原油高騰で深刻な打撃を受けている漁業関係者への緊急対策を求める申し入れ
2008年7月24日
京都府知事 山田啓二 殿
原油高騰で深刻な打撃を受けている漁業関係者への緊急対策を求める申し入れ
日本共産党京都府議会議員団 団長 新井 進
日本共産党小選挙区京都5区代表 吉田さゆみ
いま、原油高騰の直撃を受け、漁業が存亡の危機に立たされている。マスコミでも大きく報道された7月15日の全国一斉休漁は京都でも行なわれた。日本共産党京都府議会議員団はこの間、府内の漁業関係者、団体を訪問し切実な実態と要望をお聞きしてきた。
京都府は「京都は定置網など沿岸漁業が中心で、影響は比較的少ない」としているが、党議員団の調査活動では、京都の漁業が深刻な打撃を受けていることが浮き彫りになっている。「軽油が2ヵ月半で4回値上げ。5月に1リットル90円が、いま110円~120円。かつては42円だった」、「船のタンクを満タンにしても、油代が出るかと思うと出漁できない」。「経費は高くなっているのに、魚価は10年間変わらない。ハマチが浜値で1本30円では」など、切実な声が寄せられている。
この事態が続けば、新たに漁業に取り組んだ人や若い人たちも離れかねない状況で、日本と京都の漁業が深刻な事態に陥りかねない。府北部では、漁業は地域を支えてきた重要な産業であり、その衰退は地域の崩壊にもつながる。
最大の問題は、国際的な投機マネーの横行による原油高騰であり、漁業関係者には何の責任もない。政府の原油高騰漁業対策は102億円に過ぎず、しかも直接補てんはない。「省エネルギーへの転換に補助といっても、新造船に1億円以上の自己負担などできるはずがない」との声が共通しており、政府の対策は実態に見合っていないものである。また、ガソリン船外機を使用する漁業者も多く、「免税を」の声もあげられている。
国の責任は重大であり、投機マネー横行規制や石油元売大企業の大幅な利益を還元させるよう求めるとともに、いま自治体として最大の努力が求められている。
よって、緊急で実効性のある次の対策を直ちに取られるよう、申し入れるものである。
記
1 漁業用燃料(軽油・A重油)代への直接補てんを強く国に求めること。また、府独自でも燃料への直接補てんを市町村、漁協と協力しておこなうこと。
2 漁業で使用される船外機のガソリン代にかかる揮発油税の減免を強く国に求めること。
3 政府の緊急対策を実効性のあるものとするため、クループ化などの要件を緩和すること。
4 魚価に関して、価格安定策と価格補償の具体化を政府に強く求めること。
5 政府に対して、投機マネー横行を規制する国際的ルールを確立し、石油元売大企業の価格操作などを規制するよう、強く求めること。
以上
原油高騰で深刻な打撃を受けている漁業関係者への緊急対策を求める申し入れ[PDFファイル 48.8 KB]