大飯原発3、4号機の再稼働反対に関する申し入れ
2012年4月6日
京都府知事 山田 啓二様
日本共産党京都府会議員団
団 長 前 窪 義由紀
大飯原発3、4号機の再稼働反対に関する申し入れ
民主党野田内閣は、大飯原発3、4号機の再稼働問題で、原子力安全・保安院に急遽つくらせた「暫定安全基準」を確認し、来週早々にも枝野経済産業大臣を福井県に派遣し、知事に原発再稼働の協力を要請しようとしている。さらに京都府知事や滋賀県知事など被害が及ぶ周辺自治体の理解は求めるが、同意を求める法的根拠はなく、再稼働は政府が判断して決定するとしている。
しかし、この「暫定安全基準」は、福島原発の事故原因が明らかになっておらず、まったく科学的根拠を持たないものである。しかも、この基準で短期的に実施するものは、原発事故後すでに実施済みのものである。多くは中長期的に進めるとしているが、それが済まないうちに地震や津波が発生すれば対応できないものである。さらに、「暫定安全基準」を検討した主体は、国民の信頼を完全に失った原子力安全・保安院である。安全性を無視した再稼働の決定は断じて許されない。
一方、京都府防災会議で示されたSPEEDIでの高浜原発事故のシミュレーションでも、京都市右京区や南部地域まで屋内退避を求める放射能被害が及ぶことが明らかになっている。そのような京都府に対して、原発の再稼働について「同意」を求めることなく、事実上説明だけで再稼働を決定しようとしていることも許されない。
知事は、政府のこのような再稼働先にありきの動きに対して、「安全基準をつくることはよいことであり、原子力の専門家に意見を聞き判断したい」旨発言したと報道されている。
しかし、知事は以前から「福島原発の事故原因を明らかにし、それにもとづいた安全基準を求めるjとしてきたのであり、事故原因に基づかない「暫定安全基準」を評価し検討しようというのは、これまでの基本姿勢から大きく後退するものと言わなければならない。
従って、京都府知事として、安全性を無視し、地元住民の「同意」もなく大飯原発3、4号機の再稼働を進めようとしていることに反対の態度を表明し、再稼働の政治判断を行わないよう国に求めるべきである。以上、強く申し入れるものである。
大飯原発3、4号機の再稼働反対に関する申し入れ[PDFファイル 46.5 KB]