資料ライブラリー

本会議質問

9月定例会 前窪義由紀議員 一般質問

2007/09/27 更新
この記事は 18 分で読めます。

淀川水系のダム問題 ダム建設復活の根拠を全面開示し、十分な議論を保障せよ 【前窪】日本共産党の前窪義由紀です。通告している数点について、知事ならびに関係理事者に質問します。 まず、淀川水系のダム問題です。

 国土交通省近畿整備局は8月28日、淀川水系河川整備計画原案を発表し、琵琶湖周辺で計画中の5ヶ所のダムの内、4ヶ所について建設の意向を明らかにしました。 天ケ瀬ダム上流の大戸川ダムは、凍結方針を撤回し、異例の復活建設を打ち出しました。また、宇治川に1,500トン放流を可能にする天ケ瀬ダム再開発は、ダムの左岸側の山に、延長約600メートルもの巨大なトンネルを掘り、毎秒600トンを新たに放流する計画となっています。 大戸川ダムは1968年、利水、治水、発電を目的に計画されましたが、大阪府、京都府などが、相次いで利水から撤退、治水面でも淀川本流での洪水調節能力は低いとして、05年7月近畿整備局が、凍結表明していたものです。根拠データを示さないまま、たった2年で方針転換しました。   淀川水系流域委員会は4年前、「ダムは原則建設しない」と提言しましたが、当時の委員長だった、今本博健京大名誉教授は、「計画案では、ダムの必要性を示すデータが示されていない。提言を無視していると言わざるを得ない」と憤慨しています。 河川法改正から10年、新河川法の理念を生かして、6年間で実に500回以上の審議を重ね、住民意見の反映でまとめ上げた「提言」をどう受けとめているのか、近畿整備局の原案からは、うかがい知ることは出来ません。 そこでお聞きします。本府として、今回の原案をどう評価していますか。お答え下さい。 また、原案について、幅広い十分な議論を保障するために、ダム建設復活の根拠データ等を全面開示すること、さらに、今年度中に最終案をまとめるとしていることから、時間的制約を理由にした結論の押し付け、建設の見切り発車は絶対にしないことなど、近畿整備局に求めるべきと考えますが、いかがですか。 天ヶ瀬ダム再開発は、宇治川の環境・景観破壊、堤防決壊の危険性が高いとして、地元に根強い見直しの意見があります。また、1兆9千億円を投入した琵琶湖総合開発事業も完了し、琵琶湖沿岸の浸水被害も大きく軽減されていることから、洪水後期の琵琶湖の水位を速やかに下げるための、1,500トン放流には説得力がありません。まして、これまで示してきた既存施設の活用で、放流量を増やすという方策には何も触れず、当初のトンネル方式に戻ったことは理解できません。府としても大きな財政負担を伴う、トンネル方式の1,500トン放流について、近畿整備局や再発足した淀川水系流域委員会に、再考を求め、意見を上げるべきです。いかがですか。    【知事】淀川水系のダム間題についてでありますが、最近は、これまで経験したことのないような猛烈な豪雨による被害が全国各地で毎年のように発生しており、治水対策は今までにない局面を迎えつつあると感じております。それだけに、淀川水系の河川整備についても、中流地域の京都府にとって、防災対策上大変重要な問題なだけに府民の安心・安全の確保を最優先に臨んでまいりました。 去る8月28日に近畿地方整備局から公表された淀川水系河川整備計画原案につきましては、年度内の整備計画の策定に向けて、学識経験者や関係住民の幅広い意見を聴き、議論を進めていくためのたたき台として示されたものであります。 しかし大戸川ダムや天ケ瀬ダムなどについて、治水上の具体的なあり方や事業計画、さらには費用負担等の詳細については、まだ、一切示されていないために、この原案に至った理由も含めて、きちんとした説明を国に求めていくこととしております。 私どもといたしましては、その説明を踏まえ、京都府として府域の安全確保を最優先に大阪府、滋賀県そして関係市町村と連携をして、国と協議していきたいと考えています。

宇治川右岸で発見された大規模な護岸遺跡「大閤堤」の 史跡指定や保存の検討を 【前窪】この際、宇治川にかかわって要望しておきます。9月5日宇治市教委が、宇治川右岸で大規模な護岸遺跡が見つかったと発表しました。現地説明会も開催され、大きな反響を呼んでいます。この護岸は、豊臣秀吉が伏見城築城の際に築いた「太閤堤」の一部と見られます。宇治川を付け替えて、伏見城へ導いた秀吉の大事業の一部が姿を現したもので、宇治市教委は、「当時の大規模な治水の実像を具体的に知ることができる、全国的にも数少ない一級の発見」としています。この発掘現場には、マンション建設が予定されていることから、「何とか保存できないか」の声も次々寄せられています。本府として、宇治市とも連携し、史跡指定や保存について検討していただくよう、強く要望しておきます。

地震対策について 木造住宅の耐震化を急ぎ、制度のいっそうの拡充を 【前窪】次に、地震対策についてです。 7月16日の中越沖地震では、老朽化し耐震性能が落ちていた住宅が、狙い撃ちされるように倒壊し、死者11人中9人が、建物の下敷きになりました。耐震基準に満たない既存住宅の耐震化が、減災に向けた最大の課題だということを、再認識させられました。 「改正耐震改修促進法」が06年1月に施行され、木造住宅の耐震改修に、補助金を出す自治体は、全国で29%と年々進んではいます。しかし、補助金で実際に補強されたのは、全国で13,000戸程度です。進まない原因の一つが、工事費が平均120万円、補助金は20万円から60万円程度の自治体が多く、かなりの自己資金が伴うことが、大きなネックとみられます。現行補助制度の周知徹底はもちろん、いっそうの拡充が求められています。 そこで伺います。本府でも今年度、木造住宅耐震改修補助金制度をつくりましたが、市町村が実施しなければ活用できません。今年度の実施見込みは、城陽市、長岡京市にとどまっています。実施困難な市町村を支援し、耐震助成制度の普及を急ぐべきと考えます。いかがですか。また、国が示す2,015年までに、90%の耐震化の目標の達成については可能だとお考えですか。国に制度改善を求めると同時に、本府としても、工事費の上限・補助率の引き上げ、密集市街地の緩和など、使いやすい制度に改善を図るべきと考えますがいかがですか。お答えください。 また、10月1日から、「緊急地震情報」の一般提供が始まります。古い住宅でも、部分的な耐震補強で、家の中に安全な場所を造っておけば、緊急地震情報が出てから、大きなゆれがくるまでの時間の余裕を生かして、逃げ込むことが可能になり、人的被害を軽減することが出来ます。簡易で安価な住宅の部分的な耐震補強、個人住宅用の耐震シェルターなどにも、公的支援を実施することが、新しい緊急速報システムを生かすことになると考えます。いかがですか。 【土木建築部長】地震対策について、京都府においてはこれまでから、市町村と連携した耐震診断事業等を通じて、府民への啓発に努めてきたところであり、本年3月には、平成27年における住宅の耐震化率を90%にすることを目標とする耐震改修促進計画を策定し、今年度、木造住宅耐震改修助成制度を創設したところです。 住宅の耐震化を円滑に進めるためには、それぞれの市町村において耐震改修促進計画を策定して頂くことが重要であることから、京都府としては、計画のモデルをお示しをするなど、市町村に対する支援を行い、事業の一層の促進を図っております。 また、国に対して、これまでから住宅・建築物耐震改修支援事業の要件緩和について要望を行っているところであり、耐震改修が促進されるよう、今後とも必要に応じて制度改善を求めていく考えです。今後とも、市町村とも十分に連携しながら、計画目標の達成に努めたいと考えています。 なお、地震対策は、自助、協助、公助、それぞれの役割がある中で、密集市街地における耐震性の低い木造住宅は、地震発生の際に倒壊して道路を塞ぎ、避難や救護の妨げになる恐れがあること、或は都市火災の起点となる危険性が高いことから、京都府としては、まずは、部分的な耐震補強ではなく、建物全体の耐震化を優先的かつ重点的に支援していきたいと考えております。

市町村を支援し、学校施設の耐震化を急げ 【前窪】次に、学校施設の耐震化です。先日、長岡京市の14の小中学校の校舎や体育館66棟のうち43棟も、耐震補強が必要だと、市の調査結果で明らかにされました。宇治市でも小中学校の耐震診断の結果、198棟の内88棟が耐震強度不足となっています。 府内の耐震化率は07年度で、小中学校66%、その内、京都市が80.6%です。府立高校は60.9%となっています。中越沖地震では、避難場所に指定されている体育館が被災し、避難者が別の避難場所に急遽移動するという事態もありました。子ども達が日中の大半をすごすことも考えると、学校施設の耐震補強は待ったなしです。 小中学校の耐震化については、京都市内に比べ、府内自治体の整備が遅れ、地域間の格差が大きく生じています。取り組みが遅れている市町村を支援し、耐震化を急ぐべきでありませんか。 また、府立高校の耐震化は、IS値0.3未満の施設を優先するとしていますが、計画の前倒しを図り、   IS値0.7未満の耐震改修も計画的に実施すべきと考えます。合せてお答えください。 【教育長】小中学校施設の耐震化についてでありますが、各市町村では、耐震診断調査をほぼ終え、その結果を踏まえて施設整備計画を策定し、計画的な耐震化に取組まれているところです。 府教育委員会といたしましても、市町村の財政状況が厳しい中で、小中学校の耐震化が着実に進むよう、国に対して交付金などの財政措置の充実を強く要望するとともに、府立学校における耐震化で培った技術的なノウハウの提供にも努めているところであり、今後とも、引き続き市町村の取組を支援して参りたいと考えております。 また、府立高校の耐震化についてでありますが、耐震化が急がれる建物について、概ね5年を目途に整備・改修することとし、昨年度から従来の約2倍となる予算を御議決いただき、現在、耐震性の低いものや特別支援学校の施設を優先して改修を進めているところであります。 更に、IS値が0.3以上の施設につきましても、高等学校再編等の整備と併せて耐震補強を行うなど、可能な限り前倒しに努めているところであります。 今後とも、学校施設が生徒の学習や生活の場であるとともに、地域住民の応急の避難場所となることから、計画的な耐震改修に努めて参りたいと考えております。

市町村と連携し、地域防災計画を早急に具体化せよ 【前窪】災害時の要援護者への支援については、昨日答弁がありました。 本府の地域防災計画では、震災発生時時の要配慮者の安否確認について、「市町村は、府と連携し、自主防災組織等の協力を得て、地域の要配慮者マップに基づき各戸訪問、状況を確認する」となっています。対応が後手に回ることがないよう、市町村と連携し、個人情報保護に十分配慮した上で、要援護者名簿を作成すること、消防団、自主防災組織などとの情報の共有、連携の強化を図り、地域防災計画を早急に具体化するよう要望しておきます。

山砂利採取地や採石場への産廃等の持ち込み問題について 地下水・土壌調査を徹底し、汚染原因の究明を 【前窪】次に、山砂利採取地や採石場への産廃等の持ち込み問題について伺います。 城陽山砂利採取跡地に、大阪の産廃処理業者が、10トンダンプ16,300台分の建設汚泥を「再生土」として、持ち込んだことで、地下水汚染など市民の不安が深刻になっています。 事の発端は、京田辺市の農地に未処理の建設汚泥を不法投棄したとして、逮捕、起訴された同じ業者が、裁判で「城陽山砂利採取地に同じものを搬入しているが問題になっていない。だから産廃でない」と証言したことから表面化したものです。 昨年5月、府は、3,000台分を産廃と認定し、告発しましたが、同時に撤去でなく覆土措置の方針を示しました。これに城陽市民が反発し、昨年6月市議会では、全会一致で撤去を決議するにいたりました。その後、「たかがアルカリ」など、府幹部の軽率な発言が、市民感情を逆なでし、一気に行政不信が広がったのです。この声に押され、府は、覆土方針を撤回し、再生土問題に関する検証委員会を立ち上げ、現在まで5回開催されています。 そこで伺います。検証委員会に臨む本府の姿勢です。委員会で城陽市側は、検証委員会はゼロベース、撤去も覆土もない一からの再検討のはずと述べているにもかかわらず、本府は、当初から覆土措置の検証、追認を求める姿勢に終始していることが、マスコミにも報道され、傍聴した市民からも、これについて大きな批判が高まっています。 本府と城陽市の姿勢の違いはなぜ生じているのですか。検証委員会は、ゼロベースで立ち上げたのではありませんか。明確にお答え下さい。 再発防止のためにも、現に持ち込まれた産廃等の完全撤去が必要であり、市民の切実な声であります。本府は、現状追認を求めることではなく、この声を真剣に受け止めるべきです。 加えて、本府が産廃と認定した3,000台分についてです。「産廃を搬入しない」というのが、山砂利整備公社を構成する京都府、城陽市、砂利採取業者の「合意事項」であり、市民への約束でもあります。搬入した3ヶ所の現場は特定されているのですから、業者の責任で撤去させるべきです。強く指摘しておきます。 いま、市民が何よりも心配しているのは、環境基準を超えたヒ素や水銀が、砂利採取地内の井戸や調整池にとどまらず、それ以外からも継続して検出されていることにあります。市民の水道水として8割も使われている地下水の安全性に不安が広がっています。それなのにチェックが手薄な、深夜・早朝に1日50台ものダンプが運行するなど、埋め戻しは継続されています。これ以上の汚染をくいとめるために、埋め戻し事業をいったん中止し、砂利採取地全域の地下水・土壌調査を行うなど、徹底的な汚染原因の究明が必要ではないかと考えます。決意を伺います。 問題の根本は、現在の山砂利採取地の埋め戻し事業がこれで良いのかということです。この40数年間、城陽の東部丘陵地で大量の砂利を採取し、広大な自然を破壊した挙げ句、20年ほど前からは、採取した巨大な穴だらけの跡地を、埋め戻して更地にし、再利用しようとしているわけです。大部分は業者の私有地であり利益を得るのは業者だけではありませんか。市民は、大量のダンプ通行、地下水汚染など、被害を受けるばかりです。 府、市、業者で「整備公社」までつくり、なかば公的に行われている埋立て事業そのものが問われています。外部から大量の残土等の持込みによる埋立て方式を見直し、採取地内での土砂移動による整備などを、検討すべきだという意見も強く出されています。 山砂利を深く掘りつくしては埋め戻しをする、こんなことをいつまで続けていいのでしょうか。埋め戻しが必要な深さまでの採取を制限するなど、終結を展望した採取事業への転換を図るべきと考えますが。いかがですか。 【企画環境部長】城陽市域における山砂利採取跡地問題について、住民の皆さんの安心・安全を確保する観点から、城陽市とともに再生土問題に関する検証委員会を設置し改めてゼロベースから検証をお願いしているところです。 この検証委員会においては、①再生土に係る対策、②産業廃棄物を搬入させないための対策、③地下水の影響に係る市民の不安に対する方策について検証いただいており、京都府としては、委員長の運営の下、要求された各種資料はすべて提出するなど、誠実に対応し、検証作業が円滑に進むよう努めている。 これまで5回開催され、現地調査を行うほか、再生土の科学的な分析検討や法律上取り得る方策について、慎重に検討されるとともに、城陽山砂利採取地整備公社での検査・監視体制の強化や、城陽市の条例改正も視野に入れた再発防止対策の検討などを行っていただいている。 また、8月に開催された検証委員会では、地元自治会やNPOの方々をはじめ傍聴に来られた方など、広く市民の皆さんから生の声もお聞きしている。京都府としては、検証委員会の結論を最大限尊重して、対応していきたいと考えている。 また、地下水については、山砂利採取地内の9箇所の井戸において、公社が継続的な調査を実施してきており、公社内に設置された土壌・地下水の保全に関る審議会において、専門家に意見を求めながら、必要とされる箇所について、原因究明に向けた段階的揚水試験やボーリング調査を実施してきており、引き続き、関係井戸周辺でのボーリングによる土壌調査も実施されることとなっている。 なお、埋め戻しは、城陽市のまちづくりに関わる重要な課題として、市の東部丘陵地整備計画に基づき山砂利採取地の修復整備事業の一環として実施されているところであり、京都府としては、砂利採取法に基づき災害及び事故の防止を主眼として助言指導を行ってきている。

宇治市西笠取の採石場に持ち込まれた、ダイオキシン類を浄化処理したとする大量の土壌の全量撤去を急げ     【前窪】次に、宇治市西笠取の採石場に、ダイオキシン類を浄化処理したとする大量の土壌8,210トンが、昨年8月以降、今年の5月まで、大量に持ち込まれていた問題です。     今年6月18日、砕石業者の元従業員が、「黒っぽい土が大量に搬入されている。産廃あるいは有害なものではないのか」と、府山城北保健所に通報し、調査を求めたのが事の発端です。 府の調査結果で、9年前、大阪の豊能郡環境施設組合のゴミ焼却場「豊能郡美化センター」で、高濃度のダイオキシンが検出され、大問題になった土壌であること、汚染土壌の浄化処分を施設組合から委託されていた鴻池組が、処理土の最終処分に困って、グループ会社の鴻池建設の砕石現場に、持ち込んだことなどがわかりました。同時に、府は、砕石法、森林法の許可条件違反だとして、業者に全量撤去と搬出計画の提出を、指導したことも明らかにされました。 採石場とはいえ、大量のダイオキシン処理土が持ち込まれ放置されたのでは、市民の不安は拭えません。搬出計画は出されたのですか。全量撤去はいつになるのですか。今後の対応も含めお答え下さい。 この問題は、元従業員の勇気ある内部告発があって、初めて表ざたになりました。告発が無ければ闇に消えていたのです。他の採石場、砂利採取場を含め再発防止のために、砕石法、森林法など法令の厳正な運用、パトロールの強化等、監視・監督の強化が求められています。そのためにも職員体制の強化などが必要です。再発防止の対策、決意について伺います。 また、元従業員の告発では、この業者の砕石場内に、京都市の地下鉄工事等から発生した残土が、10年ほど前から2~3年前まで大量に持ち込まれていることも、情報提供されています。府は、調査を約束されていますが、調査結果と対応について明らかにして頂くよう答弁を求めます。 【企画環境部長】宇治市西笠取の採石場に、ダイオキシン類処理土が搬入された問題について、本件は、採石法の認可条件及び森林法の許可条件に違反していたことや、地元に連絡なく処理土を搬入したという道義的責任もあることから、事業者に撤去を指導し、搬出計画書の提出を指示したところです。事業者は自主的に全面撤去の意向の表明しており、搬出先が確定次第、搬出計画書が提出される予定ですが、一日も早く全面搬出されるよう強く事業者を指導しているところです。 また、発注者である豊能郡環境施設組合に対しても搬出先の確保等を宇治市とともに強く要請しており、大阪府に対しても、協力を依頼しているところです。 なお、府及び宇治市が土壌調査を実施した結果、ダイオキシン類は基準値以下であり、環境保全上支障はないものであるが、事業者に対し、処理土の撤去が完了するまでの間の飛散、流出防止等の対策を指導したところです。 なお、パトロールの強化等については、これまでから、保健所、広域振興局の農林商工部、土木事務所が十分連携して現地での合同パトロールを実施しているところですが、引き続き、市町村等関係機関とも連携して現地パトロール等を実施し、監視を行うとともに、搬入土砂については許認可申請時等に条件をつけるなど、再発防止に向けた指導を強化したい。 【農林水産部長】宇治市西笠取の採石場への残土搬入の調査につきましては、事業者に資料の提出を求め確認したところ、搬入は平成10年から16年2月まで行われており、現地に搬入された量は約124万トンでありました。 搬入残土の大部分は、阪神高速工事、京都市地下鉄工事などの公共工事で発生した残土であります。なお、防災上、必要な措置がとられていることを確認しておりますが、今後、安心安全の観点から、適切に対応してまいりたいと考えております。 【前窪・再質問】淀川水系のダム問題ですが、6年間もの間に500回も議論を重ねて基礎案というものが、近畿地方整備局が淀川水系流域委員会の提言を受けてつくりました。その基礎案からも、今度出された原案は大きく変わっているということを指摘したわけです。例えば、大戸川ダムの復活建設問題ですが、これは京都市南部の桂川の一部の河川改修困難な部分ですね。ここを整備すれば下流地域に沢山水が流れるからダムが必要だという理屈になっています。もう一つは、南郷洗堰の全閉方式ですね。洪水時に改めれば沢山水が流れるから、これが、大戸川が必要だということになっているわけですが、しかし近畿地方整備局の淀川水系流域委員会での説明でも、全閉方式について改めても93トンくらいしか流さないというわけです。これでは大戸川ダムをつくる理屈にもならないということです。洪水時に洗堰から93トン流したところで琵琶湖の水位を下げるのにどれだけ効果があるのか、こういう疑問すらでてまいります。さらに、天ヶ瀬ダムの1,500トン放流問題でもそうであります。47年の7月に琵琶湖の総合開発事業、これは着手前の記録ですが、最大雨量424ミリ、その時に床上床下浸水が735戸でありました。この総合開発事業が終了した平成7年5月、この洪水では最大雨量435ミリでしたが床上床下浸水が7戸ということでした。随分と、一兆九千億円も使ってやった事業の効果が出ていますよというのが近畿地方整備局の考え方なんですね。一方でそういう考え方を示しながら、一方でなおダムが必要だという理屈はなかなか理解できないということです。その点で、基礎案から原案に至る経過は、非常にわかりにくい。このように思いますから、知事に再度、この点についてはどう考えているかお聞きします。 城陽の山砂利問題ですが、これは知事、ゼロベースで臨むと言ったわけですから、先程その点は答えられませんでしたが、ゼロベース、これを確認してよろしいですか。再度答弁を求めます。 それから、残土搬入であります笠取の部分ですね。残土がたくさん入っている。これは公共残土ということですが、指定地処分のかたちで京都市や阪神高速道路公団がこの残土処分を依頼したのか、あるいは自由処分だったのか、そのことを私は確認して頂きたいと思います。  それから、18年度から許可条件に残土を入れないということを京都府は改正したと思います。何故残土を入れないと改正したのか、これはやはり、無届で大量の残土が入れられるということは防災上も市民生活上も障害があるということであったと思うのです。従って、こういう事が再びおきないように強く求めておきたいし、許可条件を平成18年に変えたという、この点についての再答弁を求めます。以上で私の質問を終わります。 【知事】先程申しましたように、今回のたたき台について、治水上の具体的な在り方や利用計画、更には費用負担の詳細についてまだ一切示されておりません。ですからこの原案に至った理由も含めてきちんとした説明を国に求めているところです。 【企画環境部長】山砂利問題ですが、先程も申し上げましたが、我々としては改めてゼロベースからの検討をお願いしているということです。