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「靖国DVD問題」で教育委員会に申し入れ

2007/05/31 更新
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拡大 日本共産党府会議員団は、31日、いわゆる「靖国DVD」の問題で、京都府教育委員会にたいして申し入れを行いました。申し入れには、加味根、山内、光永、西脇、上原の各府会議員と、日本共産党京都国政委員長の成宮まり子氏、同京都府委員会文教委員会責任者の本庄孝夫氏が参加。府教育委員会の宮野文穂指導部長が応対しました。


 この問題は、文部科学省の委託事業として、日本青年会議所作製のDVDアニメを使う「教育プログラム」が、全国の中学校で行われようとしていることが国会審議のなかで明らかになったもの。このアニメ「誇り」が、侵略戦争と植民地支配を正当化する内容になっているため、日本のみならず、韓国などでも報道され、大きな問題になっています。

 申し入れでは、「京都府教育委員会は、このDVDを使った教育事業が京都府内でおこなわれることがないよう措置されるとともに、政府にたいしてはこの事業の認可を取り消すことを強く求めるよう」要求しました。
申し入れ全文は、以下のとおりです。

 


京都府教育委員会
委員長 藤田 晢也 様
教育長 田原 博明 様
                         2007年5月31日
            日本共産党京都府委員会 委員長  渡辺  和俊
            日本共産党京都府会議員団 団長   新井   進
            日本共産党  京都国政委員長  成宮 まり子


侵略戦争と植民地支配を正当化する日本青年会議所作製アニメ(DVD)
「誇り」を教育に持ち込ませないことについての申し入れ


 文部科学省の委託事業として、改憲をかかげる日本青年会議所作製のアニメ(DVD)を使う「近現代史教育プログラム」が全国各地の中学校などで行われようとしていることが5月17日の国会で明らかになった。
このアニメのあらすじは、若くして戦死した靖国の「英霊」が現代にあらわれ、自分の子孫である女子高校生に「一緒に靖国神杜に行ってみない?」と誘い、日本の戦争は「自衛のための戦争」「アジアの人々を白人から解放」するための戦争だったと語りかけるものである。
 加害の事実には触れず、日本がアジア諸国を助けたと描き、日本人の戦争への反省は「GHQによる洗脳」の結果と説明され、DVDには2人の主人公と靖国神杜が印刷されている。国会答弁で、伊吹文部科学相は「私が校長なら使わない」と答弁せざるをえなかった。
 日本やドイツがおこした戦争は不正義の侵略戦争であったーこの認識は戦後の国際政治の出発点である。日本もそのことを認め、その反省にたって国際社会に仲間入りした。
 戦後50年のいわゆる村山談話は、「植民地支配と侵略」によるアジアヘの「多大の損害と苦痛」への「痛切な反省」を表明している。
 教育についても、「アジアの国々の国民に多大な苦痛と損害を与えたことを深く自覚し、このようなことを二度と繰り返してはならないとの反省と決意」が「学校教育にあたって…当然、尊重されるべき」だという1982年の官房長官談話がある。
 こうした世界と日本の根本原則からして、このような日本青年会議所のアニメ(DVD)が公教育で使われることはあってはならない。
 京都府教育委員会は、このDVDを使った教育事業が京都府内でおこなわれることがないよう措置されるとともに、政府にたいしてはこの事業の認可を取り消すことを強く求めるように申し入れるものである。
               
                             
以上