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本会議質問

2012年12月定例会西脇代表質問

2012/12/17 更新
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●12月定例府議会が12月3日に開会しました。12月5日に西脇いく子議員がおこなった代表質問と答弁の大要、他会派議員の代表質問項目をご紹介します。

西脇いく子 代表質問 ・・・・・ 1
他会派議員の代表質問項目・・・・15

12月定例会 代表質問
西脇いく子(日本共産党、京都市下京区)2012年12月5日

笹子トンネル内での崩落事故について、本府内での調査と対策を

【西脇】日本共産党の西脇郁子です。まず、先日2日に発生しました山梨中央道の笹子トンネル内での崩落事故について犠牲になられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げます。本府内におきましてもくれぐれも同じような事故が起こらないよう老朽化したトンネル等への点検と対策を早急に行っていただくよう強く求めておきます。

戦後60年間続いた自民党型政治から転換の立場で質問

さて、民主党は「政治を変えてほしい」という国民の願いをことごとく裏切り、財界が求める消費税大増税や原発再稼働を強行。アメリカ言いなりで日本の農業と日本経済を壊すTPPを推進し、沖縄が島ぐるみで反対しているオスプレイの配備を強行しました。「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党型政治に縛られたまま、そこから抜け出す立場も意思もなかったところに民主党政権の失敗の最大の原因があることは、この3年あまりの事実で証明されています。今、問われているのは、戦後60年間続いた自民党型政治から転換し、国民が主人公の政治に切り替える本物の改革を行うことができるかどうかです。
私はこの立場から、日本共産党議員団を代表して、知事並びに関係理事者に質問いたします。

TPP参加に反対の態度を示すべき

まず、TPPについてです。
JA全中は11月15日、「TPP交渉参加断固阻止 緊急全国集会」を開き、「組織の総力を挙げて徹底して運動していく」との決議を行い、日本医師会を中心とする「国民医療推進協議会」も4月、「TPP参加反対総決起大会」を開催しました。
京都でも11月23日に、京都府保険医協会や社会保障推進協議会、農民連など府内20団体で組織した実行委員会が主催したTPP参加反対京都府民集会に、元副知事の草木慶治氏が「現状では農家生まれの国民として反対せざるをえない」とのメッセージを寄せられ「国民の日々の暮らしを守ってきた様々な仕組みを破壊、二度と取り返しのつかない事態を招く」との集会アピールが採択されました。多くの国民や団体が反対するのは、TPPに参加すれば、関税が原則撤廃され、農産物をはじめとする全ての物とサービス、貿易の制限が取り払われ、人とお金の出入りが自由になります。食の安全、公共事業の発注、金融・保険、労働などあらゆる分野に影響し、日本の経済と暮らしを根本から掘り崩すことになるからです。
知事は「経済界からの要望もある」として、事実上賛成の立場をとっておられますが、恩恵を受けるのは自動車、電機などの一部の輸出企業だけです。一部大企業の国際競争力を強め、外需頼みの経済にした結果、「円高」がすすみ、不況が続いたのです。TPP参加はこれをいっそう加速させるだけです。
そこでうかがいます。知事はTPPにはメリット・デメリットの両面があると言われるだけで、あらゆる分野で府民の暮らしに打撃を与えることをまともにみようとされていませんが、それでもTPP参加に反対の態度を取らないのか。お答えください。

府民の命守る立立場にたち、雇用・中小企業支援で京都経済再生を

次に消費税と地域経済再生対策について伺います。 
所得が減り続け、消費が落ち込み、内需が冷え込む「デフレ不況」で府民の営業もくらしも深刻な影響を受けています。府が11月に発表した府内中小企業の景気動向調査では、「良い」と答えた企業はわずか2.3%。今後の景況感についてもさらに「悪化」すると回答した企業が50.4%と厳しい状況が続く見通しです。
11月22日、府市民総行動実行委員会の呼びかけに応えて、北部や府内全域から多くの府民が「いのちと暮らし、雇用と営業を守れ」と京都府庁へ要請に来られました。
丹後の機械金属関連業者や労働者の方からは「グローバル化の中で、仕事の量がどんどん減り単価が下がった。受注先から3月に10%のコストダウンを求められ、7月には『国内他社及び海外単価との差が大きい場合、他社に発注する』と通知された。」という声や、「週2日分しか仕事がない。残り4日間は雇用調整助成金を使い、研修している状態。元請けが海外へ仕事を出すようになり、仕事がこない。」と切実な声が寄せられました。
わが党議員団が行った南部の機械金属関連の中小業者の訪問調査でも、「リーマンショック以降、単価は3割~5割ダウンしたまま。仕事がなくても家賃や電気基本料金等の固定費は毎月約12万円かかる。借入金があるので廃業もできない。」と実情が語られ、別の工場では「金融円滑化法が3月に切れると倒産するという仲間は多い。仕事がほしい。元請けが外国に仕事を出し、地元の中小業者の仕事がなくなり困っている。大手企業は身勝手すぎる。次々と仲間が廃業していく。地域で仕事がまわるような政策を検討してほしい。」と切望されました。
年末を迎えて景気の後退や雇用状態は危機的な状況です。輸出も消費も大きく落ち込んでいる根本原因は、自民党型政治が国民生活や中小企業をないがしろにし、大企業本位、外需頼みの構造改革・規制緩和を推し進めてきたことにほかありません。いまこそ、このような政治の転換が必要です。同時に、深刻な事態を打開していくために私は五つの緊急対策が必要だと考えます。

消費税増税中止を国に求めよ

第1は、消費税大増税の実施中止を国に求めることです。消費税増税がこの不況に拍車をかけ、府民の暮らしと営業に計り知れない打撃を与えることは明確です。11月25日には三条商店街理事長をはじめ29氏の消費税増税反対府民アピールが発表されました。
この厳しい経済状況のもと、消費税増税は最大の愚策であり中止するよう国に求めるべきではありませんか。

中小企業の固定費補助を

第2は府内の中小企業支援の緊急対策です。府は「中小企業緊急経営あんてい融資」の創設など対策を講じていますが、「借りても返せない」のが中小業者の実態です。
府として中小企業に対して家賃、電気基本料、リース料など固定費補助を実施するよう求めます。その際、仕事が激減するもとで、新たな借入による設備更新や新規事業への参入が条件となれば、とても活用できないというのが多くの中小企業の実態です。ハードルを設けず活用しやすい補助制度とするよう求めますがいかがですか。

金融円滑化法廃止に対して対策を

第3に、来年3月に廃止期限が迫る金融円滑化法の対策です。「金利は何とか納めているけれど、不況のもとで元金の返済にお金を回せない」という中小業者に対して、すでに金融機関が何度も訪問し、元金を早く返済するよう迫っているという声も寄せられています。
金融機関に対して貸し剥がしを行わず、借換や元金据置の要望に積極的に対応するよう求めるべきです。お答えください。

最低賃金の引き上げと中小企業への補てんを

第4に、最低賃金の引き上げを国に求めることです。地域による経済格差のひろがりも深刻です。例えば、京丹後市では、給与所得者の40%にあたる8300人の労働者が年収200万円以下。京丹後市の市民所得は、府民所得の約64%しかありません。「京丹後市民全体がワーキングプア状態になっている」といわれるほどの深刻な地域経済への対策は待ったなしです。
そこで、内需拡大を伴う総合的な経済対策として、中小企業振興のための総合的な支援とあわせて、低すぎる最低賃金を全国一律1000円に引き上げること。その際、経済波及効果が現れるまでの間、時限的に、最低賃金引き上げに伴う中小企業の人件費増加に直接の財源補填という形で支援を行う新たな制度の創設を国に求めることが必要だと考えますがいかがですか。お答えください。

中小企業振興条例の制定を

最後に地域循環型経済を基本にすえ、すべての中小企業の底上げをはかる中小企業振興条例の制定です。地域の中で仕事が回れば、働く人の雇用が安定し、賃金が上がる。府民の懐が温かくなれば地元の商店での買い物が増え、冷え込んだ京都経済の再生につながります。そんな地域循環型の経済政策が求められ、与謝野町や京丹後市にその流れは広がっています。
改めて、府として中小企業振興基本条例の制定を求めますがいかがですか。

雇用対策とロームリストラ問題

次に雇用とロームのリストラ計画について伺います。
深刻な経済状況のもと、雇用の実態も急激に悪化しています。我が党議員団は、京都府内の4カ所のハローワーク前で「雇用と暮らしのアンケート」に取り組み、リストラや求職の実態をお聞きしました。その聞き取りだけでも、不況で100名を超える非正規労働者がリストラにあった事業所が2カ所あるなど、雇用情勢の急速な悪化が顕著になっています。
そうした中、11月9日、右京区に本社を置く半導体製造メーカー「ローム」が600名の人員削減、本社では労働者の7%にあたる250名の希望退職募集を発表しました。雇用とともに下請け企業をはじめとした京都の地域経済にとって重大な影響が心配されています。
ロームは今期110億円の赤字予想としていますが、内部留保は7000億円。今年5月には市民の反対を押しきって強行された京都会館改築でネーミングライツ料として52億5千万円を京都市に支払うなど、十分な体力があり、さらに京都市の企業立地補助制度の適用も受けており、全く理不尽なリストラです。希望退職の名でのリストラは全国でも大問題になっています。
京都ではこの間、トステム綾部工場の閉鎖、日本写真印刷の400名近いリストラなど、大企業の雇用破壊が続いていますが、府は企業の社会的責任を明確にさせ、雇用を守る有効策を打っていません。ロームのリストラ計画について、直ちに実情をつかみ、大企業の横暴を許さずに撤回を求めることを強く求めますがいかがですか。
さて、アンケートに答えていただいた若者の声も深刻です。
樹脂加工の会社で5年間営業事務をしてきた28歳の女性は「受注先からコストダウンを要求され、経費削減のために解雇された。次の仕事がなかなか見つからない」。契約社員だった33歳男性は「期間満了で終了。契約更新を希望したが断られた。求人は期間工しかない」。23歳女性は「夢だった仕事に就き頑張ったけれど、朝6時から夜10時過ぎまでの勤務で体が続かなかった。残業代もつかず、1カ月の手取りは14万円」。
こうした若者の声に共通していたことは、ほとんどが不況を理由としたリストラ、解雇、契約社員で、期間満了による一方的な契約打ち切りなど会社都合で退職させられていることです。労働基準法に違反する過酷な働かされ方によって体も心もボロボロになって退職していることです。そして、一旦退職したら、なかなか正社員の職に就けず、派遣、契約、期間工、アルバイトをつないで不安定な生活を余儀なくされていることです。
そこで知事にお聞きします。このような若者の雇用の実態をどのように受け止めておられますか。
府として、相談がくるのを待つだけでなく、京都労働局と連携し若者の雇用実態調査をおこない、会社都合による一方的な解雇や労働基準法に違反する働かせ方を改めさせるために積極的に役割を発揮すべきと考えますがいかがですか。
 また、大企業の理不尽なリストラを許さず雇用を守り、くらしと経営を守ることは喫緊の課題です。
府として労働局と連携し、リストラの実態を本格的に調査することが必要だと考えますがいかがですか。
また、雇用と府民の暮らしを守る緊急対策本部の設置と年末にむけ、すべての府機関での相談窓口を設けることが必要ですがいかがですか。

【知事答弁】TPPについて

まずTPPについてです。私どもは賛成とか反対とかでなく、一番大切なのはこの問題は利害関係が錯綜しているなかで交渉事になっているわけでありますので、しっかりとした国民的議論を行う必要であると。そしてその中で具体的に国の様々な基幹産業、特に農業については体系的な施策を示していく必要があるであろう。そしてそういった中で国民の合意を得た上で判断する。とくに東日本の震災から復興めざす被災地域の活力をいささかも損なうことないように慎重に対処していくことを11月16日に、全国知事会から政府に対してすでに要請をしているところです。いずれにいたしましても、今、選挙がおこなわれているわけでありますけれども、この問題につきましては、「進めていく」というところから「条件的に進めていく」「条件付きで進めるべきではない」そして「反対」幅広い政党がいま国民の審判を受けて、それに基づいてしっかりとした議論をおこなっていくということでありますので、私どもといたしましては、そうした国民的議論が盛り上がるようにこの中において、とくに農林水産業はじめ、国益を損なうことのないようなしっかりとした交渉が行われる、ということを望んでいきたいと思っています。

消費税について

消費増税についてですが、厳しい日本の財政状況や急速に進む少子高齢化のなかで、国民が安心し希望が持てる社会保障を実現していくためには、その財源の安定的確保ということは避けて通ることはできないと考えています。問題はその財源とその使い道の相関関係であり、そこをしっかりと私たちは見つめていかなければならないと思っております。その上で消費税率引き上げにつきましては、これは厳しい地域経済の状況に配慮すること、これを私どもは繰り返し繰り返し、申しあげてきたところでありまして、このたびの消費税法の改正法の付則におきましても、引き上げにあたりましては経済状況等総合的に勘案したうえで所要の措置を講ずることとされておりまして、この規定に基づいて改正法の施行というのは考えるべきだと思っております。
 また、私どもは、逆進制を踏まえた低所得者層への対応を十分に行うこと、適正な価格転化からの中小企業者対策を十分に講じることなども、先月の国地方協議の場を始め、国に対して申し入れているところでありまして、今後とも引き続きあらゆる場面で訴えてまいりたいと考えております。

地域経済再生対策について

次に地域経済再生対策についてでありますが、中小企業の固定費に対する支援といたしましては、先の決算総括質疑でもお答えしました通り、育成型中小企業支援の中で「中小企業応援隊」等により2万社を訪問し、中小企業ステップアップ事業等により、2000件を超える備品や節電のための設備の補助と育成支援をおこなっているところであります。さらに現下の厳しい経済状況を踏まえ、経営改善や商店街が行います特別大売り出し等支援する、「中小企業応援事業費」とともに、電気代等の削減や事務の効率化など固定的な経費の削減を支援する「中小企業緊急負担軽減事業」を今議会でお願いをしているところであります。また、金融円滑化法の延長につきましては、これまでもお答えしている通り、国に対しまして法の延長や中小企業支援の充実等を強く求めてまいりました。まだ延長というふうにはなってないわけですけれど、これは残念だと私自身考えておりますが、先に出された大臣談話では金融監督の質を変えることなく、倒産防止、円滑化資金供給に取り組むという方針は示されたところであります。京都府としましても、こういう状況を踏まえまして京都府・京都市協調で「中小企業緊急経営あんてい融資」を創設、委託金を追加するなど補正予算を今議会にお願いをしているところでありますし、金融と経営の一体的支援を推進するために「京都金融支援連絡連携協議会」を設立しオール京都による支援体制づくりを進めているところであります。

最低賃金引き上げについて

最低賃金の引き上げにつきましては、これは京都労働局において、公益、労働者、使用者の各代表から構成される「京都地方最低賃金審議会」の答申をえて決定されるようになっています。京都府といたしましては、正規労働者と正規労働者との賃金格差の是正や、生活保護との整合性等について配慮するとともに中小企業に対し、最低賃金の引き上げにともなう資金調達支援について、これまでから何度も国にたいして要望しており、これからも引き続き要望してまいりたいと考えております。

中小企業基本条例について

次に中小企業の基本条例についてでありますけれども、これも何度もお答えをしておりますけれども、本年2月に全会一致で改正をいただきました「京都府中小企業応援条例」におきまして中小企業が地域の経済および雇用の重要な担い手として府の経済のみならず、地域社会の形成に重要な役割を果たしていることを明記するとともに、研究開発や設備投資、販路拡大など、すべての中小企業に対して総合的な支援を規定したところでありまして、中小企業へ支援するための基本的内容をすでに盛り込んだものになっていると考えております。

ローム問題について

次に雇用問題についてでありますけれども、ロームの希望退職者の募集につきましては、京都の経済状況が非常に厳しい中で更に地域の雇用等への影響を及ぼすことのないよう、直接私ども職員が本社を訪問し、雇用の確保を再就職の支援等について、申し入れているところであります。ロームからは「退職者の再就職等について責任をもって対応する」「希望者の意向を尊重する」とともに退職者へは十分な経済的支援を行うとの回答を得ておりますけれども、今後も引き続き状況把握に努め、必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。

若者の雇用について

次に若者の雇用につきまして、34歳までの若者のうち3分の1以上が非正規雇用の状態にあります。京都ジョブパークでは年間約5万人の若者と対話をし、その中で不安定な就業状況や退職すればなかなか次の就職が見つからない現実など、厳しい現場の声を直接聞く中で、就労支援に日夜邁進をしているところであります。若い世代が将来に向けての不安定な雇用状態にあることは、社会的、経済的に大きな問題でありますし、私どもはこのため中小企業人材確保センターやジョブパークでの大学生専門コーナーの設置など正規雇用拡大に力を入れますとともに、今議会にも高校大学新卒者を対象とした「京都未来を担う人づくり推進事業」や、「高校生緊急就職支援事業」や緊急の求人開拓など若者の雇用開拓への積極的な対応を進めるための予算を提出させていただいているところであります。
企業の労働環境法制の遵守につきましては、これまでから国に対し。規制監督の強化を求めますとともに、万一違法行為等がありました場合には、当然ながら責任と権限を有する京都労働局と連携をしまして、コンプライアンスの徹底を求めているところであります。京都府では雇用の実態につきましては、中小企業応援隊、求人開拓員の企業訪問など常に現場の声を聞き、その実態把握するなかで現実等に向かいあいながら、支援措置を講じてきているところであります。また、さる10月にも企業の経営等の状況調査を実施したところであります。企業が雇用調整をおこなった場合は、労働局や市町村と連携し状況を把握したうえで、この状況に応じまして、退職予定者の説明会など従業員の不安解消や、再就職支援等に取り組んでいるところであります。これらの政策を進めるための体制につきましては、公労使のオール京都のトップによります「雇用創出活力会議」の開催など機動的に取り組んでおりますが、今年度からは、各振興局ごとに公労使によります、地域かつ地域雇用の創出活力会議を開催し、各地域の実情に応じた雇用対策を協議しているところであります。また、相談窓口につきましては、これまでからジョブパークにおいて就労から生活までワンストップの相談を実施し、この年末も緊急の取り組みとして府内の各地域でジョブパークの巡回相談を開設するほか、昼間、働いている方の相談にも応じるため、ジョブパーク及び北部サテライトで、時間を延長した夜間相談窓口を開設するなど、きめ細やかな対応を進めることとしているところであります。
【西脇・再質問】まず、TPP、消費税に関わってですけれども、府民の事態が深刻ななかで、消費税増税もTPP参加もどちらも府民の営業や農業、暮らしに取り返しのつかない事態を引き起こすことははっきりしていることなのです。そのことにまったく目をつむってあれこれ論じているような場合ではないとおもっております。知事の答弁は増税が前提の中身ではないか、そうではなくて知事として、大変な影響がある増税については中止を求めていただきたいとおもいます。
ロームのリストラ計画については。府としてもロームにリストラ撤回ですね、その後の就職あっせんではなくてまずはリストラ撤回を強く求めていただく、この努力を行うべきだと考えます。いま全国的に、希望退職募集という名による強引な退職強要などが行われている社会問題にもなっている、そのことがロームでも実態があるのかどうか、これは早急につかんでいただきたいと思います。
それから、府民の雇用と暮らしについてもかつてのリーマンショック直後のように緊急に実態をつかんで、府民が安心して年を越せるよう特別な対策を取るよう求めてさせていただきます。ロームの問題は再質問させていただきます。
固定費助成については、今回の補正予算案で、固定費のコストダウンにつながる設備投資を支援するとありますが、宇治市の商工会議所さんも含め、多くの中小企業のみなさんは、こういったイノベーションなどのハードルがあれば今の苦しい実態では、ほとんど使いづらく無理だという声をお聞きしています。条件緩和をすべきと考えますが再答弁を求めます。
【知事・再答弁】再質問にお答えいたします。農業についてもきちっとした施策を示すべきだと私は言っているので、何の対策を打つことなくなんて言っているわけではなくて、こういう施策を打つことを求めている明示しろということを答弁している。消費税についても、問題なのは財源とその使い道の相関関係だとはっきり言っている。財源とその使い道をどうやっていくのかについて、きちっとやるべきだといっているのです。
 ロームの問題ですが、すぐに本社に職員を派遣いたしまして、その状況を踏まえて更に申し入れを行ったところでありまして、今後とも状況把握に努めていきたいと思っております。
 固定費につきましては、イノベーションではないのです。要するに節電とかこうしたものにつながるものについて積極的に取り入れてくださいと、それによって固定費を削減するそういう取り組みを支援しようとしているわけでありましので、ハードルは決して高いものではございません。
【西脇・指摘要望】固定費助成ですが、やっぱりハードルは高いと、これは現場のみなさんおっしゃるのですから、知事もしっかりとそういったみなさんの声も聞いていただきたい。使いづらいわけです。急速に悪化している府内の雇用や営業の深刻な実態と実情に見合った必要な対策を講じていただくことを、とくに固定費助成につきましては絵に描いたモチにならないよう条件緩和を強く求め次の質問に移ります。

介護保険問題、「社会保障制度改革推進法」に関連して

【西脇】次に介護問題について伺います。 
今年8月に民・自・公の三党談合で強行された「社会保障制度改革推進法」の最大の目的は、民主党国会議員が「社会保障は無駄の宝庫」と言ってのけたように、医療、介護、年金、子育て、生活保護をはじめとした社会保障に対する徹底した公費削減です。"社会保障は自己責任"という「自民党型政治」の哲学が貫かれ、国の社会保障制度の「解体宣言」というべき内容で、まさに、90年代から繰り返されてきた社会保障制度改悪の総仕上げとなっています。
その下で、介護保険制度も充実するどころか、いっそうの負担増と保険給付の削減、介護施設から利用者の追い出し促進を鮮明にしています。これでは、今でも介護保険制度そのものの矛盾が広がっているもとで、ますます「保険あって介護なし」の実態を加速させることになり介護難民といわれる高齢者がさらに大量に生み出されることになり、絶対に認めるわけにはいけません。
知事、国に対して「社会保障改改革推進法」の発動を許さず撤回するよう求めるべきではありませんか。
「介護の社会化」といわれ制度化された介護保険ですが、この12年間、あいつぐ保険料の値上げと利用料負担、負担限度額を超えた保険料や利用料、要介護認定基準の見直しによる軽度者排除、足りない施設と遅れた介護基盤整備などなど、見直しのたびに利用者や家族の願いとかけ離れた制度になってきました。
現在の介護保険制度のなかでも大きな問題の一つとして介護保険料があります。
今年4月から3年間の介護保険料は、精華町の5850円を最高に、京都市5440円など、前期と比べ府内平均月1000円近くも引き上げられました。年金生活者の負担能力ではもはや限界となっています。
下京区内の82歳のAさんの年金受給額はひと月34,100円で介護保険料は、前年度月1880円が2720円に。そのうえ年金は、来年10月から2・5%削減されます。貯金も底をついて暮らしていけないとお年寄りの悲鳴があちこちから聞こえています。
現在の介護保険制度では、65歳以上の高齢者の保険料と給付額は、市町村ごとに決める仕組みのために、介護サービス利用が増えれば必然的に高齢者全員の介護保険料が上がる仕組みになっています。このため、必然的に、市町村は介護の充実と保険料のどちらを取るのかという二者択一を迫られています。
介護施設の基盤整備やサービスが必要な高齢者が増える一方、保険料負担に耐え切れない状況が深刻化している実態について知事はどう認識しておられますか。
国に国庫負担を60%以上に引き上げることを求めるとともに、府独自の低所得者への保険料減免制度を創設し、負担を大幅に軽減すべきです。いかがですか。
さらに、特養ホームなどの介護施設の整備の問題も深刻です。
私の地元、下京区内にお住まいの89歳の要介護4の女性の例ですが、この方は認知症が強く昼夜逆転で室内を四つ這いになって徘徊をしておられました。長男さんは、腰椎骨折のために、介護はほとんどリューマチを抱えた長男の奥さんが担っておられ、3年前に特養の入所申込みをされていましたが、入所できず、やむを得ず、月の半分ずつをショートステイとデイケア、訪問介護に加え、3カ月サイクルで老健施設を利用しておられましたが、奥さんは、肉体的、精神的にも追い詰められた状態でした。現在は、お母さんご自身も状態悪化のために病院に入院されたということでした。
 このような実態が相次ぐもと、下京区では本年、わずか2カ月足らずで、「特養施設増設を」との要望署名が4000筆以上集まっています。
ところが、改定された介護報酬では、特別養護老人ホームでは、要介護度の高い人を受け入れる施設ほど報酬を高くし、「中軽度者」の入所を困難にしました。また「個室入所」を優先するとして相部屋入所への報酬も減額しました。老人保健施設では、在宅ベッドとベッド回転率の低い施設は報酬が下がる仕組みが初めて導入され、入所者の早期退所を迫ることを盛り込みました。このようなやり方は、特養の入所待機者が全国に42万人以上、京都府内でも特養ホームの入所申込みが6000名以上もおられる実態を解決するどころか、介護難民といわれる高齢者をさらに増やし、家族介護の負担軽減にも逆行するものです。
報酬改定によって施設介護から強引に引きはがし、高齢者の行き場をなくすことはするべきではないと考えますがいかがですか。
特養ホームについては、申込者の実態に合わせ早急に整備すべきではありませんか。
現在、国がすすめている「地域包括ケアシステム」は、社会保障の国の責任を「共助」にすり替え、医療や介護を在宅にシフトし、病院や介護施設から高齢者を締め出そうとしています。
介護保険導入後、自治体の高齢者施策が介護保険まかせ、事業者まかせとなってきており、自治体も計画は策定するものの、実際は基盤整備も高齢者の実態把握も、直接行政から離れているのが実態です。
改正介護保険法は「地域包括ケア」の実現のために市町村の第5期計画に日常生活圏域の高齢者のニーズ調査を行い、地域の課題やニーズを把握するとしています。しかし、その実態は、各市町村の地域包括支援センターへの委託によるサンプル調査で、全ての高齢者が対象となっておらず、しかも地域包括支援センターの職員に新たな仕事が加わることでセンターの本来の業務にも支障があるのではないでしょうか。高齢者の地域での暮らしと介護の実態を掌握することは、介護保険からも取り残された高齢者を救済していくためにも必要だと考えます。
行政の公的責任を明確にするためにも「日常生活圏域」の全ての高齢者を対象に、直接府や自治体の責任で悉皆調査すべきと考えますがいかがですか。
【知事答弁】「社会保障制度改革推進法」をはじめとする社会保障の税一体改革関連法は、少子高齢化の急速な進展や国・地方ともに厳しい財政状況のもとで、どうすれば安定的な財源確保と持続可能な社会保障制度の両立をめざしていくのかという観点から設けられた法案であります。そして、その具体策をいま検討するために、社会保障制度の改革国民会議が設置され、11月31日に第一回の会議が開催されたところであります。私どもは、この会議自身は、たぶん今回の総選挙で選ばれた政権、負託を受けた政権のもとで本格的な審議に入るようでありますけれども、まずそうした中で、私どもも地方の立場から、持続可能な社会保障制度をつくりあげていくということでは、意見を申し上げていきたいと思っております。それと同時に、この前の国地方協議の場でも申したのですが、そのためにも安定した社会保障制度をつくるためには、現場の意見である都道府県や市町村の意見を国地方協議の場でもしっかりと聞いていただきたいということを改めて申し上げているところであります。こうした場を通じて、安定した社会保障制度の構築について、努力していきたいと考えております。
 介護保険料の負担についてですが、介護保障制度は、介護を社会全体で支えるという制度の主旨を踏まえ、高齢者の経済的負担が過度とならないように配慮するなど、利用者本位の安定した制度とすることが何よりも重要であります。このためこれまでから国に対し、公費負担のあり方を含め、制度の抜本的な見直しを行なうよう要請いたしますとともに、京都府としても毎年300億近く負担して制度を支えているところであります。
また、高齢者が必要なサービスを受けられないようなことがないように、制度の枠内で精いっぱいの工夫を行なうべく、市町村に対して助言・要請等を行なってきた結果、すべての市町村におきましては、国の基準以上に細かく設定をいただいているところであります。今後とも私どもも、介護保険が安定した制度となりますよう国に対して、低所得者対策のいっそうの充実を含む制度の抜本的な見直しを引き続き求めていくとともに、市町村と連携して、適切な運営に努めてまいりたいと考えているところであります。
次に特別養護老人ホームについてですが、京都府においては高齢者の皆さんが、なにより住みなれた自宅でできる限り生活していきたいという期待にこたえるよう、京都式の地域包括ケアシステムの取り組みを積極的に進めてまいりました。それと同時に、介護報酬の改定にあたりましても、くり返しこの制度が安定的なものになるよう、また、利用者負担の軽減につながるよう、強く要望しているところであります。
本年4月の介護報酬の改定の中には、住宅サービスの充実ですとか、自立支援のためのリハビリの充実、医療と介護の連携の強化など、地域包括ケアシステムの基盤強化を図るための改定も行なわれてはおりますが、施設運営の基盤強化や質の高いサービスの選択が可能となる適切な介護報酬水準の確保には、今回の改定でもまだまだ十分なものではないと考えておりまして、引き続き、市町村、事業者、高齢者の皆さんから実態をお聞きする中で、国に対しても要望してまいりたいと考えております。
また、特別養護老人ホームの整備にあたりましては、これまでから高齢者の方々の意向を考慮し、市町村とも協議した上で高齢者健康福祉計画を作成し、この計画に沿って整備してきたところであります。同時に認知症グループホームや小規模多機能型の家宅の介護事業所などの地域密着型の施設も市町村と一緒に整備を進めるところで、高齢者の希望に添えるようにこれからも進めてまいりたいと考えております。今後とも高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、特養などの整備を進めますとともに、地域包括ケアをいっそう推進し、在宅サービスの充実もあわせて車の両輪として進めることとし、高齢者の皆さまのニーズに対応してまいりたいと考えております。
次に地域包括ケアについてですが、日常生活圏域における高齢者のニーズ調査については、地域包括ケア実現のための平成20年の介護保険法の改正で初めて実施されたものであります。調査の実施方法については、実際に福祉の現場を扱っている、積極的に行動していただいている各市町村の実情に応じて工夫されて行なうというふうになっておりますので、まずその中で調査が行われるべきだと考えております。平成24年度から平成26年度までの事業計画となる第5期の介護保険利用計画の作成にあたっては、すべての市町村で日常生活圏域のニーズ調査が行なわれますとともに、京都府におきましても、府内の要介護等の高齢者を対象としたアンケート調査を、独自に実施して、今回の計画に反映したところであります。
【西脇・指摘要望】切実な特養ホームの整備についてですけれども、府内で6000人の方が、特養ホームに入所を切実に求めておられるのですが、老人健康保険施設と特養ホームがセットされた計画であり、それさえも3000人分しか、半分しかないわけなのです。府民が早急に増設を望んでいるのは特養ホームなのです。これではまったく数としても不十分ですので、現在の介護難民と呼ばれる方々を救済することはとてもできないわけなのです。
ですので、特養ホームについては、申込者の実態に合わせて、これは早急に整備されるよう強く求めておきたいと思います。

与謝の海病院問題について

【西脇】次に与謝の海病院問題について伺います。 
今議会には、府立与謝の海病院の府公立大学法人への移譲に伴う条例改正等が提案されています。現地現場抜きのわずか3回の有識者会議でまとめられた本年2月8日の「有識者提言」まとめからわずか10カ月で、50年の歴史を持つ府民の財産である府立病院を直営病院でなくするというやり方は到底認められません。
 11月22日には、丹後からバス1台を仕立てて住民の皆さんがおこしになり、本府や府立医科大学に対して要請書が提出されました。この要請文書を知事はお読みになりましたでしょうか。
「命に格差があってはならない。格差をなくしてほしい」「素晴らしい医療が提供され、『住むんだったら丹後』と誇りを持てる地域にしたい」「子どもにとって住みよい地域であってほしい」「与謝の海病院と宮津、丹後の医療充実が未来への地域づくりの核となる」「私たちの要請を真摯にうけとめ誠実に対応してほしい」と切実なる声ばかりです。こういった丹後の声にどのようにお応えになるか、テレビ中継もされていますから、丹後の皆さんにしっかりと説明をしていただきたいと思います。
さて、これまでから、私どもは、京都府が地域医療ニーズや資源の実態調査をし、どのような課題があるのか明確にしたうえで、今後どういう診療科を拡充する必要があるのか、今後の与謝の海病院の将来像についても明らかにすべきと求めてきました。本府がこれを実施しない中で、地元では、与謝・丹後地域社会保障推進協議会や府職労連が全診療所、全病院訪問や住民アンケートを実施されました。
この中で、本府が丹後の地域医療において今後も果たすべき役割がいっそう浮き彫りになりました。
何度も指摘してきましたように、住民の最大の願いは、脳神経外科や救急救命センターの充実により、丹後地域で完結した救急医療体制とすることです。府下で一番高齢化がすすみ、心臓疾患や脳梗塞などの死亡率が府下一高い地域にある府立病院で、手術をできる体制ができないまま、長い間事実上放置されてきたことに対する責任をどのようにお感じでしょうか。府立医大の医局に医師がいないだけでは済まされない問題です。
6月定例会で、知事は、「脳神経科の対応については、外来・入院患者とも舞鶴医療センターと緊密なネットワークにより対応している、緊急の手術が必要な場合も365日いつでもすみやかに対応できる診療体制を整えたところである」と答弁されました。一分一秒を争う重病の患者を何十分もかけて舞鶴や他の病院まで運ばなければならない状況の中で、残念ながら救えなかった命があることを知事は痛みと感じなければならないのではありませんか。
丹後医療圏の中で、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な救急患者に対して、適切な治療が完結できるよう医療体制を整備する決意があるのか、ないのか、明確にお応えください。
さらに、今後充実していくべき課題として発達外来等小児科の充実、糖尿病の専門医確保や精神科医療の充実等があげられています。これらの地域医療の充実方策についてもどのように検討され実現していかれるのか、明瞭にお応えください。
また、知事は、今後、地域の意見を聞きながら進めるということですが、今後、どのような場で住民や地元の声を聞かれる予定ですか。お答えください。
【知事答弁】府立与謝の海病院についてですが、私どもは与謝の海病院を、まさに丹後の地において誇れるような病院にしたいということで、今回の府立医大の附属病院化について進めさせていただいているところであります。現在も丹後の与謝の海病院のお医者さんはすべて府立医大から派遣されています。府立医大が信用されていないような発言でありますけれども、私は府立医大はしっかりと地域医療を担ってまいりましたし、さらに、附属病院として、これは京都府と府立医大が連携をして、これからの丹後の医療の水準を高めていく、この前提のもとに私どもは進めておりますので、丹後の皆さんはどうか安心をしていただきますよう、心からお願いを申しあげたいと思っております。
心筋梗塞などの内科疾患や脳卒中、また、交通事故などの外傷については、これは統計を見ましてもだいたいきちっと与謝の海病院でできている。そして、どうしてもという場合には、近隣の病院との連携して対応できているわけでありますので、その点については、かなり私は救急医療も含めていっそうの充実を図って高度な医療を提供できる体制を整えていきたいと思っております。
また、地域の小児科や精神科の充実は、これは糖尿病専門医の確保など地元要望については、府立医科大学附属病院として、指導医クラスの派遣ですとか、地域医療を担う医師に対する研修といった新たなバックアップシステムをつくって、より中核的な病院としての位置づけを明確にしていきますので、こうした点についても機能強化を図ってまいりたいと考えております。とくに、精神科医料については、附属病院化後の与謝の海病院を今後、認知症の疾患医療センターに指摘できるよう、体制整備を整えております。
また、京都府では地元自治体、病院、地区医師会、府立医科大学で構成する附属病院化推進会議を設置し、ご意見を伺っているところでありまして、地元からは「病診連携」ですとか、「病病の連携を強化してほしい」ですとか、「地元医療機関への医師派遣を充実してもらいたいです」、また、「全国から若手の医師が希望を持って集まるような中堅の指導医を配置してほしい」といったような声が寄せられておりまして、こうした地元の要望・声にこたえることができるよういっそうの機能強化を図り、北部地域の医療のさらなる充実に努めてまいります。
【西脇・再質問】与謝の海病院についてですけれども、今年12月、先日公表されました「京都府保険医療計画中間案」を見ましても、丹後医療圏だけが府内で唯一、急性期の脳卒中に対応できる病院の指定が依然としてされていないのです。
また、医療体制についても、「急性期を担う医療機関」として圏外の医療機関を追認するというだけで、これはどうみても今後も丹後医療圏内で、脳卒中などの急性期医療に対応できる体制づくりが、はなから考えておられないのではないかと思えるのです。知事は、09年の9月府議会で、「与謝の海病院の脳神経外科については、引き続き、入院、手術等を含む診療が可能にしていく」と答弁されていることとも逆行するではないかと思います。与謝の海病院で、あくまでも急性期の脳卒中に対応できるよう整備する意思が、知事にあるのか、ないのか、これは再答弁を求めます。
もう一点、6月議会で知事は、住民にしっかり説明し、各地域の意見を聞きながら進めていくと答弁されました。地元自治体首長や医師会や医療機関の代表をあつめて開催した推進化会議は6月定例会後に1回開催したのみで、結局3回で終わっているのです。しかも、京都府側の一方的説明に終わったということ、これは十分な意見交換の場とはなっていなかったということは、関係者のみなさんからも聞き及んでいます。最初から決まった結論を、有識者の検討ということで隠れみのにして府民に押しつける、まさにトップダウンのやり方は、当時の府立洛東病院を廃止してしまったときとまったく同じではありませんか。
パブリックコメントも住民説明会も実施されませんでしたが、地元住民はこれで納得と合意が得られたとお考えですか。知事の見解を再度うかがいます。
【知事・再答弁】まさに、急性期の患者に対してもできるだけ対応ができるように、私は府立医大の附属病院化を進めていきたいと考えております。
 共産党の皆さんは、府立医大を独立行政法人にするときも同じようなことをおっしゃったのですが、その後、何か問題がありましたでしょうか、まさにしっかりと我々は議会のみなさまに計画をおはかりし、そして財源をしっかりと計画上も議会にお示しし、ご意見を伺う中でやっているではないですか。なにか、独立行政法人になったからといって府立医大が京都の病院の質を低下させましたか。まさに、府立医大の附属病院化することによって、これからさらに高まっていくのです。そのことについて、不安をあおるような話しというのは、私はおかしいし、全く根拠がないことをおっしゃっているとしか思えません。なにかこれによって低下させるとかですね、これによってもっと丹後の与謝の海病院の質を悪くするというような話があるならば、それを指摘していただきたい。それを、我々は充実をさせる。しっかりとこれからも若手の医師が希望をもって集まれるような場所にする。それについては責任をもってやる、ということを私は明言させていただきたいと思います。
【西脇・指摘要望】いま私がお聞きしていたのは、与謝の海病院の中で重篤な脳神経外科ですね、そういったみなさんの治療がちゃんと完結できるかと、そういう機能を与謝の海でちゃんと整備するかどうか。別に、府立医大の問題ということで、否定をしているわけでもありません。それはそれでちゃんと整備していただけば良いのです。知事、それは答弁をはぐらかしていただくのは、これは問題ですね。
本来、丹後で救える命が救えなかったという、これまでの事態を本当に重く受け止めていただきたいのです。舞鶴の医療センターに行けと言うけれども、これは3時間かかるのですよ、場合によったらね。その間に亡くなる方もいたわけですよ。そういうことを言っているわけですよ。
やっぱり、公的な与謝の海病院の役割をちゃんと発揮するようにということで、みなさん求めているわけですから、北部の中で、しかも与謝の海病院の中で、そういう治療を完結できるようにということで、これは厳しく求めておきたいと思います。

京都市・乙訓地域公立高校の新たな入試制度案について

【西脇】次に京都市・乙訓地域公立高校の新たな入試制度案についてお聞きします。
府教委は、先日「希望する高校を選べる」ためとして、これまでの「総合選抜」を廃止して学校ごとに出願し、合否を決める単独選抜とすることや、現行の2通学圏を1通学圏に統合するという内容の京都市・乙訓地域の公立高校の新たな入試制度案を発表されました。
すでに新しい入試制度案が発表される以前から高校の現場では、子どもを置き去りにした「いい子」集め競争に追い立てられ、京都市内のある府立高校の校長は、今後は成績が中程度以上の生徒に来てもらえるような高校にしたい、課題が多い生徒はフレックス制の高校や定時制があると言われ、乙訓地域の高校でも「来年度はⅠ類の中に進学意欲の強い生徒を集めた学力伸張クラスを新設する」などと校長の声が新聞報道されていました。
高校が人気校、不人気校に明確に分かれ、不人気校には学力的にも生活的にも課題を抱える生徒が集まるようになり、その結果、原級留置が増加し、しかも固定化してきていることこそが格差であり、極めて問題だと考えますが、いかがですか。お答えください。
既に東京を始め、全国ではいち早く単独選抜が導入され、学校ごとに格差や序列があるのが当然の状況ですが、この結果、どれだけ多くの生徒たちが多感な思春期を傷つけられてきたことでしょうか。全国で唯一、総合選抜が残っている京都市・乙訓地域で、子ども達をみすみす同じような目にあわせるようなことをしていいのでしょうか。
我が党議員団は、これまで議会で、京都市・乙訓地域で今回示された新たな制度案に変更すれば、高校間の格差をさらに広げることになり、生徒の豊かな学校生活を送りたいという願いに逆行することであり、総合選抜は維持すべきだと求め続けてきました。また、9月18日には「格差を広げ競争を激化させる「公立高校改革」でいいのか。今こそ高校教育と入試制度のあり方について府民的な議論を呼びかけます」とのアピールを出し、京都市・乙訓地域の保護者や中学校、高校の先生などからさまざまな意見をお聞きしてきました。
先日、府教委は、京都市・乙訓地域全体で新しい入試制度について4回の府民説明会を行われましたが、どの説明会会場も満員で、新たな入試制度への保護者の関心の高さが伺われました。
京都市内の説明会では「通学圏の端の学校は、定員割れの心配がでてくるのでは」「通学年を統合すれば廃校になる学校も出てくるのではないか」「前回、通学圏を4つから2つにした時も目の前に高校があるのに行けなくなった。既に中学校からは、行きたい学校があるのにお宅の子どもさんは遠くの学校に行ってもらうしかないと言われている。特定の学校に集中すれば不合格になる。第3希望と言われても通いにくい遠くの学校になり、希望があるように思えない」「大幅に制度が変わることがわかった。子どもの将来に係わることだが、いつ子どもに前期選抜の詳しい内容を明らかにするのか、できるだけ早くというがもっと時期を延ばせないのか」という声などなど新しい入試制度案を歓迎する声どころか、不安や不満の声が相次いでいたのが実態です。
さらに山城通学圏との違いや、中期選抜の第1、第2志望など具体的なセーフテイネットについてなど多くの質問にも「現在検討中」「校長会と相談して」「中学校と連携して」市教委と協議の上で」など明確な回答がなく会場に不満が満ちていました。しかも今後意見を言う場はないと答弁されているように、結局、今後のことは保護者や生徒は、府市教委に白紙委任せということに等しいのではありませんか。
府教委として、今回の入試制度の説明会で出された疑問や意見についてどう受け止めておられますか。
新しい入試制度案については、子どもと保護者を置き去りにして、競争と格差を広げる制度を強引に押し付けるのではなく、いったん白紙に戻し、本来の中学校、高校教育のあり方について、再度、教育の専門家や学校現場、保護者、生徒も含めた幅広い府民的な議論によって練り上げるべきと考えますがいかがですか。
【教育長】京都市・乙訓地域公立高校の教育制度の見直しについてでありますが、これまで府議会や関係機関のご意見を広くお聞きするとともに、懇談会を設置し、保護者・生徒を対象としたアンケートでは、約一万一千人にも及ぶみなさんからご回答いただいたところであります。また、過日、開催いたしました4回の府民説明会には、1000名を超える保護者のみなさんがご参加され、パブリックコメントでも多くの賛同のご意見をいただいたところでありまして、時間をかけ、丁寧に進めてきたところであります。
高校間の格差の固定化とのご指摘につきましては、中学生が高校を選ぶ動機というのは、学力だけでなく、部活動や校風、あるいは学校行事といったものまでさまざまであります。
府立高校の責務は、将来の夢や目標をもって入学してきた生徒一人ひとり大切にし、伸ばしていくことであり、単に進学実績など一つの状況をとらえて、人気校、不人気校と分けるのは、入学後の生徒の可能性、あるいは学校生活を否定することであり、教育的な見方ではないと考えております。
また、新制度案につきましては、パブリックコメントや府民説明会の中で、新制度の開始時期やより具体的な選抜方法の仕組みといった詳細な内容を求める多くのご質問やご意見をいただいたところでありまして、さらに具体化していく必要があると考えております。この新制度案につきましては、これまでから府議会をはじめ学校現場や関係機関など幅広くご意見をお聞きしながら策定したものであり、多くの期待する声を寄せていただいておりますので、府教育委員会といたしましては、後戻りすることなく期待にこたえる高校教育制度の改革を着実に進めてまいりたいと考えております。
【西脇・再質問】京都市・乙訓地域の教育制度ですが、1000名の参加があったということで大盛況でした。はじめから単独選抜と1通学圏ありきの、保護者の教育への参加をもないがしろにした今回の府市教委のやり方というのは、これはやはり問題だと考えます。ましてや、京都新聞や他のマスコミも「総合選抜が廃止されれば、人気校、不人気校が明確に分かれ、格差が生じることは避けられない」と書いています。また、府議会でも与党会派からも「格差が生じるのでは」との懸念の声も出されているわけなのです。公立高校に格差をつけていくというのは大問題だと考えます。
子ども達に係わる問題というのは、失敗したからといって簡単に後戻りすることはできません。まして、今回の府民説明会でも明らかになったように、明らかに新しい入試制度案そのものの矛盾と問題があるということ、これはやはり明確なのですから、このままでは、保護者や生徒に説明を繰り返しても、ますます不安と批判の声は増えるだけではないでしょうか。どう考えても今回の入試制度案は一旦、思い切って白紙に戻すと、議論を徹底してしなおすというこということが必要だと考えます。これは再度答弁を求めます。
【教育長・再答弁】この問題につきましては、賛否が全く二つに分かれているという状況ではないものと受け止めております。大半の保護者や生徒の意見というのは、公立高校が選べるようにしてほしいというのが基本的な思いでありまして、その声を率直に受け止めて、できるだけ早く実現するように検討するのが教育行政の責務であると考えております。そうした声の多い中で、振り出しに戻るようなことはできないものと考えております。
【西脇・指摘】誰でも行きたい学校に行けるようにする、それは当り前のそれぞれの願いですが、そうはなっていないから、今大問題になっているわけなのです。いくら総合(選抜制)から単独になっていったって、ますます選びにくくなると、選ばれないというのが実態なのです。そこに、保護者や生徒は不安を生じているわけなのです。そこは指摘をしたいと思います。
それから、今や20代の青年の4人に1人が、大学を出ても非正規労働者とならざるを得ない雇用実態、高校を中退した少なくない生徒が引きこもるなど社会から孤立した実態を見ましても、また、本来のびのび育つべき子ども達が過度な受験競争によって、ストレスといらだちを溜め込んでいる状況をみたとき、入試制度や高校教育だけに留まらず、中学校も含めた教育のあり方そのものについての府民的な議論が必要だと考えます。
現在、滋賀県の県立高校の再編計画について、長浜市では、「決して独断専行せず、関係者や地域が納得できるよう、相応の時間と手間をかけて地域と対話を重ね、意見を十分に汲んだものにすること」と県に提言されているがこの姿勢こそ極めて大事だということを指摘しておきたいと思います。

大飯原発の稼働を止め、すべての原子力発電は即時停止を

【西脇】次に原発問題です。 
福島第一原発事故から1年9カ月が経過しましたが、事故は「収束」するどころか、その被害は拡大し、いまなお16万人もの方々が先の見えない避難生活を強いられています。
二度と福島のような原発事故を起こさない、その最大の保障は、すべての原発をただちになくすことではないでしょうか。わが党は、9月に全ての原発から直ちに撤退すべきとして、「事故の被害が今なお拡大し続けていること、これ以上稼働すれば処理する方法のない『核のごみ』が増え続けること、大飯原発などの再稼動の条件も必要性も存在しないということ、国民世論が大きく変化し原発即時ゼロを目差す声は8割にもなり国民多数となっている」と根拠を示し、「即時原発ゼロ」の提言を発表しました。
福井県の原発集中地帯に隣接する自治体として、府民の命をまもること、二度と被害を繰り返さないことは知事の責任です。
この間、高浜や大飯原発での事故発生時の放射能拡散予測がスピーデイやマックス2などという方法で出されてきましたが、共通して、原発から30キロ圏を超える京都市内まで重大な汚染が予測されています。
また、活断層の危険性は大飯原発や敦賀原発だけでなく「もんじゅ」や美浜原発にも言われていること、稼働から42年もなる美浜第1原発を始め、30年を超える老朽原発が集中していることも大問題です。
さらに、核燃料サイクルをめぐって、事故続きの高速増殖炉「もんじゅ」を来年末に試運転を始め、その後4年間本格運転するという計画はとんでもないことです。
このような状況でもしも事故が起きたらどうするのか、8万9千人近い市民全員が避難対象になる舞鶴市の担当者は、「防災計画も避難計画も考えようがない」と述べておられます。府内各自治体の住民の安全を守るため避難計画などを具体化するのは必要ですが、そもそも原発をなくせば事故は起こらないのです。
政府と電力業界は「電力不足」で国民を脅かし原発再稼働を強行しましたが、この夏、原発なしで乗り切ることができることが実証されました。原発なしでも混乱は起きない、政府や電力業界の言うことは信用できない、これがこの夏に国民が体験したことです。
ところが、知事は、9月定例府議会で大飯原発再稼働中止を求めるわが党議員の質問に「この夏の電力需給を十分に見て、その中で必要性があるかないかを判断することになると思うが今、その機運にはない」と答弁し、再稼動を容認したことの検証さえされません。
原発再稼働の理由はどこにも存在しません。府民の命を考えるなら大飯原発を直ちに停止するよう国と関電に求めるべきではありませんか。
【知事】原子力防災対策についてですが、関西広域連合としてはこの夏の電力需給の実績の検証をおこなってまいりまして、今年の夏の節電は大変な量の節電をかなりいろんな点でやっていただきました。そうした中ではいいけれど、もしも昨年の夏のような節電だったならば厳しかったのだろうなという結論はでているところです。そして今まさに行われている総選挙におきまして、この問題が大きな争点になっています。私はこれが争点になることを心から歓迎をしたいと思っております。この間、国民のみなさんが、この問題にたいしてどういう審判を下すのか、見守っていく必要があるのではないかと考えている。そのうえで、京都府知事としては何よりも安全をしっかりとこれからも維持していくために、11月27日にも関西広域連合を代表して原子力規制庁に政策提案をさせていただきました。その中では福島第一原子力発電所事故の知見を踏まえた安全基準を早急に示すこと、そして大飯原発所の再審査、バックフィットを行うこと、活断層の調査を主導的かつ迅速に実施するとともに明確な見解を早急に示すことを申し入れたところであります。今後行われる、まさに国としてのエネルギー政策の在り方の審判を踏まえて、京都府としては安全を徹底的に追及してまいりたいと考えております。
【西脇・指摘要望】原発ですが、財界など、原発推進勢力は「原発をやめると電気が不足する」「経済活動に支障をきたす」などと、「原発ゼロ」によって起こる問題を強調されております。しかし、原発事故のリスクはあまりにも巨大であり危険と天秤にかけることはできないというのはハッキリしたわけです。まして大飯原発の直下に活断層が存在する可能性や敦賀原発でも原子炉建屋直下を走る断層が、敷地内の活断層と連動する可能性が指摘されています。安全な原発はどこにもないということなのです。再稼働はしない、止めたまま廃炉にしていく、これが一番現実的な方法ではないかと考えています。
原発集中地帯に隣接する京都府の知事として、即時原発ゼロの立場に立っていただくべきだと強く求めておきます。

再生可能エネルギーの飛躍的な普及を

【西脇】最後に再生可能エネルギーについて伺います。 
「即時原発ゼロ」を実現しつつ、再生可能エネルギーの最大限の普及と低エネルギー社会への取り組みを本格化させることこそ、府民の安全と生活に責任をもつ京都府がとるべき姿勢だと考えます。
再生可能エネルギーによる発電は、地域密着型の新産業であり、地域経済への波及効果も大きくなります。エネルギーの「地産地消」、地域や自然環境の実情にあった小型の発電装置の開発、製造、維持・管理などは、中小企業への仕事と雇用を増やすことになります。ドイツでは、原発関連の雇用は3万人に対して、再生可能エネルギー関係の雇用は38万人となっています。
府内には、遊休地や耕作放棄地を活用した太陽光発電の設置に取り組んでいる地域の事業者や、どんな部品でも作れるという機械金属の中小業者が、自ら考案したピコ水力発電の実験を行うとか、仕事が減ったという機械金属関連事業者が集まって再生可能エネルギーの研究をしてみたいと希望しておられる方は多数おられます。
こういった住民参加型の取り組みで、雇用も仕事も増やしていく取り組みの支援を府として積極的に行うべきと考えますがいかがですか。
また、そのためにも府として専門担当者を配置し、研究チームを立ち上げての研究や人材育成など支援すべきではありませんか。
本府の2030年を見据えたエネルギーの戦略策定をする「エコ・エネルギー戦略推進会議」は政府の「革新的エネルギー・環境戦略」を受けてとしていますが、ここには大きな問題があります。
そもそも政府・民主党が決めた「革新的エネルギー・環境戦略」は、原発に依存しない社会といいつつ、核燃料サイクル推進の「もんじゅ」の稼働を認めています。エネルギー確保では、火力発電やコジェネの高度利用、安価な化石燃料の確保等を示していますが、再生可能エネルギーの位置づけは低く、2030年に2010年の3倍以上という程度にとどまっています。原発推進の電力総連幹部が、「原子力は安全確保の上でやっていく。中身はまっとうだ」と語っている原発容認の戦略なのです。
このような政府の戦略を丸ごと受けていては、いつまでたっても再生可能エネルギーの飛躍的普及はできません。知事が「太陽光や風力、小水力等は、基幹エネルギーには到底難しい」と言われるのも同様の立場ではないでしょうか。
私は先日、滋賀県湖南市をお伺いし、9月市議会で可決し実施された「湖南市地域エネルギー基本条例」をお聞きしてきました。本条例は、地域のエネルギーの活用について、地域経済の活性化につながる取り組みを推進し、地域が主体となった地域社会の持続的な発展に寄与することを目的としています。市民が出資して太陽光パネルを設置する市民共同発電の取り組みでは、固定買い取り制度によって商品券を市民が受け取り地元で使うことで地域経済を活性化させることしています。
京都府でも府の責任で、住民参加の地産地消の再生可能エネルギーの飛躍的な普及と地域社会の持続的な発展を明確に目的にした条例が必要だと考えますがいかがですか。
また、滋賀県では、各自治体の政策担当者会議を定期的に開催し、再生可能エネルギー導入にかかる制度や事業等の情報交換、取り組み事例の紹介や課題の共有化などによって施策の推進をはかっておられますが、本府においても、担当者会議の開催で市町村と連携しながら、あらゆる支援策を講じ、飛躍的な再生可能エネルギー普及に取り組むべきではありませんか。
【知事答弁】再生可能エネルギーは、地域資源を生かしたクリーンなエネルギーであり現時点では供給量が小さいことや安定性、経済性の課題があるために中々メインのエネルギー源にはなりえないということはご存じのことだと思います。それだけに地域の活性化などにつなげること、できるだけ住民参加を求めていく中で次の世代をめざすことが私は必要だと考えています。府といたしましても、再生可能エネルギーや省エネに関連する新たなビジネスモデル創りに取り組む中小企業社や商店街団体、NPOなどが支援するグリーンカンパニー育成事業を実施しておりまして、太陽光発電の普及拡大のための相談事業や人材育成行う事業など支援しております。また、再生可能エネルギーの導入促進のための支援体制につきましては、今年度、産業界や京都市とともに「京都エコエネルギーの推進機構」を設立いたしまして、専門知識を有する企業OBを採用するなど態勢を強化してオール京都による支援体制を構築しているところであります。再生可能エネルギーにたいする条例でありますが、京都府では地球温暖化対策条例やそれに基づく地球温暖化対策推進計画におきまして再生可能エネルギー導入を重要な柱と位置付け、また府域における再生可能エネルギー導入可能調査をもとにアクションプランを策定し、家庭、産業地域の再生可能エネルギー導入対策を積極的に推進しているところであります。更に現在京都府としても、中長期的なエネルギー政策の方向性と施策の在り方につきましても「京都エコエネルギー戦略を取りまとめることとしております。再生可能エネルギー普及拡大を図る上で、市町村との連携はこれは基本であると考えております。京都ではこれまでも全国に先駆けて取り組みました「京都エコポイントモデル事業」のほか「うみかぜ風力普及モデル事業」や「おひさまエコタウン応援事業」など先進的な京都の取り組みを積極的に支援をしてまいりました。導入可能調性査につきましても、地球温暖化対策担当課長会議など通じまして、その成果を共有し市町村とも連携を強化しながら再生可能エネルギーの導入の促進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えているとろです。
【西脇・指摘要望】再生可能エネルギーについてですが、これからは発送電線の分離も進めば、無数の再生可能エネルギーによる「地産地消」の発電が生まれエネルギー政策の大きな革命というべき転換が必要となってきます。
今まさに、大規模集中型エネルギーシステムから分散ネットワーク型へと、エネルギーシステムの大きな転換が迫られているのです。
ところが、京都府の太陽光発電の設置世帯総数の目標数値は、原発事故が起こって以降も全く変わっていません。ドイツでとりくまれていることが、この日本で、この京都でも不可能ではありません。要は、やる気があるのかどうか、府の姿勢が問われています。
折しも、現在、カタール・ドーハでCOP18が開催されています。京都議定書を採択したCOP3の開催地である知事として、温室効果ガスの排出削減に積極的に取り組む上でも、即時原発ゼロの立場に立ち、再生可能エネルギーに本腰入れて取り組むべきということを強く要望します。
消費税増税の中止、原発ゼロ、TPP反対等、一致点での共同に力を尽くす
【西脇】質問の最後に、京都府内でも格差と貧困が広がるもとで、この不況をどう乗り越え、所得を増やしていくのか、また、危険な原発をどうするのかということが府民の大問題となっています。日本共産党は、消費税増税の中止でも、原発ゼロでも、TPP反対でも、一致するすべての政党、団体、個人と一致点での共同をつくり、運動を発展させるために力を尽くすことをお誓いして私の質問を終わります。

【他会派議員の代表質問項目】

【12月5日】

■秋田公司(自民・京都市南区)

1.財政運営について

2.商工業対策について

3.サッカースタジアムについて

■佐川公也(民主・京都市西京区)

1.来年度の編成方針と府税収入について

2.地域力再生について

3.予防接種について

4.交通安全対策について

5.学校の耐震化について 

【12月6日】

■中川貴由(自民・八幡市)

1.若者の雇用対策について

2.中小企業支援制度について

3.PC遠隔操作事件について

4.京都舞鶴港の振興について

5.大都市制度について

■小鍛治義広(公明・京都市南区)

1.アセットマネジメントシステムの再構築について

2.土砂災害対策について

3.小水力発電の今後の取り組みについて

4.子ども・子育て支援法に対する今後の対応について

5.小児救急電話相談について

6.がん教育の推進について

7.教育分野における情報通信技術(ICT)化の推進について

■井上重典(自民・福知山市)

1.農商工施策について

2.国道9号の整備促進について

3.府北部における介護人材の確保・育成について

4.中丹地域の医療機能強化について

5.教育問題について

6.再生可能エネルギーの取り組みについて

■岡本和德(民主・京都市右京区)

1.経済対策と観光について

2.防災計画等について

3.警察について

4.教育について

5.球技場建設について