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政策と見解

2010年度当初予算案の発表にあたって(談話)

2010/02/01 更新
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2010年2月1日

日本共産党京都府会議員団
団長 新井 進

1、2月議会(2月4日~3月12日)に提案される2010年度当初予算案が1月28日に発表された。
 予算編成の基本方針では、今年度の「京都温め予算」を継続・強化するため、府民生活の「守り」と[支え」、「人への投資」を中心に、「続・京都温め予算(追い炊き予算)」としている。
 また、知事は今年の年頭あいさつで「豊かでない現実が重くのしかかっている」「いちばん大切なものは人」[福祉の在り方を考え、本当に困っている人たちをしっかり守」ると述べた。
 そうであるならば、これまで貧困と格差を広げ地方を切り捨ててきた「構造改革路線」について「同感」と述べ、府立洛東病院の廃止や他府県に通う私立高校生への授業料補助などの一方的廃止、商工業予算の削減、市町村合併の押し付け、税務共同化の強行、開発・誘致型の経済雇用政策を推し進めてきた府政運営への反省と転換こそが求められている。

2、予算案は、「豊かでない現実」をつくりだした「構造改革路線」への反省と転換がないため、府民の暮らしに「重くのしかかっている」現実に立ち向かえないものとなっている。知事は今回、後期高齢者医療制度の保険料値上げを抑制する予算措置を講じたとしているが、その廃止が国民的な願いであるにもかかわらず、そのことを政府に求めるどころか、「混乱する」として願いに答えないままである。また、京都府の事業所の99%を占める中小企業に対し、緊急対策として要望が強い固定費支援策や、市町村ですでに実施されている償却資産等への固定資産税の減免などへの支援にも背を向けている。また、子どもの医療費助成制度は、群馬県では昨年十月から所得制限なし、自己負担なしで入院通院とも中学校卒業まで医療費を無料化する制度をスタートさせた。府内でも南山城村で中学校卒業まで完全無料化などあいついで実施がされているにもかかわらず、京都府は通院を小学校卒業まで拡充しないままである。さらに、当初予算概要の記者会見で、知事は「行政改革は乾いたぞうきんを絞るようなもの」とのべ、税収不足を補うために歳出に占める人件費の割合を過去最低の31%台に抑え、事業見直しも本年度を上回る規模で進めるとし、小規模事業者への経営・技術改善支援として実施してきた商工会・商工会議所等育成費は前年比4000万円、この5年間で3億5000万円も削減している。商店街への賑わいを支援する絆・賑わい商店街推進事業費にいたっては、未来作り交付金に移行することを理由に廃止するものの、交付金総額は変わらないままとなっている。これらは、厳しい暮らしと営業の現実に追い打ちをかけるものである。
 一方、「税収の大幅な落ち込み」といいながら、無駄、不要不急の畑川ダムの建設、学研開発、同和奨学金償還対策事業などは続けている。こうした姿勢の転換こそ求められている。

3、医師確保対策や子どもへの支援策も本格的な対策には至っていないことは問題である。「命を守る25億円事業」として、総合医師確保対策が示されているものの、医療崩壊に即応するための対策は、府医療対策協議会は未開催のままで、急きよ立ち上げた「府医療対策本部」には、府立医大だのみの姿勢が如実であるなど、極めて不十分である。また、私立高等学校あんしん就学支援事業も、年収350万円未満世帯と対象が限られ、しかも、他府県に通う私立高校生は対象外となっている。また、小学校30人程度学級達成のための教員配置を完了としているが、そもそも今年度内に配置を完了すべきものを遅らせてきた上に、「まなび教育推進プラン」で示された中学校への拡充に踏み込んでいないままである。これらのいっそうの改善が求められる。

4、わが党議員団は、まもなく始まる定例府議会で、徹底審議を行い、府民要求の実現に全力をつくすものである。同時に、二ヵ月あまりと迫った京都府知事選挙で、構造改革から暮らしの再生へと府政の転換を訴える門ゆうすけさんを先頭に、ひと・いのちが大切にされる京都府政の実現のために全力をあげるものである。

以上