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5月臨時議会 「副知事定数問題」で梅木議員が質疑

2006/05/15 更新
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拡大 5月15日に開会した5月臨時議会で、山田知事が副知事の定数を一人増員する条例改正案を提案したことに対して、梅木議員が議員団を代表し、知事に質問しました。以下に質疑の大要を紹介します。

 

5月臨時議会 「副知事定数問題」での梅木質問と知事答弁  
                   06年5月15日 府議会・本会議

【梅木】
 日本共産党の梅木紀秀です。ただいま知事から提案のありました第1号議案「京都府副知事定数条例一部改正の件」について、委員会に付託されるに先立ち、日本共産党府会議員団を代表して、知事に3点にしぼって質問します。
 まず、第1点ですが、現在副知事の定数が3人以上の都道府県は、東京、北海道、神奈川、埼玉、大阪、福岡、岡山の7都道府県です。岡山県以外は、人口500万人を超える大きな県で、人口264万人の京都府が、大規模な都道府県と同じように副知事を3人も置かなければならない必要性はどこにあるのでしょうか。人口との比較でお答えください。
 次に、知事は、現地現場での対応の強化や府政の意思決定のスピードアップを図るとしていますが、本府では、一昨年の振興局再編で、4つの広域振興局に4人の知事代理を置いています。このときにも現地現場対応の強化ということが強調されましたが、4人の知事代理では不十分なのでしょうか。この上に、副知事をおくことは、まさに「屋上屋を重ねるものである」と思いますが、この点についてご説明ください。
 3点目に、出納事務の電算化の中で、地方自治法の改正を先取りし、出納長を置かないということですが、不要になる出納長の人件費、4年間で7800万円は、府民のくらしと営業のためにこそ回されるべきです。ところが、副知事を2人から3人に増やせば、「出納長の人件費より1800万円も逆に増えるではないか」と新聞でも疑問が呈されています。しかし、実際には、1800万円ではなく、本来府民の暮らしに回すべき予算を、4年間に9600万円、約1億円も、副知事の人件費として、支出するというのが、今回の提案の財政的な側面です。
 先ほど紹介した知事定数3以上の都道府県でも、実際の副知事の数は、東京は定数4に対して3人、神奈川は定数3に対して2人、岡山も定数3に対して2人、埼玉県は定数3に対して1人です。京都府に3人の知事を置かなければならない特別な事情があるのでしょうか。財政の面からも、その必要性について、説明いただきたい。以上です。

【知事】
 今回の副知事の三人制については、地方分権の推進等により地方公共団体の行政や事務が拡大する中、トップマネジメントの強化が必要であるという地方制度調査会の「答申」が出されたところであり、実際、知事としてその任に当たる中、大きな時代の変化の中で迅速かつ的確な行政執行を行うためには、執行体制の強化が必要であると感じて提案したところである。
 特に、少子高齢化の進展とともに、社会のあり方が大きく変わる中、国、地方を通じた制度改革が進んでおり、行政としてより府民のみなさんに対する住民福祉の維持向上をはかるとともに、こうした時代の流れを的確にとらえた行政運営の確保とその任にあたる府庁づくりのための行財政改革の徹底がいま求められており、そのためにはトップマネジメントの確立が急務。特に、安全安心の確保、京都の活性化、そして府庁改革を進めるため、今回、副知事の増員提案をさせて頂いた。
 副知事三人制を、今現在、採用しているのは7府県だが、まさにこうした地方制度調査会の「答申」もふまえた流れの中で、私どもは、今回の提案をさせて頂いた。
 また、京都は日本文化の中心として、国内外の発信も多く、多くの人々が集まる地。そのような特性からも私は、副知事三人制、執行体制の強化が必要と考えている。
 なお、知事代理を命じた広域振興局長については、知事・副知事の命を受けて、各地において現地現場での府政推進を一般職として行っているものであり、特別職として知事を補佐して府政全般を推進するという副知事とは役割は異なると考えている。
 また、財源の問題については、出納長の問題にとどまらず、部局長の一部兼務を行うなど、執行体制の強化が全体として府民の負担増につながらないように配意することとしている。

【梅木・再質問】
 私は具体的に、他府県の例もあげて、実際に埼玉県が副知事の定数3名だが1名にするというような努力の例を紹介したが、それぞれの地域で、財政の問題もふくめて知事が頑張ってやっている。どうして他府県ではそういう状況であるにもかかわらず、京都府が3名にするのか、3名にしてトップマネジメントを強化することで、すべての課題がうまくいく、財政再建も進むということに何故なるのか、この点は説明がない。
 実際に、「京都新聞」でも、「出納長空席 かわりに副知事増員?」とクエスチョンがついている。「府は増員案の負担増の説明を」と書いている。同志社大学の教員も「副知事と出納長には給与に開きがあるために、全体の行政機構改革の中で、なぜ副知事を増やすのか。きちんと説明する責任がある」と書いている。これに対して、今の説明で十分されたかと言えば、私はされていないと思う。トップマネジメントが強化されて、なぜ(課題が)行くのか、府民が理解できるように、もう一度説明をいただきたい。
 そして、答弁のあとは、議員団として委員会で審議をつめていきたい。

【知事・再答弁】
 今の時代において、トップマネジメントを強化しなければならないというのは、これは地方制度調査会の「答申」においても、「所管する行政分野や事務事業は大幅に拡大してきており、その中でマネジメント機能の強化をはかることが必要である」とされている。その一方、出納長については、出納事務の電算化等も進む中で、本来の職務である会計事務とは直接関係のない事務を担当している。そういう現状をふまえて、現在、国会においても議論がなされている。
 私どもは、こういう主張もふまえながら、しっかりとしたトップマネジメントを行うことによって、これからの府庁改革を行う。そしてその中で、府民のみなさんの安心安全の確保を図り、そして京都の活性化を図り、行財政改革を行っていく。そういう趣旨で、全体として府民のみなさんにしっかりとした品質の維持向上をはかるということを前提とした執行体制の強化を提案している。
 この流れは、いま言ったようにそういう流れが既にある中で行われることで、負担増については、今申し上げたように、全体として府民の負担増を増やすようなことはしないという方針のもとで対応している。