度を的確に運用して取組みを推進することとしている。

 府教委としても、これらの考え方に基づき、あらゆる教育活動を通じて人権教育を推進するととともに、学力の向上、進学意欲の高揚の観点から児童生徒の学力状況を把握し、きめ細かな指導をすすめる必要があると考えており、これらの取組みをすすめることが同和問題の解決につながると考えている。

 当該児童生徒については、各学校において特別法失効までの状況等をもとに把握しているところであるが、学力状況等の情報管理は十分慎重に取扱う必要があると考えている。

 今後とも、一人ひとりの現状、課題をしっかりと把握する中で、すべての子どもたちの学力向上にむけた取組みを積極的にすすめてまいりたい。

【本庄】  答弁いただいたが、現行制度を的確に運用するということは、旧来の同和対策を続けることではない。この点をハッキリしておかなければならない。人権侵害となる調査や解放同盟への資料の提供は、行政自らによる主体性や中立性の放棄ではないのか。

「同和」の補習学級の実施、特色加配教員の配置の不公平を直ちに是正せよ

【本庄】  次に、宇治市における旧同和地区生徒対象の補習学級が継続されている問題、並びに児童生徒支援加配の配置についてお伺いします。宇治市では、本年度終了の5年間の経過措置として、13の同和対策関連事業が実施され、その中には「補習学級」が実施されています。ある青少年センターでは、小学生は毎週火・水・木・金の週4日間、中学生には火・金の週2日間行われ、その説明では、旧「特措法」時代からの補習学級として位置づけられています。そしてすべて無料、旧同和地区の児童・生徒を対象としています。参加状況は、対象児童・生徒の約4割程度となっていますが、旧同和地区外の児童・生徒が参加した場合には、「説明をして帰らせている」とのことです。センターの担当者は「説明への理解は難しく、参加してはいけないということしか理解していないだろう」とのことです。

 そこでお伺いします。宇治市で、このような旧同和地区児童生徒対象の補習学級が行われている実態をご存知ですか。また、法律的にも「同和地区」がなくなっているにもかかわらず、いまだに旧同和地区児童生徒を特定し、児童生徒に対しても、説明のつかない新たな垣根をつくっている同和補習は、直ちに中止すべきだと考えますがいかがですか。さらに、府教委は旧同和地区児童生徒の学力問題について、いまだに固有の問題だとお考えですかいかがですか。

 加えて、児童生徒支援加配教員の配置と教員の勤務等について伺いします。文部科学省は、いわゆる「地対財特法」の失効に伴い、2002年4月から、新たに児童生徒支援加配教員を配置しました。それまでの「同和加配」「不登校加配」「いじめ・問題行動加配」の3つを統合したものです。文部科学省の「通知」によると、この支援加配は、同和加配教員のような地域を限定した加配ではなく、児童生徒の指導における特別な配慮の必要性に基づく加配であること、したがって、客観的な判断基準の下で指導上の困難度が高い学校から優先的、重点的に定数加配を行うとしています。すなわち、配置の条件は、同和地区があるかないかではないということであり、文部科学省も「目的外使用があれば加配を引き上げる」と説明しています。

 ところが、宇治市のこの青少年センターでは、小学生は、午後4時30分から6時、中学生は午後7時から9時に補習学級が行われ、センターの指導主事、学習指導員らとともに、火・金曜日には小・中学校の教員がその指導にあたっています。また、青少年センターで小・中学校に配置された支援加配教員が、学校の授業持ち時間は他の教員と比較して相当程度軽減され、週のうち2日ほどは、午後から勤務しています。

 そこでお伺いします。小・中学校の支援加配教員が、学校には配置されているものの、授業時間数が軽減されたうえ、文字通りセンターに勤務しています。これは、文部科学省の「通知」に違反する目的外使用となるのではありませんかいかがですか。さらに、京都府内でこのような実態の教員は何名いるのですか。また、加配教員とともに、小・中学校の教員もその指導にあたっていますが、どのような根拠に基づいて、時間外に及ぶ勤務を命じられているのですか。さらに、その手当はどのようになっているのですかお伺いします。

 また、この問題と関わって、加配教員配置の極端な格差について伺います。府教委の場合、文部科学省の加配の整理とは異なり、「へきち学校等暫定」「特に配慮が必要な学校」「教育困難校」「教育方法の工夫実施校」「外国子女・帰国子女対応」「通級指導実施校」に「同和」を加えて、「学校特色加配」に1本化し、「特色ある学校づくり」を行うための取り組みに対して支援するための加配としました。ところが、府内の学校では、「学校特色加配」の名のもとで、旧同和校に対して、従来と同じような加配措置となっているのが特徴です。例えば、八幡市では、同じ14学級の小学校でも、26人の教員が配置されている学校と、19人しか配置されていない学校がつくられ、極端な格差がつくられています。

 そこでお伺いします。このような極端な格差が生じる「客観的な判断基準」を示してください、いかがですか。府教委の「学校特色加配」とは、恣意的な教員配置に道を開くものではありませんかいかがですか。

【教育長】  宇治市における補習について、小中学校における補習は、学校の設置者である市町村の教育委員会が児童生徒の学力の向上に向けて、その権限と責任において取り組まれており、個々の実施状況等については把握していないが、児童生徒の実態、課題に応じて当該委員会が積極的に判断され実施されていると考えている。

 児童生徒支援加配教員の配置については、府教委しては、広く学校特色加配として一律な基準により配置するのでなく、市町村教育委員会から、学校における児童生徒の学力の状況、教育指導の状況等を十分に聞く中で、必要に応じて配置している。

 これらの加配教員は、家庭、地域、関係機関との連携の中で、学校内外における様々な教育活動に従事しているが、学校以外の施設の職員として勤務したり配置したりしているような事例はない。また、小中学校教員の勤務については、市町村教育委員会において適切に管理されているものと考えており、時間外における勤務についても法令等に基づき適切に取扱われているものと考えている。

 青少年センターでの目的外の勤務は事実。府教委は責任を持って対処せよ

【本庄】  学力問題での固有の問題は成り立ちません。新たな差別を生み出す「同和補習」はただちに中止すべきではないか。また、特色加配教員の問題だが、青少年センターに勤務していることは事実であり、文科省の通知からも目的外使用であることは明白。その上で、把握していないというなら実態を把握すべきだ。それから、教員の配置について、一律基準がそぐわないということであれば、それでは学校によって格差をどんどんとつけていくというやり方を教育委員会が進めようとしておられるのか。客観的な判断基準を示すことこそ重要だと考える。該当校の教員の時間外勤務の問題についても、府費負担教員が該当校にいる以上、責任を持って府教委として対処すべき。再度伺う。

【教育長】  国の基本計画、あるいは本府の人権啓発推進計画に基づき、引き続き同和問題の解決のために補習等の必要があれば、取組みを進めていきたい。さらに青少年センター勤務の問題であるが、これは宇治市の問題であるので、もしご指摘のような不適切な事例があるとすれば、私どもの責任において把握したい。教員配置の問題は、各市町村のご意見、ご要望によって対応していきたい。

【本庄】  府民や保護者の願いは、どの子へも分け隔てなく行き届いた教育をして欲しいということだ。教育長の答弁で、不適切な事例があれば把握したいということであるし、同時に、補習については、私どもは、学校の教育活動として勤務時間内に適切に行われることは必要だと考えるが、勤務時間外に何の保障もないこういう補習を行うこと自体が時代遅れだと申し上げておきたい。

 決して、子どもと学校に格差をつけることを府民は求めていない。この点、公正、民主的な教育行政の役割を果たしていただくことを強く求め、質問を終わる。