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申し入れ

淀川水系4ダムに関する緊急の申し入れ

2008/06/05 更新
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2008年6月5日


京都府知事山田啓二様


淀川水系4ダムに関する緊急の申し入れ


日本共産党京都府議会議員団
団長 新井 進


 マスコミ等によれば、国土交通省近畿整備局は、近々に関係流域の知事に対して「淀川水系河川整備計画案」を提示し、意見を照会する事が予想されている。
 「整備計画案」作成に当たって、近畿整備局は淀川水系の4ダム(大戸川ダム、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発、丹生ダム)を整備計画に位置づけた「原案」を諮問機関である淀川水系流域委員会に提示し、審議を求めている。流域委員会は4月22日、21回の審議を重ねて意見書をまとめ、4ダムを整備計画に位置づけるのは適切でなく、「原案」を見直し、再提示することなどを近畿整備局に求めた。ダムを整備しても国が主張するほどの効果はない、という疑問が最大の理由である。
 ところが近畿整備局は、意見書を受け取っていない段階から「原案はあくまでも計画をつくるためのたたき台で、つくり直す性格のものでない」と突っぱね、流域委員会の審議終了を待たずに見切り発車で「ダム建設」を位置づけた「案」を作成しようとしている。
 「流域委員会」は、新河川法で「河川管理者は住民の意見を聴かなければならない」と設置された諮問委員会であり、その意見を尊重するのは当然である。さらに。宇治川流域の安全や環境問題に重大な影響を及ぼす天ケ瀬ダム再開発問題、毎秒1500トンの琵琶湖後期放流の審議は、流域委員会では始まったばかりであり、流域住民は徹底した検討を強く求めている。また、各ダムの京都府負担額も明らかにされていない。
 このような中で、流域委員会の意見を実質的に無視するような整備局の強引なやり方は許されない。滋賀県では条例により「案」が提示された場合、県議会が知事の意見を審議することになっており、京都府でも全ての情報を公開し、府民の声を反映させる仕組みを作ることが求められている。
 わが党議員団は、このような状況に鑑み、以下の緊急申し入れを行なうものである。


1 「整備計画案」については、流域委員会の審議・意見が反映されるように、近畿整備局に強く求めること。

2 大戸川ダム、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発、丹生ダムの4ダムについて、見直し後の京都府の負担額を明らかにするよう近畿整備局に求めること。

3 知事が意見を求められた場合は、議会に諮るとともに、広く府民の意見を聞く機会を持つこと。


以上