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本会議質問

2008年2月定例議会 新井進議員 一般質問

2008/02/21 更新
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学研都市開発は、他の自治体で破産した三セクのやり方と全く同じ。 総面積も含め抜本的に見直せ。けいはんなの再建は、法にもとづき、 国にも応分の負担を求め、新たな府民負担を招かないよう臨むべき。 【新井】日本共産党の新井進です。先に通告しています数点について、知事ならびに関係理事者に質問します。 まず学研都市開発についてです。  学研都市開発は、昨年末改定したアクションプラン「学研都市新時代プラン」でも、「一定の研究施設の立地や住宅建設が進んだ」としながらも、「おおむね出来上がっているクラスターでも未利用地の存在や住宅建設等が十分進んでいないクラスターや、都市再生機構による事業の中止決定などにより未着手のクラスターがある」とされているように、今日では事業の行き詰まりは明らかとなっています。   わが党議員団は、これまでから、過大な開発計画は見直すべきだ、これ以上の自然環境の破壊は中止すべきだと繰り返し求めてきましたがその指摘が適切であったことを示しています。

精華・西木津地区では、関西電力や大阪ガスが購入した土地が、いまだ未利用地となっており、いったん建設された住友金属の研究所や美術館も閉鎖したままです。現在開発中の木津・中央の学術研究施設用地については活用の見通しは立っていません。しかも、都市再生機構がすでに木津北・東の開発も中止を決めたとされています。そして機構は平成25年以降の新規開発の着手は行わないと決定しているのです。 ところが、本府が昭和63年、バブル期に作成した当初の建設計画は、1954ヘクタールの開発、計画人口11万4千人となっており、本府のアクションプランも、地元関係市町の街づくり計画でも、これに基づいて、これからも進めるものとなっています。これはいったん立てた開発計画はそのゆきづまりが明らかになっても、事業は継続するというものです。この際、本府がたてた学研都市建設計画については抜本的に見直し、社会情勢の変化に即した計画へと変更すべきではありませんか。お答えください。  そして、この過大な開発計画をもとに、多くの学術・研究施設が進出することを前提として、これらの交流、共同研究を推進し支援する施設として「けいはんなプラザ」が建設され、その設置・運営主体として「株式会社けいはんな」が設立されました。京都府はこの会社に15億円の出資を行い、副知事が取締役に入る。そして、ラボ棟の入居率引き上げのための支援として2000年度から8年間で10億円余を支援し、さらに17年度からは「株式会社けいはんな」が事業主体となっている新産業創出交流センターに毎年2000万円支出してきました。ところがこの「株式会社けいはんな」が昨年11月には民事再生法の申請を行わざるをえないという事態になっているのです。  この「株式会社けいはんな」の財務状況をさかのぼって見たところ、「けいはんなプラザ」が完成し、事業を本格的に開始した平成5年時点に借入金145億円を抱えてスタートしました。 知事も一昨日の本会議答弁で「採算がとりにくい構造的課題を抱えている上、借入金に頼った運営になっている」といわれましたが、そもそもこの会社にこのような多額の借入金を返済できるような利益が上がる見通があったのか、そもそも全くなかったのではないかということです。  この会社が設立されて以後、昨年度までの18年間で、営業収支だけでも黒字になったのは平成13年度と14年度だけです。経常収支で見れば、事業を本格的に開始した平成5年度からは、借入金の利払いも始まり、毎年2億円をこえる経常損失を出し続けています。ところが本府は99年2月議会でのわが党議員団の内山議員の質問に対し、当時の企画環境部長は「経常収支は平成7年度から黒字となっており、経営内容は年々改善されてきている」と答えているのです。まったく事実に反する答弁をしているのです。そして、本年2月の予算委員会での猿渡副知事の答弁は、もって回った言い回しをしていますが、「少しづつ借金は返していけるような事業体になってきている」と答えているのです。  先ほど紹介したような、財務状況にあって、どうして「経営内容は改善している」「少しづつ借金は返していける事業体になってきている」といえるのか、このような、実態を覆い隠すような議会への答弁は、他の自治体で破産した三セクのやり方とまったく同じではないかと思うのです。もともと採算が取れるようなものではなかったのではないですか。また、取締役に副知事が就任し、これまで本議会でこのような答弁を行ってきた本府の責任はどうなのか、お答えください。  次に、このような厳しい経営状況にありながら、その運営に問題はなかったのかということです。私は調べてみて驚きましたが、平成元年に設立された会社で役員をされた方が、退職され、役員退職金が払われているのですが、平成5年に退職された方、たった5年ですが、退職金は1492万9千円、6年にやめられた方が1157万8千円、7年にやめられた方が2人で2210万8千円です。会社は大赤字を出しているにかかわらず、わずかの期間役員を務めたということで、普通のサラリーマンであれば20年、30年勤めなければもらえないような退職金を払っているのです。また、子会社、これはホテルですが、子会社への支援損、子会社株式評価損があわせて6億3千万円にものぼっています。そのうえ、コンピューター解約損が約4億7千万円もあります。 知事は、莫大な赤字経営に陥りながら多額の役員退職金を支払うような経営のやり方、さらには素人目に見ても、あの場所で採算をとることはむずかしいと予想できるホテル経営にまで手を出す、こうしたやり方が適切だったと考えておられるのですか、見解をお聞かせください。 三点目は、再生計画についてです。今回改定されたアクションプランにも「建設促進法に基づく文化学術研究交流機構の維持を図るため、株式会社けいはんなの経営再建を支援する」と書かれていますが、どんな支援をするつもりなのか、お聞かせください。 12月議会で、「マスコミに再建素案なるものが出ているけれども、再建策はどうなるのか」とただしましたが、理事者は「まだ承知をしていない」としか答えませんでした。しかし、すでに一部マスコミでは「資本金の大幅減資」が言われています。そうなれば府民の財産である出資金15億円は消えてしまうことになります。そのうえ、不採算部門である住友ホールなど一部施設を京都府に無償譲渡し、運営は「けいはんな」がするともいわれています。これによって維持補修費等は京都府の負担となるのではないかと危惧されます。ラボ棟なども府に譲渡し固定資産税の負担をなくそうということのようですが、地元の精華町に大きな影響を与えるものです。  この問題の解決に当たっては、これまでの負担のうえに、さらに何の見通しもないまま、新たな府民負担をもたらすような解決策をとるべきではないと思います。 もともと「株式会社けいはんな」は、国家的プロジェクトを推進するためのものとして学研都市建設促進法にさだめられた会社であり、基本指針は国が定めているものです。そして、法律第8条では学研都市建設について「国は必要な資金の確保その他の援助に努めなければならない」と定めているのですから、この再建のための資金確保についても、本来は国が負担すべきです。国に対し応分の負担をするよう求めるべきではありませんか。いかがですか。 また、この会社の最大の債権者は銀行ですが、銀行は、すでに大きな赤字をかかえるこの会社から、35億円を超える利払いを受けているのです。大幅な債権の圧縮で、経営再建に協力を求めるべきです。いかがですか。 この問題の解決に当たって、知事としてあらたな府民負担を招くようなことはしないとの決意で臨むべきです。以上について、まずお答えください。

【知事】関西文化学術都市の建設に関する計画ついては、関西文化学術研究都市建設促進法にもとづき、国が学研都市全体としての目標等を定める関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針にしたがい、昭和63年に各クラスターの基本的な計画として策定した。以降、都市整備の進捗や施設の整備に伴い、平成4年および平成18年に各クラスターの土地利用計画等について、その時点の状況をふまえ、必要な見直しを実施してきた。今後とも、各クラスターにおける土地利用の具体化や都市建設の進捗状況に応じ、地元市町と関係者の意見を伺いながら、国の基本方針の見直しの要請も含め、建設計画の必要な見直しを行っていきたい。  株式会社けいはんなの再建については、現在支援に乗り出している関西経済界とともに国の関係機関や政府系金融機関をはじめとする金融機関など、関係者と再建のための仕組みづくりに懸命にとりくんでいるところである。学研都市がわが国経済の活性化に寄与し、その未来を切り開いていくためには、株式会社けいはんなが産学公連携による新京都の新産業の創出や地元の地域文化活動の展開など、引き続き、学研都市における重要な役割を果たしていくことが必要である。府としても、府議会とも十分協議をしながら、地元市町をはじめ、関係府県や経済界等、関係者とともに株式会社けいはんなの再生について考えていくとともに、とくに府としては、府民のためにも公共的機能をどういう形で維持していくのが一番適当かという観点から、全力をあげてとりくんでいきたい。 【企画環境部長】株式会社けいはんなの経営状況については、研究開発拠点となるラボ棟の賃貸しや地域文化活動の拠点となるホールの運営など、公共公益性の高い事業を担うものであるが、バブル経済の崩壊にともなうオフィス事業の低迷など、当初の予想を上回る不況が長期化する中で、厳しい経営を強いられてきたものである。この間、株式会社けいはんなでは、経営改善をはかるため、役員の退職金を平成9年度以降は、非支給とするなど、人件費の見直しをはじめ、大型コンピューターのパソコンへの切り替えによる事務事業の効率化やリース料の軽減をはかるほか、国際的な学術文化研究の交流施設として運営してきたホテルなどの経営支援や子会社の合理化をはかる等、経営の効率化を進めてきた。このような中で、関係金融機関に借入金の償還期限を延長していただく等の協力をえながら、平成7年度からキャッシュフローベースで黒字を維持してきたが、将来的に設備投資に要した多額の債務を償還する目途が容易に立たない中で、抜本的な経営再建を行い、株式会社けいはんなの有する公共公益的機能を維持するため、今回の民事再生手続きの申し立てに至ったものと理解している。  府としては、株式会社けいはんなが、引き続き公共公益的機能を維持し、学研都市における重要な役割を果たしていけるよう、関係機関とともに支援することが、今後最も重要であると考えており、再生計画案が策定される中で、株式会社けいはんなの再生に努力していきたい。

【新井】再質問させていただきます。建設計画について見直しするということを言明されましたが、この中身について、総開発面積についての見直しがされるのかどうかをお聞かせ願いたいと思います。とりわけ、学術研究施設用地というのは、最初に整備された精華西木津でも用地がまだ残っています。その上、木津南が62ヘクタール開発されて、今、売却済み等で18ヘクタール。残りが44ヘクタールです。木津中央が今、工事にかかられていますが、58ヘクタールの学術研究施設用地があります。これらがまだ、残されたままというもとで、さらに開発をしていくという必要はないと思いますし、住宅建設についても、これは民間企業が自らの見通しのもとで、南田辺・狛田のところについても開発が進まないと、その結果として、山手幹線の建設整備が遅れるという事態になっているわけですから、これら全体の面積の見直しをすべきだと思いますが、これについてのご見解をおきかせください。  もう一点は、再建計画について「府民のためにも、公共性を維持していけるようにしたい」と答弁されましたが、府民にとっては、これ以上の新たな負担を押し付けられるということが一番問題なわけで、そういった意味でいうと、これまでから学研都市の開発には京都府が1500億円もの投資をしてきたという経過もあるわけで、これらの財政が厳しい中で新たな負担をまねくことのないようにしていただきたい。この点について、おきかせいただきたい。  三点目については、当初からこの140数億円ともいう設備投資について、返還できる見通しがあったのかということをおききしたわけです。今の答弁だったら、当初はあったかのような答弁ですが、当初はあったのかどうかもう一度改めてきかせてください。

【知事】土地利用に関しては、所有者や関係者、さらに地元市町との関係者の意見等をしっかり承って、その中で考えていくべき問題であり、その上で、国の基本指針の見直し等の要請も含めていくわけであって、そういう中で必要な見直しを行っていきたい。  けいはんなについては、やはり今、府民の皆さんがけいはんなの例えば住友ホールの公共的機能の中で非常に大きな地域文化の活動の利益を受けているわけですから、私どもとしては、何よりも公共的機能を維持していく、これは、公共団体としては一番大きな役割でありますので、そうした点から全力をあげていきたい。 【企画環境部長】株式会社けいはんなの維持の見通しですが、当初確かに145億円程度の債務を負担しながら出発をしたが、会社の当初の収支計画等を見ると、基本的にはそれを償却していけるという利用計画を立ててとりくまれてきたものだと理解している。

【新井】学研開発の見直しについては、ぜひこれは、総面積も含めた見直しを積極的に進めていくべきだということを申し上げて、検討をお願いしたいと思います。  もう一点は、公共的な役割を果たしているという住友ホールの話もありましたが、住友ホールだけが今問題になっているわけではないわけで、株式会社けいはんな自身が問題になっているわけで、やはりその点からの府民の負担が新たに増えるようなことがないようにしていただきたい。 もう一つは、「当初は計画がたったのだ」とこれでやっていけるという計画があったのだと答弁されましたが、しかし、一昨日の知事の答弁でも、この株式会社けいはんながもつ公共性公益性からみて、構造的に問題があったという答弁をされているわけですから、当初から145億円もの返済ができる利益を上げるようなやり方であれば、公共性を問われるという事態にもなりかねないわけで、もともと矛盾がしていたわけですから、その点については、率直に議会に報告し、今後の再建計画についても、議会の協議をえていくということで努力いただきたいと申し上げておきたいと思います。この点を申し上げて次の質問にうつります。

高齢者の雇用拡大のため、シルバーセンター以外にもNPOなど 高齢者の仕事確保にがんばる団体も、育成する団体の対象とせよ 鴨川の管理などは、営利企業が参入できないような対策を講ずるべき 【新井】次に、高齢者の雇用の問題についてお伺いします。 今日、ワーキングプアという言葉が広がっているように、構造改革の名で進められた雇用破壊、とりわけ「人間を使い捨てにする」派遣労働、日雇い派遣が、深刻な事態を生み出しています。この問題については、代表質問で前窪議員が指摘したとおりであり、日本社会を支えている働く人たちが人間として大切にされる社会としなければ、日本社会に未来はありません。  雇用の問題で、もう一つ重要な課題になってきているのが、高齢者の雇用問題です。いま、毎年のように年金は減らされ、高齢者を狙い撃ちにした増税と医療や介護の負担増で生活不安が大きく広がっています。引き続き働かなければ生活できない高齢者が急速に増えています。こうしたとき、国や自治体が高齢者の雇用の安定・拡大を図るために力を尽くすことは、重要な課題です。  高齢者の仕事を確保し、生活を維持するために高齢者自身の手で組織されているNPO法人「京都高齢者事業団」があります。ここではいま350人の方が、鴨川公園の清掃や金閣寺、知恩院など京都の寺院の清掃など100箇所の現場を自分たちで確保し、がんばっておられます。 こうして働いておられる高齢者の中には、「年金はわずか4万。しかしできるだけ福祉の世話にならないようにしたい。元気なうちは働きたい。」といわれているような方がたくさんおられます。また「観光地や公園をきれいにして、観光客に喜んでもらえるのは、やりがいがある。」「たくさんの人と一緒に働くことが、生きがいであり、元気な毎日がおくれる。」などと語っておられます。 このように、高齢者の働く場を確保し、自立した生活が送れるようにすることは、高齢者の生活を支えることとしてはもちろん、健康を維持する上でも、生きがいを持つ上でも、大きな役割を果たしており、一石何鳥にもなります。 ところが本府では鴨川公園の清掃など、これまで高齢者の仕事確保のため高齢者事業団に発注していた仕事を、競争入札としたため、高齢者事業団の仕事が大幅に減ってきています。  こうした事態の中で、高齢者事業団で働く人たちは、昨年は267人が、今年は2月6日に195人が「高齢者に働く場を」「仕事をください」との切実な声を記載して、知事に対し個人請願をだされており、こうした切実な声は知事も承知されていると思います。  そこでお伺いしますが、高年齢者雇用安定法の第40条には、「国及び地方公共団体の講ずる措置」として、「臨時的かつ短期的な就業または軽易な業務にかかる就業を希望するものについて、相談を実施し、その希望に応じた就業の機会を提供する団体を育成し、就業の機会の確保のために必要な措置を講ずる」とされています。この「就業の機会を提供する団体を育成する」ことについて、厚生労働省は、「これはシルバー人材センターだけに限るものではない。どのような団体を育成するかはそれぞれの地方自治体に任されている」としています。高齢者事業団のように高齢者自身が就業の機会を作り出し、高齢者の自立した生活の確保と高齢者の生きがいを作り出しているような団体も、当然、法に定める育成する団体の対象とすべきと考えますが、いかがですか。お答えください。  また、本府の場合、鴨川公園などについて競争入札にする際の条件に、65歳以上の雇用者が8割以上を占めることとされています。しかし、この条件だけでは、一般の営利企業が、高齢者を低賃金で雇用し、参入してくることができます。こうした「軽易な業務にかかる就業」については、法のいうように参入できる条件として、「高齢者に就業機会を提供する団体」、NPOなど非営利の団体と限定し、こうした団体を育成する具体策を講ずるべきではありませんか。  そして、今後、働きたい、働かなければ生活できない高齢者はますます増えてきます。こうした高齢者の働く場を、公的就労の場として拡大することがますます必要となってきます。本府にも体育館や学校、さらには運動公園など公共施設の清掃や道路の草刈など、軽易な業務は工夫すればまだまだあると思います。今後、土木建築部だけでなくすべての部局において、高齢者の働く場を確保するための知恵と工夫を凝らすべきだと考えます。関係部局による対策会議を開催し、高齢者の働く場をいかに確保し、拡大するか、そのための計画を立てるべきだと考えますがいかがですか。

【府民労働部長】府はこれまでから、新京都府雇用創出就業支援計画にもとづき、高年齢者の方々がその意欲や能力に応じて働くことができる環境整備に努めてきた。シルバー人材センターは、現在府内20箇所に設けられ、会員数は約1万4000人、事業規模が55億円の実績があり、地域に根ざした活動を展開していることから、高年齢者に就業機会を提供する団体として引き続き支援していきたい。  また、このような団体支援のほか、高齢者の就労の支援については、京都ジョブパークのシニアコーナーにおいて、利用者が希望される職に就けるよう、しっかりときめ細かなカウンセリングを行うほか、就業や創業をめざす方々のための講座を実施するなど、働き方の選択肢を広げるための支援も行っている。さらに、高年齢者も含めた雇用の場の確保を設けるため、今議会に道路緊急安全確保小規模改良事業などの緊急雇用対策の予算をお願いしている。今後とも京都労働局、ハローワークなどの関係機関とも十分連携をはかりながら高年齢者の方々がいきいきと働くことのできる環境づくりに努めていきたい。 【土木建築部長】鴨川公園の維持管理業務については、高齢者の雇用確保を条件に平成18年度から、段階的に一般入札方式による発注に移行している。今後とも発注の透明性、公平性、競争性を確保しながら、高齢者の雇用確保につながるよう努めていきたい。

【新井】私が質問したのは、シルバー人材センター以外にも、いわゆる育成する団体として認定するべきではないかということなので、シルバーセンターでやっていますという答弁ではかみ合わないのですよ。改めて答弁いただく時間がありませんので、再検討いただきたいと思いますが、厚生労働省自身が昨年の11月8日のいわゆる交渉における答弁の中で、先ほど紹介したような答弁をされているのです。ですから、我々としては、NPO法人なども含めていろいろな団体が、高齢者の仕事確保のためにがんばるということはこれから起こってくると思うのです。そのときに京都府は、シルバー人材センターしか知りませんと、あとは自由にという話にはならないと思うのです。その点は、改めて検討いただきたい。  それから、鴨川公園の管理についても、実際的には営利企業が高齢者を低賃金で雇って、それを引き受けるということができるようになるわけで、そのことに道を開く必要はないと私は思います。そういった意味では、ぜひ検討をお願いしたい。

城陽市の市辺金山地区の埋め立て開発計画については、地元住民の 安心・安全を守るため、府は開発許可をしないよう毅然とした対応を 【新井】最後に、私のふるさとでもあります城陽市の市辺金山地区の大量の埋め立てによる開発計画について質問します。 昭和40年前後に山砂利が違法採取された後に産廃等が投棄され、そのまま放置された状態になっている青谷川上流に、今度は、第2京阪等の残土22万㎥、ダンプ3万5千台から4万台分で埋め立て4,67ヘクタールを開発するという計画が持ち上がっています。 地元では、開発地が青谷川の源流にあたり①水質汚染の心配、②土石流など土砂災害の危険性、③自然破壊につながるとして、校区のすべての自治会・農家組合から知事宛に、埋め立て事業を許可しないでほしいとの要望書が提出されています。 これは、地元にとって極めて切実な問題なのです。昭和40年頃に、この地域で違法な砂利採取が行われたとき、青谷川の川底が粘土質の土壌で覆われ、市辺や多賀地区の井戸水がかれてしまう事態が発生しました。住民が川さらいを行い、粘土質の土壌を取り除くと井戸水が復活したことから、この地域の井戸水の水源が青谷川の伏流水であることが歴然としたのです。 当時、私もこの地域の山砂利採取による被害についての調査活動に参加しましたが、この市辺地域での山砂利被害とのたたかいが大きなきっかけとなり、城陽町民上げての無法な砂利採取への規制、砂利採取法の改正を求める運動が大きく広がったのです。今回、この青谷川上流が埋め立てられることは、この市辺や多賀地区の生活用水の水源が汚染される危険が極めて高く、しかも青谷川は天井川であり、上流域での開発は、土砂災害の危険など、住民の生活を脅かすものであることから、住民あげての要望となっているものです。 すでに城陽市議会では、12月11日に全会一致で埋め立て計画反対の請願が採択され、城陽市長も、許可をしない姿勢を明確にしています。 この埋め立て事業について、業者は当初、「資材置き場にする」としていましたが、「グラウンドにする」、「山を復元する」など、事業目的をくるくる変えています。こうしたなかで、住民の不安が広がっています。ぜひ京都府としても、毅然とした対応を求めますが、いかがですか。お答えください。

【土木建築部長】金山地区の開発計画に対しては、地元自治会などから許可すべきではないとの強い要望を受けており、府民の安心安全を守る観点から慎重に検討する必要があると考えている。本件については、本年1月に府に対しては、森林法、砂防法、城陽市に対しては、市条例にもとづく開発許可申請書等が提出をされた。府としては、複数の法律、条例にかかわる案件であることから、城陽市とも十分調整をはかりながら、慎重に対応していきたい。