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本会議質問

2013年6月定例会 原田完一般質問

2013/06/26 更新
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原田完議員が6月25日に行った一般質問と知事・理事者の答弁の大要を紹介します。

6月定例議会一般質問
原田完(日本共産党、京都市中京区) 2013年06月25日

消費税増税実施に反対せよ

日本共産党の原田完です。通告に基づき知事並びに関係理事者に質問いたします。

6月14日、政府は、「成長戦略」を閣議決定しました。今後10年で、国民総所得(GNI)を150万円増と言い、あたかも国民の所得が150万円も増えるかのよう喧伝しています。大企業が多国籍企業・無国籍企業となって、国内産業を空洞化させながら、世界で得た利益を合計したのが国民総所得です。国民所得は減っていても、所得が大きくなるかのように錯覚させる手法です。現に規制緩和を推し進めた自民党小泉政権の五年間で国民総所得は国民一人当たり年18万円増えたが、サラリーマンの給与は16万円減少しています。
 自民党安倍政権は消費税の税率引き上げのためにと、見せかけの景気対策を演出する「異次元の金融緩和」、大型公共事業の「財政政策」、そして今回の「成長戦略」。アベノミクスは実体経済が回復していなくても、サラリーマン給与が減っていても、人の心理を「その気にさせる」金融緩和と財政出動で、「景気が良くなる」「物価が上がるから早めに買おう」と信じ込ませて、実態経済から遊離した、国民マインドコントロールで日本経済を危うい状況にしています。
 代表質問でも指摘しましたが、これらは消費税増税に導く「毒矢」にほかなりません。
 内閣府が6月10日に発表した街かど景気ウオッチャーの指標でも、景況感は後退しています。5月の京都府内の企業倒産件数も前年より増加しており、こんな状況下で消費税増税やむを得ないと考える人たちも含め、消費税の増税などとんでもないというのが実態です。
 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長は、「物価が上がるが給与が上がらない、再びデフレで消費が止まる。消費税増税は先延ばしにせよ」と訴えています。
 消費税増税が実施されれば、日銀や金融機関の回復基調と言われている景気判断ですが、京都の経済は底割れを起こし、いっそう深刻な事態になることは明らかです。
 いま、消費税の引き上げを想定し、高額商品売上や新築住宅などの動向が報道されていますが、景気が少し上向いていた97年2%引き上げ前に、新築住宅着工が16万戸増加したが、消費税導入後には31万戸の新築住宅が減ったことは今でも多くの関係者の記憶に焼きついています。
 97年は景気回復基調でしたが、導入後大きく景気後退しました。今回は国民所得が減少し続けている厳しい経済環境のもと、消費税増税をすれば経済は超氷河期にはいることは明らかであり、絶対に許すことは出来ません。
 知事はこれまで社会保障財源確保のために消費税に頼らざるを得ない、財源問題との発言をしてきましたが、今議会の島田議員の質問には、高齢化が進み、社会保障財源確保のために何らかの安定的財源が必要。それぞれの税目にメリット・デメリットがあると言い、「国会で選択」として、付則18条に言及されました。逆進性問題で低所得者や中小企業対策まで言われましたが、消費税増税について京都府知事として態度表明はありませんでした。府民の願いは、今議会に消費税増税中止を求める請願が保津川遊船企業組合や京都府板金組合、上桂川漁業協同組合、さらに商店街や市場など48団体から出されています。この時期に消費税増税は止めてほしいと言うのが府民の声です。
 私ども日本共産党は、財源問題では一貫して内部留保260兆円の一部取り崩しで、給与の引上げによるデフレ脱却、地域内での循環経済で景気回復による税源の涵養、高額所得者や大企業への行き過ぎた減税を元に戻すこと、株取引の本則20%を特例で10%減税を本来の税制に戻すこと、一握りの大企業がほとんどを占めている研究費減税等々、行き過ぎた大企業・富裕層への減税を改めることで財源の確保は十分に賄えます。内閣が税率10%での負担増の試算をし、消費税と社会保険料など家計全体の耐えがたい負担増が言われています。
 実態経済において、景気回復とは程遠い状況下で京都経済を守る立場から、この時期に消費税が増税されればどのような影響が出ると考えておられますか、お答えください。
 京都経済におよぼす影響を考えるならば京都府知事として反対すべきではありませんか。お答えください。

知事答弁

【知事】消費税についてでありますが、私は消費税だけに頼らざるを得ないという発言をしていないと思います。急速に進む少子化のなか社会保障制度を安定的に運営し、その充実をはかっていくためには安定的な財源が不可欠である。そうした観点からしっかり作り上げていかなければならない、ということを申し上げているわけであります。その際、増税した財源をどういう施策に使うのかということがまず第一に重要になってくるわけであります。今回の増税分は、すべて社会保障に使うということでありまして、そのなかにおいて国会において法人税の問題とか、全体の均衡とかいろいろの観点で議論をなされてお決めになられたわけです。それにたいして地方側から意見を述べてまいりました。
 つまり消費税率をひきあげるということを国会で判断されるのであれば、これは地域経済への影響が大きいのでこの状態を勘案してもらいたい、ということを国と地方の協議を通じて申し入れました。消費税法の改正法の付則において経済状況を総合的に勘案したうえで必要な措置を講ずるとされておりますので、そのことにつきましては法律に照らして政府が適正に判断すべきだというふうに考えているところです。
 また私どもは同時に消費税率の引き上げにたいしては、逆進性があるので低所得者層への対応や中小企業の配慮などについて申し入れを行ったところであります。今後とも引き続き国に対して申し入れをおこなってまいりたいということでございます。

再質問・要望

【原田・再質問】今の深刻な不況状況での消費税増税は許されないという認識に立つことがまず知事がやらなければならないことです。付則18条の判断は京都経済、日本経済を支えている、中小企業の経営実態を真に反映がされるよう国に働きかけることを求めておきたいと思います。消費税に頼らなくても、その財源確保は十分に出来るということを、しっかりと受け止めて、消費税増税で景気後退させることのないよう政府に働きかけること求めておきます。

京都の技術生かす2つ分野で府の支援を

【原田】次に、自民党安部政権は「成長戦略」で、産業の新陳代謝として新たな設備投資やベンチャー投資、再チャレンジ投資による、新規産業への転換などへ減税など創設して促進するとしています。開業率・廃業率を10%台というが、日本の高度成長期でも開業率10%はありません。
 しかも、新産業やベンチャービジネスの起業開業率は5.1%、廃業率は6.2%という低水準と『日経』も報じていました。既存の機械金属、伝統地場産業、商業などの分野では減少の一途という状況です。
 私は今、京都府の産業振興にとって重要なのは、京都が長年培ってきた、技術や製造機器、道具などを活用し、既存の事業者が、既存の事業をベースに本業を活かしながら、その資産を生かして、新たな業態への転換、新規事業への進出、製品・商品開発の意欲などを引き出す、行政の直接助成を含め強力な支援が必要だと考えます。なかでも、全国に誇る京都の技術を生かす2つの分野について、府の強力な支援を求めたいと思います。

織物技術を炭素繊維へ応用

 一つはこれからの産業素材として注目を集めている炭素繊維製造・加工への、西陣織や丹後ちりめんの技術の応用についてです。
 炭素繊維は鉄の4分の1の重さで、その強度は鉄の約10倍という非常に軽くて強い黒鉛の繊維です。初期は釣り竿やスポーツ用品の素材でしたが、技術開発が進み性能が向上し、用途は自動車や建築、航空・宇宙、環境など様々な分野に広がり21世紀の産業素材と言われています。
 既存の力織機に改良を施せば製品化の可能性があり、丹後では2年程前から研究が行われ、事業化に向けた取り組みがありました。
 力織機の改造には、丹後の機械金属加工技術を活用できます。この機械金属加工の技術と織物技術の連携で、現在の織機をベースに炭素繊維の織物に対応した織機の開発が、丹後の地域経済復興にとって重要な要素となります。
 炭素繊維には石油系、アセテートをはじめとする化学系、特に丹後では絹を含む動物系繊維などその可能性は今後ますます広がってゆきます。
 炭素繊維織物生産のために研究・開発へ府の支援は不可欠です。織機の改造、新たな集塵装置等の開発など機械金属加工産業も大きな経済効果が波及します。
 この事業への関心は高く、事業スタート前のシンポジウムが開催され、多くの織物関係業者や機械金属加工業者が参加したと聞いています。
 ちりめん生産、先染めや新たにヨーロッパ等のファッション素材の織物など既存の事業推進とあわせ、新素材への挑戦支援が必要です。6月21日にはFRP研究会への参加希望が締め切られたと聞きます。
 京都府は織物・機械金属振興センターに国の交付金5000万円で裁断やプレス、堅牢度など試験織機関連機械の7種類を設置されましたが、「丹後新時代育成事業」という事業の名称や事業の内容からすると、炭素繊維の技術開発の研究は緒についたばかりだが、その成果も急がれるものでありながらも、京都府単費予算は研究会費用の150万円だけです。
 他府県でも、この取組みは熱心に行われており、織物の技術も設備もある京都府の取組強化が急がれます。丹後地域の産業が共同した総合力で、既存の設備や技術を生かして、新分野への進出になるような取り組みを促進させる必要があるのではありませんか。
 深刻な不況下で頑張っている丹後織物、機械金属、丹後振興に大きく寄与する事業として、資金的にも、技術的にも、体制的にも積極的支援が必要と考えます。いかがですかお答えください。
 また京都市内の西陣にもたくさんの織機が休眠状態におかれています。西陣の再興のためにも、既存の業者への手厚い支援を求めますが、知事の所見をうかがいます。 

理事者答弁

【田中商工労働観光部長】炭素繊維などの分野における丹後機業への支援ですが、丹後の織物業と機械金属業は基幹産業として地域経済を牽引している産業でございますが、織物業につきましては円安による生糸高がきびしい経営にさらに追い打ちをかけ、また、機械金属業についても、モノづくりの海外への生産移転等により受注減が続くなどいずれも非常に厳しい状況でございます。このような中にありましても両産業それぞれに全国トップレベルの技術力を誇っており、こうした力を生かして新たな産業分野を開拓していくことが重要であると考えております。
 そのため、今後様々な分野での活用が期待される炭素繊維を始めとした、繊維複合材料、これを総称してFRPと略称いたしますが、これにつきまして、たとえば丹後において従来から強みがございます自動車用部品への利用など、新たな展開への可能性を開くため、織物と機械金属両分野の事業者が共同されまして、そしてそこに織物・機械金属振興センター、工芸繊維大学が技術協力をする。このような丹後ではこれまでにないような形での産学公連携の新たな取り組みといたしまして、本年6月にFRP試作研究会を立ち上げたところです。このFRP試作研究会では本年度市場動向の分析や会員企業間の情報交換を進める中で技術開発のターゲットをしっかり決定して、来年度には試作品を完成させたうえ早期の丹後初のFRP製品が市場に流通できるようスピード感をもった取り組みを進め、本事業を通じて丹後地域における新産業の創出と地域経済の活性化を全力で推進していきたいと考えております。
 また西陣の振興についてでありますが、これまでから高校生を対象とした着物着付けの実施や京都着物パスポートの活用による着物着用機会の創出など和装需要の基盤づくり、西陣織の製作技術を生かした高品質な装飾品の海外への販路開拓支援、職人さんへの支援、また西陣の技術を新たな分野に活用するための支援など新商品開発、市場開拓、後継者育成等、総合的に支援しております。さらに今議会でも原材料等価格高騰対策産地緊急支援事業により販売体制の強化などによる強い産地構造を目指すなど、変化する状況に対応した積極的な構造改革につながる取り組みへの支援に向けた予算をお願いしているところです。

伝統産業の技を文化財修復に

【原田】もうひとつは重要文化財修復に伝統産業で継承されてきた技術を生かす課題についてです。全国から見ると京都は国宝・重要文化財が非常に多く、その文化財の保守・管理、修復は非常に重要で、伝統産業を活かす一大事業ともいうべき役割を担っていると考えます。
 たとえば、寺社仏閣等の伝統建造物の修復、西本願寺の大師堂修復の屋根瓦の葺き替えには、京都の瓦職人の棟梁6社が協力し多くの職人と共に11万枚瓦葺きを仕上げました。京都の社寺専門の建設会社は50人の宮大工を投入して、屋根の傾斜に合わせた材木探しを行い全国に知られました。伝統社寺の改修がされれば装飾には西陣織の金襴等が活かされ、宮殿や神殿に飾られる御簾(みす)等の伝統工芸が用いられます。これは全国的にも京都の伝統技術を誇るものです。このように京都の培われた伝統技術は、文化財を守ることに大きな役割を果たしています。また、同時に文化財の修復工事が伝統産業の技術継承・発展に大きく貢献してきました。
 しかし、この間、京都の伝統工芸や伝統技術、職人が危機的状況にあります。「御簾」の製造販売をされていた、私の知り合いの方も仕事の減少もあり残念ながら廃業をされました。また青蓮院の襖絵の仕事をされていた知人の表具屋さんも、後継者がなく廃業にされました。
 今ならば、まだその技術の継承をすることが出来ます。技術の蓄積、職人の技、技術伝承者がいる間に、次世代の職人の育成をする支援と環境作りが早急に求められます。
 文化財の修復には所有者の負担もあり、単純に言うことは出来ませんが、文化財修復技術等が厳しい状況にある下で、京都府及び教育委員会が積極的役割を果たして支援をすることが求められます。
 京都府の文化財の数と補助金の関係では、指定文化財等の歴史的価値や規模の大きさから言えばもっと、助成を受ける必要があるのではないでしょうか。文科省の文化財修復等の補助金の抜本的引上げが必要と思いますがいかがですか。

 国宝や重文の修復だけでなく、京都府の府指定の修復も含め文化財修復事業の発注を増やし、京都府の文化財工事の指定業者になるためにも、実績が求められます。府指定文化財の工事発注を増やすことが必要はありませんか。いかがですか。
 さらに、国宝や重要文化財の修復に指定業者にはなっていないが、技術のある職人さんを指定業者にするなど選定基準の見直しをして雇用の機会を増やし、育成することが緊急の課題です。本府の独自助成も2000万円程度でなく、支援予算も増やして、職人・事業者の技術水準向上、指定業者へのランクアップにつながる工事実績となるようにすることなど、しっかりと支援することが必要ではないでしょうか、いかがでしょうか。

理事者答弁

【小田垣教育長】府指定等文化財の保存修理工事についてですが、あくまで文化財所有者が独自に発注されるものであり、府が文化財保護の観点から文化財的価値の維持や地元企業の活用について指導助言しているところです。入札参加の対象となる企業については文化財の修理にはそれぞれの分野ごとに高い修理技術が必要になることから工事種別ごとに、文化財修理工事への理解度や仕上がり実績たいし厳正な基準を設けまして、独自の入札参加資格者名簿を府教育委員会として作成しているところです。
 また、こうした技能者や企業が有する高い技術を次の世代に確実に伝えるために、たんに工事量を増やすといったことではなく修理工事の中で具体的な技術指導をおこない、後継者の育成、原材料の確保などに関する研修にも協力し文化財修理を担える企業を育成しているところです。府指定等文化財の保存修理工事についてですが、あくまで文化財所有者が独自に発注されるものであり、府が文化財保護の観点から文化財的価値の維持や地元企業の活用について指導助言しているところです。入札参加の対象となる企業については文化財の修理にはそれぞれの分野ごとに高い修理技術が必要になることから工事種別ごとに、文化財修理工事への理解度や仕上がり実績たいし厳正な基準を設けまして、独自の入札参加資格者名簿を府教育委員会として作成しているところです。
 また、こうした技能者や企業が有する高い技術を次の世代に確実に伝えるために、たんに工事量を増やすといったことではなく修理工事の中で具体的な技術指導をおこない、後継者の育成、原材料の確保などに関する研修にも協力し文化財修理を担える企業を育成しているところです。
 国にたいしては文化財所有者の負担が軽減されるよう補助事業の予算増額等について従前から要望しています。今後も重ねて要望していきたい。

京町家の価値生かす維持制度を創設せよ

【原田】私の地元・中京区壬生地域にある、ある料理屋さんは、京町屋の伝統的技法で建築された文化財的価値を有する貴重な建物で営業をされてきました。しかし、廃業され、その家屋はマンション業者に売却され集合住宅に代わろうとしています。先祖から引き継いだ建物を守りたいと思っても、昨今の社会・経済状況の下では維持できない状況です。
 この料理屋は、豊臣秀吉の築いたお土居の上に建っており、京都の黒染めと呼ばれる重要な技法を発展させ、その富を建築に費やした見応えのある建築でしたが、文化財的な保護の手続きが可能であることを知らないままに不動産屋の手に渡り、貴重な京都の歴史遺産が破壊さていくことになりました。地域の文化を再発見することの広報がないのが原因ではないでしょうか。
 だからこそ、京都府が建築物の文化財的価値を見出して、維持に支援する制度を創設すべきではありませんか。いかがですか。

理事者答弁

【小田垣教育長】京町家を含む歴史的な文化財建造物については、文化財所有者の意向を尊重しつつ当該建造物の歴史的、学術的な文化財的価値により国や府の指定登録などの現行制度を運用することで適正に保存してまいりたいと考えています。府教育委員会といたしましては、今後とも、世界に誇る本府の文化財の保存と保存技術の継承などにしっかりと取り組むとともに文化財保護の重要性を積極的に府民の皆さんにお伝えしながら、次世代に文化財を伝えてまいります。

祇園、木屋町での迷惑な客引き行為にしっかり対応を

【原田】繁華街の客引き対策は、風俗無料案内所の条例制定後、風俗無料案内所はすべて閉鎖され、一時期はなりを潜めていましたが、最近は特に一般飲食店やカラオケの呼び込みが路上にあふれ、ガールズバーやキャバクラ等の客引きが非常に目につく状況です。
とくに、木屋町界隈や祇園界隈、更に鴨川から東の四条通り、数メートル単位で立っている。これでは日本の観光都市、世界の観光都市とは言えない事態です。
 私の地元、木屋町などがある立誠学区自治連合から、目に余る呼び込みの規制を求める陳情が中京警察署と京都府知事あてに提出されました。
 キャバクラやガールズバーなどの客引きや居酒屋キャッチといわれるような客引きを業務として、大阪等の業者が店舗と契約をして、強引な客引きを行っているケースもでてきています。暴力団等の反社会的団体等の関与の危険性の懸念も考えなければなりません。
 客を一人送り込むと、報酬が支払われる客引きの業態をこのまま放置することは出来ない事態ではありませんか。
 店舗との報酬契約での新たな客引き行為・業態や相変わらず風俗店まがい営業のキャバクラやガールズバーなどの客引きに対してどのように認識、また、どのように対処しようとしているのかお答えください。
 情緒ある木屋町、祇園界隈をとりもどすためにも、来街客に迷惑をかけるような客引き行為等にはしっかりとした対処を行うべきではありませんか。

理事者答弁

【安田警察本部長】祇園、木屋町地域においては飲食店関係者等が集客のため通行人に声をかけたり、チラシの配布を行ったりしていることについては認識しております。客引き行為につきましては、風俗店の場合は、風営法違反として禁止をされています。それ以外の業態の場合は、京都府迷惑行為防止条例において人の身体または衣服をとらえる、あるいはつきまとうなどの執拗な客引き行為が規制されており、警察といたしましてはこうした違法行為があれば、客引き行為を行っている者の報酬形態や雇用形態の如何を問わず、検挙をしているところでございます。現在、当府警におきましては中心繁華街総合対策の一環として悪質な客引き行為の取り締まりを強化しており、祇園・木屋町地域での本年5月末現在の客引きの検挙件数は、風営法違反7件・12人、迷惑防止条例違反4件・5人、合計で昨年を3.5人上回っているところであります。

 また祇園・木屋町特別警察隊による対策として、こうした違法行為の発生を未然に防止するため客引きを行っている者や雇用者にたいし平成23年11月から本年5月末までの間、197件の注意・指導をおこなっているところです。当府警といたしましては、安心で安全な繁華街づくりのため今後とも同地域におけるパトロール活動を強化するなどして客引き行為の実態把握に努め注意・指導を行うなどの取り組みを継続するとともに法令に抵触する行為があれば積極的取り締まりを行うなど厳正に対処する所存であります。

再質問・答弁

【原田・再質問】京都の産業振興策の基本スタンスがもうひとつ問われていると思います。愛知や福井、石川、愛媛等々、全国でもこの事業の位置づけ、取り組みが先行しています。悠長なことを言っている場合ではもうありません。丹後では若手が丹後のちりめん技術を技を生かして、新たな織物としての振興の取り組みが10年かけてやっと新しい段階には入ろうとしています。またここへの支援をしっかりおこなっていただく。特に炭素繊維は丹後の織物技術を土台として、次へのステップが求められ、丹後の機械金属加工と丹後の織物技術、丹後の総合力で地域経済の起爆剤となるように、しっかりとした支援が必要。小手先でなく腰をすえた支援が求められる。その点での京都府としてどのように考えているのか再度答弁をお願いします。制度の説明は、わかっておりますから、ぜひお考えをまとめていただきたい。
 最後にこの丹後の取り組みと同じように、貴重な京都文化財を守り、私たちの宝として後世に引き継ぐには、京都の持っている技術をしっかりと活用し、京都の事業者、技術者、職人がそれを支える体制を、行政がその立場に立って、行政運営が求められている。従来の延長でなく、特別に位置づけた取り組みを文化財の関係ではとくに進めて頂きたい。
 警察についても、この間いろいろ取り組みをされても現状があるわけで、その点での改善を求めておきます。

【田中商工労働観光部長】炭素繊維の関連でございますが、答弁させていただきましたように丹後の織物業と機械金属業という非常に高い技術をもつそういう地場産業の力をしっかり活用して、織物・機械金属振興センター、そして京都工芸繊維大学がしっかり技術力、経営、その他の面で総合的な支援をする。そのような中で丹後独特のFRP材料の製品づくりをしっかり進めたい。このように考えているところでございます。

 

【原田・要望】再答弁いただきましたが、京都の産業、丹後の振興の上で予算もしっかりとつけて応援をすることが求められているわけで、その点での引き続きの努力を求めて質問を終わります。