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本会議質問

2月定例会 久守一敏府議の一般質問

2007/02/13 更新
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耐震診断や耐震改修の促進と支援制度について

【久守】  日本共産党の久守一敏です。先の通告により知事並びに関係理事者にお伺いいたします。

 まず、耐震診断や耐震改修の促進と支援制度についてです。

 多くの犠牲を出した阪神・淡路大震災から12年が過ぎました。国の中央防災会議は、京都府下の各地で震度7、広範な地域で震度6強になる震度分布図を公表し、大規模地震の発生確立も高まっているとしています。

 昨年、建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正・施行され。政府は、「耐震化の目標」を「住宅と、学校・病院・百貨店、事務所などの特定建築物の耐震化率を2015年までに少なくとも90%へと引き上げる」としました。本府でも「耐震改修促進計画」を作成し、耐震化率を同様に引上げるとしています。計画と目標を持って対応することは重要ですが、問題はこれを保証する制度をしっかり確立することです。何よりも府民の命と暮らしを守る、まちづくりや支援が必要ではないでしょうか。

 私どもは、これまでも府民の暮らしや生活の中心である住宅への耐震診断の支援、府民が使いやすい、使える制度を繰り返し求めてきました。2004年9月議会では、前窪議員が、滋賀県が耐震診断・改修の目標をきめて取り組み始めたことを紹介し、耐震診断補助や木造住宅の耐震改修促進のための補助制度を提案しました。また、昨年9月の私の代表質問でも、静岡県の先進例を具体的に紹介し、助成制度の創設と耐震改修の促進を求めました。知事は、「耐震対策は府民の安心・安全にとって重要」「密集市街地内の木造住宅などから重点的優先的に助成する制度や府独自に伝統工法の減災につながる支援策を検討しているところ」と答弁され、今議会に、あらたに「木造住宅耐震改修助成事業」が提案されています。地震による住宅倒壊の被害から府民の命と暮らしを守る施策として歓迎するものです。

 そこで提案された内容について、お伺いします。

 一つには、今回の補助が「密集市街地」1ha当たり30棟以上に適用されること、床面積が240平方メートル以下に限定していることです。被害が大きくなる点では、密集地ほど可能性が高くなることは当然ですが、旧耐震基準以前の住宅は府下全域にあり、被害を受けることに変わりはありません。府民の命と暮らしを守る視点で、「密集市街地」「面積」要件をなくし、すべての住宅を対象にすべきです。いかがですか。

 また、寝室や居室・台所などの一部改修についても検討課題とされてきましたが、前向きの検討が必要ではないでしょうか、いかがですか。

 二つには、所得税控除の問題です。府の提案では、対象事業額が120万円で、府および市町村補助が2分の1の60万円ですが、国が実施をする所得税控除を差引き、結局48万円です。徳島県では、税制支援とあわせて80万円を超える助成とし、固定資産税の減額措置も実施しています。  耐震改修の負担は大きく国や府の支援は欠かせないものです。格差の拡大や住民所得の減少の中で、耐震改修の促進には国の制度に上載して実施すべきです。いかがですか。

 三つには、知事が答弁された、府独自に伝統工法の減災につながる支援策の検討についてです。今回の提案には、これが含まれていません。市町村や専門家と十分協議し、すみやかな実施を求めるものです。いかがですか。

 次に、今回対象となっていないマンションなどの支援について伺います。本府内で、古い耐震基準によって建てられたものは、2万から2万5千戸余り、全体の34%で、全国的にも高いクラスと言われています。それだけに、耐震改修促進は重要な課題です。ただ、マンションの改修には、木造住宅よりさらに多額な費用負担とともに、住民の合意形成が必要です。本府が実施をしている集合住宅の耐震診断の利用実態はすくなく、住民の合意形成の難しさや制度の活用の困難さを示しています。

 私は、建築後32年経過した、4棟380戸の分譲マンションの耐震診断報告会の内容をお聞きしました、調査の結果は、著しく地震耐力が不足しており、大規模な補強が必要であるとの報告でした。報告会の住民からは、「あと後10年したら建替えだ、そんな大変な補強工事等必要ない」「高齢化が進む中、住民合意は不可能だ」等の激しいやりとりがあり、1棟の簡易診断は、構造計算書や図面をもとに約300万円、概略補強で約2億円はかかると診断され、4棟では約9億円が見込まれました。

 困難を抱えるマンションの耐震改修について、管理組合の役員さんや専門家の人たちは、「行政の補助は、マンションが耐震診断・改修をすすめるうえで強い後押しになるし不可欠」と指摘しています。

 そこで二点伺います。一つは耐震改修助成です。いま全国で、制度をもっているのは、阪神大震災で一番大きな被害を受けた兵庫県を始め東京、埼玉、神奈川、静岡、大阪、福岡などの自治体です。制度の進んでいる横浜市では、1603棟の簡易診断、77棟の精密診断と旧耐震の88%が診断を終了しています。それでも、住民合意の難しさ、過大な負担や支援策の不足で耐震改修は進んでいません。

 耐震改修の合意の上でも、管理組合や住民が利用しやすく負担軽減につながる耐震改修助成制度をつくるべきだと考えますが、知事の見解をお聞かせください。

 二つ目は、耐震改修に向けての合意形成をすすめるうえで重要な役割を果たすアドバイザーの養成と派遣についてです。

 マンションの相談について私どもが委員会や本会議質問でお伺いしても、住宅供給公社で専門家により相談を実施しているとの答弁が繰り返されてきましたが、その実績は、簡単な相談は電話やホームページでの対応、弁護士や建築士相談は平日に時間を合わせて来所という状況で、使いにくい制度との声です。

 東京都では、管理の講座や相談、建替え検討書の作成等に派遣制度があり、神奈川・大阪・兵庫等でも実施されています。

 そこで本府も無料の、管理の講座や相談、検討書の作成の派遣制度など、住民の合意形成と診断・耐震補強に向けたアドバイザーの養成と派遣を実施すべきです。いかがですかお答えください。

【知事】  耐震改修の助成についてですが、建築物の耐震対策は府民の安心安全を確保する上で大変重要な課題であると考えています。先日の代表質問で林田議員にもお答えしましたとおり、今年度から、平成27年までの間を期間といたしまして、現在74%である住宅の耐震化率を90%に引き上げることを目標とする耐震改修促進計画の最終案をいま取りまとめている。耐震化を進めるためには、木造住宅、耐震化率が55%と少ないために、従来から市町村連携をした、耐震診断事業や耐震診断フェアを実施するとともに、安心安全のリフォーム融資を行ってきた。そうした中で、特に地震が発生した場合に道路をふさいでしまい、救助や非難活動が非常に難しくなる。そういう恐れのあるところ、そしてそこからまた、都市火災の危険性のある密集市街地内の木造住宅については、優先をして改修助成に取り組むことが必要でありますので、このために密集市街地の防災力を高めるため、今回新たな補助制度を設けることとした。そしてその場合に、一般的な木造住宅の規模では、このくらいが上限と考えられております、延べ面積の240平米までの木造住宅について、今申しましたような要請をふまえ、建物全体を耐震基準に適合させる改修工事への助成を行うこととし、必要な予算を議会にお願いしている。

【土木建築部長】  耐震改修助成制度については、改修工事を行った場合に国による所得税の還付が制度化されております。こういったことを踏まえまして、住民の負担に差が生じないように税の還付額、それから助成額の合計が同じになるよう処置をすべきものと考えております。それから、伝統工法によって建てられた住宅の耐震対策につきまして、耐震診断や文化的景観的な価値を残す改修工法等、研究すべき課題がありますことから、市町村、大学の研究者等々とも連携をしながら引き続き検討をしてまいりたいと考えております。マンション等については、耐震改修の促進に向けて市町村と連携した診断の助成制度を今年度すでに創設をしたところであります。マンションに対する耐震改修助成のあり方につきましては、引き続き検討していくこととしている。なお、マンションの耐震改修に対するアドバイザーについてですが、すでにマンションの管理に関しまして、包括的にアドバイスできるマンション管理士が、制度化されております。京都府もこれまでからマンション管理士団体が行う制度普及活動を支援することで管理組合等の制度利用をはかっている。

【久守】  知事は安心・安全第一だ、そして府民の命を守っていくため、木造住宅から実施していきたいと答弁をいただいた。私もその部分については評価をしているわけですが、やはり府民全体の目線で見て頂きたい。どの地域に住んでいても、その制度が利用できることが大事だと思いますのでぜひ検討をして頂きたいと思います。

 また、同時に国の制度そのものは2003年から施行されておりますので、耐震診断の問題、耐震改修の問題、独自の施策とともに府がやっぱり上乗せをしていく、そして府民の命、暮らしを守っていくと言う姿勢が必要だと指摘しておきます。

 また、伝統工法の問題ですが、兵庫県の三木市の実物大振動実験所で現在京大防災研究所や、NPOが町家在来、そして京町家の実験を繰り返しこの間行なわれて来ました。このような成果をしっかり受け止めて頂き、民間の方々とも協力して頂き、早期に実施して頂きたいと要望して次の質問に移らせて頂きます。

京都府の入札制度の改善と、公契約条例制定について

【久守】   次に、本府が発注する建設工事や測量業務等の入札についてです。

 本府は四月から、入札を全面的に「電子入札」にするとして作業をすすめています。これまでは建設工事では2500万円以上、測量等業務委託では500万円以上で実施されていた電子入札を、金額の制限をなくして、すべての工事、委託にひろげようとするものです。業者の中には、電子入札はすべてをパソコンで処理することが必要となり、入札に参加できなくなるという不安の声もあります。また、本府の調査でもパソコンの一人一台体制や情報通信基盤の現状、小事業所でのCAD未導入問題も指摘されており、事業者には大きな負担です。

 もちろん、業者の皆さんには、当然、研修や受け入れ態勢などの援助をされていると思いますが、全てにできる保証はありません。

 そこでお伺いします。早急な「電子入札」の全面導入は、当面見合わせ、書面による入札も認めるべきだと考えますが。いかがですか。  昨年、府内の倒産件数は、485件、負債総額3,054億円となり2001年以降で最悪です。業種別では「建設業」が7年連続して最多となり、30%以上の増加となっています。

 いま、中小建設業者の倒産が増え、そのうえ、全国的にきわめて低い価格での発注が相次ぎ、過当競争の中で中小業者が受注機会を失う、建設労働者の低賃金化や労働環境の悪化も指摘されています。これらの問題を解決していくためには、入札制度そのものの改革が必要です。

 本府の場合は、2003年度から2005年度で93.7%が指名競争入札となっており、「小規模事業登録制度」なども実施されておらず、談合防止や透明性・競争性・公正公平の確保、受注機会の確保といった全国的な改革の流れには至っていません。また、実施がされた一般競争入札の場合も05年度は100%、06年度公表分で83.3%が府外業者の落札となっており、「条件付入札」等での地元業者支援等が求められています。

 この間、長野県では、大型公共事業の見直し、公共事業の生活密着型への重点化などに取り組む中で、入札制度改革にも着手し、一定の成果をあげています。その一つに、500万円未満の小規模工事を対象とした「参加希望型競争入札」を始め、05年からは800万円未満まで引き上げました。その結果、これまでほとんど県の仕事をやったことのない企業が落札できるようになり、この制度に基づく発注額が年々増加し、発注総額が6千万円から14億9千万円と24倍になり、地元の小規模事業者に歓迎されています。

 さらに、一定の能力など条件が合えば誰でも参加でき、開札まで誰が参加しているか分からない「受注希望型競争入札」を導入し、災害支援や除雪、道路維持、雇用問題などの地域用件や地域貢献を独自評価する新客観点数を決めて、県外からの参入を抑え、県内中小建設業者の仕事確保と談合防止が図られたと評価されています。鳥取県でも2月議会に談合防止・ダンピング対策・地元業者発注の入札制度改善条例案が提案されています。

 本府としても、透明性、競争性、客観性、公正・公平の条件の確保し、より多くの府内中小業者の仕事確保のために、「条件付一般競争入札」などを採り入れるべきだと考えます。いかがですか。

 次に、極端な低価格による入札は、粗悪な手抜きや見落とし、下請け業者の代金や労働者の賃金切下げ、労働条件の悪化などの問題についてです。私は、こうした事態を招かないために、公共工事における公契約条例の策定について求めてきました。

 府は、これまで「現場の労働者の方々にとって極めて厳しい状況であると考えているが、現行の諸法令を活用する中で適切な指導で必要ない」と述べられてきました。

 しかし、府内の建設労働者のアンケート調査では、日本経団連統計の全産業平均賃金の30、412円はいうにおよばず、公共工事設計労務単価の17、662円の水準からも著しくはなれている14、672円から17、575円の状況で青年見習い工では1万円にも届かない者も多数あり、現場の実態はさらに低いものになっています。

 昨年秋に府内の建設関連労働組合等でつくる、生活関連公共事業推進連絡協議が現場の調査を行いました。国交省の現場では、土工賃金が日額12、000円~13、000円と低く、給与所得者でも年収で360万円程度でした。

 府の現場では、下請け契約で、現金3割、手形7割で125日支払い、前受金はなしといった実態でした。

 京都市の現場では、施工体系台帳の労務費単価契約で、1次下請けで2万円、2次下請けが1万7千円、3次下請けでは1万3千円とピンハネが前提です。まさに生活の維持困難な低賃金・長時間労働の押しつけがされており厳しい労働環境です。こうしたコストダウンの圧力が、建設産業の重層下請け構造の中で、価格競争により施工系列の末端で作業する労働者や技術者に押し付けられています。

 せめて公的資金の支出によって行われる公共工事おいて、末端で働く労働者や技術者に適切な労働条件と賃金を確保できる事、とりわけ地域の標準的な生活賃金の水準を確保できる事が建設産業の雇用安定と後継者育成、品質確保に不可欠です。

 そこでお伺いします。公正・適正賃金、労働条件や労働環境、各種法制厳守を明記し、公共事業の入札時の適正・義務化を明確化や、建設産業の公正公平を確保にも、公契約条例がぜひ必要と考えますが、いかがですか。

 あわせて現場の労働条件に関連して、建設業退職金共済制度の指導についてお伺いします。

 現場調査では、ダンプ運転手の一人親方は制度外対象者だと思われ声もかかっていません、証紙購入も、工事費の1、000分の0.8と「証紙購入の考え方」算出方法より低い状況でした。ちがう現場では、証紙が購入されていても、下請けからの請求がないと貼付しておらず、制度の現場説明もなく、すべての現場労働者が適応外とされていました。

 公共事業費の中には、退職金共済は含まれています。あらためて、建設業退職金共済制度の周知徹底と労働者への広報などの強化が必要だと考えますが、いかがですか。また、民間の現場の労働条件の向上にも適応されるように、指導援助が必要だと考えますが、いかがですか。

【土木建築部長】  電子入札については、平成16年度末に試行を開始し、平成17年度は5000万以上、18年度は2500万円以上と順次対象を拡大してきており、本年4月からは、全面実施することとしている。これら拡大スケジュールは、導入当初の平成16年度から広報しているところである。尚、拡大のたびに、説明会、模擬入札などを実施するなどをし、中小零細企業の皆さんに配慮している。

 府内中小建設業者の仕事確保については、本府では、これまでから特殊な技術を要する工事を除き、府内業者を対象とした競争入札を実施してきた。

 公契約条例については、労働者の賃金、労働条件、労働環境等については、現行の建設業法等関係法令を活用する中で、引き続き適切な指導を行っていきたいと考えている。

 建設業退職金共済制度については、府が発注する工事においては、本制度の活用を契約条件である仕様書に明記するとともに、工事契約後1ヶ月以内には、必要とされる証書の購入を義務付けている。また、工事現場においては、建退共加入標識の掲示を義務付けるとともに、労働者への周知を図るとともに、建退共実績報告書を工事完成検査時に確認することなど、証書の貼付の普及徹底をはかることとしている。さらに、民間現場に関しては、これまでから労働者保護の観点から、府内の労働者が安心・安全に働ける労働環境の整備に向け、関係者との連携により、制度の周知に努めている。

【久守】  答弁をいただきましたが、現場の状況をほんとにわかっておられない。今、私お話したのは、国や府や市の実際おこなわれておる現場の調査の実態なんですね。そこで賃金が12000円とか13000円。また証紙の問題についてまったく説明がされていない。貼付率がゼロと言っているわけなんですね。こういった実態があるなかで、そういったものにしっかり応えるのが府の責任だというように思います。

 また公共事業の現場その他でも、例えばJV一社が倒産をして休眠状態になっている、やりくり大変な状態のなかでやられている、こういった現状があるわけですから、そういったことをしっかりと府が管理をしていただいて現場の労働者・技術者の労働条件、経済状況をしっかり見守っていただく、という具合に思います。そして次の質問に入らせて頂きます。

城陽市の山砂利跡地問題について

【久守】  次に、城陽市の山砂利跡地へ産業廃棄物の建設汚泥が「再生土」として搬入された問題についてです。

 本府は、今月9日、業者に指導するとしていた「覆土処理」の方針を、地元の反発を受け、凍結すると発表しました。わが党は、今月5日、「覆土処理」方針の撤回を申し入ましたが、住民の不信と不安が高まるなか、今回の凍結方針は当然です。そこで、このことにかかわって伺います。

 第一に、今月7日、府が行ったマスコミへの経過説明で、「05年当初は撤去を求めていたのに、拒否され、覆土に方針転換した」とされていますが、本議会では、「撤去を求めた」経過について、一度も報告されていません。また、これまで産廃と認定した以上撤去させるべきと、再三求めたのに対し、こうした経過は答弁されませんでした。

 府議会には事実経過を隠していたのですか。まず事実関係を明らかにしていただきたい。

 第二に、記者会見で、撤去命令を出せなかったことについて、「どれが産廃か特定できなかった」、「業者に足元を見られた」などとしていますが、本議会には、3000台分は産廃と認定したと報告してきたのではありませんか。なぜ、こんな事態になるのかお答え下さい。

 第三に、設置される「検証委員会」は、「覆土」を前提にすべきではありません。撤去を求める城陽市議会の決議や市民の声はどう反映されるのか。明らかにしていただきたい。あわせて、あらためて完全撤去させるよう求めますが、いかがですか。

【企画環境部長】  平成17年5月に、産業廃棄物の不適正処理で係争中の京田辺市事案と同様の再生土が、城陽市の山砂利採取跡地に搬入されていることが判明し、直ちに搬入を中止させるとともに、法に基づき、現場への立入検査、事業者への事情聴取等を実施いたしました。

 あわせて土壌検査を実施したところ、望ましい水準として環境基準に定める、法定26項目すべてについて基準を満たしていたものの、アルカリ濃度を示すペーハー値が比較的高い値を示しておりました。府民、市民の安全確保の見地から、最大限とり得る措置を検討するため、環境省及び専門家と協議を重ねるとともに、事業者に対しても、法律上の限界ぎりぎりの安全対策の可能性について、指導を続けてきた結果、撤去等の措置命令の根拠である廃棄物処理法第19条の5に規定する「生活環境の保全上支障が生じ、または生じる恐れがあると認めるとき」には該当するとは言いがたいとはされたものの、安全確保の見地から、行政指導によりまして、覆土の措置を行わせることが適当との判断に立ったところであります。

 昨年5月にその結果を城陽市に連絡したところ、「さらに万全を期すため、城陽市において独自の調査を行いたい」旨の申し入れがあり、これを見守っておりましたが、先月9日に、市の土壌検査の結果が、府と同様であり、覆土が妥当である旨の市の調査結果を踏まえた回答をいただいたところであります。

 しかしながら、先般、城陽市と協議したところ、産業廃棄物を搬入させない今後の取り組み、あるいは地下水汚染の関係等の件について、いまだ市民や市議会の十分な理解を得たと言える段階ではないと判断し、府、市及び専門家による「再生土に関する検証委員会」を設置することを、城陽市に提案したところであり、今後、市議会や市民との情報、協議のもと、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

 事業者に対する措置でありますが、違法行為は断じて許さないという立場から、搬入された約16000台の再生土のうち、3000台分について、不適正処理と推定できたので、直ちに産業廃棄物と認定し、昨年5月に、廃棄物処理法違反で、城陽警察署長に告発したものであります。

【久守】  私が質問させていただいた経過の説明や、なぜ答弁の中で経過の報告がなかったのか、そういうことには答えておられないと思います。3点について、私は質問させていただきました。しかし、府民の目線、現地現場主義、安心安全と繰り返し、知事は府議会答弁の中で言われていますが、今回の答弁を聞いていますと、そういった観点がまったく抜けているのではないか、というふうに思います。府民の命や暮らしを守る、・・それが知事の仕事だと思いますし、そういった視点で今後の精査、運営をしていただくことを期待いたしまして、私の質問を終わります。