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政策と見解

「特別自治市構想」反対、住民自治の拡充こそ必要

2011/12/21 更新
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2011年12月21日

日本共産党京都府委員会 委員長
日本共産党京都府会議員団 団長
日本共産党京都市会議員団 団長

「特別自治市構想」反対、住民自治の拡充こそ必要

見解


渡辺 和俊
前窪 義由紀
山中 渡

 京都府から京都市を独立させる「特別自治市構想」が、自治体と住民の暮らしをめぐる重大問題として浮上しています。「指定都市市長会」は、7月27日に「新たな大都市制度の創設に関する指定都市の提案」(あるべき大都市制度の選択「特別自治市」)を提案しました。門川京都市長は、この提案を支持し、「京プラン実施計画」で「市域内における府県の権限や財源を市に一元化する新たな大都市制度『特別自治市』の創設を提言」と明記しました。これらの動きを受け、山田京都府知事は、12月7日の府会本会議で「府は京都府が抜けると地理的分断される。広域行政対として成り立つのか。そうでないなら府民の幸福につながらない」と答弁しました。
 門川市長は、12月10日の出馬表明で「二重行政の打破」「抜本的な大都市制度改革」を提案、直接的には「特別自治市構想」には触れない一方で京都新聞の12月11日付「知事・政令市長緊急アンケート」では「特別自治市構想」支持を明確にしました。門川市長が12月13日行われた京都市と経済4団体の懇談会で「道州制も視野に入れ、議論を深めていくことが重要」(12月14日、毎日新聞)としている点も自治体のあり方をめぐって重大です。

 「特別自治市構想」は、結局「府県の権限や財源を市に一元化する」ということだけで、それが住民の命と暮らしを守る自治体の役割をどう強めることになるのかなどの論証は一切ありません。あるのは京都府から京都市を切り離すというごとだけです。京都の場合、府に占める市の役割が特別に大きく、京都市が独立することにより、京都と京都府自体が成り立たなくなる危険をはらむものであり、市町村と住民に重大な影響を与えるものです、住民の命と暮らしをまもるという基礎自治体・京都府・国がそれぞれ補完しあって果たしている役割を壊し、結局府民・市民の暮らしに重大な影響をあたえかねません。大都市・京都市での住民自治をどう強めるか、市役所・区役所をどう住民に身近なものにするか、この点こそ重要です。「二重行政の弊害」が問題であるなら、一つ一つの施設・施策について府と市がよく話し合い解決すればいいことで、その解決を「特別自治市」とする必要はまったくありません。あわせて門川市長の「道州制」発言も住民と地域に身近な自治体を壊し、命と暮らしを支える仕組みを弱めるものとして重大です。
 そもそも、現在の暮らしと経済の閉塞感は、こうした「行政システム」の問題ではなく、むしろこれまでの自民党政治、現在の民主党政治がこれらの問題の根本解決を示せないところにこそ問題があると考えます。それを「行政のシステム」の問題にすり替えることは許されません。
 日本共産党は、京都市が独立する「特別自治市構想」に反対するとともに、京都府・市に対して「二重行政」の問題があるならば、住民の立場での府市がよく話し合い、住民の要求に合致するものは推進、無駄なものは整理する立場でのぞむこと。住民自治を強める立場から、地域コミュニティの拡充、市民参加の保障を図ることを求めるものです。


以上