府立資料館の「東寺百合文書」、ユネスコ記憶遺産へ推薦決定
2013/05/21 更新
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京都府立資料館所蔵の国宝「東寺百合文書」(とうじひゃくごうもんじょ)がこのほど、ユネスコ記憶遺産の登録候補として推薦されることが決定しました。推薦決定した日本ユネスコ国内委員会ユネスコ記憶遺産選考委員会は、同文書は平安時代以来、一貫して東寺の宝蔵に収められ、日本の仏教史、寺院史など様々な研究に資するまとまった貴重なアーカイブ資料であることなどを推薦理由にあげています。
「東寺百合文書」とは、奈良時代から江戸時代初期までの900年間にわたって教王護国寺(東寺)に伝わる約2万点の文書群で、寺院運営に関する議事録や諸仏事、また領有した荘園の経営など多岐にわたる書類を有し、中世社会の全体構造を解明する上で基本となる資料として、質量共に最も優れた文書群とされています。
京都府は1967年に文化財保護を目的に購入し、1997年に国宝に指定されました。
世界記憶遺産は、ユネスコが世界の重要な記憶遺産の保護と振興を目的にしたもので、アンネ・フランクの「アンネの日記」やベートーベンの「弟9」直筆楽譜、童話作家アンデルセンの原稿など245点が登録されています。日本では、2011年5月に山本作兵衛炭鉱録画・記録文書が登録されています。
今後、同文書は来年3月の日本ユネスコ国内委員会からユネスコに推薦され、2015年5月ごろに開催されるユネスコ記憶遺産国際諮問委員会の審査で登録の可否が決定されます。