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予算・決算特別委員会

府政報告 1991 決算特別委員会書面審査(2)

2011/11/25 更新
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●10月28日から始まった2010年度決算特別委員会各部局別書面審査での日本共産党委員の質疑の大要と他会派委員の質問項目を紹介します。

商工労働観光部・・・ 1
知事直轄組織・・・・ 7
人事委員会・・・・・11
監査委員・・・・・・12
健康福祉部・・・・・13
政策企画部・・・・・21
警察本部・・・・・・26
文化環境部・・・・・30

2011年11月7日 商工労働観光部書面審査
浜田良之(日本共産党・京都市北区)

商店街・小売商業活性化プランについて

【浜田】「商店街・小売商業活性化プラン」の改定作業がすすめられており、「中間案」への意見募集が行われています。しかし、公表されている「中間案」は、A41枚の項目レジュメのような簡潔なもので、これでは、意見を求められても、出せないのではありませんか。実際、出ているのかお聞かせください。
【貿易商業課長】本日が締め切りですが、もう現在までで約10件いただいております。それと、一枚の紙だけで意見が十分出るのかという質問ですが、私の方がこの間、商店街の総会等で伺った理事長さんにもダイレクトメールを送る中でお願いしている状況です。
【浜田】ダイレクトメールで送っているのもこのA4のものですか。
【貿易商業課長】公表していますパブリックコメントの資料に私の私文書というか手紙を付けて送っています。
【浜田】9月議会の常任委員会で、京都市が市内買い物弱者実態調査を行っていることを紹介し、本府としても実態調査を行ってプランに反映すべきと質問したが、部長は「市長村が買い物弱者の実態を把握しようとしている。それらもふまえて活性化プランを策定する」と答弁されました。具体的にどのように反映されるのですか。
【商工労働観光部長】買い物弱者の実態について、市町村から具体的に様々なお話をお聞きしています。北部・中部・南部で状況が違っております。例えば、北部地域では、一定、店からの距離があるというようなところもあります。また、京都市内や南部地域においても、買い物の距離との問題とは別途、階段があるとか、建物の中でエレベーターがないとか、そういう地域の住民の住まいの関係等もあり、なかなか買い物に行きにくいという状況もあり、それぞれの市町村から状況をお聞きしながら今回の、去年も含めて施策をすすめているところです。
【浜田】公表されている「中間案」には、検討委員からの主な意見の中で、「コンビニエンスストアは、決済機能を始めとするサービスセンター的な役割を期待できるため、地域ニーズに合わせた誘致も今後必要。また、過疎地域における買い物弱者対策は新たなビジネスモデルの可能性大」という意見が紹介されています。商店街では、24時間営業のコンビニやスーパーが入ってくると、営業時間の面で、既存の商店は太刀打ちできないという声もあります。また、省エネにも反すると思いますが、コンビニを誘致するような方向はどうなのか。
【商工労働観光部長】9月議会でもお答えしたが、私どもは一生懸命、そういう意味では地域の住民のみなさんと商店街、この商店街というのは本当に地域のコミュニティーの核であると「明日の京都」でもしっかりと位置付けて、その中で地域のビジネスだけではなくて生活の大きな縁としています。そういう意味で商店街の振興と、かつ、買い物をいかに便利にしていくか、このようなものを具体的な地域の実情にあわせて進めていかなければならないと思っています。ただ、いろんな議論が、前提条件があると思いますし、全ての条件が、これから地域の中でどのようなかたちで最も適合するのか、これは地元のみなさんとしっかり意見をお聞きしながら施策をすすめていきたいと思っています。
【浜田】部長が言われたように、商店街がコミュニティーの核として頑張ってもらうという意味でも、既存の商店街を振興させるプランに、していただきたいと思います。
 買い物弱者の支援でもう一つお聞きします。実際に買い物弱者への支援策としては、宅配サービスや移動販売が考えられるが、府内の各商店街でそういう取り組み、努力をしようとされていると思います。一方で、大手スーパーやコンビニがネット販売なども含めて参入してこようとしています。行政としては、この間とりくもうとしておられる買い物サポート事業の拡充など、既存の商店街のとりくみへの支援を抜本的に強化すべきではありませんか。
【商工労働観光部長】様々なビジネスが、新しい時代ですから成り立っていくんだろうと思います。場合によっては、そういうものについては、サービスが住民サービスのプラスになるのか、ならないのか、あるいは経済的にプラスになるのか、ならないのか、それぞれの事業所が判断されるのだろうと思います。我々としては、例えば、本当に地域の中で困っておられる方、そして非常に厳しくなっている商店街が地域の核で更に再生していくにはどのようにしていくのか、地域の産業振興とくらしの振興を併せて効果がでるような形で我々がどんなふうに支援していくかを考えていかなければならないと思っています。
【浜田】地域の商店街が振興する方向で、パブリックコメントのやり方も含めて、よく声を聞いて進めていただきたいと思います。

ジョブパークについて

【浜田】次に、雇用対策についてお聞きします。
 今、非正規労働の増大が大きな社会問題になっています。京都府でも平成22年度で34.4%が非正規です。ところが、「第3次京都府雇用創出・就業支援計画」では、常用雇用の目標は4万人というふうに持たれていますが、正規雇用の目標は出ていません。常用雇用というのは、1年を超える、または期間の定めのない雇用で、パートやアルバイトなど非正規雇用も含まれています。正規雇用の目標を明確にすべきではありませんか。いかがですか。
【商工労働観光部長】第3次京都府雇用創出・就業支援計画については、平成22年から25年度までの4年間の計画で、それぞれ、1万人ずつしっかり常用雇用を進めていくという計画です。当然、常用雇用を進めるにあたっては、このような厳しい状況ですので、正規職員というかたちで雇用が進むように、今までも、ジョブパークや総合的な施策を進めて正規職員の増をすすめてきました。今後24年度、25年度に含まれる1万人の計画の中でも正規職員に頑張って就いて頂くような取り組みを引き続き進めていきたいと思っています。
【浜田】なぜ、正規雇用の目標をもたないのですか。常用雇用4万人のうち正規雇用は何人という目標はないのですか。
【商工労働観光部長】先ほど言ったように、4年間1万人ずつ常用雇用を進めて、4万人の雇用を進めていく。その中で具体的に正規雇用をしっかり頑張っていくというのが現在の雇用就業計画の目的です。
【浜田】やはり、しっかりそこの目標を持っていないところが京都府の正規雇用に対する位置づけの弱さを示していると思います。第9次京都府職業能力開発計画の中間案では、職業能力開発の実施目標と基本施策の中で、「非正規労働者は職業能力開発形成機会が乏しい状況にある」「非正規労働者を含め労働者一人ひとりの職業能力を向上させ、生産性を高めていくことが必要である」と述べています。非正規労働が正規労働者になるうえで必要な能力開発をすすめるための具体的な施策として、どんなことを考えられているのか。ジョブパークはどういう役割を果たすのかお聞きします。
【商工労働観光部長】職業能力開発計画の中で具体的に、様々なかたちで、例えば、短期職業訓練や、22年度から改革させていただいたが、高等職業専門技術校であるとか、具体的な施策を積み重ねていく中で、ニーズに合った形での職業訓練、そして職業能力の開発を進めていきたいと思っています。

商工労働分野へのTPPの影響について

【浜田】最後に、商工労働分野へのTPPの影響についてお聞きします。TPPに参加すれば、関税が撤廃され、いわゆる非関税障壁もすべて取り払われます。そうなれば、農業と食料だけでなく、暮らしと経済のあらゆる分野で「規制緩和」が行われます。たとえば、ネクタイの関税が撤廃され、原産国表示が撤廃されれば、外国産の安いネクタイが大量に入ってきて、クールビズの影響などで苦戦している西陣のネクタイは壊滅しかねません。京都府が行っている中小企業支援策も非関税障壁として廃止されかねません。何よりも重大なのは、TPP参加が、農林水産業や地方の建設業界への直接の大打撃となるだけでなく、食品加工、運輸などの関連産業、地域経済と雇用に被害が大きく波及することです。その結果、農水省の試算では、350万人の雇用が奪われるということが、示されています。中小企業の多い京都ではその影響は甚大だと思います。京都におけるこうした商工分野への影響について、どう考えておられますか。
【商工労働観光部長】TPPについてですが、まず、現在の京都の中小企業をとりまく状況というのは大変厳しいと思っています。例えば世界的な経済の影響が直接国内で受けるようになった、現在の日本の立地基盤をどのように守っていくのかということが非常に厳しい状況であると考えています。我々としては、国にも中小企業の国内でのものづくり等がしっかり進むようなかたちでの政策転換を求めているところです。TPPについては、知事会でも何度も、知事会全体として国に要望をしていますが、あらゆる分野での国民的議論を積み重ねる、その前にしっかりと情報提供をしていただくというかたちで、知事会でしっかりと申し述べているところです。
【浜田】実際には11月10日にも野田首相が交渉への参加を決定するという状況になっているわけで、日本が交渉に参加してしまったら取り返しがつかない状況になると思います。2月の質問時に、当時の新井議員の質問に対して当時の商工労働観光部長は、西陣のネクタイに関わって「原産国表示については、特に我々が指定しているような、商標を与えているような商品については堅持していただくように、国には申していきたいと思っております」と答弁されています。こういう原産国表示さえも廃止されかねないこのTPP参加については、京都の商工労働観光部としてもしっかり、交渉参加への中止を求めると言う態度をぜひとっていただきたいと思いますが、いかがですか。
【商工労働観光部長】例えば、西陣の振興については、これまでもしっかりと私どもも進めてまいりましたし、西陣ブランドをしっかり守っていく。その中で必要な要望については国に引き続き行ってまいりたいと思います。我々としては、西陣ブランドの製品を国内だけではなくて海外的にもどのように売っていくか、どのようなPRをしていくか、そういうしっかり振興していくということを進めて、TPPについては、先ほども申したように知事会でしっかりと意見をもうしあげているところです。
【浜田】その西陣ブランドがTPPに参加してしまえば大変なことになるということを、ぜひふまえて対応していただきたい。終わります。

加味根史朗(日本共産党・京都市右京区)

日本写真印刷に6890万円の府補助金 74人の雇用への補助

【加味根】企業立地の補助金に関係して、日本写真印刷のリストラ計画などについて質問する。「雇用の安定創出と地域経済活性化を図るための企業の立地促進に関する条例」に基づいて、日本写真印刷に7000万円の補助金が出されていると聞いているが、出されたのは何時か、雇用は何人分なのか、幾らであるか、設備に対する助成額は幾らなのか、場所はどこなのか、まずお聞きする。

【商工労働観光部長】日本写真印刷への補助金だが、亀岡の工場に対しまして設備投資への補助金を平成15年度に4690万円交付している。それから、同じく亀岡の工場に対して、平成15年と16年度合わせて2200万円交付している。
【加味根】雇用の2200万円で何人雇用されているのか。
【企業立地推進課長】15年度で48人分、16年度で26人分、合わせて74人分です

【加味根】その亀岡工場が閉鎖になるということが発表されて大問題になっています。正社員が400人、非正規が300人、合わせて700人の労働者を削減する。工場は亀岡工場を閉鎖するということであります。私たちも、知事に工場閉鎖の撤回と全ての労働者の雇用の確保を求めて申し入れもしましたし、本社に対して二回訪問をして、「ぜひ再検討すべきだ。計画を撤回すべきだ。全員の雇用を守れ」と申し入れをした。本府としても、知事の名前で雇用確保について要請をされたと聞いているが、会社側は依然としてこの計画を推進するという姿勢を変えていない。本府として、今後この問題について、さらにリストラの撤回を粘り強く求めていただきたいと思うが、どのように対応されるつもりか。

亀岡工場は廃止でなく閉鎖と会社側から聞いている...京都府

【商工労働観光部長】最初に、亀岡工場の閉鎖と言われましたが、われわれの聞いているところでは、金曜日にも日写さんが発表されましたが、亀岡については縮小でございます。そして、我々の取り組みでございますが、9月16日に日写さんが計画を発表された、その日に私どもは雇用の確保と地域経済への影響を及ぼさないという形で申し入れをして、知事自身も参りました。その中で、日写の本社と亀岡と久美浜とございますが、亀岡についても久美浜についても、事業上については拠点の廃止はしないということもお聞きしている。
【加味根】亀岡工場は、研究拠点は残すけれどもその他の工場は閉鎖、とはっきり本社でおっしゃっていた。ここで働いている労働者の人数は何人か把握されているか。
【商工労働観光部長】亀岡については約450名と聞いている。

補助金を出した目的から反している 企業の社会的責任追及を

【加味根】正社員419人、非正規が34人、計453人働いていると本社からお聞きしている。
補助金を出して支援をしてきたはずの工場が閉鎖になり、453人の労働者に希望退職を迫って、非正規の方については雇止めということですから、補助金を出した目的から見てそれに反するような動きになっている。日本写真印刷については、私たちも財政状況も見させていただいたが、内部留保として650億円を持っている。京都で成長してきた大企業であり、厳しい経営状況のもとでも採用した労働者についてはしっかり雇用を守る、そして地域経済に貢献していく、これが企業としての社会的責任だろうと思います。そういう意味では補助金を題した目的に反するような事態をあえて起こすように突っ走るようであるのならば、府としては補助金を返してもらわなければという話もしながら、何とか思いとどまれないのかと最後まで説得するという努力が必要なのではないか。
【商工労働観光部長】雇用の維持と地域経済への影響を最小限にし、そして次の発展を期していただく、先ほど言ったように発表の時からずっと継続して協議を続けてきた。今後とも日本写真印刷については、引き続き協議、あるいは必要な意見も述べなければならないと思っている。
その中で補助金については、亀岡は工場棟といいますか、工場の建物が5つあり、我々の補助金はその第二工場一つ分です。その後の動きはどうなるかということについては、具体化の内容については会社側が現在も検討していると聞いている。その状況を聞きながら、しっかりと補助金交付要綱の中身にのっとって、今後の具体的な方法については考えていきたい。
【加味根】建物を残すだけで労働者全部を移す、あるいは止めてもらうということなんですよ。研究拠点は残りますけど。だから、補助金を出した事態に反することが現に起ころうとしている。そういう時に雇用を守ろうとする問題、地域経済を守る問題で放っておいたら大変な事態になる。本社の方に確認しましたら、関係の部品を発注したり、あるいは下請けの企業が140社から150社ある。亀岡には9社関連の業者の方もおられる。そういうところにも影響がいくわけで、すべての労働者の雇用を守る問題、亀岡工場の閉鎖を思いとどまるということについては最後まで求め続ける必要があると思うがどうか。その決意を聞かせていただきたい。
【商工労働観光部長】先ほど申したように、雇用と地域経済の維持発展ということについてはこれまでからやってきたし.これからも必要な取り組みはやっていく。その中で第二工場を含めて建屋だけでなく、どういう風に使うのかというのは検討中だと聞いている。ニ段階あって、今回の動きの中でどうするか、それから建屋を生かして今後新たな事業展開をどういう風に進めるかも検討していると聞いている。しっかり地域に根差した形で事業が進むように引き続き取り組んでいきたい。

退職強要は絶対に許されない

【加味根】建屋を生かすのであれば、そこに働いていた労働者の仕事もちゃんと作り確保するというのが企業の社会的責任なのではないか。そういう責任の追及を求める必要があると思う。
 一方、希望退職となっているが、本社に行き執行役員とお話しした時に、「希望退職の中で退職強要があってはならない」とあえて申し入れをした。「強要はしない」と言われたが、私たちのもとにメールでたくさんの労働者からの声が伝わってきている。実際には「新しい職場はあなたにはありませんよ」とか「あなたのスキルを生かす職場はもう無いですよ」というような言い方で、事実上退職を強要するような事態が起こっている。退職強要というのは最高裁の判決でも違法行為、犯罪行為となっている。だから、会社側も退職の強要はしないと言わざるをえないんですが現実には起こっている。いっぱい声が出ている。これについては、雇用を守る一環としてもゆるがせできない問題が起こっていると見るべき。京都府としても、退職強要があってはならないと強く言うべきだがどうか。
【商工労働観光部長】当然、労働雇用法規に基づいて、しっかりこの法規に則った形での取り組みをしていただくのはあたり前のことである。これは我々も申しあげている。また監督官庁は労働局であるが、私どももコンプライアンスの維持をしっかりしていただくということは引き続き取り組んでいきたい。
【加味根】補助金を出した企業で労働法規が守られないということがあってはならない。労働局とも連携して改めて強く求めていただきたい。下請け関係が140~150社あるということだがその影響はどのように把握しているか。
【企業立地推進課課長】我々が聞いているところでは、関係の企業については亀岡なら亀岡と特定されているところではない。仮に事業が移転したとしても、そこから発注ができるので、影響が少ないのではないかと聞いている。亀岡に本社のあるところについては 、どちらかというとサプライチェーンの中ではなくて、消耗品の納入とかという形の取引なので一定仕事が減るということがあるかもしれない。少なくともサプライチェーンという協力会社ではないと聞いている。

下請け企業への一方的な発注の削減、単価の切り下げするな

【加味根】本社の役員の方も下請け企業に何らかの影響が出ることを否定していませんでした。下請け企業への一方的な発注の削減とか単価の切り下げとかが無いように強く府に求めておきたいと思うがこの点はどうか。
【商工労働観光部長】当然ながら、私どもも下請け対策にはしっかり相談体制を持っておりますし、課長が言ったように日本写真印刷との関係でも、これまでからしっかりさせていただいているので、取り組みは今後とも取り組んで参りたい。

あくまでも撤回、全ての労働者の雇用を守れ

【加味根】日本写真印刷のこのリストラ計画については、あくまでも撤回、全ての労働者の雇用を守れと強く求めていただくように求めておく。
いまの経済情勢のもとで日本写真印刷だけではないんですね、いろいろな企業に波及している。新聞で明らかになったのがパナソニックですね、テレビ部門が削減されるということで長岡京に(半導体の)工場の本社がある。この関係も下請けに大きな影響を及ぼすのではないかと考えている。特に日産車体の跡地に進出した企業がテレビ部門の下請けを担う企業が設備投資をされた企業もあるとも聞いている。影響をどのようにつかんでいるのか。
【商工労働観光部長】パナソニック社の新聞記事につきましては、われわれが確認しましたところではパナソニックさんの発表ではない。少なくとも現時点では何らかの京都の動きがあるということについては聞いていない。
大企業、特に輸出産業の下請けのみなさん方については、テレビだけでなく車の関係も含めて非常に厳しい状況にあると思っている。
そうした中で、年末対策をしっかりやって、あるいは当初予算を含めて「京力100億円事業」という形でしっかり支援していただく、そういう中で京都の物づくり基盤をしっかり守り、海外に向けて技術を伸ばして新しい道を探っていただくような形にも引き続き支援を強めていく。

パナソニックなどの影響調査も進め 雇用や下請け中小企業を守る対応を

【加味根】具体的に明らかになったパナソニックについても、私どもも把握を始めているが、府としても詳細な影響調査、下請けへの対策を強めていただくことを求めておく。
点で起こっているのではなく面的に起こり始めているのがいまの事態だ。府内の輸出型の企業の中で企業の再編などが起ころうとしている。この中で雇用や下請け中小企業を守る特別の対応が必要だと思うのだが、京都市や労働局と合わせて京都の大企業や経営者の団体に強く要請することも必要ではないかと思うがどうか。
【商工労働観光部長】雇用については、本年7月でありますか、しっかりと関係の機関のみなさんとともに、雇用の確保、新卒者も含めて確保について要望している。引き続き続けて参りたい。何よりも産業の海外移転を防ぐ、京都の中で物づくりの拠点を守る、そのためには研究開発を進めるとか、新しい設備投資にがんばっていただいているみなさんに設備投資の支援をするとか、特に円高対策、空洞化対策については、政府に対してしっかり要望をしてきたし今後とも経済対策を要望していく。
【加味根】日本写真印刷の問題、パナソニックの問題が出てきているが、円高問題、経済情勢の急変の中で、多くの大企業を中心とした企業で再編などの動きが起きようとしている。新たに雇用や中小企業などの問題が起こってくることが予測される。こういう中で、しっかり雇用や下請け企業を守るための京都府の構えが非常に大事になってくる。特別な対応をする体制なり、労働者や中小企業が相談できる窓口を作ることがその点はいかがか。
【商工労働観光部長】これまでから雇用の関係については、全国最先端の様々な体制を整えましたが、それをよしとするのではなくて、先ほども申したように国との間でもワンストップサービスを進める、中小企業対策については、京力100億円事業を進める、今回補正でもお願いしましたが円高対策をはじめ総合的に進めながら京都市と手を取り合って進めている金融対策、このような形でセーフテイネットを張るという総合的な対策を進めながら、中小企業の物づくりの維持発展に引き続き努めてまいりたい。
【加味根】こういう事態の中で、行政として特別に労働者からの相談窓口を作って相談に乗るということが非常に大事になっている。私たちのところにも、たくさんのメールが寄せられています。2ちゃんねるというネットにもたくさん声が寄せられている。相談なり、救いを求める声が日増しに強まっています。そういう状況に的確に対応する京都府の相談窓口なり体制なりが必要だと思います。そのことを強く求めて終わります。

≪他会派議員の質問項目≫

■池田正義(自民・舞鶴市)

・舞鶴港に貿易ジェトロの必要性について

■島内研(民主・京都市左京区)

・京都市地下鉄観光利用促進事業について

■中川貴由(自民・八幡市)

・高齢者・障害者・若者に雇用対策について

■酒井常雄(民主・城陽市)

・健康産業振興事業について

・国際医療交流について

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

・中小企業設備投資補助について

・ライフ&ジョブカフェについて

・テルサ障害者ステップ事業について

・京ナビについて

■兎本和久(自民・木津川市及び相楽郡)

・学研都市の企業誘致促進について

・中小企業下支え支援事業について

■巽昭(自民・京丹後市)

・あんしん借換融資制度について

・合併による商店街、地元商工会の支援について

・丹後広域観光等支援事業について

■平井斉己(民主・京都市北区)

・観光促進について

■荒巻隆三(自民・京都市東山区)

・新産業創出事業について

■豊田貴志(民主・京都市山科区)

・あんしん借換融資制度について

・ジョブパークでの犯罪者の就労支援について

■林正樹(公明・京都市山科区)

・ジョブパークの新規利用者について

■安田守(自民・向日市)

・観光入り込み客の状況について

■秋田公司(自民・京都市南区)

・緊急雇用対策について

・伏見区引きこもり支援カフェでの雇用について

・中小企業支援について

・内需対策、建設業の仕事お越しについて

・広域観光(関西広域連合)について

■田中健志(民主・京都市中京区)

・観光客の入り込み状況について

・外国人観光客の状況について

・子育てステーショナリーについて

2011年11月8日 知事直轄組織書面審査

迫祐仁(日本共産党・京都市上京区)
府職員の勤務状況改善とメンタル対策について

【迫】京都府人事委員会で「職員の給与等に関する報告及び勧告」が発表されました。報告では、職員の勤務条件等について職員総実勤務時間の短縮、健康の保持増進、仕事と育児・介護等の両立、非常勤職員の勤務条件は、「必ずしも十分な成果が得られているとまではいえない状況も見られる」と指摘しています。
総実勤務時間の短縮は重要な課題とし、縮減の取り組みを行ってきたが、職員の総実勤務時間が、全体として増加の傾向だ。22年度で、月に60時間を越える時間外勤務した職員は何人いるのか。
【職員長】H22年度の60時間を超えた勤務時間とするのは382名となっています。
【迫】理由と縮減の対策はどうなっているか。
【職員長】縮減については日々、時間外の事前命令を適切な進捗管理をしている。そうしたなか、いろんな事務改善ツールを主幹課長レベルの縮減委員会があってそこで全庁的取組をしている。ただ、昨年度若干増えているがそれについては、臨時的業務とか震災への対応とかそういう場合がありますので、年度によって増減がある。
【迫】現実に、8時半から5時15分に終わらなければならない仕事が、夜の7時8時とか10時とか仕事をされている、勤務時間内に終わらない仕事量になっているのではないか。それくらいやるのが慣行になっていないか危惧をしているが、残業代が支払われていると思うが不払い残業とかしていないか。
【職員長】日々夕刻の4時ごろ、だいたいその日の仕事をチェックしていて、そのなかで必要なものは命令をするということになっていまして、それについては適切に時間外手当をだしている。
【迫】現実に長時間の勤務がおこなわれている、報告でも職員の長時間勤務は心の健康とか生活に深刻に影響を及ぼす。医師による面談、指導を徹底する必要がある。こういう指摘をされている。さらに健康の保持増進では、本府による心身の故障による休職が増加傾向だということで、メンタルヘルスの不調によるものが全体の7割近くになっていると指摘をされている。昨年度も5人の職員が自殺によって死亡されているが報告でも事例が報告されていますし、このことは異常なことなのでしっかりと対応していかなければならないと、人事委員会の決意だと思います。   
府としても職場のメンタルヘルス対策の取組の徹底が求められるのではないですか。
【職員長】京都府の休務の原因についてはこの10年くらいはメンタルが1位を占めていて大きな問題であることは京都府としても受け止めているところ。昨年9月からメンタルの健康管理医を専任配置しておりまして、個々の事例については細かな指導をしている。今年度、徹底的な予防対策として全職員についてストレスチェックの取組をすすめている。また、職場復帰についても仕組みを持っているが専門医の意見を聞きながら改善等進めて府としても全力で取り組んでいるところ。
【迫】京都府の責任が問われているので、部課長まかせにせず府がしっかりと取り組んでいくことを要望しておく。
給与費プログラムによる人件費のキャップで、18~22年度で939億円削減、人員は17%削減ということですが、H 22年度の削減数は何人か、5年間での総削減数は何人か。 
【職員長】5年間の18~22年度給与費プログラムの期間、削減数は1500名強となっている。一方でいろんな課題があり増員が450~460で純減数でいうと1050ということになっている。それからH22年度だけ見ますと約100名程度削減、純減となっている。
【迫】心身の故障による休職者は何人か。増加しているのは、残業と給与費プログラムの押し付けで、職員の削減が要因になっているのではないか。
【職員長】メンタルの推移の状況ですが、全国的にこの5年間で1.5倍にふえている状況ですが、京都府は横ばいの推移。たとえば7日以上の休務については81名、全体の休務者の3分の1、一月になると65名、ほぼ半分くらいがメンタルで休んでいる。
【迫】昨年度は、5人の職員の方が自殺されているということで、人事委員会も深刻に受け止めていいて、府としても対策を強めるべきだと思うが、給与費プログラムによる人員削減がされている。府民サービス、職場の人間関係や職員の健康に何をもたらしているのか検証すべきだ。
それと非常勤職員の勤務条件ですが、報告は労働基準法、常勤職員との均衡を考慮し、国や他の地方公共団体と比較するとしているが、知事部局で再任用はべつにして全職員に対して何人くらいいるのか。 
【職員長】まず、メンタル関係ですが、いろんな原因があると分析しているが、4分の1が家庭問題、健康が2分の1、仕事が4分の1、あと本人もわからないのも4分の1あるということで京都府としても全力で取り組んでいる。
臨時・非常勤の職員の状況ですが、嘱託職員、非現業で資格を要しないという人数がH23年4月1日で416名いる。臨時職員は年間トータルでいろんな日々の雇用とかあったりして、割り戻しをして22年度で586名の職員を任用している。全体の正規職員について23年度当初で4880人。それに対す比率かなとおもいますが。数字・割合は出せません。

非正規職員の待遇改善について

【迫】本来、正規職員が担うべき仕事を非常勤のかたが担っている、京都府政を支えていながら生活保護水準に近い賃金で生計を立てている。この改善は必要ではないかと思う。
非正規の職員の方々の休暇のあつかいは正規職員と同等にあつかっていくことが必要だ。
京都市では、「嘱託員」も正規と同様で、京都府での結婚休暇は非正規が0、正規でも6日間なのに対し、京都市では嘱託員も7日間。自治体間の格差をなくしていく改善が必要ではないか。
【職員長】非常勤職員の勤務条件・休暇問題、京都府としても他団体、他府県、国の機関とも調査をして、最大取り入れるものについては改善をしてきている。府として昨年度は病休も育休も認めるというかたちになっている。日々検証しながら改善をしている状況です。
【迫】非正規の方も正規雇用として働いてもらうということを原則とすることを要望して終わる。

前窪義由紀(日本共産党・宇治市及び久御山町)

人事院勧告制度のあり方と京都府の人事委員会の役割について

【前窪】10月31日に本府の人事委員会の勧告が出されていますが、これに対して本府がどういう姿勢でのぞまれるのかお聞きします。
【職員長】公務員は労働基本権が制約されますのでその代償措置として勧告制度がありますので当然これを十分踏まえるというスタンスが基本であると考える。
【前窪】マイナス勧告だとかあるので心苦しいのですが、現行制度のもと労働基本権を奪われているなかで、これを最低限実行していくのが必要だと思う。その点十分対処していただきたい。
H11年度からずっとマイナス勧告あるいは給与の引き下げが実施されているが、この間年収にしてどの程度下がっていますか。
【職員長】モデルという形になりますが、係長40歳でH10年からH23年1426000円、19.5%減。
【前窪】すごい減り方だ。家計を直撃しているのはもちろんのこと、地域経済にも大きな影響を与えています。これだけの不況のなかで商工業者・中小企業も苦しんでいる中で、毎年毎年、賃下げをやっているのは、まさに働くみなさん方のモチベーションのみならず地域経済・家計を直撃する、合わせて、公務員を引き下げそれがまた民間の賃金に影響を与え、またさらに人勧に影響するという悪循環に陥っている。この点では府の人事委員会も国に準じているというところに問題があろうかと思います。
そういった中で野田内閣は人勧もだされていますが、人勧によらずに引き下げる給与の削減法案をだしている。平均7.8%減をうちだしてきているわけだが、閣議決定で人勧も見送りをされている。本当にけしからんと思う。労働基本権を制約しているもとでも代償措置としての人事院勧告制度をまさに否定をし、人事委員会制度も否定をするこういうことを国がやろうとしているのですが、これに対してきっぱり抗議を国にしていただきたい、いかがか。
【職員長】国のほうでは人事院勧告を措置せず特例法案の中へ内包されているという風なかたちで実施されようとしているが、わたしども報道・情報なんかで知っていますが、この扱いにつきましては、たとえば内閣 法制局長官ですねただちに意見問題にならないんではないかなとか、人事院の総裁はですね非常に問題が、非常にこれ地方としてその解釈論は注視したいと思っています。昭和57年に人事院勧告をせずに昇級させなかったということはありますが、その時の法解釈を見てみますと一定いろんな勧告の実施をうけて回避をしたという努力が対処されたと聞いているが難しい問題だが注視していく。
【前窪】人勧の見送りだけではなしに、連動して義務教育の国庫負担金の削減とか地方交付税を削減すると、こういうところに踏み込んでこようとしていることもある。その点では地方自治体としても黙って見過ごせない状況になっていると思う。決定するまでに京都府としての意思表示をして、こういう際限のない賃下げの歯止めをかけるべき、このように思うのですけどいかがか。
【職員長】まだ報道等で聞き及んでいる状況で、国庫負担金の削減とかでているが具体的にこちらに話しをきいていないので今後とも情報収集しながら対応すると考えている。
【前窪】こんなことは聞かないでも動きをみていればハッキリわかることだ。決まるまでにハッキリ物を言って通告をしなければならない。指摘をしておく。

京都府庁の節電対策と職員の健康管理について

【前窪】次に節電対策と絡んで本府の超勤など働かせ方についてですが、夏に節電対策で5時15分には冷房が止められて消灯および20時消灯もされた。昨年の冬は節電対策がないなかで5時15分になると暖房が切られ、暖房なしの深夜超過がされてオーバー、コートその上に毛布をかけたりあるいは湯たんぽを使ったりというようなことで大変な職場環境での仕事を強いられた。こんな職場環境で働かせていいのかということだがいかがか。
【職員長】昨年冬の暖房、温度の設定を引き下げるということですが、これはCO2の削減という大きな命題があったので行政が率先していかざるをえない、職員を十分説明しながら対応してきた。この夏につきましても電力不足で行政としても節電に努力するのは当然と考える。職員と十分話しをしてすすめてきた。
【前窪】何の改善策も示されないということで、今年も冬を迎える訳ですがそれではいけない。改善を求めておきたい。それで超勤も減らない、仕事量も減らないこういう状況が続いているなかで、22年度末まで給与費プログラムで1500人超の人員削減をした。非常に大きく影響していると思う。22年度でいきますと超勤を月60時間以上やったかたが延べ1008人に及ぶということです。
こういう状況のなかで超勤を強いられるのはたまったものではない。この点はしっかりと改善をしていただきたい。まずは超勤をなくす、このためにはあまりにも人員削減をやりすぎだということを指摘しておきたい。
 さて今年の夏の昼休み時間を13時までから14時に変更したが、どれだけの効果があったのか、検証されたか。
【職員長】この夏の昼の対策、ピークシフト対策ということになるかと。本庁・総合庁舎はかってみたら全体としてはピーク14%カット1時間ずらしたことで本庁舎につきましては2割を超える節電効果があった。
【前窪】関電の報告を見ますとピーク時間といいますと14時前後で推移をしている。あまりにも現実的でない節減対策というのはよくないのではないか。職員の英知を集めて効果のある節電対策を求めておきます。
次に東日本大震災の復興や東電の原発事故の収束が望まれていますが、本府の職員も現地にはいりまして、必死の努力をしていただいていることに敬意を表したい。今度犬・ネコの捕獲に福島原発20㌔圏内に入る。こういう状況もあるわけで、健康対策とかその他配慮すべきだと思います。この点での決意と派遣手当。国の派遣手当に比べて一桁京都府は安いという状況なので改善をしていただきたい。見解を求めます。
【職員長】派遣職員にかかる健康管理について、8月から長期派遣に切り替わるということがあったので東日本大震災等業務従事職員を特別な健康診断をやっていくことになった。派遣終了後、通常健康診断に加えて放射線等の従事検査診断、環境の違いがありますのでメンタル関係のチェック、特定の健康診断を全な健康管理をやろうと考えているところ。
派遣手当は人事委員会と調整するか検討点検する。
【前窪】しっかり改善していただきたい。派遣も長期になり3ヶ月。また、今年度末では終わらない、そういう意味での長期にわたる。派遣されて専門職員等がおらなくなった職場での事後対応、職員体制の確立も改善をしていただきたい、要望しておわります。

≪他会派議員の質問項目≫

■酒井常雄(民主・城陽市)

・外国籍府民共生施策懇談会について

■兎本和久(自民・木津川市及び相楽郡)

・わいわいミーティングについて

■田中健志(民主・京都市中京区)

・留学生倍増推進事業と就職支援について

・京都府の広報につて

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

・留学生倍増推進事業について

■池田正義(自民・舞鶴市)

・留学生就職体験プログラムについて

■島内研(民主・京都市左京区)

・ベンチャー企業について

■秋田公司(自民・京都市南区)

・公債費プログラムについて

・建設土木の新産業づくりへの人材育成について

■林正樹(公明・京都市山科区)

・広報HPでの情報発信について

・留学生倍増推進事業について

・知的障がい者の雇用について

■中川貴由(自民・八幡市)

・友好都市ジョグジャカルタについて

2011年11月8日 人事委員会書面審査
前窪義由紀(日本共産党・宇治市及び久御山町)

野田内閣の国家公務員給与平均7.8%引下げについて

【前窪】本府の人事委員会のみならず、全国の人事委員会という都道府県の制度というのは、都道府県においても労働者の労働三権、労働基本権の制約の中でこれまで労働者の立場にたった勧告なり報告をするという積極的な面がありました。しかし、一方、時の政府の政策によって賃金抑制等の役割も人事院勧告等を通じて人事委員会にも大きな影響を受けて、そういう役割も担わされてきたという側面はあったかと思うのです。現局面で言えば、政府が人事院勧告を今年度は見送るというような閣議決定だとか、あるいは給与削減法案を国会に提出をして7.8%の大幅引き下げを行うという方向を出すとか、人事院あるいは人事委員会制度の根幹をゆるがすような状況にあるかと思うのです。そこで、今年の人事委員会の勧告なり報告というのは、私は知事部局にも質問しましたが、これを無視をされるということになってはならないと思っております。本府人事委員会として政府に対してこのような人事院制度を形がい化するやり方に対して抗議すべきだと思うのです。人事委員会の立場として、そういう行動をとっていただきたい。
 あるいは、義務教育費国庫負担金の削減なり、地方交付税削減の可能性も無視できないわけであり、予断は許されません。こういう状況であるだけに本府の人事委員会としての態度を、ぜひ表明して頂きたい。
【事務局長】ご承知のように、公務員については労働基本権が制約されています。その制約されているという代償措置として私ども人事委員会が専門的・中立的な行政機関として、その役割を果たしているということです。その役割を果たすにあたっては、例えば、私どもでいいますと、地方公務員の中で行政適用の原則であるとか、民間準拠の考え方であるとか、一定の枠組みが定められた中で私どもは人事委員会として勧告なり、そういう役割を果たしてきています。したがって、国の方で減額法案というのがございましたが、これについては人事院総裁も遺憾の意というか、意見表明をされています。私どもとしては、基本的にそういう労働基本権が制約されている中での公務員の給与決定のあり方が実現されるべきであろうと考えています。そういう国の取り扱いについて、私どもとしてコメントをするという立場にはないのではないかと考えています。
【前窪】私は、ぜひ人事委員会制度そのものの否定につながるような国の動きについては、時期を失せず政府に対してもしっかりと働きかけていただきたいと思います。これは要望しておきます。
 それから、平成11年からずっと賃金が下がり続けてきています。先ほどの知事部局の答弁では、係長級で年間給与が141万円も賃下げが行われているということでした。そういう観点から本府の職員の賃下げが、まだ賃金の改定をしていない民間中小企業を中心としたところへの影響を及ぼす。そしてまた、それが来春の春闘などにも影響を及ぼすというような悪循環をしている状況にあるわけです。私は、そういう意味から、今年度の本府の勧告で住宅手当の廃止ということも盛り込まれておりますので、これは決して職員の希望するものではなかろうと思います。そういう点は留保しつつも、これからの人事委員会制度のあり方という点についてはしっかりと踏まえていただいて、その役割を果たして頂きたい。要望しておきます。

職員の時間外労働、メンタルヘルスの改善を

【前窪】また、今年の報告では、総労働時間の短縮なりメンタルヘルスの不調が依然として続いているという報告があります。昨年もありましたけれども、これはなかなか改善されないという状況にあるわけで、事業所の調査などもやっておられると思いますが、そういう結果をふまえてどのように感じておられますか。踏み込んだ対策が必要だと思いますがいかがでしょうか。
【事務局長】時間外の関係ですが、報告でも述べましたが、必ずしも縮減されていない。震災の関係であるとか、口蹄疫の関係であるとか、そういうような事情がありましたが、なかなか縮減というところまでは至っていない。一方、メンタルの問題についても、例えば病気休暇で休まれている方のほぼ7割がメンタルであるということです。いずれにしても、職員自身の健康管理、あるいは府政の推進という意味からも、時間外勤務の縮減、あるいはメンタル・健康管理の問題についても非常に重要な課題であると思っています。時間外の問題については、いろんな時短推進の取り組みを任命権者の方もされております。そういう中で、これからも勤務時間の管理だとか、職員の意識改革も含めてやっていく必要があると思いますし、メンタルについてもセルフケア、ライフケアを含めていろんな取り組みがされています。これについても、身近なところで、例えば職場全体、職員全体で支え合う。明るく活力のある職場をつくっていくというような雰囲気を醸成することが大事だと考えています。これをやったから特効薬として一挙に改善されるということはなかなかないわけですが、私どもとしては事業所調査もやる中で地道に一生懸命取り組んでまいりたいと考えています。
【前窪】そのことと関連しますが、先ほどの知事部局の答弁では正職員が4884人、臨時職員等で1000人を超えるという事態になっています。この間、正職員の削減が、超勤などが減らない、あるいはメンタルヘルスを各職場で起こしている引き金になっているのではないかと私は認識いたしますが、これまでの事業所調査の中でそういった角度からの探求はされましたでしょうか。
【事務局長】メンタルの原因ですが、これは職場の関係、あるいは家庭の関係、社会生活、いろんな要因が複合的に重なっているのではないかと思います。したがって、端的にこれが原因だというようなことは、私どもの事業所調査を実施している中でも、そういう意味での把握はできていないというか、難しいというところです。いずれにしても、この間、メンタルで苦しんでおられるという方が非常に多くなっておりますので、先ほど申し上げたような取り組みをしっかりと続けていくことが大事だろうと考えています。
【前窪】メンタルの問題も超過勤務がなかなか減らない問題も、やはり職場の人員体制というところが非常に大きな問題を含んでいると私は思います。これから不断に調査なり、職場の事業所調査も含めてやられると思いますので、そういった角度からの今後の人事委員会としての役割を発揮していただくように要請して終わります。

2011年11月8日 監査委員書面審査
前窪義由紀(日本共産党・宇治市及び久御山町)

西大久保の府営団地で家賃の過大徴収について

【前窪】西大久保の府営団地で家賃の過大徴収が13年3か月に渡って行われていたことが明らかになりました。対象世帯数が307件、金額が約7000万円にのぼるというわけですが、13年3か月にわたってこういう状態が続いていたということですから、監査委員としてはどのように受け止めておられるか、またどのように指導されたか、経過についてお答えください。
【事務局長】西大久保団地の件については、私どもは承知しておりますけれども、具体的に現在までの段階で監査をその点にしぼって執行したということはございませんので、今後、こういうことが明らかになりましたので今後の監査についてはそういうことを中心に監査していきたいと思います。
【前窪】この過大徴収については、西大久保団地で判明しましたが、全ての府営住宅に関わる問題です。これは建設交通部が所管ですので、主にそういうところでしっかりと正してもらわなければなりませんが、監査という角度からもこういうことがないようにしていただきたい。こういう立場でしっかりとやっていただきたいと思います。
 また、これは全額返還をするというような事だとか、他の団地の徹底調査が必要ということなので、監査から所管の部への督励というのが必要だと思いますが、いかがですか。
【事務局長】所管部局の調査結果を待ちまして報告を受け、どういう形で監査をしていくかということを監査委員の方で検討していただくということになろうかと思います。
【前窪】しっかりとやっていただきたいと思います。

特定公共賃貸住宅の空き家対策について

【前窪】次に、これも建設交通部に関わることで、包括外部監査報告でも触れられていますが、特定公共賃貸住宅の課題という問題です。これは、管理戸数が125戸ありますが78戸が空き家になっている。62.4%です。宇治の砂田団地では、管理戸数が50戸のうち36戸・72%も空き家になっています。つまり、本府が投資して造った特別の対策の住宅が活用されていないという状況にありますので、これは公金の使途としては十分効果を発揮していないというわけなのですが、こういうことについての監査というのは従来やられたことがあるでしょうか。
【事務局長】今、委員が申されたような特定の事項に限って監査したということはないのですが、いずれにしても税金の無駄遣いだとか公金の執行が適正に行われているかという観点で、いろんな角度から監査していますが、今申されたような特定の公共の住宅についても、一定の認識をもっていまして、夏の監査でも一応のその監査はしていますが、特に要望とか意見とかいうかたちで、こうせよとは申し上げておりません。
【前窪】包括外部監査の指摘の中で、民間のマンションよりも高いというような状況では、いくら使ってくれと言っても使ってもらえないではないかとあります。したがって、特公賃という制度の廃止、準公共公営住宅という方式の転換も含めてやるべきだという指導があるのです。そういう包括外部監査と本府の監査との関係はどのようになるのでしょうか。
【監査委員】包括外部監査と私ども監査の違いですが、11年度から導入され、包括外部監査が行われていますが、一般的に言われているのは、私どもの監査というのは、総合的に、継続的に、全体として財務監査を中心にいろいろものを見ている、いわば定期健康診断といわれているのですが、毎年みることによって本当に組織が不具合になっていないか、組織の動きが悪くないかということも含めてチェックをしているということです。ただ、包括外部監査は一つのターゲットに的を絞って、例えば住宅の仕様についてどうなっているのかということで、個別具体的に、一般的にいえば、専門健診みたいなことで、部分健診ということでやられている。そういった違いがあります。ただ、お互いに、私どもの方も状況をチェックしてお渡ししますし、お互いに連携を取りながらやっていますが、結果的には、二つの監査が各部局のいろいろの事務執行について刺激になって、よくなっていると思います。ただ、今おっしゃったようなことがあるとするならば、資産活用の問題でもありますので、今後、私たちの方もテーマを設定をして、テーマ監査というようなものをつくり、今年もやっていますが、資産活用の本当に最大的な府民の需要について、最大限利用していただくような格好、そういうようにならないような格好に、しっかりと監査をしていきたいと考えています。
【前窪】今日は、西大久保府営団地の件と特定公共賃貸住宅の件をとりあげましたが、本来、建設交通部のところで論議をして監査の見解を聞くということでしたが、時間がありませんでしたので、言えなかった部分があり、直接監査に伺いました。これは、この件にとどまらず、これから監査の姿勢としていろんな角度から府民の税金がどうなっているのか、あるいは、税金も含めて府有資産の問題があるので、その問題もしっかりやられているかどうかということを含めて、監査としての役割を期待をして終わります。

2011年11月9日 健康福祉部書面審査
浜田良之(日本共産党・京都市北区)

山城北医療圏への災害拠点病院の設置について

【浜田】災害拠点病院についてお聞きします。まず、災害拠点病院の位置づけについて簡潔に説明していただきたいと思います。
【健康福祉部長】災害拠点病院については、現在、府内各医療圏域に基本的には1か所ずつ、全体で基幹医療センターを含めて7か所設置をしているところです。基本的に災害時の医療を提供していただくということで、府内地域で6か所、基幹医療センターとして第一日赤病院、計7か所設置しているところであり、災害時にはこうした大学病院、さらには京都医療センター、府立医大、京都大学など救護班も含めて出動して医療体制を整えることとしています。平成20年7月には、京都府と個々の病院で派遣に係る協定を締結し、災害時に対応していただくとしています。
【浜田】今言われたように、災害拠点病院は、災害時における初期救急医療体制の充実強化をはかるための医療機関であり、東日本大震災の教訓からも、被災地内の傷病者の受け入れなどに、たいへん重要な役割を担うものです。ところが、7つと言われたように、府内にある六つの医療圏のうち、山城北医療圏には、災害拠点病院がありません。山城北医療圏は、京都・乙訓医療圏に次いで、二番目に人口の多い医療圏であり、この問題では、八幡市からも京都府へ要望も出されていると聞いていますが、私は、八幡に限る必要はないと思いますが、少なくとも山城北医療圏内にも災害拠点病院を設置すべきではありませんか。
【健康福祉部長】実は、災害拠点病院は、いわゆる報酬的といいますか、対価がございませんので、つまり、加算があったり補助をしたりということをしていませんので、民間病院にお願いするのは難しいだろうという従来の考え方のもとで、基本的には公的病院をお願いしてきております。山城北医療圏については、従来は大学の附属病院が一か所あり、そこを指定していましたが、そこが民間の医療法人に変わったということで、その時点で災害拠点病院の指定がなくなったものですから、今、委員がおっしゃったような形になっています。ただ、特に、今回の東日本大震災を含め、非常に重要なものでありますし、民間の病院の中でも特に救急医療をきちっとやっていただいている病院など、災害時に役割を果たしていただいている病院がありますので、現在、山城北医療圏の該当する病院に働きかけをして早急に指定すべくすすめているところです。
【浜田】ぜひ、急いで進めていただきたいと思います。

京都南部の小児救急医療体制について

【浜田】次に、京都南部の小児救急医療体制についてお聞きします。山城北医療圏では、宇治の徳州会病院と京田辺の田辺中央病院の当番制による夜間及び休日の小児救急医療体制がとられていますが、この2病院だけで、山城北医療圏全体の小児救急医療を受け入れるには無理があります。そのことは、「平成22年度の主要な施策の成果に関する報告書」にある、小児救急医療の利用者数を見ても、府内の六医療圏の中で、山城北医療圏が8864人と、断トツに多いことを見ても明らかです。たとえば八幡市では、平成22年4月から1年間の、八幡市民の小児救急医療の搬送件数は295件ですが、宇治徳州会病院が99人、田辺中央病院が89人と、3分の2はこの2病院に頼っています。そういう中で、「子どもが急に高熱を出して、30分かけて徳州会まで走ったが、1時間近く待たされて、不安でしかたがなかった」などの声がたくさん寄せられています。そういう現状をふまえて、八幡市から京都府に対して、医師確保や設備の充実も含めて、八幡市内の病院の小児救急医療体制を強化し、山城北医療圏内において、当番病院として組み込むよう、要望が出されていると思います。ことは、子どもの命に関わる切実な要望ですから、ぜひこたえるべきではありませんか。いかがですか。
【健康福祉部長】確かに山城北は、いまおっしゃったように宇治徳州会病院と田辺中央病院で、ある意味2病院で対応していただいており、現在のところ、八幡市さんからそういうご要望をいただいているというのは承知していますが、直ちにこういった形で対応していただく民間病院もございませんので、この2つの病院で、今、頑張ってやっていただいておりますので、基本的にはこの2つの病院で当面お願いをしていきたいと思っています。ただ、充実するに越したことはないので小児科医の配置等なかなか厳しい状況ではありますが、夜間救急を休日もやってやろうという病院が出てきますように、私どもとしても引き続き、各医療機関とお話をしていきたいと思っていますが、現状はこの2病院でやらせていただいているところです。
【浜田】民間の病院には、実際には小児科医が減っているというところもあって、なかなか手が上げられないということがあると思うので、その小児科医の医師確保も含めて、ぜひ京都府が支援をしてほしいというのが八幡市の要望だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

男山病院への支援について

【浜田】その八幡市で、重要な役割を果たしていた関西医大男山病院が、美杉会男山病院になり、常勤医師数が減っています。とくに、産婦人科は医師確保ができるまで休診扱いとなっており、小児科では、三人いた常勤医師が一旦一人になり、現在は二人ですが、入院に対応できず、枚方の佐藤病院に患者を送るような事態も起こっています。関西医大から美杉会への移行については、京都府の医療審議会で認可されたと思いますが、京都府として、こういう事態は掌握されていますか。
【健康福祉部長】全体的に医師確保が南部地域においても困難な状況であるということは認識しております。ただ、個々の病院の医師の配置状況、あるいはどういう状況かというところまで、私どもで把握をするようなかたちにはなっておりません。また、美杉会の病院から医師の関係について私どもにお話をいただいたこともございませんので、承知はしていません。いずれにしても、全体的な医師確保というのは大事なことだと思っていますので、今年度設置した地域医療センターを中心にして、府立医科大学、京都大学等とも連携しながら、医師の確保については精一杯がんばっていきたいと思っています。
【浜田】掌握してないということですが、京都府の医療審議会で認可した病院でもありますので、ぜひ、掌握をしていただきたいと思います。
 男山病院では、小児科や産婦人科だけでなく、他の診療科でも常勤医師数が減っています。小児科や産婦人科はじめ医師確保のために、京都府として支援を行ってほしいと思います。また、男山病院では昨年救急指定を受けていますが、救急勤務医への補助金が680万円で、これでは、一人分の人件費にもならない、と言われています。補助金の引き上げを検討すべきではありませんか。いかがですか。
【健康福祉部長】基本的には各病院で経営をしていただいておりますので、各病院の職員の配置については各病院の責任でやられるべきものです。私どもがいちいち全病院について医師の確保をするような立場でもございませんので、掌握をすると言っても難しいと思っています。
 救急の関係については、現時点でそういう形になっていますが、引き続き充実にむけて国にも要望するなど積極的にすすめていきたいと思っています。
【浜田】いわれましたように、京都南部で全体として医師不足がおこっているということは認識されているということなので、これはぜひ、行政としても、医師確保のための必要な手立て、支援を要望して終わります。

加味根史朗(日本共産党・京都市右京区)

子どもの医療費助成の拡充と福祉医療制度について

【かみね】子どもの医療費の助成の問題と福祉医療制度についてうかがいます。
 まず子どもの医療費助成について、先日、京都市の9月議会で副市長が答弁され、「通院の対象は小学校6年生まで拡大する方向で府と協議をしている。早く実施できるようにしたい」というふうに答弁されました。京都市とどういう協議になっているかお答えください。
【高齢社会対策監】福祉医療制度については、これまでから知事が議会等で答弁していますが、実施主体である市町村とも十分に議論しもって、できるだけ早い時期から実施していきたいということを明言しております。その前提に様々な福祉制度がございますので、専門的な立場、または当事者の立場から、どういった改革の方向がいいのかというかっこうで、今現在、福祉医療制度に係る検討委員会を設けています。当然、京都市さんの方からも検討委員に入っていただいていますので、現在、検討委員会の中で議論させていただいて、年内に、できるだけ早く方向をまとめたいと考えています。
【かみね】子どもの医療費の助成について、さらにお聞きします。副市長さんがお答えになったのは、内容は、これは事実なのですか。
【高齢社会対策監】私の方は、京都市さんとは検討委員会の場で、テーブル・席を同じくしておりますが、京都市さんの方からそういった答弁があったというふうには、情報としては、私は聞いておりません。
【かみね】市議会で公式に答弁をされたことでありますので、この通りなんだろうと受け止めてはいますが、検討内容についてもう少し聞きます。通院の医療費を月3000円以上の部分を補助するというのが今の制度でありますが、この仕組みを残した形で小学生まで拡大するということで検討をされているのか、それとも、月に1医療機関につき200円という負担で小学校まで拡大するのか、そのあたりの検討についてはどうなっていますか。
【高齢社会対策監】これまでに、過去2回検討委員会で議論しており、検討委員会の先生方からは、そういった所得・一時負担金の点についても、下げたらよいという意見もございますし、一方で全体的な財政の問題もございますから、そういったことも加味しもってやっていかねばならないとか、それを下げることによって、いわゆるコンビニ受診化がすすむのではないかという懸念の声、様々な声がございまして、これからそういったことを集約して年内にまとめていきたいと考えています。
【かみね】この制度の目的は、子育て家庭の経済的負担を軽減するというところにあると思います。今、子ども手当が削減され、小学生以上の子をもつご家庭については、この10月から手当が5000円削減をされ、年間では6万円ほど減る形になります。経済的負担という点では負担軽減と逆にいくような動きになっています。一方で、働いている方々の所得収入はどんどん下がるという状況ですから、こういう時こそ、地方自治体として、京都府として子育て家庭に支援を強めるということが必要ではないかと思います。そういう意味では、通院費の小学校卒業まで無料化という方向で、ぜひ検討をし、決断もしていただきたいとおもいますが、改めてお聞きします。
【高齢社会対策監】これまでからも知事が答弁していますように、子育て支援対策としてこれについては充実する方向で検討しています。そういった中で、この事業の実施については、実施主体である市町村と歩調を合わす必要がありますので、そういった市町村とも十分連携することによって様々な外部識者のご意見も聞きもって、充実の方向を年内に出していきたいと考えています。
【かみね】よくトップクラスというお話をされていますが、トップクラスの群馬県や東京都とか、小学校卒業から中学校卒業へというように無料化をひろげてきていますので、トップクラスに追いつく形で、ぜひ、京都府も積極的に検討していただくように要望しておきます。

老人医療助成について

【かみね】その他の福祉医療制度について、まず、老人医療の助成制度です。公開されている京都府のホームページの資料を見ると、所得制限を強化して、市町村民税非課税のみにしていくということが検討されています。そうなると、対象となるお年寄りは、何人の受給から何人に減るのか。また、対象年齢人口の中で、対象となるお年寄りの割合というのは何%から何%に下がるのか。数字を伺います。
【高齢社会対策監】福祉医療については、先ほどから申しているように、検討委員会で現在充実方策を検討していますが、そういった中で、今、福祉医療で委員からご指摘があったように、例えば老人医療等々ありますが、検討委員会の中での方向としては、平成24年度から実施できるものという格好で早急にやらなければならないものとして、現在、子育て支援医療と訪問看護の療養費の2点について、具体的方策として支援するかというのを検討しており、それ以外の福祉医療制度については、今現在、検討委員会の具体的な俎上に上がっていないということです。
【かみね】検討が止まっているのかもしれませんが、資料を見る限りは、市町村との合意で市町村民税非課税に限定する方向で検討しようという合意になっているということであります。具体的に、その所得制限になると、本人の年金収入158万円というのが受けられる限度になるようですが、そうなると、今、47000人のお年寄りが受給されていますが、25000人が対象から外れるというふうに資料では書かれています。自己負担についても、今、国の方は2割に上げるという方針が出されていますが、2割になればお年寄りの負担としてはどれだけ増えることになるのでしょうか。その数字は明らかにできませんか。
【高齢社会対策監】先ほどの一部負担金の1割か2割ということについては、前回平成19年の際に一定の方向のまとめがされたわけです。それをふまえて、その方式で前回の19年の制度見直しをこのまま充当するという格好で、昨年末に検討会報告で出させていただいておりますので、それは必ずしも市町村と合意しているという話では全くございません。念のために申し添えさせていただきます。そういった中で、とりあえず福祉医療については、喫緊の課題である子育て支援医療と訪問看護の療養費について検討をすすめていくということであり、それ以外の福祉医療については、現在検討に具体的には入っていないというのが実情です。
【かみね】ということは、この「老人医療の助成制度の所得制限を強化する」とか「1割負担を2割に引き上げる」とかいうことはやらないと受け取っていいのですか。
【高齢社会対策監】それについては今後の議論ということで、私どもは認識しています。ですから当面、福祉医療については、様々な市町村や関係団体との調整が必要でありますので、まずは喫緊の課題である子育てと訪問看護療養費、それ以外の高齢者医療費や母子等々については、その次の課題として今後検討がすすむと理解をいただきたい。
【かみね】来年4月以降に国の方の方針で70歳以上のお年寄りについては医療費の自己負担を2割にするという方針が示されています。それでは喫緊の問題になってきていますが、これについてはどう対応するのですか。ずっと後に検討するということになるのですか。
【高齢社会対策監】私どもが福祉医療制度の検討をする際に、今おかれている現在の社会情勢の変化等々は当然考慮する必要があると考えています。そういった中で、例えば国の方が新たな制度の見直しがおこれば、それは当然ふまえた検討がすすめられるでしょうし、まだ、国の方でどうなるかというのは明確に方針が出ていませんので、今の段階で仮定の議論をするというのはいかがなものかと考えています。
【かみね】国の方針は明らかになっているわけで、これにどう対応するのか、方針を持たなければならない時期にきていると思います。私たちとしては、2割に引き上げるなということを言いたいと思うが、高齢者のくらしも大変になってきています。地域を歩きましても、お年寄りからは「年金が下がり払う負担ばかりが増える」ということで、本当に生活の不安は高まっています。そういう中で、医療費の自己負担を上げるということは断固ないように求めていただきたいと思いますし、医療費の助成の所得制限の強化ということについても検討をやめるように求めたいと思います。

母子家庭医療助成について

【かみね】あわせて、母子家庭の医療費助成についても検討が進められてきました。これについても、今のところ検討は止まっているということかもしれないが、議論の到達点を確認しておきたい。これまで、平成9年度の児童扶養手当の所得制限ということで据え置いてこられました。母子2人世帯で給与収入約860万円ということで、ずっと据え置き、22148世帯の母子家庭、世帯員で言えば55104人に対して医療費の助成が行われており、この制度は正に全国1位という水準です。この所得制限を強化して平成22年度の児童扶養手当の所得制限にしていくと、約420万円に引き下げ、対象を1664世帯、3897人に減らすということになります。さらに、22年度の児童扶養手当の本人の一部支給の所得制限に引き下げることも検討されており、その場合は2396世帯、5611人減らされることになります。この母子家庭の医療費助成については、母子家庭の児童および母の健康保持と福祉の向上を図るというのが目的です。この制度の目的に反することになると思いますが、母子家庭の今の平均所得、生活の状況が、今日の時点でどのようになっているのか、どう把握されているのかお聞きします。
【高齢社会対策監】母子家庭の医療ですが、現在は母子家庭ですが、昨今の社会状況の中では父子家庭もいらっしゃいます。そういった大きな課題が社会情勢の変化と認識するなかで、私どもは、母子家庭の福祉医療制度がどうあるべきかを検討していきたいと思っています。収入については、大半の方が収入所得300万円以下の方が約7~8割を占めている状況になっているなかで、実施主体である市町村とも一緒になって考えていく必要がありますが、制度を持続安定的につなげていくための方策として充実するだけでいいのかどうなのか、こんな視点もございますので、一方で母子家庭については一人親家庭との問題、所得制限の問題を総合的に加味して今後、検討委員会で様々なご意見をたまわりながら一定の方向性を出したいと考えています。
【かみね】厚生労働省が出している「国民生活調査」の平成22年版をみると、母子家庭の平均所得が262万円。平均所得以下の世帯が95%ということになっています。ほとんどが低所得世帯です。生活が苦しいと考える世帯は85%という数字が国の調査でも出ており、母子家庭の生活の状況はますます厳しくなってきている。こういう時に所得制限を強化して、いろいろと助成も切っていくということは、今の母子家庭のみなさんの状況からいって許されないというふうに思います。この点についても、このようなことが行われないように強くもとめておきます。

重度障がい児者医療費助成について

【かみね】さいごに、重度障がい児者の医療費助成ですが、この見直しの検討については、精神障がい者の方も対象に加える、あるいは身体障がい者の方の助成対象を拡大するのかどうか、さらに訪問看護療養費、先ほど喫緊の検討課題となっているようでありますが、福祉医療制度の対象にするのかどうかというふうに、これは前向きな検討になっていると思いますので、これは至急に制度の拡充が図られるべきだと思います。特に、精神障がい者を対象に加えるということが当然のことですし、私は身体障がいについては、身近な障がいをもっている方々の生活の実情やお話を聞く体験を通じましても、やはり3級までは拡充すべきではないか。そして訪問看護療養費も対象に加えるべきだと考えますが、この点について、今の検討の状況をお答えください。
【高齢社会対策監】精神障がいの方の取り扱いについても、今後、検討委員会の中で様々な議論がされると考えておりますし、そういった材料を提示するなかで、全体の財政の負担の問題も当然ありますので、そういった中で、どういった府民的な合意が得られるかということも含めて今後検討の課題というふうに認識しています。
【かみね】部長も冒頭に、「くらしを守り生活を支える」とおっしゃいましたので、正にこの福祉医療制度というのはその重要な柱となる政策ですので、この後退がないように維持、充実に努めるように強く求めて終わります。

西脇いく子(日本共産党・京都市下京区)

88歳の方への敬老祝い品について

【西脇】質問に入ります前に、理事者のみなさんが胸につけておられるオレンジのリボンですが、これは、お聞きしますと児童虐待防止月間ということで、そのキャンペーンだと、ぜひ私たち議員のところでもご協力させていただけたらと思っております。
88歳の方への敬老祝い品についておたずねします。京都府の高齢者の祝い品等の予算は22年度が1700万円、23年度は1080万円ということで、残念ながら年々減額されているところです。今年度から88歳、米寿の方への祝い品事業が廃止になったとお聞きしています。祝い品の中身はともかく、これまで長い間、88歳までご苦労されてこられた高齢者の皆さんへのねぎらいという意味での意義のある事業ではなかったかと思います。これまでの88歳、米寿の方の支給対象者は何人だったのか、どういう過程で88歳の方への支給事業をなくされたのかお聞きします。
【高齢者支援課長】88歳、米寿へのお祝い品の質問ですが、まず、対象者数ですが、昨年平成22年度で4009人の方に交付をさせていただきました。ちなみに、これは京都市在住者を除きますので、京都市以外の方が対象です。今年からやめさせていただいたということになっていますが、昨年ちょうど行方不明の高齢者の方が大変話題になりました。そうした中で、我々としても、ただ単にこういうものをお配りするというのではなくて、しっかりと見守り活動も十分にしていきたいというようなことから、まず、100歳の方への集中をさせていただいたということです。100歳の方については、直接手渡しでさせていただくということを基本に考えています。それから、その他見守り活動の充実の方に予算のシフトをさせていただいた。このような考え方です。
【西脇】確かに、見守り活動等の意義は十分にあると理解していますが、また、その事業とは別だてで、ねぎらうというような意味合いがあったものです。これはやはり、継続していただかなければならなかった事業ではないかと思います。今では京都府の制度とは別だてで宇治市などでは継続してやっているそうですが、市長さんは、京都府はこんなところまで削るのかというお声もあったようにお聞きしています。今、お年寄りに対する環境はとっても厳しくて、年金の支給の繰り延べなどいろいろありますが、その中でせめて、中身はともかくとして、ねぎらうというかたちの、何らかの京都府としての形をあらわしてほしいと思います。これは強く要望しておきます。

TPPの医療分野への影響について

【西脇】次にTPPに関わる医療問題についてです。ご承知のように、テレビをつければこの問題で一杯ですけれども、いよいよ大詰めを迎えているということです。明日にも野田首相はTPP参加交渉を表明するようにいわれているわけですが、この段階になり、7日ですが、政府はTPP交渉における混合医療の解禁の議論の可能性について、これまでは一貫して否定してきたにも関わらず、TPP交渉において、今後は混合診療の全面解禁が議論される可能性は排除されないという見解を改めて公式に表明しました。これまで、アメリカですが、保険や医薬品の市場開放も要求していました。そして、日本の公的保険制度が障害だとも言ってきたわけですが、そのもとで、混合診療がいよいよ全面解禁ということになれば、保険外診療がかなり拡大します。経済力の違いで、お金のあるなしの違いで医療の格差が生まれるということで、公的医療保険の事実上の崩壊、解禁につながると考えます。こんな大問題を直前まで隠し続けてきたということ自体が、TPPに参加すること自体に道理がないことを表していると考えます。現在、ご承知のように日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、それから京都府医師会も10月15日には反対され、さらに、ご存じだと思いますが、昨日は断固としてTPPには反対するという緊急決議を上げられているとお聞きしています。京都府医師会の動きについてはご存知ですか。
【健康福祉部長】京都府医師会、日本医師会、委員がおっしゃった団体が懸念をしていることについては承知しています。
【西脇】本府として、保健福祉部として、こういった医師会等のTPPに断固として反対するという決議についてどう受け止めておられますか。
【健康福祉部長】TPPそのものについて、われわれも十分に詳細な情報をもっているわけではありませんし、主としてマスコミ報道等によって情報を得ているところですが、この交渉に関する全国知事会として去る10月19日に緊急要請をしており、その中で「国民に対する十分な情報提供を行うとともに、地方の農林水産業者、商工業者、医療関係者、消費者など国民各層の意見をしっかりと聞いたうえで国民的議論を行うこと」という要請をしております。ここにつきると思っています。
【西脇】知事会での要請は姿勢は確かにわかるのですが、今大切なのは京都府として、とりわけ全国知事会の会長である京都府の姿勢というのは、全国の地方自治体、都道府県でもかたずをのんで見守っているのではないかと思います。そういう意味では、京都府の姿勢、TPPには反対すると、していただきたいのですが、そういう姿勢こそ本当に求められていると思いますがいかがですか。もう、いよいよ明日という時点において、その姿勢でいいのかと私は聞きたいと思います。
【山内副知事】先ほど部長が答弁したとおり、うちの知事も全国の知事会長として緊急要請を10月19日付ですが、まとめさせていただいたというのが実情であります。そういったところで私どもは基本的なスタンスをもっているというふうにご理解をいただければと思います。
【西脇】ご承知のように北海道知事や長野県知事は、知事として独自判断のもとで明確に反対の意思を表明しておられますが、そういう中において、知事会長という立場だからそれでいいのだというのは、わからない。京都府としての今の立場を、はっきりと、この際全国に向かっておっしゃるべきではないかと思います。反対なら反対と。どうですか。
【山内副知事】知事会の会長としても先ほど申し上げたとおりだというふうに理解をしています。
【西脇】では、混合医療の問題ですが、大問題だと申しましたが、これが全面解禁になった場合の府民への影響についてどう考えておられますか。
【健康福祉部長】仮定の話ではありますが、混合診療が全面解禁になりますと、総体的に公的医療保険の給付範囲が縮小するという危惧は客観的事実としてあると思っています。
【西脇】正に府民にとっては重大な影響があるというふうな混合診療等のアメリカの今の申入れ等ではないかと思います。そういう点においても改めて京都府としてTPP交渉参加には反対していただくことを強く求めさせていただきます。

介護職員の処遇改善について

【西脇】次に介護職員の処遇改善についてお聞きします。国は、一昨年から、3%の介護報酬のアップとともに、23年度までの期限付きで介護職員の処遇改善交付金を交付したところですが、これまで、介護職員さんですが、一般的な平均サラリーマンの年収の約半分以下。200万円の方が半数以上です。賃金の底上げこそが大きな課題だというもとで交付金が交付されましたが、今回、職員の給与にどういうふうに反映されたでしょうか。
【健康福祉部長】21年度の実績ですが、高齢者で約16000円、障害の施設で約22000円の賃金改善がなされたというデータがでています。
【西脇】今年度、助成事業者数は高齢者の場合は972事業者となっていますが、京都府は平成23年度までに新たに4000人の介護福祉人材を確保するとされていますが、人材確保についてはどこまで進みましたか。例えば新規採用は何人ですか。
【介護福祉事業課長】4000人の目標に対して、処遇改善交付金の申請時に調査し、2カ年で併せて約2700人の介護職員が増加しているという調査結果になっています。
【西脇】4000人の目標は達成される目処はあるのでしょうか。
【介護福祉事業課長】今年度も引き続き事業に取り組んでおりますし、最終的には今年度も調査を実施して集約していかねばならないと考えていますが、引き続き4000人の目標に向かって頑張っていきたいと考えています。
【西脇】みなさんのご努力で4000人を達成できることを私も願っておりますが、現場の実態としてはなかなか見えてこない。殆ど正規雇用ができなかったという声がある中で、改めて、この制度もさることながら、恒常的な制度にしてほしい。やはり基本給を上げなければ新規採用も難しい。この間、手当というだけの状況で、せっかく雇用されてもまた辞めていくという悪循環になっています。改めて、引き続き国に対して恒常的な制度としていくようにと求めていただきたい。3カ年の交付金ですが、最終的にはどの程度残金を返納することになるのでしょうか。
【高齢者支援課長】事業者からの申請状況等もありますので、最終的な見込みは今の時点では出せませんが、若干いくらかのお金は国の方へ返すということになろうかと思います。
【西脇】当然これは、全て使い切って、それぞれの必要な現場のみなさんに交付していただくことは当然ですが、それでもなおかつ残が出たという場合は、これは全て国庫へ返納という制度かもしれませんが、ひょっとすれば来年度以降は全て交付されないという状況において、この返納分を何とか京都府独自で使えるようにできないものか。そういう努力を、国に対しても伝えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
【健康福祉部長】交付金についてはそれぞれ使途・目的が決まっておりますので、それ以外への仕様は難しいと思っております。なお、委員も先ほどおっしゃいましたように、本来こうした形の交付金がいいのか、あるいは介護報酬の底上げというような形でやるのがいいのかということになると、やはり基本的には介護報酬の仕組みの中で適切な給与水準を保たれるようにすべきだということですので、そうした形での介護報酬の見直しを京都府としても要請しているところです。
【西脇】今回、基金としては他にも子宮頸がんワクチン、ヒブ、肺炎球菌ワクチン等、来年度で終わるかもしれないという状況で、せっかく定着しつつあるいい制度、長い間の国民の皆さんの運動でできた制度が、結局は来年度以降全て打ちきってしまわれるということはあまりにも大変な仕打ちだと思います。引き続き国に対して、従来通りの中身で制度が実現できるように、これを強く求めて頂きたいということを重ねて求めて終わります。

≪他会派議員の質問項目≫

■安田守(自民・向日市)

・癌対策について

・不妊治療対策について

・受動喫煙について

■平井斉己(民主・京都市北区)

・癌対策、白血病の治療について

・京都府作成のハンセン病パンフについて

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

・ワクチン助成について

・新型インフルエンザ対策について

・子育てパスポートについて

・総合医師確保対策について

・社会福祉施設の耐震対策について

■池田正義(自民・舞鶴市)

・中丹地域医療、舞鶴地域医療について 

・舞鶴子ども療育センターや歯科障害者医療について

■兎本和久(自民・木津川市及び相楽郡)

・京都式地域包括ケアについて

 

■田中健志(民主・京都市中京区)

・子ども支援のパスポートの活用について

・難病患者支援、癌対策戦略会議について

■多賀久雄(自民・宮津市及び与謝郡)

・福祉医療政策の所得制限額について

・地域医療、医師確保について

■山本正(民主・宇治市及び久御山町)

・国保一元化について

・家庭支援総合センターについて

■林正樹(公明・京都市山科区)

・精神疾患患者の自殺予防対策と丹後地域の医療について

・食品の放射能検査体制について

■荒巻隆三(自民・京都市東山区)

・家庭支援総合センターについて

・癌医療対策について

・全国戦没者追悼式への参加者の拡大について

■島内研(民主・京都市左京区)

・病児病後保育所について

■豊田貴志(民主・京都市山科区)

・動物愛護の施策について

2011年11月10日 政策企画部書面審査
加味根史朗(日本共産党・京都市右京区)

関西広域連合と府民の周知について

【加味根】関西広域連合について分担金1274万円が支出をされております。この間、分野別の広域計画を策定されパブリックコメントが行われ全体で45名93件の意見があったと資料を見ましたが、京都府民からは何人、何件よせられたのか 。
【企画監】いま手元に持ち合わせていない。京都府が所管している観光文化に関しては20件ほどの提案があったということです。
【加味根】パブリックコメントは関西広域連合のホームページ以外でどこに掲載されたのでしょうか。
【企画監】パブリックコメントの募集については関西広域連合のホームページでやっておりまして、府県においても協力するということで協力を求めたところであります。
【加味根】府内の市町村から何件要望があったのか、あるいは聞き取りをやったのか。
【企画監】府内の市町村につきましては別途それぞれの町村会、市長会のところにも説明し、又各市町村の方にも文書で紹介を現在しているということです。
【加味根】府民が計画について知っているという人はどれだけいるのか。府民に周知をしたとはとうてい言えないと思うのです。府民の意見を十分に反映したという経過をたどっている状況でもないと言わざるを得ない状況だ。

関西広域連合の節電目標について

【加味根】次に節電の目標ですが、関西広域連合が11月1日に今年の冬場の節電目標を発表しました。大口需要が10%以上、小口需要10%以上、家庭10%以上いうことですが、結論だけ決めているように思うのですが、こういうやり方いかがなものかと思うですが。
【企画監】広域連合としての節電目標は夏の節電目標の時の反省を踏まえまして、関西広域連合といたしましても、国、関西電力と協議をしながら定めてきたという経過があります。その中で弱者の方であるとか産業への配慮とかそういったものでは関西広域連合としてきめ細かく対応していこうということになっておりまして、それぞれの府県でもブレイクダウンした広報をしていくことにしていますし、逼迫時の対応であるとか細やかな広報をしていくことにつきましては関西広域連合の委員会のほうでもう一度議論しようとそういうことになっておりますので、現在のところではご指摘のような状況にはなっておりますが、しっかりときめ細やかに対応をしていきたいと思っております。
【加味根】関西広域連合の資料を見ますと関西電力の説明資料が少しあるのですが最大供給量3667万キロワットに対して現状の見込が2477万キロワットの供給しかないと、たとえ原子力が900万㌔ワット減ったとしても最大供給力これがそのとおり確保できれば2767万キロワットなります。そうすると需要予測の2665万㌔ワットカバーできる計算上はなるのですが、なぜ足りないのか、結論しかなく説明がありません。京都府としては説明できますか。
【政策企画部長】関西広域連合全体としては、企画部のほうで関西広域連合のほうではきめ細やかに対応すると答弁をしましたが、それぞれ分野がございまして今の節電になりなすと文化環境部が所管をしていますので、我々としては把握をしていない。
【加味根】家庭で10%以上ということですが、この夏も実際には節電が3%で大丈夫だった経過があるわけで、なぜ10%なのか説明も関西電力もないし関西広域連合からもないという状況。結論だけ押しつけると言うやり方これからもしていくのか。少々不安な感じがしております。納得できる説明が必要であり、その責任があると確認をしたいのですが。
【政策企画部長】いま申しあげたとおり、全体としての所管は企画部で環境、観光それぞれ分野ごとに府庁内で担当しております。その件につきましては文化環境部です。
【加味根】住民自治ということを府議会の付帯決議で強調して掲げています。住民自治の原則のもと、住民参加及び住民との情報共有のあり方等について早急に検討するとなっていました。この検討は関西広域連合としてはどの様にされたのか。
【企画監】住民の方への情報提供であるとか、関西広域連合に対するれき等含めまして、どんなことをやっているとかそういったことについて付帯決議をいただいているところで、それにつきましてはホームページで対応する、住民の声を聞くということでしたら、分野別の広域計画におきましてはパブリックコメントについては、市町村でもしっかり聞いているなかで、我々は住民みなさんの声を聞いている。この場でも住民のみなさんの代表である声をお聞きしたうえで関西広域連合に伝えているということです。
【加味根】ホームページに載せた、パブリックコメントをやっている、これでもって住民自治の原則をいかに保障するのか、住民参画や情報共有しっかりやっていこう、そういう努力をしているというふうには私は思えません。この点は指摘をしてそのための具体化をさらにはかるようにしないといけなんじゃないかと強調をしておきます。

カジノ研究会や産業ビジョンは見直しを

【加味根】カジノ研究会が開かれて報道がされていますが、兵庫県から意見書がだされています。その内容はどういうものでしたか。
【企画監】カジノの件につきましても観光文化の分野で所管しています。商工労働観光部の所管です。
【加味根】指摘だけしておきます。カジノを言い出したのは橋下前知事だったんですね。橋下さんは2009年9月15日大阪をアジアのカジノの拠点とすると宣言されました2010年3月にカジノ特区を申請されました。しかし6月に国からは特定地域の特例は不可と却下をされているんですが、この点についてはどうなんですか。
【企画監】先ほどの答弁どおり所管が違いますので。
【加味根】国に却下をされても橋下さんは諦めなかった。彼がギャンブリングゲーミング学会というところで2010年10月28日に開かれた会合で発言しているのですが、ギャンブルを遠ざけるがゆえに坊ちゃんの国になった。小さいころからギャンブルをしっかり積み重ね、全国民を勝負師にするためにもカジノ法案を通してほしいと。子どもをギャンブル漬けして全国民を勝負師にするそのためにカジノがいるんだ。こういう考えが彼の思いの柱になっているんです。こういう話しにつきあってはいけないと思うので、京都府が研究会の事務局になっていますから、ぜひ参考にしていただきたいと指摘をしておきます。さっきの産業ビジョンについてひとつだけ指摘をしておきます。産業ビジョンの中に成長産業分野における世界のセンター機能を果たすために総合特区にするんだ、そういう計画案になっています。いま意見をだしてこれから決めようというときなんですが、すでに総合特区制度を活用すると9月28日に関西国際戦略総合特別区域協議会というのが設置をされて京都府も参加をしまして大学や経済団体などとともに9月30日共同申請をおこなっている。計画が決まる前に総合特区を申請してしまっている。計画もものすごく詳細なものが概要として出てます。関西の大企業ばっかりが参加する計画なんですが、こういう計画が決まる前にこんな規制事実が進むような事態というのを知っていますか。
【企画監】産業ビジョンに関してはさきほどもうしますように所管外ですが、総合特区のことは国の方で申請期限がございますのでそれに沿った形で京都府としても京阪神そろっていっしょになって戦略的なわが国の経済を牽引するような圏域をつくりたいということで申請したところです。
【加味根】計画が決める前にそんなことがどんどん進んでいく、その概要も説明もされないことになっているのはいかがなものかという風に思いますし、医薬品・医療機器・先端医療技術、先進医療、バッテリィ、スマートコミュニティこういう32の事業が提案されているんですけども、いずれも大学や研究機関に参加する大企業ばかり、これには中小企業が入ってない。中小企業・地場産業をどう育成し延ばしていくのかいう観点が全くない。こういうことについてはやはり見直しをする必要があると思いますし、関西広域連合を所管する政策企画部にこの点では留意をしてほしいと指摘をして終わります。

前窪義由紀(日本共産党・宇治市及び久御山町)

地域主権一括法について

【前窪】第二次一括法等によって市町村への権限移譲というのはすすめられています。そこでしめされているのは49事業。H24年、来年4月1日施行については市町村でどういう事業数になっているのか。それから市町村に移譲されるということですから京都府の仕事が軽減されるということになります。職員数にカウントしてどの程度の量になるのか。
【政策企画部長】市町村の権限移譲は総務部自治振興課の所管になります。これから市町村と十分詰めて事務の移譲につきましても市町村と会議を進めていまして、これからきっちりしたものを精査していきたい。
【前窪】進捗状況というのはわかりますか。
【政策企画部長】所管は総務ですけど、先日、副市長さんとの会議ですとか担当者会議を開いたという風には聞いております。
【前窪】権限移譲の規模としては市レベルに移譲するのは30万人の中核市を想定した形になっていまして、府内では京都市以外は全部30万以下。そういう規模になりますし、市町村も含めましたら小規模な
自治体もたくさんあるなかで、権限移譲の実施には人員あるいは財政支援こういったことが十分京都府からやらなければならない、こういう関係にもあろうかと思う。この点総務とも十分協議してしっかり要望も聞いて進めていただきたい。要望しておきます。
 次に外郭団体、出資法人の運営、事業のあり方の見直しを進めるということです。出資法人としては39あるが、どのような進捗状況になっていますか。
【行政経営改革課長】外郭団体の見直しの関係について、出資法人の府議会にも提出しています、各法人からでています自己評価の結果、その関係の点検も踏まえ、あるいは公認会計士の専門的な見地から見てもらうということで任期付き職員として任用いたしまして外郭団体の会計事務についての指導助言にあたっております。あわせましてこの間、府民満足最大化プランにおきまして様々な外郭団体の有りようにつきまして検証をしてきておりますし組織なり給与水準についても検証をしているところです。あわせまして先ほどもありましたが府民利用施設の指定管理者につきましても外郭団体とのかかわりも密接にありますのでその点も含みまして、検証をしているところです。
【前窪】すべてに渡ってやりとりするわけにいきませんが、目を通して感じましたのは住宅供給公社です。設立目的としては「住宅を必要とする勤労者に対して住宅環境の良好な集団住宅及びそのように供する宅地を供給する」このようになっています。収益も報告されていますが、経常収益としては24億3000万円、そのうち受託事業収益が22億円。自主事業の収益1億9000万円、こういう状況です。それで自己評価として「住宅の量的供給の役割は概ね果たせた」、「当公社の事業展開を検討する必要がある時期にきている。」こうなっています。包括外部監査では、ほとんどの収益を占める府営住宅の管理代行、こういった事業は「特に管理代行でやらなくても住宅課でも可能だ」と指摘されております。つまり住宅供給公社のあり方を検討すべきだとなっています。公社の剰余金として21億、現金7億円、国債・地方債9億円、こういう形で保有されているということですが、最近の損益としては毎年赤字で推移している、このままでは剰余金を食いつぶすということにしかならないのではないかと思うのです。公社のあり方これについてどのように検討されてきましたか。
【行政経営改革課長】住宅供給公社につきましては毎年赤字をだしていますが、多くは府営住宅の管理代行をやっていただいているということで、その収入が大半で単年度では赤字でございますが全体といたしましては安定的にサービスを提供しているという自己評価でございますが、総合評価でA評価とされている。私どもは全体の外郭出資団体のバランスをみながら、個々の住宅供給公社のあり方につきましては所管の建設交通部のほうで検証しているところと理解している。
【前窪】事業部では、決められた条例なり法律に基づいて事業を推進するこういうことになるかと。そこで政策企画部でこの外郭団体の運営やあり方について見直しをするこういうことになっているわけで、事業部任せではダメだと私は思うのです。事業部とのかかわりもありますから副知事、設立目的を達した外郭団体は存廃も含めて検討するというのが、事業の運営や見直しの視点だとおもうのですがいかがでしょうか。
【山内副知事】特定の施設・団体ではありませんが、基本的にはおっしゃった視点は常に持って、ある意味ゼロからのベースで見直しをつねにやることは大事なことだと理解をしている。
【前窪】政策企画で運営や事業の見直しをすすめてきた、ふるいにかけられている団体はどれかということなのです。供給公社はそういうところにはいっていますか。
【政策企画部長】ABCの三つの評価を全体としてはA評価と書いております。その中で今後については一定検討が必要だと。そういうものをベースに現時点で十分に検討がされるものと考えております。
【前窪】この政策企画部で見直し検討をするかということに帰結すると思います。あの事業としてはA評価であっても設立目的がほぼなくなっているということですから、あらたな管理代行みたいなものを本来なら住宅課でやれていたものをこちらにひっつけてほとんどの収益をこちらにたよっている、このあり方が問われている。全国でいえば廃止なり廃止を検討というのはかなり出てきていまして10を超える県レベルで廃止を決定した。隣の滋賀県もそういうことです。
私は存廃含めて住宅供給公社のあり方については、しっかり施策企画もその事業部と協議していくべきだと思います。この点について副知事お答えください。
【山内副知事】外郭団体のあり方、組織の見直しについては常にご指摘いただいたように時代にそって組織は運営をしていくものだという観点から見直しをやっていくべきだと、ある意味例外はないと思っております。
【前窪】一般論で答えないでください。私は具体的に指摘をしているのです。住宅供給公社については見直しについてその遡上に乗っているかどうか、これについてはどうですか。
【山内副知事】見直しの遡上にのっているかどうかでは、のっております。
【前窪】現実を踏まえてやっていただきたい。プロパー職員もおられることですから、問答無用という一方的な決定を、ある日突然するということになったらいけない。廃止をしていくと言う場合はそれなりの手順をふんでしっかりやっていただきたい。私としては、存廃をふくめた検討が急がれると思っています。

広域振興局と本庁とのあり方・88歳の「敬老祝い品」廃止について

【前窪】次に広域振興局と本庁の関係についてなんですが、今年の敬老会に特別養護老人ホームとか宇治市主催の敬老会などに参加をさせてもらいました。今年はちょっと驚いたのですが、88歳の知事からの記念品がなくなってしまっておりました。これは従来ずっと贈っていたわけで参加される方々は、88歳になって知事から記念品がいただけると思っていたわけです。これは健康福祉部で一方的に打ち切ったという形なのか、広域振興局が実際出席して事業を担っているわけで、広域振興局からはこういう記念品は対象者も増えてきたのでいらないよ、というようなことが本庁との協議のなかでなったのか、まったく相談がなくてこういうことになったのかお答え願いたい。私の地域は、山城北広域振興局ですので勝見局長にそのへんの経過をお聞きしたい。
【山城振興局長】4局共通の話しなので当初予算の段階でどこまで詳細な協議があったのか、予算調整会議というのか昨年ありまして広域局からタテでお願いしとか部局の方からとか調整会議がありましたので、10月の会議では小さいはなしは出ませんでした。率直にもうしまして今年の敬老のときにそれを渡すという出番がなかったことによって祝辞を読むだけの場面になった。というのが宇治の先生方4人とも出席されていて、参加者も知事から記念品がなくて祝辞だけだというのが現象的に残った。事前の協議があったかなかったのか、府民の側からすれば唐突だったというのは否めないとおもいます。
【前窪】対象者が4000人を超えてきている、今後も増える傾向にある、こういう事実認識はありますが、それだけに小さな事業ではないということなのです。影響は結構多い。広域振興局というのはすべての自治体の敬老会なり施設の敬老会にあいさつに行ったりします。そういう関係にある事業ですから一方的な福祉部サイドでの打ち切りなのか、あるいは財政からのそういう締め付けなのかわかりませんが、そういったことをやられるというのは問題です。仮にも広域振興局長というのは知事代理という重要な役割を担っています。こういうお年寄りにたいしての暖かい気持ちの表し方というのをこれまではやってきたわけで一方的に打ち切るというのは、今後も他の事業で地域振興局が知らないうちにタテわりで運営されるというようなことになればこれは大問題だと思います。ひとつの事例としてあげましたが、こういうことのないように山内副知事、健康福祉部がどうやったのか振興局の立場もあるわけで、しっかりやっていただきたいのですがどうですか。
【山内副知事】本件につきましては内部でも慎重な検討を重ねてきました。小さなことから簡単にやったということではありません。ただしいまご指摘のありましたように高齢化が進むなかにあって給付人口が相当増えてくるなかで変わるべき対策を、見守り活動をさらに充実することに予算をまわすべきではないか、そういったいろんな議論を重ねながらやってきたところでありまして結論を出して直ちに市町村会、あるいは市長会、担当者の会議を開かせていただいて、今年はこうなりますよと徹底したと記憶をしております。
【前窪】市町村を集めて徹底したというのは上から目線なんです。高齢者の様々な活動を担っている老人会とかいろいろある、そういうところにも話しはなかったということですし、今年の敬老会に出席する88歳の方々に対しても、なんの通知もなかったとあるだけに丁寧にやったとはいえません。敬老会だけでなく他の事務でもやられないよう指摘をして終わります。

≪他会派議員の質問項目≫

■中川貴由(自民・八幡市)

・けいはんなエコシティについて

■島内研(民主・京都市左京区)

・未来戦略プロジェクトについて

・情報通信格差是正事業について

・けいはんなエコシティについて

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

・府民利用の府民満足度向上について

・青年山の家、山城と瑠璃渓の指定管理者制度について

・ブロードバンドゼロ地帯について

・ポータルeラーニングについて

■池田正義(自民・舞鶴市)

・予防医学、健康セミナーについて

・スポーツ観光について

・中丹振興局について

 

■兎本和久(自民・木津川市及び相楽郡)

・明日の京都について

・学研都市の整備と鉄道整備の遅れについて

・私の仕事館、けいはんなについて

・関西広域連合について

■平井斉己(民主・京都市北区)

・地デジ難聴地域対策について

■荒巻隆三(自民・京都市東山区)

・府市連携パネルについて

・保環研について

■酒井常雄(民主・城陽市)

・府民意識改革について

■林正樹(公明・京都市山科区)

・府のデータベースについて

■安田守(自民・向日市)

・広域振興局について

■田中健志(民主・京都市中京区)

・ 関西広域連合の分担金について

■秋田公司(自民・京都市南区)

・府民満足最大化プラン

2011年11月11日 決算特別委員会 警察本部書面審査
浜田良之(日本共産党・京都市北区)

自転車事故の削減計画について

【浜田】府民生活部でもお聞きしましたが、自転車事故の削減問題についてお聞きします。全国的にも自転車事故が多発していることが社会問題になっていますが、京都府では、いただいた資料によると、自転車事故の発生件数、負傷者数は減少傾向にあるとはいえ、交通事故全体に占める割合は上昇傾向にあり、平成21年度にはいずれも過去最高になっており、全国と比較してもやや高い状況にあります。平成22年度には、やや改善していますが、死者数はむしろ増えており、交通事故全体に占める割合は過去最高になっています。
 そこで、自転車事故を削減する対策の一つである自転車交通安全教育についてお聞きします。小学生に対して自転車運転免許証の交付が行われていますが、関係者にお話を聞くと、簡単に免許証を交付しすぎではないか、もう少していねいに教える必要があるのではないか、と言われています。また、中学生や高校生に対しては、学校に出向いての安全教室等を行っているそうですが、とくに、高校生は自転車通学も多く、朝の通学時間など、非常にスピードを出して走っていて危ないということもあります。高校入学前に、教室等を開いて必要な教育を行うことが必要ではないかという意見もお聞きします。これらの意見や提案について、どうお考えですか。
【交通部長】今、委員ご指摘の通りだと思います。特に高校生くらいになると自転車の安全教育というのが、小学生等に比べて、若干手薄になっているのは間違いないと思います。今後、府警としては、小学校、中学校、高校、大学と段階的に安全教育をしていかなければならないと考えていますので、当然ながら、高校生以上についても随時、安全教育に力を入れていきたいと考えています。
【浜田】自転車事故を減らす上で、もう一つ、自転車利用環境の整備が必要ですが、先日、警察庁が自転車の原則車道走行を促すことを柱とする自転車交通総合対策をまとめて、全国の警察本部に通達を出したと報道されました。京都府でも、自転車と歩行者との事故が、この数年間50数件と高い水準で推移しています。警察庁の通達のなかで、幅3メートル未満の歩道については、自転車の走行を原則禁止する方向で検討するよう指示したとありますが、京都の場合、車道も狭い道が多い。私も、車も自転車も両方乗りますが、車道を自転車が走る時、自転車の側も不安だし、車の方も非常に危険を感じます。だから、これはかなり難しいことだと思うのですが、どういう検討を、今、されようとしていますか。お聞かせください。
【交通部長】まさしく、歩道から車道へ自転車を全ておろすということになれば、おそらく交通事故の危険性が増してくるのではないかと考えています。したがいまして、まず、車の通行実態、自転車のルール、マナーの浸透状況、更に道路の状況、車道でも広い車道もありますので、そういう所は、随時降ろせるのではないかと考えていますが、それ以外については、関係部局と連携しながら、道路整備等環境を整えて、自転車専用道等を設置しながらおろしていかなければならないと考えています。
【浜田】いろいろとご苦労があると思いますが、ぜひ、慎重に進めていただきたいと思います。
もう一つ、自転車関係事故の類型別発生状況によると、出会い頭と右折・左折時の事故があわせて約8割をしめています。つまり、交差点での事故が圧倒的に多いということだと思います。この間、私も地域のみなさんと危険個所のウォッチングを行った結果にもとづいて、改善の要望を行い、地元の警察署に対応を行っていただいていますが、その際に、地域のみなさんからもっとも多く出されるのが、交差点を走行する自転車が非常にスピードを出して危険だということを言われています。交差点事故を避けるために、一旦停止の標識や停止線がありますが、自転車の走行者がそれを無視して行くということが結構あり、それが非常に危険だという声が出ています。自転車走行者に注意をもっと喚起するような手立てが必要だと思います。何か考えておられませんか。
【交通部長】ご指摘の通り、自転車の事故は、主たる原因は、信号無視と一旦不停止が原因となっている事故が多いのは間違いございません。したがって、警察としては、例えば平成22年度中では、信号無視と一旦不停止あわせて約6千件の口頭指導・警告をしています。これは、現場で、そういう状態があれば指導・警告するということです。そのように、事故に直結する違反等については、指導・警告を繰り返しやっていきたいと考えています。一時停止等については、ちゃんと標識等が確実に見えるかどうか、それぞれの確認等を実施しているところです。

信号の時間の基準について

【浜田】最後に、信号の待ち時間についてお聞きします。たとえば、北区の北大路通りの大徳寺の交差点では、南北に渡る歩行者用信号が、赤信号が2分間で、青信号が30秒です。西大路通りのわら天神の交差点では、東西に渡る歩行者用信号が、赤信号が2分間で、青信号が25秒になっていました。つまり、横断歩道を渡る歩行者は、2分間待って、25秒~30秒で渡らなければなりません。高齢者や障害者が、信号が青に変わって数秒たってから横断歩道を渡ろうとして、渡りきれないということも私も見ました。信号の待ち時間、点灯時間の基準はどうなっているのかお聞きします。
【交通部長】信号機のサイクルに関する質問ですが、信号機のサイクルにつては、車両の交通量、または歩行者の横断の実態、交差点の形状、交差点付近の施設、また、隣接する交差点との連動等を勘案して、その場所に最も最適な秒数となるように設定しています。歩行者の青時間の設定は、歩行者が安全に車道を横断するために必要な秒数を優先的に確保するということとしております。そのうえで、車両の青時間の設定は、まず、歩行者の青時間を確保したうえで、車両の交通量を勘案して決定しているのが現状です。
【浜田】今言われた基準でいくと、先ほど指摘した大徳寺の交差点だとか、わら天神の交差点は、歩行者の青時間があまりにも短すぎると思うのです。車優先ではなくて、横断する歩行者のことを優先して設定するようにしていただきたい。改善を求めて終わります。

前窪義由紀(日本共産党・宇治市及び久御山町)

「京都府暴力団排除条例」施行後の暴力団対策の状況について

【前窪】まず、11月5日に宇治のマンション、私の比較的近くですが、発砲事件がありました。住民の不安やとりわけ子どもたちの不安、安全にとっても非常に心配をされているところです。早期の事件の解明と犯人の検挙が切望されています。現在の捜査の進捗状況はどうでしょうか。
【刑事部長】11月5日、宇治市のマンションで、ご指摘のように発砲事件が発生したわけでございますが、現在、府警としては犯人検挙にむけ、鋭意捜査中でございます。捜査の詳しい進捗状況については、この場での答弁は控えさせていただきたい。
【前窪】現状は、鉄の玄関ドアに2発貫通しているということです。暴力団が関与しているのではないかという報道もあります。それだけに、早期の解決をしてほしいというのが、当のマンションの自治会からも、近隣の自治会からもそういう声があがっております。ぜひ、全力投球で捜査をし、犯人の検挙に結び付けてほしいと思っています。こういう、暴力団がらみというか事件というのは絶えないわけですが、京都府内の暴力団の勢力状況というのはどうなっているのか、減少の方向へ向かっているのか、状況をお聞きします。
【刑事部長】京都府下における暴力団勢力ですが、平成22年末現在で約1170人。前年同期、平成21年末との対比で50名ほど減少しています。
【前窪】暴力団の勢力ごとの人数を後で結構ですので、資料提出をお願いしたいと思います。
【刑事部長】1170人の内訳ですが、会津小鉄会が580人、山口組が590人です。
【前窪】この4月から暴力団の排除条例が施行されました。半年が経過して暴力団撲滅への効果が上がっていると、この条例の制定という意味ではそういうお答えをいただきたいのですが、実際に捜査にあたっておられるみなさん方の、この条例施行後の暴力団対策の上で条例の効果がでているのか、状況をお答えください。
【刑事部長】本年4月に施行された「京都府暴力団排除条例」の効果ですが、条例を適用して暴力団事務所の進出を阻止した事例や、それから暴力団と社会的に非難される関係を有する企業2社を京都府に通報し、京都府において入札参加資格の停止処分等の排除措置を講じていただいているところです。また、暴力団排除条例施行後の取り組みとして、京都府下の百貨店等に対して暴力団からの贈答品の受注を断るようにという要請もしていますし、百貨店の他、大規模小売店、印刷工業組合、旅館、ホテル業、トラック協会、印章業組合、高級料亭についても、当府警から暴力団排除を要請し、暴力団排除宣言や主旨にご賛同いただいているところであり、暴力団排除の機運が大きく盛り上がっているところです。
【前窪】少し具体的にお聞かせいただきたいのは、用心棒等の要求行為、不当贈与等の要求行為、不当債務免除等の要求行為など、暴力団への中止命令というのを毎年発出しているが、平成22年度、それから本年度はどういう実績になっていますか。
【刑事部長】暴力団対策法に基づく中止命令の発出状況ですが、平成22年中は31件でした。このうち、不当贈与要求行為が12件です。用心棒等の要求行為、あるいは不当債務免除等の要求行為に対する発出はございませんでした。続いて、平成23年10月末現在の中止命令の発出状況は、すでに30件命令を発出しており、このうち用心棒等の要求行為については5件、不当贈与要求行為については11件、不当債務免除等の要求行為については2件発出しています。
【前窪】次に、指定暴力団に関する傷害事件の検挙数の推移は、22年度から23年度にかけてどうなっていますか。
【刑事部長】暴力団構成員や準構成員による暴行とか傷害、脅迫、暴力行為の検挙件数ですが、平成22年中については179件、23年度については10月末現在130件検挙しています。
【前窪】条例施行後の府あるいは教育委員会と府警本部との暴力団排除に向けての協定がやられているということだが、これに関する照会件数とか、通報件数等の状況はどのようになっていますか。
【刑事部長】条例施行後、京都府からの暴力団該当姓についての照会ですが、1453業者、10203人を受けています。それで、そのうちの1名を暴力団員に該当するということで回答し、排除していただいているという状況です。
【前窪】条例施行後、かなり各般にわたって暴力団排除の対策をやっていただいて、相当効果があがっている様子ですが、引き続き全力をあげていただくよう要望しておきます。

木屋町祇園等での治安問題について

【前窪】次に、木屋町祇園等での治安問題についてお聞きします。無料風俗案内所規制条例施行後、無料案内所は全て閉鎖をされた。この点では評価するわけですが、その後、キャバクラやガールズバーの客引き、キャッチ等が増えてきている。特に午後8時~9時頃になると急激に増えてくる状況があります。イヤホンを耳にした若者が通行人に声をかけるということです。現状をどのように認識しているのか。また、警察の対応についてもお聞かせください。
【生活安全部長】まず、現状認識については、風俗案内所については、現在全て閉鎖させています。けれども、施行後に一旦は、24店舗全部閉鎖したが、ところが本年の2月に入って2店舗が古着屋を仮装してやった。7月にはうどん屋を仮装して案内所が営業されました。いずれも、条例で適用して検挙していますが、そういったことからもこれ自体、まだまだ予断を許さないといった認識でおります。案内所自体、引き続き視察を強化して、絶対営業させないというふうに思っています。
 次に、祇園木屋町等、その他の状況については、まず、我々は、現状をふまえて取締り状況を申しますと、本年9月末現在で客引きの検挙は25件やっています。これは、人員は42名で、これは前年同期比プラス13件で29名です。外国人の雇用事犯は22件の23名。これも前年同期比プラス15件の14名ということです。そして、風俗関係事犯の検挙は、その他84件、92名。これも前年同期比プラス31件の35名。いずれも、大幅な増加をみています。ただし、これが全て木屋町祇園の風俗環境が悪化したからということでもない。といいますのは、昨年秋に案内所の規制条例が施行された時に、実は東山署と五条警察署に風俗係を7名ずつ配置して増設しています。これは当然、この案内所条例が施行されたと同時に風俗環境の浄化をさらに進めようということでやっており、取り調べを強化しています。そういったこともあいまってこういう数字となっています。そういうことからすると、現状認識としては、それなりに効果的に、一定の効果はあったと理解しています。
【前窪】「無料風俗案内所規制条例」を施行して、その面での案内所の進出はくい止められて、条例の効果があがっているということですが、しかし、先ほど紹介したように、キャッチという形でその人自身が案内所の役割をしているという、新たな手口が出てきている状況でもあります。不景気を反映して、一般のお店でも前に出て店員さんがチラシを配るということがありますけれども、風俗関係はこれとは区別をして対応していただきたいと思います。地元自治会は、一所懸命にパトロールをしたりして良好な環境にということで頑張っておられます。府警に対する期待も非常に高いということでありますので、警察による一斉摘発等、具体的な取り組みも含めて対策の強化を求めて質問を終わります。

≪他会派議員の質問項目≫

■酒井常雄(民主・城陽市)

・犯罪被害者等支援活動推進事業について

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

・未成年者の喫煙について

・未成年者へのたばこ販売業者、供与者への指導について

■安田守(自民・向日市)

・自転車事故対策について

・ひったくり予防策について

・府道中山稲荷線の事故対策について

■兎本和久(自民・木津川市及び相楽郡)

・府民公募型公共事業による信号設置について

・自転車盗難防止対策について

・交番・駐在所等の機能充実について

■平井斉己(民主・京都市北区)

・スクールサポーターの地域との連携について

■池田正義(自民・舞鶴市)

・府警の原子力防災対策、訓練について

■山本 正(民主・宇治市及び久御山町)

・11月3日全日本剣道選手権について

・平成22年度の山城南、府南部の人員体制について

・宇治署の署員一人当たりの面積について

・宇治署の建替え、留置所不足について

■林正樹(公明・京都市山科区)

・東日本大震災の支援活動と派遣された職員のケアについて

・生活保護等不正受給事犯の対策について

・暴力団等の悪質な貧困ビジネス等への対策について

■中川貴由(自民・八幡市)

・サイバー犯罪対策について

・警察のマスコミ対策について

■荒巻隆三(自民・京都市東山区)

・少年非行対策について

・薬物乱用の検挙・補導状況について

・暴力団の薬物乱用への関与状況について

・交通事故対策について

2011年11月14日 文化環境部書面審査
浜田良之(日本共産党・京都市北区)

府立医大付属病院の院内保育所再開について

【浜田】まず、府立医大付属病院の院内保育所再開についてお聞きします。
 府立医大付属病院では、本年7月から病児保育室が開設されていますが、それにとどまらず、院内保育所の再開を求める声が、小さい子どもさんを抱える医師や看護師さんから寄せられています。6月の文教委員会では、わが党の西脇議員の質問に対して、理事者からは、「病児保育以外についても、場所や運営方法などについて、今後検討していく」と答弁されています。あらためてお聞きしますが、院内保育所の再開についての、検討状況を教えていただきたいと思います。
【吉川京都府立医科大学学長】従来から保育所をつくるというのは念願でして、まずは病児保育からということで、病気をした子どもさんを家に置いておくのは問題だということで、まずそれを優先いたしました。
 荒神口にある保育所といまのところ契約して、出来るだけ対処しているのですが、本来ならば病院の中で対処したいと思っているのですが、なかなかスペース的にも問題がありまして、引き続き積極的に女性支援ということ、あるいは看護師さんの支援という点から努力していきたいと思っております。具体的には、取り組みを(担当から)答えます。
【土屋京都府立医科大学事務局長】補足して説明させていただきます。院内保育所の整備については、今学長が答えましたとおり今後の中長期課題も含めて検討を進めているところです。その中で昨年から国の補助制度を活用しまして、女性研究者の支援モデル事業を実施しております。その中で、病児保育施設を院内に整備して、先ほどご紹介があったように7月1日に病児保育を発足いたしました。現在定員5名で実施していますが、今後その成果も踏まえて、引き続きどういう形がいいのか、学内で検討を進めて行きたいと考えております。
【浜田】いま、保育所の待機者が増えているもとで、小さい子どもさんを抱えた医師や看護師さんが働き続けるためにも、また、新たに若い職員を募集するためにも、院内保育所はどうしても必要ではないかと思います。同じ府立病院でも、与謝の海病院には本年4月から院内保育所が開設されていますし、全国の大学病院で院内保育所がないのは二箇所だと聞いております。府立医大病院で院内保育所を再開しない理由はないと思いますので、一刻も早く再開に向けて、ぜび、踏み出していただきたいと思います。

大阪府内の私立高校に通学する私立高校授業料無償化について

【浜田】次に京都府と大阪府の私立高校授業料無償化制度を府境を越えて通学する生徒にも適用する相互支援についてです。この問題の記事が、10月14日の各紙にいっせいに報道されました。しかし、新聞によって、「早ければ来春入試からの導入を目指す」(読売)、あるいは、「2013年春の入学生から適用することをめざし、協議している」(朝日)、また、「両府の協議が難航している」(京都)と、内容がかなり違っています。両府の協議の到達点は、実際には、どうなっているのか。ぜひお示しください。
【稲垣文教課長】就学支援の大阪府との相互支援の関係ですが、ただいま大阪府と協議しているところです。京都府ではこれまでから、出来るだけ双方の制度の中で出来る部分からやっていこうとお話をさせていただいているところです。ただ、大阪府さんの制度というのは、就学支援ということだけではなくて、学校間の競争ということを前面に出しておられるところがありまして、そういう面で大阪府さんのご希望というのは、出来るだけ制度を合わせた形で双方の支援をしたいというご意見がありますので、その辺も踏まえて現在調整しているところです。
【浜田】そもそも、私立高校授業料無償化の相互支援については、今年一月に、来春実施を目指すことで、両知事が合意したのではありませんか。京都府から大阪府の私立高校に通う生徒は約1000人だと思いますが、22年度の私立高校就学支援金の実績は28631人ですから、その生徒数の3.5%にすぎないと思います。国の動向や、大阪の動向があると思いますが、いよいよ中学3年生が進路を決めなければならない時期が迫っているもとで、京都府として来春実施を急いで判断すべきだと思いますがいかがですか。
【稲垣文教課長】就学支援については、府県をまたがるものについては、双方で支援することによって公平な差が保たれると思っておりますので、京都府だけするのではなくて、協調する中で進めて行きたいと思っております。
【浜田】すでにやっている県があるのではないですか。相互支援だけではなくて、独自でやっている県があると思いますけれども。
【稲垣文教課長】確かに兵庫県、奈良県では、一定の割合、自分のところの県を出られる方については、割落としをかける中で一定やられる場合はありますが、現在、京都府ではそうではなくて、相互支援が適当だと考えております。
【浜田】中学3年生の皆さんにとっては、実際その支援があるのかどうかによって、どの学校を選ぶかということも当然重要な要素になると思うのです。そういう点では、いよいよ進路を決めるということになっていますので、出来るだけ早く大阪との協議も進めて実施できるようにしていただきたいということを要望して終わります。

迫祐仁(日本共産党・京都市上京区)

CO2の削減目標達成にむけた大規模排出業者に対する対策について

【迫】CO2の削減の目標が、2011年度から当面の目標として20年度が25%削減、30年度中期で40%、50年度で80%削減ということですが、これを達成するのに、今回の東電の福島第一原発事故の影響はあるのかどうか、どう達成をしていくのでしょうか。
【森田地球温暖化対策課長】地球温暖化対策でありますが、CO2の削減は大きな課題でありまして、昨年条例改正をいたしまして10年後に1990年比で25%削減するということを定めさせていただきました。東日本大震災を受けまして、原子力発電というCO2の発生の少ない発電方式からの電気が低下いたしますので、短期的には国全体でCO2の排出が増えるのではないかと推測されておりますが、今後エネルギーの効率的な利用方法、よりCO2の少ない発電方法の取組、さらには中長期的には再生可能エネルギーの導入を促進していくということで、中長期には地球温暖化問題と整合をとりながら対策を進めていく必要があろうかと思っています。そういう中で25%削減にむけて積極的にがんばってまいりたいと考えています。 
【迫】平成18年から22年CO2の削減ですが原油高騰とかリーマンショックによって、経済が停滞するとか関西電力の電気排出係数が0.282ということで変更になっています。状況の変化で変わっていく可能性もあるということを考えていかなければならないと思うのですが、大規模な排出事業者に対する大幅削減に向けた協定締結、またキャップ&トレード方式の導入を早急に実施していくべきではないかと思うのですが。
【森田地球温暖化対策課長】京都府の総CO2の排出量の約3分の1を占めます大規模排出業者、原油換算でいきますと、年間1500㌔㍑以上の原油を使われるような業者の方には、従来から地球温暖化対策条例で計画書、3か年計画、或いは報告書の提出を義務づけて達成していないところについては指導に入りまして強く指導してきたところです。昨年度改正いたしました地球温暖化対策条例で、こういう大規模排出事業所の方について、計画、3年間の報告につきまして評価をいたしまして、その評価結果に応じて、追加的な削減対策を求めるという条例を強化いたしました。こういった形で大規模排出業者につきましては取組を更に強めてまいりたいと考えています。この10月に開始いたしました京都版CO2排出取引制度、これも活用しながら中小企業者等の削減対策から出てきます環境価値、クレジットと大規模排出事業者が買うことによって、京都府全体でCO2削減する仕組みを積極的に進めていくこととしています。
【迫】現実にはCO2の排出の削減、いま具体的に進んで来ているとおもうのですが、現実に電気排出係数が固定化されているというのが今後問題となってくると思っていますので、この辺は改善を求めておきます。

省エネと再生可能エネルギーを基幹エネルギーにしていくために

【迫】次に、計画の策定においてバックキャスティングで指標をおこなっていますが、現在の目標は原発を前提としています。原発から撤退をした社会というものを目標にして、省エネと再生エネルギーを基幹エネルギーとしていく環境行政、地域作りをおこなっていくべきではないかと思うがどうでしょうか。
【森田地球温暖化対策課長】地球温暖化対策推進計画の中間案を発表しました当日に東日本大震災がおこりまして、3月11日以降に中間案のパブリックコメントをさせていただきました。その中で特に東日本大震災をうけましてこういう状況の中で、電気によるエネルギーの供給というものが大きく状況変化をするということで、最終案では、再生可能エネルギーについて積極的に取り組んでいくこと。さらにエネルギーの効率的な利用を進めること、ということを前提に計画を大きく見直して最終案を議会のほうでご承認をいただいたところです。そういう意味では、東日本大震災による影響も一定盛り込みながら地球温暖化対策推進計画ができていますので、現在の計画をまず進めていくことをやっていこうと思っています。
【迫】現実に原発というのが前提になっていると思うが、原発の技術というのは未完成ということで、8ヶ月たってもまだ収束のメドがたっていません。放射能の汚染も広がっていますし、再稼働の停止の声は広がっていると思います。政府も福島のこの原発の事故の検証が終わらないうちでの再稼働はないと表明しておりますし、そういう中で世界の動きも安全神話から抜け出して、再生可能エネルギーへの転換をおこなって新産業や雇用を生み出していくという考えであります。日本でも住んでいるその地域にあった自然のエネルギーを活用して地域の活性化をおこなっている自治体も増えているということで、宮津市の地域新エネルギービジョン、宮津市のバイオマスタウン構想に基づいて、竹を自然エネルギーの資源として有効活用する施策があると。竹からガスとエタノールを製造するということでガスで発電して、電気自動車などに使って行こう、そういう計画。エタノールは廃食油と混合し軽油の代替燃料として利用していくという考え方になっています。竹を活用したこうした一連の事業として新たな産業と雇用の推進を目指しているという形です。そういうことを具体的に進めていこうとしている自治体があるわけです。そういうことに関して京都府としても具体的に再生可能エネルギーを戦略会議で取り組んでいくということで、風力とか太陽光、水力などのことも検討、賦存量を調べながらいくということで進めているのですけれども、具体的にどこまでいま進んでいるのか、お答えください。
【石野環境政策監】再生可能エネルギー戦略会議の状況ですが、二つのことをやっています。ひとつは当面の対策ということで、来年度に向けて再生可能エネルギー戦略、地球温暖化対策プラン、来年度どうしていくのか。たとえば地域とか産業、家庭、府庁、こういったところに着目をしながらアクションプランという形で検討しているということが一つ。それとあわせまして、少し中長期的な視点からどうしていくのか、6月補正で予算をいただいた、再生可能エネルギーの導入可能性調査というのがあるのですが、それと並行しながら原発の依存度の低下を踏まえて京都府としてのエネルギー政策のあり方について検討しています。ここではいろんな意見がでておりまして、集約をするというよりも幅が非常に広い形で意見交換がなされています。なかには原発廃止の方針を明確にしたうえで、再生可能エネルギーの法律、固定買い取り制度がしっかりとしたものになるよう国に働きかければ進んでいくというような意見もありますし、一方では中長期的発電コストとかCO2削減を考慮したら、安全性を確認したうえで原子力、火力のほうに頼っていくということは致し方ない、というような意見もあります。また、エネルギーの地産地消という意味で分散型の発電システムを構築してそのための再エネ導入あるいはスマートグリッド、こういったものを導入するひつようがあるといった、非常に幅の広い議論をいまいただいておりまして、その中で一定の集約といいますか収斂するところまで議論を進めてまいりたいと思っています。
【迫】エネルギーの地産地消をすすめていくということを、京都府としても全力をあげていってほしいということを要望して終わります。

前窪義由紀(日本共産党・宇治市及び久御山町)

原発に関する環境影響監視業務について

【前窪】原発に関する環境影響監視という業務についてですが、高浜原発にかかる環境監視を昭和48年からずっと続けて来られたということです。調査内容としては、空間放射線の調査、高浜原発から10キロ圏内の地点から採取した米、野菜、海産物等の検査、それから、高浜原発からの温排水の影響調査、こういった業務です。
この間に、世界的に大きな原子力発電所の事故としては、アメリカのスリーマイル島の事故、それから、チェルノブイリ等の事故があるわけですが、常時監視をしていて調査結果にどんな影響があったのか、お答えください。
【環境管理課長】高浜の発電所の関係の監視結果における世界的な原発事故等の影響でございますが、私どもが原発周辺でやっている検査というものは、非常に低レベルまで検査をしております。原発において異常があったときにすぐに検知できるようにということで、低レベルでやっておりますので、世界的にそういった事故とか、核実験なんかも含めて何かあった場合には、その影響というのはごく微量ですが、そういうものも検知できるという形のレベルの検査をしております。そういう意味で過去にチェルノブイリのときの結果とか、これはおそらくチェルノブイリの影響で起こったのだろうなということを検知できる実績をもっております。
【前窪】当然、福島原発事故以後どのような変化があるかということです。セシウム134だとか、ヨウ素131等微量検出ということになっていますが、これは、原発事故後どの時期の観測によって検出されているのか。それから、原発事故からもう8カ月経過しているのですが、その後の経過はどうでしょうか。こういったことは、逐一ホームページ等でくわしく府民の皆さんに広報していただきたいと思うのですが、ホームページでは一定出ているのですけれども、ホームページを見ない方も、ない方もありますので、その他の広報ではどういうことになっているでしょうか。
【環境管理課長】どういった時期にということに関しては、例えば、事故の後、4月の22日に最初そういう形で広報させていただいておりますが、降下物、大気中の雨水とかチリとかいった形で降下ししてくるもの、これが3月の1日から4月の1日までの間の1カ月に収集したもので、セシウム137、あるいは134を検出したということを、ごく微量ですが、そういった検査結果を発表させていただいています。
その後も4月28日、5月10日、6月6日という形で、そのつど発表させていただいております。それ以外にも、実際過去に環境中に放出された人口の放射性物質で通常の年においても検出されるものもありますので、そういったものも含めて高浜の検討委員会という、評価いただく検討委員会がございますので、その中で報告をさせていただいて、その影響についての評価をしていただいているということです。
【前窪】全国各地というのですかね、検出の仕方は関東方面中心ですけれども、下水処理場の汚泥だとか、土壌汚染も高い線量で出ているところがあるわけですが、本府の監視体制の中で、土壌を経常的に調査しているということはあるのですか。
【環境管理課長】舞鶴のほうで土壌についての検査は定期的にやっております。
【前窪】その結果はどうでしょうか。それと、あとで全体の監視体制強化というところでお聴きしたいのですが、舞鶴だけということでは不十分ではないか。EPZは今後拡大していくということですから、この点で一つは、モニタリングポストでの大気の観測は9カ所増やしたということですが、その辺はどうなのですか。
【環境管理課長】土壌においての検出状況ですが、毎年、土壌のほうからごく微量のセシウム137ということで、過去に地球上に放出された人口放射性物質を検出しております。
 それから、調査地点の拡大についてですが、現状ではこういった形で高浜原発所の周辺監視ということで調査をしております。こういった状況については、場所は確かに舞鶴でやっておりますけれども、これは地球上おそらくどこでも同じような状況になっているのではないかと思っておりますので、特に今のところ地域を拡大するという予定はしておりません。
【前窪】先程言いました3点に渡る調査など、土壌調査も含めてですが、これらの調査についてはEPZ10kmに対応した監視体制というふうに思います。府はEPZを暫定ではあるけれども20kmに拡大した。国の方は30kmということも検討しているということです。EPZ20kmにしても大飯原発が本府の対象原発となってきますので、モニタリングポストの増設に加えて例えば大飯原発の温排水の調査だとか、あるいはその他の海産物、野菜、お米等々、こういった調査なども拡大していく必要があると思うのですが、その監視体制はどのように見直し、拡充していくのか、この点についてお答え願いたいと思います。
【環境管理課長】原子力発電所周辺の調査については国のほうの測定方針というものがありまして、そういったものに基づいて測定しております。現在国のほうで防災新法と合わせてそういったマニュアルについても方針の見直しがされていると思いますので、そういったものが見直しされれば、それに基づいて実施をしていきたいと考えております。
【前窪】それは一方ではわかるのですが、本府が先導的に国の方針が定まるまでは、EPZ20kmに拡大して対策をやるのだということですから、それに対応した監視体制の拡充というのはないのですか。
【環境管理課長】先程、モニタリングポストの拡大についてお話がありましたが、暫定的なEPZの拡大に伴うモニタリングポストの拡充については、すでに5月30日から実施しております。
【前窪】質問にちゃんと答えてほしいのです。モニタリングポストは拡大したけれど、他はやってないではないかというのが、私の質問の主旨ですので、どうなのですか。
【環境管理課長】その他の調査については、国のマニュアルの改定があればそれに基づいて実施をしていきたいと考えております。
【前窪】知事の発言では暫定20kmでやっておけば、これが30kmに拡大されても十分対応できるのだと、国はあと2年かかるから、京都府は先導的にやるのだと、こういう決意を示して手を打っているわけですよね。今の答弁は、国が示すまではやらないと聞こえますので、これは知事の答弁とそごを生じるということです。これはおかしいのではないですか。副知事どうなのですか。
【山内副知事】今回の事案は、もともと私どものほうが見直しをまずやるべきだと考えたのは、今回の福島の事案を見ますと、最初に一旦、避難区域とか勧告をするという区域がどんどんと広がっていって、本来の人をある意味で、その地域から避難をさせて強制的に排除していくとかですね、避難というが本来の今までの基準というのは何だったのだというところの反省から実はやらせていただいたと思っています。そして、行政として住民の方を安全に避難させる、そのための対応として我々の見直すべきところは一体どこなのか、というところをまずやらせていただいたと思っております。そのためにも、避難の一番の重要な観点になるのは何かといったら、やはりモニタリングポストをしっかりつくって、監視体制を強化しながら適切に対応していくということであるというところで我々は、ある意味で単費措置もふまえつつやらせていただいた。ただ、今ご指摘のいただいているような海産物であるとか土壌ですとかということになりますと、これは国のほうにもご要望は申しあげておりますが、そういった拡大に伴う国の必要な財政措置もきちっとやっていただく、あるいは検査機器も整備をしていただくという国の環境整備をきちっとやっていただかないとなかなか全体的にはそういう監視体制の完成ということにはならないのではないか。
とりわけまた、福井県さんともそうですが、相互に一体何を検査情報として、やり取りをするのかというところも、これから調整しながらなるべく安心安全な体制を、広域的につくっていくということが必要なのではないかと思っていますが、基本的には国が相当責任を持ってきちんとやっていただかないといけないと理解しているところです。
【前窪】国が基本的に責任を持ってやるということと、関西電力など電力事業者が独自に企業の責任として調査体制をしっかり確立すること、あるいは財政面でも責任を持つという面があります。ここが主体のですが、しかしそのすき間を埋めるために本府ががんばって「前倒しで暫定20キロをしたのだ」、「全国初めてだ」と知事が言っているわりに、目配りがないかなと思っております。この点は、先程の土壌調査で、舞鶴1カ所でやっておれば、世界どこでも一緒なのですというような答弁、これでは、土壌調査は舞鶴だけでやっていればいい、これに尽きてしまう。舞鶴でやらなくても東京のどこかでやっていたら、これでも良しと、こういうふうになってしまいますので、こういう答弁は矛盾していますので、指摘しておきます。
 それから、先程の答弁の中に若干ありましたが、「高浜原発環境測定技術検討委員会」というのがあります。これの構成メンバーとこれまでの活動内容については、資料要求をしておきます。

監視業務の拡充のための専門職員等、職員の体制、検査機器の強化対策について

【前窪】次に、監視業務の拡充ということで、専門職員等、職員の体制、検査機器の強化、拡充というのが求められていますが、この間どのような強化策が取られましたか。
【環境管理課長】監視の検査機器の拡充に関しては、ゲルマニウム検出機の増設について補正をお願いし、現在その整備を進めているという状況です。タブーにおいてもそれぞれ所要の増強がされているとおききしております。
 監視体制ですが、保健環境研究所において、検査体制をとっておりまして、他の業務と連携しながら、検査担当職員の充実をはかっているという状況です。
【環境技術専門監】資料請求については、正副委員長と相談させていただきたいと思います。
追加ですが、今回EPZを暫定20kmに広げたということもありまして、保健所の職員中心ですが、測定機器の研修をやりまして体制を強化したとところです。
【前窪】米や農産物の京都産は、汚染されていないということですが、しかし、販売ルートの中では、汚染されていないという証明証をつけないと流通しないという場合があります。お米の調査は、保環研などに持ち込んでも無料でやってもらえるのですか。これは、やってもらっていないということになっているのですが、これではなかなか農家の皆さんの負担が大変です。これをやっていただきたいということについての答弁を。
 また、原子力の専門職員の体制なのですが、これは福井県では5人くらいの専門職員を独自採用しているのです。滋賀県は、来年度から専門職員を採用ということです。本府でもそういう意味で専門職の採用も含めて、専門家集団の体制をしっかり拡充するということが必要だと思います。その点についての答弁を求めておきたいと思います。
【環境技術専門監】米については農林水産部の所管ですので、そちらの方で検討されているものと認識しております。
【前窪】保環研で受ける体制があるかということです。
【環境技術専門監】現行では、環境試料等で大変検体が増えていますので、なかなか対応は難しいだろうと思っております。
 職員の採用については、人事当局の所管ということですので、ご理解をお願いいたします。
【環境政策監】原子力関係の専門職員の採用については、必要に応じて人事当局と十分に検討していくということです。

≪他会派議員の質問項目≫

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

・いろは呑龍事業の実績について

・京都文化博物館リニューアル後の状況について

・幼稚園の移動図書事業について

・私立幼稚園の耐震化について

■池田正義(自民・舞鶴市)

・植物園と学校との取り組みについて

・国文祭のキャラクターまゆまろの活用について

・放射線量等の測定と活用について

■安田守(自民・向日市)

・いろは呑龍事業の実績などについて

・府営水道の料金格差問題などについて

・府立医大施設の工事完成後の評判について

・府立医大の支払い機の駅前設置について

・京都府射撃場の災害復旧と再開について

■兎本和久(自民・木津川市及び相楽郡)

・スポーツのアスリートづくりなどについて

・スポーツ医科学相談等事業について

・避難所としてのスポーツ施設整備について

■平井斉己(民主・京都市北区)

・映像人材育成事業の成果について

・文化財未指定の建造物について

・府立医科大学の病棟再編について

■巽 昭(自民・京丹後市)

・山陰海岸ジオパークについて

・海岸線の漂着物対策について

■秋田 公司(自民・京都市南区)

・京都文化ベンチャーコンペティションについて

■酒井常雄(民主・城陽市)

・スポーツ賞表彰基準などについて

・球技専用スタジアム用地の公募について

・スポーツ施設の在り方懇話会のメンバーについて

■多賀 久雄(自民・宮津市及び与謝郡)

・北部の医師確保対策について

・奨学金制度、医大GPの実施時期について

・与謝の海病院の研修医の配分枠について

■島内 研(民主・京都市左京区)

・不法投棄等防止対策事業について

・スポーツ医科学相談等事業について

・避難所としてのスポーツ施設整備について