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京都府警不正経理疑惑  監査委員の任務放棄に等しい 知事は再調査を行え  団長談話を発表

2005/01/18 更新
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拡大 18日、発表された監査委員会による京都府警の監査結果について、府会議員団は以下の見解を発表し、監査委員会に対して手渡し、検討を求めました。


 写真は、監査委員会事務局長に文書を手渡す松尾団長、梅木副団長


警察の捜査報償費及び捜査旅費にかかる監査結果報告について(談話)

2005年1月18日
日本共産党京都府会議員団
   団 長  松 尾  孝 

1)京都府監査委員は、1月14日「警察本部の捜査報償費及び旅費に係る監査結果」を知事に提出した。一昨年11月に北海道警察本部での捜査報償費の裏金疑惑が発覚したのをはじめ全国の警察本部で同様の裏金疑惑が発覚し、不正支出の返還事件が相次いでいるが、警察の裏金問題は、犯罪を取り締まる警察が組織的に犯罪を犯すという大問題である。
京都府においても昨年6月末に国費捜査旅費の一括管理が発覚し、その後府費の捜査旅費についても一括管理が明らかになり、さらに捜査報償費についても疑惑があいついで報道されるなど、疑惑が広がっていた。こうした中で、昨年9月以降、監査委員が実施してきた今回の監査結果報告は、真相解明に向け、府民はもとより全国から注目されていた。

2)監査報告では、捜査報償費のうち、北海道でも架空支出が問題となった捜査協力者への現金謝礼について、監査対象の刑事部三課だけで、領収書がない支出が1999年度で993万円(81%)、2000年度は847万円(73%)にものぼることが判明した。にもかかわらず監査委員は「不適正な事務処理は確認できなかった」とし、警察本部に説明責任を果たすよう求めているだけである。本来、領収書がない支出は「不適正な支出」であることは明白である。だからこそ北海道監査委員は執行の事実が確認できない支出は返還の対象としたのであり、本府においても返還を求めるのは当然である。また領収書がある捜査協力者からの事情聴取を警察本部に拒否され、調査を断念しているが、地方自治法で、監査委員には監査のために必要な関係人の出頭を求めて監査をおこなう権限があり、守秘義務も定められている。それを「協力してもらえなかった」として、調査をしなかったことは監査委員の任務放棄であり、府民の信託を裏切る行為である。警察の聖域扱いは許されない。

3)監査報告は、捜査報償費が2001年度を境に急激に減少しており、その減少分がもっぱら領収書のない現金謝礼であることを指摘し、警察本部に説明責任を果たすよう求めている。2001年度から情報公開法が施行され、全国都道府県警が一斉に捜査報償費を減らしたことはいまや周知の事実であるが、監査報告はあらためてこの実態を浮きぼりにした。今回の監査報告で、捜査協力者への謝礼金額や領収書のない金額等が明らかになったことは重大であり、警察本部が説明責任を果たすことは当然であるが、同時に、監査委員が権限を行使して、減少の理由、領収書のない支出金額の実態等を解明し、その責任を果たすよう強く求めるものである。

4)捜査旅費についても、すでに警察本部が内部調査の結果を報告した枠内にとどまっている。「不正をおこなったものが調査して真相が解明できるか」と、厳しい疑問が出されており、警察本部が不当にも内部調査委員会メンバーの公表を拒否し続けているだけに、監査委員の監査が期待されたが、監査実施は、内部調査で一括管理が判明した30所属60係に限定し、その額も警察本部の説明による推定額とするなど、警察本部の主張を追認するもので、監査委員の真相解明の姿勢が見られない。過去5年間の捜査旅費全体の監査を改めて求めるものである。

5)今回の監査報告は、何ら府民の不信と疑惑を晴らすどころか、警察の無法な真相の隠蔽体質、監査委員の監査の不十分さを示すものであった。報告を受けた知事の責任は重大であり、府民の税金の執行に責任を持つ知事が「説明責任」を果たすためにも、真相解明にむけた「再調査」を行うことを強く求めるものである。