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申し入れ

大飯原発の無謀な再稼働に反対することを求める申し入れ

2012/05/25 更新
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2012年5月25日

京都府知事 山田 啓二様

日本共産党京都府委員会委員長 渡辺 和俊
日本共産党京都府会議員団団長 前窪 義由紀


大飯原発の無謀な再稼働に反対することを求める申し入れ


 5月臨時府議会は、野田首相が大飯原発の再稼働を近く決断するとの報道がなされる一方、府民の不安と再稼働反対の声が大きく広がる緊迫した状況のなかで開かれ、京都府議会と山田知事の対応が厳しく問われている。
 こうしたなか全員協議会と常任・特別委員会が開催されましたが、その質疑を通じて、大飯原発の再稼働と夏場の電力需給について問題点が明確に浮かび上がっている。
 第一に、大飯原発の再稼働は、何の道理もなく、科学的知見のかけらもない無謀なものであることが明らかになった。
 野田内閣が示した原発再稼働への「判断基準」は、福島原発事故の原囚究明による科学的知見に基づかない単なる政治判断であり、ストレステストの2次評価も行われておらず、実施済みの緊急対策も原子炉建屋の浸水対策が津波に耐えられないなど問題だらけである。さらに、免震事務棟や防潮堤のかさ上げ、常設の発電機の設置、フィルター付きベンド設備など安全のために緊急に整備しなければならないものを中長期の計画で良しとしていることなど安全対策は極めて不十分である。
 第二に、原発災害に対する避難・防災対策もまったくできておらず、夏場の「電力不足」も原発再稼働の理由にすべきでなく、安全確保が最優先であることが共通の認識となった。
 高浜原発での事故を想定したスピーディによる放射性物質の拡散予測で京都市右京区まで屋内退避すべき被害が及ぶことが示されたが、30キロ圏内の避難対策は検討の途上であり、50キロ圏内を対象としたヨウ素剤の配布計画などもまったく検討されていない。大飯原発での事故を想定したシミュレーションや琵琶湖・由良川水系などの飲み水対策などもまったくおこなわれていない。
 そもそも原発の再稼働と夏場の「電力不足」を天秤にかける議論は間違いである。夏場の電力不足の対策も、揚水発電量の引き上げや他電力会社からの融通、大口事業所の自家発電の活用など適切な節電が行われれば、夏場の電カピーク時を乗り切れる見通しが明らかになってきた。
 こうした状況を踏まえるならば、大飯原発を再稼働することは、絶対に認められないものである。府民生活厚生常任委員会で山田危機管理監は、「現段階では再稼働に賛成できない」と表明したことは重要である。
 従って、山田知事におかれては、野田内閣の大飯原発の再稼働にきっぱり反対を表明するとともに、「原発をなくして」との圧倒的な府民の願いにこたえ、今こそ、原発ゼロヘの決断・自然再生エネルギーへの転換を政府に求めるべきである。
 以上、強く申し入れるものである。

大飯原発の無謀な再稼働に反対することを求める申し入れ[PDFファイル 52.4 KB]