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本会議質問

2007年12月定例議会 光永敦彦議員 代表質問

2007/12/07 更新
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「構造改革」による負担増、痛み押し付け・地方切捨て政治の根本的転換と府民の暮らしを守る京都府の施策実現に全力を 【光永】 日本共産党の光永敦彦です。府会議員団を代表し、質問をいたします。 国会が最終盤となり、新テロ特措法をめぐり、緊迫した事態が続いています。そもそも、参議院選挙の結果を受け、国民の力により、自衛隊は初めてインド洋から撤収しました。また国会論戦を通じても「戦争でテロは解決できない」ことは明らかで、しかも現在、アフガンでは「和解と平和プロセス」が進んでいます。にもかかわらず、政府がアメリカへの戦争支援のための新テロ特措法を強行しようとしていることは、これらに全く逆行するものです。  一方、自民党と民主党が憲法に背く自衛隊の海外派兵恒久法を作る立場で一致し、その上自民党と民主党の大連立の火種を残していることは、国民の願いにそむくものです。民主党が今後、参議院選挙で示された民意を生かす立場に立ち続けるのなら、この道を進むべきではありません。日本共産党は、アメリカ言いなり政治の根本的転換を求める党として、自衛隊の再派兵を許さず、軍事利権にメスを入れるため、力を尽くすものです。  また、深刻となる国民の暮らしを守ることが、政治と地方自治体に今ほど求められている時はありません。わが党府会議員団は、自民党・公明党による「構造改革」路線にもとづく国民への負担増、痛み押し付け・地方切捨て政治の根本的転換と、京都府が府民の暮らしを守る立場で力をつくすよう、暮らしにあえぐすべてのみなさんと力を合わせ、奮闘するものです。

医療・社会保障の連続改悪から、府民のいのちをどう守るか 後期高齢者医療制度について 【光永】 そうした立場から、まず、医療・社会保障の連続改悪から、府民のいのちをどう守るのかについて伺います。  初めに、来年四月、政府が強引に実施を狙う後期高齢者医療制度についてです。私は六月議会で、この問題を質問しましたが、その後、私の地元左京区の開業医さんを原としふみ衆議院二区代表と訪問した際にも、「高齢者を一律で年齢で区切ることは問題」などの意見が寄せられ、さらに高齢者の皆さんからは「お金がなければ病院にかかるなということなのか」との声が出されるなど、制度の具体的な内容が明らかになるにつれて、府民から大きな疑問と怒りが湧き起こっています。  12月1日に行われた京都府後期高齢者医療広域連合議会では、保険料が全国平均より高い9万5007円に決定され、全国でも五番目の高さとなりました。また、低所得者からも情け容赦なく保険料を徴収するなど、問題の深刻さが改めて浮き彫りとなりました。 今回示された保険料では、例えば亀岡市の高齢ご夫婦の場合、国民健康保険料はこれまで21270円。年金額は増えないのに二人合計27150円となり、約6000円も負担が増えるのです。このように、予想されたとおり、被扶養者の方はもちろん、一部を除き、ほとんどの高齢者が、今の保険料より大幅に負担がふえる制度となっているのです。そのうえこの制度は、高齢者人口の増加に合わせて保険料を引き上げる仕組みのため、二年ごとにどんどん保険料が上がるという、75歳以上の高齢者に有無を言わさず負担を押し付けるシステムとなっているのです。  そこで伺います。知事はわが党加味根議員の質問に「負担が過重にならないように求めてきた」と述べられましたが、今回の保険料で高齢者の負担が過重にならなかったと受け止めておられますか。また、国民の声に押され、政府は被扶養者の方について、保険料の徴収を半年間だけ凍結することとなりましたが、一部凍結した程度で実施してもいいとお考えですか。お答え下さい。  さて、全国では、制度の中止・撤回を求めるものも含め、全国295の自治体で意見書が可決し、本府では京都市、木津川市、舞鶴市、宇治市、京田辺市、大山崎町で可決されました。また福知山市長は「この制度には問題あり」とのべ、精華町長は「保険料の軽減を町独自で検討したい」と答弁されたとお聞きしています。  広域連合議会では、条例案に三分の一近くの議員が反対し、さらに「実施凍結を求める意見書」にも三分の一が賛成するなど、制度の根幹にかかわる重要な態度が示されました。また、保険料の二年ごとの見直し増額改定をしないこと、被扶養家族から保険料徴収はしないこと、低所得者に対する一部負担金減免制度の実施、を求める国への要望を盛り込んだ意見書が可決し、京都府に対する財政支援策を切望する声もあいつぎました。この声にこたえ、緊急に、最低生活費非課税原則にのっとり、広域連合が全額免除制度を創設できるよう本府として財政支援を検討すべきではありませんか。また国民健康保険料より高くなる高齢者・世帯に対し、京都府として保険料が高くならないよう助成制度を設けるべきですが、いかがですか。さらに、後期高齢者医療広域連合や市町村長会から京都府に要望された、健康診査の実施にあたって、自己負担が発生しないよう本府として財政支援策を実施すべきですが、いかがですか。  また、75歳以上の方から保険証を取り上げることは絶対に行ってはなりません。国民健康保険では、多くの自治体で資格証明書の発行を行わず、発行しているのは大半を占める京都市を含んでわずか9市町です。にもかかわらず75歳以上の方からは保険証を一律に取り上げることは、まさに命に直結する事態をおこします。保険証の取り上げは絶対に行わないよう求めるべきですが、いかがですか。

【知事】 後期高齢者医療制度だが、高齢者の医療については、高齢者の有する心身の特性や生活実態を踏まえて必要な医療サービスを安心して受けられるよう、安定的な医療制度を構築することが重要。京都府としては、後期高齢者医療制度の創設によって、高齢者の負担が過度なものにならないように、従来から国に対して要望して参りました。その結果、所得に応じた保険料の軽減、被用者保険の被扶養者に対する経過措置、年金天引きの額が過大とならないような取り扱い、地域の医療の実情に応じた不均一保険料の設定等が制度化されている。  さらに、国の与党プロジェクトチームによる見直し案により、被用者保険の被扶養者にかかる保険料が平成20年から1年間凍結軽減、また、70歳から74歳までの医療費の自己負担割合の1割から2割への引き上げが1年間凍結されています。  京都府としては、今回の暫定的、経過的措置ばかりでなく、従来から高齢者の生活実態をふまえ、負担が過度とならないよう、制度の見直しを行なうよう提案してきており、今後とも、こうした立場で引き続き要請をしていきたいと思います。  新たな保険料については、都市部の低所得者を中心に、国民健康保険よりも低くなる場合も発生する見込みですが、一方で、従前より高くなる場合も出てきている。 与党プロジェクトチームでは、凍結解除後の制度のあり方について検討される予定であると聞いているが、京都府としても国の動きを注視しつつ、新たな制度が高齢者にとって真に使いやすいものとなるよう、住民に身近な地方公共団体の立場で引き続き国に対して提案・要請をしたいと考えている。  広域連合に対する支援については、準備段階から現在まで府職員を派遣する等、府としても積極的対応をしており、電算システムの構築等に必要な財政的支援も、全国に先駆けて実施している。 制度発足に伴い、京都府としても新たに15億円を越える負担増となる訳であり、府民の健康を守る観点から厳しい財政状況の中、20年度予算においても全力をあげて財源確保に向けて、現在努力をしているところ。  広域連合からは既に府の支援について要望を頂いており、今後充分にお話しを聞く中で、これからも広域連合において健全・円滑な制度運営が行われるように努めるところとしている。  資格証明書の発行については、特別の事情もなく一年以上の保険料を滞納している世帯に対して、法の規定に基づき保険証に代わるものとして交付がなされている。  その運用にあたりましては、納付の相談に応じない、あるいは、保険料を払う能力があるにもかかわらず、資力に応じた納付計画が示されていない等、真にやむを得ない場合の手だてとして実施すべきものである。京都府としては、こうした考えに基づき広域連合に対しても助言をしているところであり、今後とも被保険者の個別事情を踏まえ、実態に見合った適切な運用がなされるよう、引き続き助言をして参りたいと考えている。

【光永】 後期高齢者医療制度についてです。知事がいくつか暫定的な経過措置をご紹介されました。知事自身も、それはあくまで暫定で、本格的な対策が必要だと保険料問題で言われました。知事も言われている通り、保険料がこの制度が発足したら上がっていくことになって、それは、4月からすぐに始まっている訳ですから時間がない。もう時間がない。そういう点では、国に対し、一部凍結で良しとしないで、また、今後の要望に止めないで、改めて凍結や撤回を求めることが、私は知事が今やるべき役割だと考えています。この点まずお答え下さい。  もう一点が、保険料についてです。問題は、保険料をどう引き下げていくかということなのですね。もちろん、制度の凍結を求めつつも、国が強行した場合にはこの保険料がみなさんにかかってくるのですから、この保険料をどう引き下げていくかということも今検討をしなければなりません。広域連合議会では、保険料について色々な格差があるとの懸念も表明されました。その対策の一つとして、たとえば東京では、葬祭費を保険料の算出基準に入れていない。抜いているんですね。それを通じて保険料を下げる努力が行われています。  障害者自立支援法の時には、知事は国の制度を補完する形で京都府として予算を組まれたわけですから、後期高齢者の医療制度について、やっぱり今、財政支援制度をすることを検討すべきだと思いますが、この点いかがか、二つ目、お答え下さい。  三つ目は、保険証の取り上げ、資格証明書の発行についてですが、そもそも老人医療を受給されている現在75歳以上の方は、資格証明書発行対象除外。つまり資格証明書は、75歳以上で老人医療を受けておられる方はないと言うことになっているのですね。しかし、後期高齢者医療が始まったら、たちまち資格証明書を発行することができるようになる。制度が根本的に変わる訳ですから、知事が言われるように、広域連合に助言するという話しではないのですね、これは。制度が根本的に変わるというここが問題なんだから、こういうことを絶対するなと国に言うと共に、保険証の取り上げはこれまではやってこなかったのだから、今後すると言うことはおかしいのだから、こんなことは絶対にするなと言うことを広域連合にも求めるべきだと思いますが、この点改めてお答え下さい。

【知事】 後期高齢者医療に対する国に対する要望ですが、これは、今回、私も平成20年度の政府要望におきまして国に対しても先程申し上げたように、引き続きこれからもそういう態度で行ってまいりたいと思っております。  広域連合についての保険料の問題ですが、現在府では、広域連合と話し合っておりますので、そうした中で私どもとしては、しっかりと広域連合が健全・円滑な制度運営が行われるように努力をしてまいりたいと思います。  資格証明書の発行につきましては、納付相談に応じないとか、保険料を支払う能力があるにもかかわらず、まったく納付計画を示して頂けないという、真にやむを得ない場合に限るとされておる訳ですので、そうした取り扱いがしっかり行われる様に、広域連合に対し助言をしてまいりたいと思います。

【光永】 後期高齢者医療制度については、やっぱり中止・撤回を国に求めるという決断が、今、知事に求められていると思いますので、このことを改めて求めておきたいと思います。  また、財政支援策を京都府として広域連合にしっかり行ってですね、高齢者の負担を軽減することは喫緊の課題ですから、この点も検討を是非して頂きたい。これは、市町村、広域連合から文書で要望が出ていると思いますので、誠実に答えて頂きたい。求めておきます。  資格証明証の発行、保険証の取り上げ、これは、後期高齢者医療の場合すべきでない、このことも改めて強く求めておく。

医師不足対策について 【光永】 次にいっそう深刻となる医師不足、看護師不足について伺います。  私は、先日、舞鶴市の医療センター、共済病院、日赤病院、市民病院を訪ね、懇談をしてきました。ご承知のとおり、舞鶴市民病院の医師集団退職による病棟閉鎖に端を発し、市全体の医師体制が極めて厳しくなっています。しかも、これまで救急医療を担ってきた医療センターで整形外科医が不在となり、11月から救急体制を休止し、市全体で整形外科医は日赤と共済病院のみ、脳外科医は医療センターと市民病院のみとなり、例えば、交通事故で、脳出血と骨折、外傷などがある場合、「舞鶴で対応しきれないことがありうる」「舞鶴地域のセーフティネットが限界に来ている」と口々に話されました。  現在、脳外科医が福知山市民病院と綾部市の民間病院にそれぞれ1名のため、これらの地域の救急患者を受け入れてきた舞鶴市でも、その条件が失われてしまい、実際、綾部で脳梗塞を発症された方を結局、南丹病院まで搬送したということも起こりました。まさに紙一重の事態となっています。  そこで緊急に、中丹二次医療圏の救急体制を確保する上でも、医療センターの整形外科医確保の緊急対応を行うことが必要ですが、いかがですか。また、産婦人科医の確保については、府立医大から医師を派遣し、周産期母子医療サブセンターの再開をめざされていますが、その進捗はいかがですか。  さらに公立山城病院の整形外科医が2名退職し、12月1日から救急受け入れができず、整形外来が週4日に縮小され、来年二月には週二日へと縮小予定となっており、その対応は急務です。救急体制の維持のため緊急に医師確保が必要ですが、どうされますか。また実施されている本府の医師確保対策を南部にも緊急に行うこと、さらに今後、地域保健医療協議会で、南部の医師確保策をどう対応していくのか、お答えください。  同時に本府として府立医大のみならず、京都大学に対し、医師派遣や、地域枠の設定を要請すべきですがいかがですか。  また滋賀県では、知事と滋賀医科大学が協定書を調印し、今年9月から3年半にわたり、地域医療システム学講座を設置されるなど、地域活性化につながる研究に限り国から認められることとなった地域医療についての寄付講座の設置を、京都大学にも本府として具体化すべきです。いかがですか。

【知事】 医師・看護師の確保対策だが、京都府におきましては、今年度も6億円にのぼる医師確保対策を講じ、全力をあげて医師の確保の取り組みを進めているところであるが、現在、医療対策協議会のご意見も頂き、医師確保が困難になっている北部を始め、府全域を視野にいれた医師確保対策を市町村や、府立医大、医師会と連携して実施している。更に、京都府として各地域に保健医療協議会を設置し、病院相互の役割分担による、病院連携による、限られた医療資源が有効に活用されるよう検討を進めており、舞鶴や山城地域の問題についてもこうした取り組みを通じて、救急医療等に支障が生じないよう地域医療の確保に全力をあげてまいりたいと考えている。  また、舞鶴医療センターの周産期医療体制については、府立医大の現職教授を派遣しその再開に向けて取り組んでいるところであり、産科医が減少している中で、その確保は非常に容易ではありませんが、さる12月4日、周産期医療対策協議会を開催し、府立医大関係機関の協力や公募により、産科医師等を確保する等を確認しているところ。  こうした取り組みにつきましては、京都大学も医療対策協議会に参画、関連病院の医師も派遣して頂いているところであります。ただ、国立大学においては、増員は平成21年度からとなっており、定員増についての検討を21年度について進めて頂いているところであり、引き続き積極的に強力を要請しているところであります。  医学部寄付講座については、本来地域に医師を派遣する形に出来ないとされており、あくまで、地域医療のあり方に対しての研究を目的に設置されるものという形となっており、京都府においては、今、府立医大が非常にがんばって取り組んで頂いているところであります。今後とも、京都大学、府立医大とも連携をしながら地域医療の推進に取り組んでまいりたいと考えている。

【光永】 医師確保についてですが、北部については、先日、舞鶴市議会の議案提案説明で、市長が「最大の課題となっている本市の救急医療をなんとしても支えなければならない、また他の公的3病院の医療体制を支える上からも、市民病院が救急医療の一翼を担っていくことが必要、それが地域医療を守り、自治体病院に与えられた役割を果たすことにつながる」と言われておられます。医療センターの整形外科や産婦人科の確保とサブセンター等これらはもちろん医師確保に全力をあげて頂きたいですが、今述べたように、舞鶴市民病院の救急再開も含めて、支援を是非、市と協力してご努力頂きたい。要望しておきます。  また、南部についても同様に、今年から始めた府の制度を、南部にも適用できるように要望しておきたいと思います。

看護師不足対策について 【光永】 看護師不足の対策も待ったなしです。2006年に導入された、概ね昼間の看護師1人が患者7人を担当するという、7対1看護の導入により、看護師の獲得合戦が行われ、中には病棟閉鎖に追い込まれる病院が生まれるなど、患者さんにとって悲劇を各地に生み出しました。1800人が集まった「ストップ!貧困 守ろう!社会保障 11・23府民のつどい」では、看護師さんが、看護師不足のため、深夜帯業務の時、一人で患者さんを13~4人担当している」「職務が多忙で医療事故と背中合わせで日々を過ごしている」と発言されました。また、京都医労連の看護職員実態調査によると、「この三年間にミスやニアミスの経験がある」と答えた方は、全国平均より多い87,1%にも上っています。まさに患者さんに影響がでるギリギリの事態です。  本府では、平成18年の調査で就業看護師が1万9217人、准看護師が6624人となっており、平成22年度で3万2600人とする第六次京都府看護職員需給見通しと比べても、また先に紹介した看護現場の実態から見ても、全く足りていません。そこで、本府として、緊急に実態調査を行い、国に対し、看護師の大幅な増員ができる措置を求めるとともに、本府が関係機関と連携し二年課程通信制の養成所を開設し、希望するすべての准看護師に受講を保障することが必要ですが、いかがですか。また、新卒看護師の離職が多い理由に、医療現場の忙しさによる医療事故への不安があります。したがって研修などによる看護師離職防止対策にとどまらず、リスクマネージャー配置と研修のための支援策を講ずることが必要と考えますが、いかがですか。

【知事】 看護師の確保対策については、医療の高度化、介護分野への職域拡大等、地域における看護師の需要が高まる中、医療機関の実態を踏まえ需給見通しを立てて、府立医大など看護師の養成、修学資金貸与、ナースバンクによる再就職支援等、看護職員の養成確保を総合的に推進してきたところであります。  しかし、昨年度から導入された7:1看護制度によりまして、看護職員の確保が非常に厳しい状況にあります。そのため、国に対して大規模病院への看護師の集中等の問題を指摘するとともに、看護職員の確保や処遇改善の基本になります診療報酬の改善につきましても、増員やリスクマネージャーの配置につながるよう改善を要望しているところであります。  准看護師移行教育につきましては、通信教育受講生を支援するために身近なところで臨地実習ができるよう実施施設を確保するよう支援しております。さらに、若年看護師の離職防止対策の防止対策の充実に加え、医療の専門化、高度化に伴う看護ニーズの拡大、需要に対応する人材育成にも必要なことから、これまでから看護協会と連携をいたしまして、リスクマネージメント等医療機関に対する研修も実施しているところであります。  京都府におきましては、今年度医師確保対策として6億円を越える予算を確保し、看護師確保対策と併せて、地域医療の確保に向けて全力をあげているところであり、今後とも府民の医療体制の整備に全力をあげてまいりたいと考えております。

療養病床廃止・削減問題 【光永】 また、直面する大きな問題が、療養病床の廃止・削減です。  先月28日に行われた京都府地域ケア検討会議では、再アンケートの結果が公表されましたが、国が全廃方針を決めた介護療養病床は、「今後の見通しが未定」と答えた施設が、91.1%となるなど、昨年10月に行ったアンケートに比べ、医療型でも介護型でも見通しが立たないと答えた施設が多くなりました。検討会議では「在宅に帰るのは、高齢化や独居などの問題もあり、ますます難しい」「府民が安心して暮らせる病床数ではない」など憤りの声が出されました。これらは削減の目途も受け皿の目途も立たないことを示しているのではないでしょうか。にもかかわらず本府が「当面」としつつも3000床台という削減目標をしめしたことは重大です。11月20日には、京都府医師会や京都府難病連など31団体で構成される京都府医療推進協議会が「行き過ぎた医療費の抑制は多数の医療難民、介護難民を生む恐れがある」とする決議をあげ、療養病床削減に反対の立場を示されるなど、幅広い関係者から怒りの声が上がっています。  そこで伺います。今回示された削減目標は目途のないままの提案であり、再検討すべきですが、いかがですか。また、知事はこれまで、「必要な措置を国に講じるよう求めてきた」と述べてこられましたが、介護難民・医療難民が生まれない保障ができたといえるのでしょうか。保障されないかぎり、療養病床廃止・削減方針の撤回を求めるべきですが、いかがですか。

【知事】 療養病床の廃止・削減問題についてだが、療養病床の再編成につきましては、制度の見直しに伴い必要な医療、介護サービスを利用できない状況が生じることがあってはならないと考えております。国は全国一律の基準を示して、都道府県に対して今年度中に療養病床転換計画を作成するよう指示をいたしました。京都府としましては、医療介護サービスは府民の生活に直結するものであり、国基準に縛られることなく、地域の実態を踏まえた独自の目標を定めることし、今回独自のアンケート調査やヒヤリング結果に基づきまして、入院患者の実態を担当医師や医学的知見により判定した結果や、全国的な病床転換率等、現時点で把握しうる様々な要素を総合的に考慮して目標値を定めたところであります。  これは、国において転換先となるサービス類型の具体的な人員基準や報酬体型がいまだに示されていないために8割の医療機関で変換意向が明確でないことも、こうした目標を認定せざるを得ない一因でありました。  国に対して医療機関が将来見通しを立てられる様、人員基準や報酬等の具体的内容の早期明確化について京都府として、また、近畿ブロック知事会におきましても繰り返し要請をしているところ。 今後とも京都府としては、国の動向をしっかりと見極め、さらに医療機関とのヒアリング、実態把握を行う中で、転換可能な目標値が決定できるよう引き続き検討をしてまいりたい。

介護保険制度について 【光永】 介護保険をめぐっても事態は深刻です。  私は議員になって以来、介護保険制度の抜本的な改善策について、繰り返し求めてきましたが、改正介護保険法により、いっそうの負担増や「介護とりあげ」が広がっています。  中でも、昼間独居の方への生活援助についてです。これまで利用できていた、調理や洗濯、掃除などの生活援助について、家族が同居している場合、しかも、働きに出ていて、昼間は一人という高齢者まで、「同居」とみなし、介護保険の適用外とすることが、自治体の給付抑制により各地で起こっています。  私が伺った京都市のある93歳の要介護3の女性の方の場合、息子さんが仕事をしながら身の回りの世話をされていますが、その奥さんは手術後のため無理ができない状態です。そのため掃除まで手が回らず、相談されましたが、生活援助としての掃除は認められませんでした。また、同じく京都市にお住まいの息子夫婦と同居されている要介護3の方は、息子さんらの帰宅時間が遅く、それでもなんとか家族で支えてこられましたが、部屋の食べこぼしや便など汚れ放題が繰り返されたため、市役所に相談にいかれました。ところが担当者は「息子が夜中や休みの日に掃除したらええ。それでもヘルパー入れるんなら入れたらいいけど、監査が入ったら知りませんよ。京都府は原則として高齢者夫婦と家族が障害のある場合しか認めていませんから」と言われたようです。本府はこのような対応をしているのですか、まず、お答えください。  この問題では、2003年に当時の厚生労働省老健局長が「ご家族が例えば心身がご健康であって家事ができる状態でも、勤務されたりしておられて、日中、要介護の高齢者の方がお一人のような場合については、介護保険の給付の対象になる」と答えており、昼間独居の生活援助は可能なのです。  そこで伺います。共働きや長時間労働など、家族が介護しにくい状況がある場合、実態にあった支援をするよう保険者に求めることが必要ですが、どう対応されますか。お答え下さい。 さて、本府の「介護保険制度の実施状況」のまとめによると、保険料の滞納者が増加し、昨年度、府域全体で65歳以上の普通徴収の方うち約1割がなんらかの滞納となっています。実際、私がお聞きした方は、「無年金のため、介護保険料を払えず、介護保険を利用しようと申請にいくと、『未納分を支払いなさい』といわれ、親戚などから借金をしてなんとか払った」など、こういう方が何人もおられます。また、40歳以上の2号被保険者で国民健康保険の方は、介護保険料と一括で支払うこととなっており、高すぎる国民健康保険料を払えなかった場合、介護保険が必要となっても、保険料未納のため、利用できなくなるという問題も新たに生まれます。  そこで少なくとも緊急に、未納者が介護保険を利用できないことがないよう、本府が保険者と連携し実態を把握するとともに、減免措置の支援をすべきですがいかがですか。  さらに、介護現場を支えるマンパワーの深刻な不足が起こっています。その原因は、介護報酬の低さによる低賃金、非常勤化など、荷重な仕事が現場に押し付けられていることです。そこに、営利企業の参入を認めた結果、コムスン事件のような事態も起こってしまいました。  介護労働者の月収は、全労働者平均の6割~7割程度にしかならず、年間離職率は2割と際立って高くなっています。こうした中、厚生労働省も本年八月に「新福祉人材確保指針」を告示しました。問題はそれをどう具体的に実際の人材確保に生かすのかどうかです。長野県では介護労働者の実態調査も行われたようですが、本府として緊急に介護労働者の実態調査を行うとともに、国に対し、財源措置の中身として、利用者負担と区別した介護報酬の引き上げ、また職員配置規準の改善を求めるべきですがいかがですか。

【知事】 介護保険制度だが、介護を社会全体で支えるという制度の趣旨を踏まえながら、高齢者が必要なサービスを安心して受けることが出来るよう、利用者本位の安定した制度とすることが重要。家族が共働き世帯等で昼間は独居となる要介護高齢者に対する生活援助につきましては、一律に制限することなく、利用者の生活実態に応じて、必要な場合はケアプランに位置づけて利用することが、取り扱いの上可能となっており、この旨を保険者や事業者に対し、集団指導等の場で繰り返し説明をしているところであります。  保険料、未納者の状況等、制度運用の実態については保険者である市町村を通じて把握してまいりますが、京都府としては、保険料の未納者を生じないようにするために、たとえば通常6段階の保険料設定を7段階以上の設定にする等、低所得者の方に対する制度内の工夫を計って頂けるよう、市町村にもお話をしてきたところ。  併せて、国に対して低所得者対策の一層の充実を計るよう従来から繰りかえし要請しており、今後とも引き続き提案をしてまいりたいと考えている。 介護労働者の問題については、国の定める介護サービス等の報酬水準が低いことが根本的な問題としてあります。京都府としては福祉施設経営者等の団体等との懇談の場を通して、現場の実態を把握する中で、これを踏まえて適切な介護報酬水準の設定や、職員配置基準の改善等を強く要請しており、今後とも、あらゆる機会をとらえて引き続き要請をしてまいりたいと考えている。

地方の切り捨てから、府民のくらしをどう守るのか 中小企業支援・入札制度の改善について 【光永】 さて、構造改革路線による地方の切り捨ても、深刻な事態を引き起こしています。  私は、先日、京都府北部地域を回り、実状を伺ってきました。  従業員20名程度のある建設会社の社長さんは、「これまで府の公共事業は年間6000万円から1億円程度あったが、今年は2900万円に落ち込んだ。なんとか町場の仕事をして持ちこたえているが、もっと深刻な業者もある。これまで防災や除雪、凍結防止剤散布などは、地元建設業者が取り組んできた。昨年は暖冬で除雪が少なかったので、除雪準備に除雪車一台30万円かかったけれど、全部持ち出し。雪の降った日は、苦情や要望の電話が深夜から早朝まで鳴りっぱなし。それでもがんばるのは、地域を守るため。」と語られました。このように、地元の中小の建設業者は、住民の安心や安全のため、地域に貢献しようとがんばっておられるのです。ところが、不況と公共事業の削減に加え、今年四月からの入札制度改正により、これまでの市内業者による入札から、電子入札の導入など他の町からの参入もあり、また、他府県業者が営業所だけを置いて指名業者になるなどの事態も起こっています。その結果、仕事が激減し、地元の状況を把握しないまま工事が進められたことでトラブルも発生しています。  今年も雪の季節が近づいてきました。中堅の建設会社が倒産したり、旧丹後町では建設業協会が解散するなど、除雪作業そのものにも支障を来たす可能性もあります。さらに、家をつぐ長男の働く場が確保できず、「土木建設業者の疲弊で飲食店もガラガラ」など、雇用の破壊、地域経済の崩壊につながる事態が起こっており、その対策は一刻の猶予も許されません。  そこでまず伺います。知事は、こうした深刻な事態をどう認識されていますか、お答え下さい。  また、知事は入札制度について「新しい総合評価制度を試行的に行う」と11月から実施されていますが、緊急対応として、入札制度を、除雪やまちづくりなど地元への貢献を実態に応じてきちんと評価する制度へと、さらに改善し、地元建設業者を守るべきと考えますが、いかがですかお答えください。

【知事】 中小企業対策は、まず公共事業については、国や地方については財政難のもと、全国的に公共事業の減少が進む中で、府北部地域では台風23号関連の工事が概ね完了したこともあり、全体として工事が減っていく中で大変厳しい状況が生じていると考えている。こうした中、京都府においては、厳しい財政状況の中ではありますが、臨時生活関連施設整備費や地域防災対策事業等、府民の生活に直結し地域経済にも配慮した公共事業を重点的に実施しているところであります。  また、いわゆる官製談合で全国各地で、また、近隣自治体で事件が発生する中、私どもは競争性、透明性の高い入札制度を目指して現在改革に取り組んでおりますが、公共工事の減少と相まって、落札率が大幅に低下する傾向にあります。落札率の低下は、府民に費用負担の軽減という利益をもたらしますが、過当な競争が工事の品質や安全管理をおろそかにするような結果を招くことになれば、私はこれは、かえって長期的に見て府民の安心安全の観点から不利益をもたらすと考えている。  このことから、入札に当たりましては、価格以外に工事の品質確保や労働者の雇用の維持、建設機器の自社保有等、長期的に見て府民の安心・安全につながる点を評価する、新たな総合評価方式を本年11月から試行的に導入し、今、行っているところであります。  今後とも入札制度の改革を進めると共に、府民生活に密着した公共事業を推進したいと考えているが、道路特定財源の暫定税率が切れてしまえば、ガソリンが安くなっても財源調整が働かなくなり、益々強い者が勝つ、そういう状況になります。京都府はもちろん、北部のような地域経済の弱い地域に与える打撃は極めて大きいと憂慮しています。国に対し暫定税率の存続を引き続き要望する等、財源確保に努め、地域の安全安心や雇用の確保につなげてまいりたいと考えております。

【光永】 知事は「地域力再生」と良く言われますが、私は地域経済の再生とくらしの支援が自治体に問われていると思います。  私、先に京丹後市を訪問し実情を伺ってきた。合併して暫くした後だったので、合併してどうですかとお聞きしますと、「合併してよかったことは一つもない。やっているのはブロードバンド事業だけだ」という声を多数聞きました。また、これまで税金も10回払いをやってきた。そして職員さんがきめ細かく対応してきた。合併した後、税金を10回で払っていたのが4回になり、しかも、職員さんが3年半で97名が減る。そんなことで、なかなか滞納が増えていると聞きました。さらに久美浜の支所は職員が4分の1になったという話しを聞いてきました。商店も寂れ、先日はガソリンスタンドも閉店したとお聞きしました。  私は、これは京丹後市の話しだけでなくて、やはり各地でこれだけ深刻なくらしを破壊する影響が出ているときに、自治体がどういう役割を果たすのか、実態にしっかりと向かい合って、その声に答えることが今必要だ。その立場から、今、中小企業を守る対策や、米価下落対策を求めてきた訳ですから、こういう実情に対し考え方をしっかり自覚して、お金も人も制度も作って全面的に努力して支援して頂きたいと強く求めておきます。  ただ一点、入札制度については、私も提案したが、除雪やまちづくりに貢献したということも入札の制度の中にしっかりと評価点として入れて頂いて、それで、地元の貢献度を測っていかないと、透明性の担保はもちろん必要なんですが、そういうことをやったために、結果として地元の中小業者が排除されると言うことが起こっている訳ですから、そういうことは改善して頂きたい。これは、すぐにやって頂きたい。強く求めておきたいと思います。

地場産業支援策について 【光永】 また、丹後で約4割が従事し、基幹産業のひとつである織物も大打撃を受けています。一昨年95万反の生産量が昨年は80万反に、そして今年は出荷見込みで65万反ともいわれています。白生地で一反1500円ほどの利益、先染めでも平均時給が300円程度です。私は先日、丹後の織物業者の方から実状を伺いましたが、「丹後織物工業組合のわずかな組合費すらままならない。もう虫の息」、「これまで、土木作業や警備員などで食いつないでいた人もいたが、働く場もない。いまや息子が帰ってきても働く場がなくて、親の年金で食べている状態」と、堰をきるように話されました。  それだけに、この冬の緊急対策として、緊急生活支援窓口を市町村と連携して設置し、生活福祉資金の運用の弾力化や生活つなぎ資金等の創設、公的融資の返済猶予など対策をとるよう求めるものですがいかがですか。  一方、丹後には、3000台を越える織機が存在し、また、若手の意欲あるグループもおられます。私がお聞きした若手グループの方は、「厳しいけれど、デザインやセンスなどのソフト面も力をつけ、今後も丹後でがんばっていきたい」と力を込めて訴えられました。  私は先日、東京・墨田区にある「すみだ中小企業センター」を尋ね、その取り組みについて伺ってきました。墨田区はご承知のとおり、自治体として全国初の「中小企業振興基本条例」を制定され、中小企業センターなどを拠点に中小企業支援策を展開されています。中でも製造業7700社、卸売り業1900社にのぼる詳細な調査にもとづく企業データの作成を契機に、現在でも専門家11名による技術相談員、6名の取引相談員、1名の技術アドバイザーに加え、事務職員も入り、常時、区内の企業を巡回し、実態の把握に努め続けてきました。その結果、企業ニーズや対策をリアルタイムに掌握するとともに、データベースの蓄積は、区内外からの斡旋取引にも大きな力を発揮し、年700件の企業からの引き合いの斡旋や、さらに販路開拓・発注相談にも応じているとのことでした。所長は、「支援は総花的でなく、業界団体まかせでなく、個々の企業の実状に立ち入った支援が必要」と述べられました。  わが党議員団は、これまで、中小企業振興条例の制定と実態調査や、振興策を具体的に提案してきましたが、販路拡大や後継者育成、付加価値の創出などの支援策を図るため、京都府織物・機械金属振興センターの体制を強化し、そこが中心となって、振興局や市と連携した取り組みができるよう、恒常的な連絡組織と、専属で数年にわたりかかわり続けられる専門的な人の配置が必要と考えますがいかがですか。また、墨田区では、数年に一度大規模調査を行いながら、日常的な把握や中規模調査なども繰り返し行われています。今年の夏には、1300万円かけて、1000社にアンケートを送付し、十数名で回収にまわり、聞き取り調査し現在集約中とお聞きしました。こうした個々の業者の実状や要望など立ち入った実態調査を行うとともに、そのデータを国や市町村とも連携して活用できるようすべきと考えますがいかがですか。

【知事】 丹後織物業についてだが、地域経済を支えると共に、日本最大の絹織物産地として、着物文化を支える重要な産業でありますが、昨年の着物の小売事業者倒産の影響を受け、白生地の生産量が減少する等非常に厳しい状況にあります。  その中で、従来から産地の状況を踏まえ、経営緊急相談窓口で相談を実施すると共に、あんしん借換融資の他に和装産業取引改善等特別融資や小規模企業おうえん融資等きめ細かな制度で対応しています。また、返済が困難な場合には返済猶予等の条件変更も実施しています。生活福祉資金につきましても、個別の状況もよくお聞きし、貸付金の返済が困難な場合には返済期限の延長などの対応を行ってきているところであります。  今後とも、いきいき経営改革サポート制度による経営指導も活用し、個々の企業の実態に応じた支援を市町村商工会、商工会議所等が連携して推進できるよう努めてまいりたいと考えている。  また、事業者の状況につきましては、産地組合においてきめ細かい実態調査が実施されていることを踏まえ、私ども関係職員が足を運び、業界の皆さまの声をお聞きしているところであります。そしてそれを踏まえ、丹後織物業の振興のために織物機械金属振興センターに織物や染色の専門職員を配置し技術相談事業への指導を行うと共に、丹後織物ルネッサンス事業や新商品の開発や海外の販路開拓の支援事業をする等、全力をあげているところであります。  今後、現在整備を進めています、北部産業活性化拠点・京丹後への移設に併せて、織物機械金属センターの機能強化を図りますと共に、地元市町村や大学等産学公連携により設置した人材育成会議を活用し、デザイン力支援の強化や担い手作りの取り組みを推進して行きたいと考えております。

農業・米価下落対策について 【光永】また、地域そのものを守ってきた農業も深刻な事態です。  長年にわたる政府の農業つぶし政策と、今年から始まった零細農家切捨ての「品目横断的経営安定対策」や、米価暴落が地域に大打撃を与えています。その影響は、府内農家のコメ収入が前年比マイナス26億円といわれています。農家がコメづくりで得られる時給は、10年前は1000円前後であったものが、今年は200円を割り込むともいわれ、これでは政府が農業を見捨てたと言っても過言ではありません。先日、京都食健連の皆さんも府に直談判をされたように、各地から悲鳴があがっています。 私ども議員団は、先日、南丹市、亀岡市、福知山市、宮津市、舞鶴市、京丹後市、与謝野町を訪ね、農業委員や農業法人の方々と懇談会を開き、直接お話しを伺うとともに、農家や役所にも訪問し実状を調べてきました。  どこでも共通して出されたのは、「来年はコメづくりをもうやめる」という声です。それも、耕作面積6反、7反の平均的な農家です。「60㎏で昨年と比べ2000円も下がり、生産費も出ない。全くやっていけない。」、「つくればつくるほど赤字。しかも原油価格が上がり、乾燥や運賃まで負担が増えている。」、「これまで頑張ってコメを作ってきたが、『赤字をだしてまで何でコメをつくるのか』と息子に責められて、もう農業をヤル気がなくなった」など、これまで何とか頑張ってこられた農家に深刻な事態が襲っています。「政府のいうとおりに規模を拡大してきた大規模農家ほど打撃が大きい」という実情も出されました。 さらに「田んぼの荒れは、場所が悪いなどという問題ではない。広い場所でも、次々とダメになっている。」、「『タダでいいから田んぼをもらってほしい』と言われた」、「高齢でコメを作れなくなった農家もあるが、周りもみんな高齢で水田を引き受けることができない」など、耕作放棄が進み、今後、急速に広がっていく恐れがある、まさに非常事態です。   また、野菜も「コメをやめて野菜をつくればいいという人がいるが、野菜づくりはあまりに大変で、高齢者ではなおさら無理。しかも、身体を壊すほど働いても年に100万円収入を得るのは並大抵でない」、「去年は京都ブランド野菜といわれる水菜が大暴落した。今年も厳しい」との実態です。これは、先の決算委員会で副知事が米価下落対策として「収益性の高い野菜類の栽培に転換することで所得を確保したい」と述べられたことが、いかに困難で、現在の農業と農村の実態からかけ離れているかを示しているのではないでしょうか。  さらに、後継者問題、鳥獣被害問題など、農村と農業を守る上で、課題は山積しています。私は旧船井郡瑞穂町に生まれ、小さい時から稲刈り、田植え、松茸取りなど、わずかの体験ですが生業として取り組んできたものとして、農業と農村の重要性は痛いほど分かります。懇談会で、ある方が言われました。「単にコメを作れんということではない。農業がヘタってくると、これまで農閑期などに山に入っていたけれど、山にも入らなくなって、山も里も荒れる。働く場もない。これでは国土が荒れることになる」と。したがって今どうしても緊急に米価対策が必要です。  そこで、国に対し、米価下落緊急対策を求めるとともに、本府として、コメづくりへの意欲を失うほど収入が落ち込んでいる京都の農家に対し、緊急に補正予算を組み、来春の田植えを迎えられるよう激励も含め支援等を講じるべきです。懇談会でも「耕作放棄を防ぎ、農地を守るためには、日本の風土にもっともよく合っているコメづくりを支援してほしい」という声が、共通して出されました。この声に真摯にこたえるべきですが、いかがですか。  また、消費地である本府で、おいしい京都産米の地産地消を、京都市も含めすすめることも必要です。福知山市では、議会から「学校給食に使用するコメを100%地元産米にできないか」との要請をうけ、検討を重ねた結果、ブレンド米に比べ地元産米が高くなることから、価格差の補填をした上で、平成16年から学校給食の週三回の米飯に100%地元産米を導入されています。本府は「いただきます。地元産」プランで、学校給食に地元産野菜を活用するよう「組織づくり」の支援など位置付けているものの、地元産米利用促進推進事業はわずか600万円、また病院や福祉施設などでの一定基準以上の利用施設に「推進施設」認定証の付与程度にとどまっています。地元産米の利用は、丹後ではほぼ100%の学校でなんらかの形で使用されていますが、京都市・乙訓では0、南丹でも約半数程度にとどまっています。  そこで、学校給食に広げることはもちろん、京都市を含む保育園、福祉施設、医療機関が積極的に京都産米を利用できるよう、導入策として市町村とも連携し価格補填を行い、おいしい京都産米の消費をもっと広げる支援をすべきですが、いかがですか。

【知事】 農業対策だが、米価下落は、稲作農家の経営や受託組織の運営に大きな影響を及ぼしており、こうした状況がそのまま続きますと京都府の農業・農村に取りましても大きな問題であると考えております。  米価対策につきましては、我が国における米作の根本的な問題でありますだけに、我国全体の問題として国がきっちりと対応して頂かなければならない問題でありまして、11月にも国に対して、すべての農家が安心して米の生産に取り組めるよう、米価下落に歯止めがかかる実効ある仕組み作りを強く要望しており、全国知事会におきましても、このことを直接農林水産大臣に対して要望したところであります。  京都府といたしましては、農業全体について、例えば、農と環境を守る対策等を通じて農山村の振興を計ると共に、品質の高い京都米を生産すると共に、確実かつ有利に販売し農家の経営の改善を図ることが重要との視点から、特別栽培米等の市場競争力の高い米作り、大消費地を抱える京都の立地条件を最大限に生かした販路開拓を推進しております。  さらに、これまでから、学校給食での地元産米の利用に対する助成を行いますと共に、京都産の米や野菜を利用する病院、福祉施設を「たんとおあがり京都府産施設」として認定し広く府民にPRする等京都米の地産地消を推進しております。今後とも、こうした米の生産にかかる取り組みを一層力を入れてまいりたいという風に考えております。

子どもたちの学習権の保障について 大学の異常な高学費への支援策について 【光永】 質問の最後に、子どもたちの学習権の保障について伺います。  貧困と格差の広がりにより、子どもたちの学習権を侵害する事態が起こっています。11月9日、日本共産党京都府委員会主催で「日本の異常な学費を考えるシンポジウム」を開き、多くの大学生や高校生、保護者、教育関係者が集いました。その中で、こんな発言がありました。「大学入学が決まり、キャンパスライフを楽しみにしていた矢先、暗い顔で帰ってきた父が、会社の倒産を家族に告げたのです。その日から家計状況は一変しました。奨学金を月々14万4000円借り受けていますが、そこから、保障料7500円が天引きされ、返ってくることはありません。その借金額を減らすため、バイトを始めました。朝7時に起きて学校へ、授業が終わると、午後5時から夜中0時まで勤務し、終了後、シャワーをあびて深夜1時30分くらいから仮眠をとり、朝5時に起きて8時まで勤務。終了後大学へ、という生活を一日おきに続けてきました。しかしあまりの疲労で授業中どうしても眠ってしまうので、バイトに見切りをつけました。学費のために、苦しんで必死になっている人間がいるということをわかっていただきたい。そして高い学費をなんとかしてほしいというのが私の切実な願いです」。また保護者からも「授業料のことで子どもに悩ませてしまう状況はなんとかして欲しい」と切々とした訴えが相次ぎました。  現在、世界では、国を支える人材を育成するため、高等教育も原則無料が世界の常識です。ところが日本の大学の初年度納付金は私学で平均130万円、医師・歯科系ではなんと506万円、国公立でも80万円となるなど、教育格差が世界でも最も激しい国の一つとなり、高い学費を負担できるかどうかで、人生まで左右される事態となっています。こうした中、京都府学生自治会連合は「京都学費黒書」運動をよびかけ、さらに学費ゼロネットを結成し、学生の学習権保障の闘いに全力をあげておられます。  九月議会でわが党山内議員の質問に対し、知事は「高い学費の対策は国において検討されている」と述べられました。もちろん、高学費改善の責任は国にあることはいうまでもありません。しかしおかれている学生の事態は、緊急の対応が必要なのです。調べますと、大学奨学金が独自にある栃木県では予約募集を受けつけ、入学一時金を50万円以内で受け取れるため、入学時に必要なお金をまかなうことができるようになっています。秋田県では、卒業後、県内居住した期間は返還金の三分の一を免除する、大阪府でも生活保護世帯は入学資金を25万円上乗せするなど実施されています。そこで、日本学生支援機構の奨学金について、返済猶予制度の拡充や貸与利率分の補給制度、保障料の大幅引き下げ等を国に求めるべきです。また、本府として、これら他府県の例にならい、入学予約制度の実施などを盛り込んだ、無利子の奨学金制度を創設すべきですがいかがですか。

【知事】 奨学金についてですが、教育は社会の基盤を作るものでありまして、未来ある若者が本当に希望する教育が受けられることが重要であると思っております。このような考え方に立って、真に必要とする学生に役立つような制度となるよう、私は大学の奨学金につきましては、国に検討をしてもらいたいと考えておりまして、奨学金制度の充実につきましても国に要望してきたところであります。  京都府といたしましては、国との役割分担の中で、平成17年度からは、日本育英会の高等学校奨学金、これを引き受けまして、盲聾養護学校の高等部と専修学校高等課程の生徒を新たに対象に加えますと共に、入学一時金として修学支度金貸与制度や、金融機関を活用した修学支援特別融資利子補給制度を新たに創設する等、しっかりとした奨学金づくりに取り組んでいるところであります。  また、府立の二大学についても、府内生にかかる入学料の減額措置や、学費困難等の事情がある場合の授業料減免制度を設ける等、これからも京都府の未来を担う若い人たちが必要な教育をしっかりと受けられる様、努力してまいりたいと考えている。

【光永】 奨学金についてだが、知事は大学生については国に求めるという程度の答弁しかありませんでした。しかし、先程述べた通り、日本学生支援機構の奨学金、これは無利子枠というのは、利用できるのは厳しくて、保証金もあってなかなか利用できない。だから、他府県で、例えば岐阜県では日本学生機構の奨学金と県の奨学金を併用できる様にして、結果、県の奨学金に多数が募集に集まる。これは、無利子でやっているからなんですね。こういうことが起こっている訳で、やはり、府の奨学金を独自に無利子で作っていただきたい。このことは、しっかり実態をつかんで検討頂きたいと強く求めておきたいと思います。

高校等の修学支援について 【光永】 高校においても、経済状況が困難になり、そのことが子どもたちの学ぶ権利を奪う事態を生んでいます。この間、府立高等学校教職員組合が児童・生徒の学習権を保障するために府立高校アンケートに取り組まれましたが、親の経済状況が大変で学校生活に影響がでる子どもたちの状況が告発されています。  アンケートには「家計を支えるために2つのアルバイトをし、仕事と学校の両立が厳しいため『大検を受ける』と退学していった生徒」や、「働くために休学する生徒」、「成績優秀で指定校推薦で有名私立大学に合格したが、親から『兄弟の高校進学のために学費が払えない』と言われ、辞退して就職せざるをえなかった生徒」などと記されています。他の府立高校でも「母親が病気になり、生活のためにアルバイトをしなければならず、土日も派遣会社の仕事へ出る生活を送るなかで、遅刻が多く、単位修得が危ぶまれる生徒」や「経済状況から進学をあきらめざるをえず、学習意欲、進路実現意欲を希薄にしている生徒」、「生徒のアルバイト代が生活費の中心となっている家庭」、「学期途中で保護者が無職になる生徒が数件あった」など、深刻な実態が浮き彫りとなっています。  また、授業料減免制度を利用したとしても、諸費の負担が大変重くのしかかります。ある一年生は、入学時に購入する冬の制服代だけで3万4000円、体操服代1万7000円以上かかり、修学旅行積み立てが一年間で約10万円、合計18万円を超えています。さらに通学費が年間9万6000円かかり、初年度、授業料以外で年間28万円以上です。これに、夏の制服、学校指定の靴、かばんなどがさらに加わり「スラックスの替えを買えなかった」ともいわれました。いくつかの府立高校を調べますと、制服は5万円を超えるところ、またクラブ活動でも年間10万円以上かかるところも多くあり、これでは、好きなクラブにも入れないではありませんか。  そこで経済的負担を軽減し、子どもたちが学べる条件を保障するため、片道15キロ以上、1カ月定期券購入費が2万2100円を超える額の半額を補助する本府の通学費補助制度を、所得基準額の緩和や控除額の引き下げ、回数券利用者への補助対象拡大、府立中学校生徒への適用拡大など行うとともに、支給額の増額と支給回数の拡大、距離基準の見直しを求めますがいかがですか。 また、今述べたとおり、制服や修学旅行費など諸費があまりに高い事態を改善すべきと考えますがいかがですか。

【教育長】 通学費補助制度だが、この制度は京都府も含め全国でわずか6府県のみが実施しているものであります。本府では対象者を過疎地域等に限定せず、二分の一という高い補助率とし、補助限度額も設けない等、他府県と比べても手厚い制度となっており、今後とも通学に要する経費の保護者負担の軽減を図るため、制度の維持に努めてまいりたい。  また、制服代や修学旅行費等の諸費につきましては、実費負担として納めて頂いている費用であり、中学生対象の学校説明会はもとより、入学後も様々な機会を通して保護者の理解を得るように努めているところでありますが、今後とも経済的に修学が困難な高校生が安心して学べるように、授業料の減免や修学資金の貸与等、各種制度による総合的な支援に努めてまいりたい。

【光永】 高校生の負担軽減についてですが、教育長は今回、総合的な支援で負担が増えないようにしていきたいと言うようにお答えになりました。しかし、府立高校の授業料減免制度を受けている人は、他の、例えば高等学校奨学金は同時に受けることが出来なくて、受給対象にはなりませんね。また、母子家庭の奨学金や、交通遺児奨学金もありますが、これも府立高校の授業料減免を受けている人は、これを併給できない制度になっているから、考えればわかる通り、極めて限定的な支援制度にならざるを得ないのですね。だから、通学費や諸費への支援策を求めているので、この点改めてお答え頂きたいと思います。

京都市・乙訓通学圏の再編について 【光永】 次に、京都市・乙訓通学圏の再編について伺います。  10月18日、京都府・京都市教育委員会は、京都市・乙訓地域の公立高校普通科の通学圏と入試制度の見直しの具体策を決定しました。現行4通学圏を南北2通学圏に拡大し、総合選抜を縮小するなどで、中学二年生が高校入試を迎える2009年度から実施する予定です。  これまでわが党議員団は、先行実施した山城通学圏などの例をあげ、競争と序列化を激化させるもので、拙速な導入をすべきではないと求めてきました。 今回の計画によると、現在、西通学圏の桂高校には、近くの乙訓地域から通学している生徒がいますが、桂高校は北通学圏に、乙訓地域は南通学圏となり、保護者からは「目の前にある桂高校を通り越して、どうして交通費をかけて遠くの高校へ通わなければならないのか」「お金がない家庭はどうするのか」などの不安が出されています。  また、東通学圏の鴨沂高校も、現在、山科区、伏見区醍醐地域から多くの生徒が通学していますが、今回の改正で鴨沂高校は北通学圏に、山科区・伏見区醍醐は南通学圏となります。その結果、地理配分によりさらに遠くの学校に行かざるをえなくなり、新たな負担が高校生や保護者にのしかかります。  こうした不安と、高校生が地理配分により遠くの学校へ行かざるを得ない現実をどう受け止められていますか。まずお答えください。  全国では、通学圏の拡大計画をストップした県があります。福島県では、一年半論議した上で県教育審議会が今年五月に答申した全県1学区制の導入について、教育委員会が、中学生からのアンケート結果を踏まえた論議をしたところ、教育委員から「『学区は今のままでよい』が五割あり、今の時点で大きく制度を変える裏づけはない」「通学区域を広くして欲しいという声は無視できないが、急ぐ必要はない」などの意見がだされ、また全県一学区制によって地域格差が拡大し、全県的に高校の序列化が進むことを危ぶむ声が教職員や県議会からも上がるなか、「県民は急激な変化を望んでいない」と判断し、当面学区制の変更を見送ることとされました。  同様に、香川県でも中学生や保護者にアンケートを行う中、全県一区にすると、高松市内に希望者が流れ、高松市内の子どもが近くの高校に行けなくなること、他地域では定員割れを起こすことなどから、実施が事実上中止となりました。いずれも、当事者である中学生や保護者、教員から意見を聞いた上で、判断をされています。まさに競争と序列化の不安に対し、教育委員会、当事者たちの声に応えざるを得なくなったものです。  本府の場合、当事者である中学生の子どもたちからも、また、指導する中学教員からも意見を直接聞いていませんが、なぜ、聞こうとしないのですか。お答えください。  またそのために、再編計画を凍結・撤回することを求めますがいかがですか。お答えください。

【教育長】 京都市・乙訓地域における高等学校入学者選抜制度の改善についてだが、総合選抜という制度においては、地理配分により入学校を決定しますので、自分の希望する学校や自宅から最も近い学校に入学できないことが従来からありますが、今回の改善は通学の利便性にも配慮したものであり、今まで以上に遠くの学校に行かなければならないというものではないと考えております。  改善にあたりましては、生徒・保護者をはじめ、広く府民のみなさまからご意見を十分に伺うため、意見募集や府民説明会を実施するとともに、中学校長会の意見も聞きながら、京都市教育委員会や関係市町教育委員会と協議を重ねた上で、改善内容を決定したところであります。  今後とも京都市教育委員会や関係市町教育委員会と連携しながら、生徒・保護者向けリーフレットの配布、中学校、高等学校への説明会の開催等、中学生にも不安のないよう、新しい制度の十分な周知をはかり、平成21年度入学者選抜が円滑に実施できるよう努めてまいりたい。

【光永】 通学圏の再編計画については、私、教育長の答弁は実態を全然お知りにならない話しだと思うのです。利便性が向上したと言うけれども、先程紹介した通り、父母負担はものすごく増えているし、実際遠くなっているではないかと言うことも具体的に指摘した訳ですから、序列化という点でも深刻だが、距離の負担、お金の負担という点でも深刻なんだと、このことは是非知っておいてほしいと思います。  また、アンケートについては答弁がなかったと思います。関係者に聞いたと言われますけれども、改めて聞きますが、子どもたち、中学生、当事者の子どもたちから聞いたのですか。改めてお答え下さい。

【教育長】 修学援護の制度でありますが、先程お答えした通り、授業料減免、或いは修学資金などそういう制度をそれぞれの家庭の状況により出来るだけ活用して頂くと、こういう意味で、私どもも「総合的に支援してまいりたい」と答弁したものでございます。  それから、子どもたちの意見を聞いたのかと、こういう事でございますが、私は、この種の問題は、まず大人の側が、子どもにとって何が最善か、しっかりと議論をして、その上で、子どもたちに不安の内容にしっかりと説明をしきることが大人の側の責任であると考えております。  もちろん、意見募集におきましては、教員、生徒を含めて、広く意見募集をしたところでありまして、現実にも様々な方から意見を寄せて頂いたところであります。

【光永】 子どもにも意見を表明する権利があることは教育長もご承知であると思います。まして、自分の進路に関わる問題ですから、他府県では、子どもの意見をちゃんと聞いて、教育委員会が良識を発揮して、審議会が一区制にするべきだと言われても、「いやいや、教育委員会としては子どもの意見を大事にして、この制度を見直すことはしません」と答えているのです。京都だって、子どもの事を考えるならば、このことをしっかり聞いてやり直すと言うことが、良識として問われていると思います。  その点で、やっぱり、この再編計画というものは、子どもの願いと、保護者や子どもを教える中学校の先生の声に、まったく根ざさないものですから、再編計画の撤回を強く求めておきたいと思います。

市民生活痛めつけ、不公正な京都市政転換のため、中村和雄市長実現に全力 【光永】 最後に、今のべてきたとおり、暮らしを守ることがまさに自治体の役割です。目前に迫った京都市長選挙では、そのことが真正面から問われます。京都市では、府内の国保証の取り上げのうちの8割、3967人にものぼり、また学校運営費が2割削減されるなど、市民生活を痛めつけています。さらに、市職員の逮捕など、不公正な市政がまかり通ってきました。この市政の刷新が今必要と私は考えています。そのために、中村和雄さんを市長に押し上げるため、広範なみなさんと力を合わせて全力をあげるものです。  以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。