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2025年07月01日

2025年6月定例会|意見書・決議案討論【森よしはる議員】

6月議会には、日本共産党議員団提案の4本の意見書案と3本の決議案を含め、14本の意見書案・決議案が提案されました。30日の閉会本会議で議員団を代表して森よしはる議員(京都市南区)が討論に立ちました。

全文をご紹介します。

20250630_意見書・決議討論(森議員)

 日本共産党の森よしはるです。会派を代表し、ただいま議題となっています、意見書案9件、決議案5件のうち、維新・国民会派提案の「北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対と着工5条件を満たす別ルートを検討することを求める決議」案及び自民・府民・公明3会派提案の「北陸新幹線延伸計画に係る国等の適切な対応を求める決議」案に反対し。他の意見書案9件、決議案3件に賛成する立場から討論を行います。
 

 まず、我が党提案の「核兵器禁止条約に署名・批准を求める意見書」案についてです。
 今議会に寄せられた請願は、被爆者の命がけの訴えが、核兵器使用の手を縛り、2017年国連で核兵器禁止条約が採択された経過に触れ、今年3月の締約国会議では核兵器廃絶への「揺るぎない決意」を表明した政治宣言を全会一致で採択したことを強調し、核兵器禁止条約への日本政府の参加を強く求めています。
 6月13日にイスラエルが、22日にはアメリカがイランの核施設への攻撃を行いました。昨年ノーベル平和賞をうけた日本被爆者団体協議会の田中照巳代表委員は「国連憲章と国際法に違反し、NPT(核兵器不拡散条約)に対してさえ違反する行為と言わざるをえません。このたびのアメリカの先制攻撃は、核兵器の保持によって敵対国の先制攻撃を抑止するとの「核抑止論」が破綻していることを示しています」と談話で厳しく非難を行いました。
 日本はこの事態に、イスラエルには到底容認できないと強く外務省声明で非難しながら、アメリカには「核兵器保有を阻止する決意を示した」とトランプ政権に追随しており、唯一の被爆国の政府として許されない態度です。
 被爆80年の節目、アメリカによるイランの核施設への攻撃という緊迫した情勢のもとで、唯一の被爆国日本が核兵器禁止条約参加することこそが求められています。

 

 次に、我が党提案の「消費税緊急5%減税とインボイス制度の廃止を求める意見書」案についてです。
 コメをはじめ多くの物価の高騰が相次いだ4月15日、私は南区の地域スーパーで9時30分の開店から19時30分の閉店まで10時間、聞き取り調査をさせていただきました。400人程の来店のうち64人からアンケートに協力いただき、お話を伺いました。「1日2食を1食にしている」「賞味期限切れギリギリの5割引きなど安売りばかり買っているけれども、買っていると自分の価値も半分になったような気になる」と切羽詰まった声が相次ぎました。私はその声を聞ききながら胸が詰まりそうになりました。追いつめられた暮らしの厳しさがあるからこそ、消費税減税を求める声はどの調査でも7割~8割を占めています。参議院選挙立候補予定者の74%が消費税減税に賛成するとアンケートで回答しています。府議会においてもその意思を示そうではありませんか。
 昨年度過去最高を更新したトヨタ自動車の2024年3月期の営業利益は5兆3,529億円、そのトヨタ自動車は毎年800億円~1,000億円の研究開発減税をうけ続けています。1年で5兆円以上の利益あげる企業に、毎年1,000億円の減税が必要でしょうか。国債発行に頼るのでなく、法人税率を元に戻し、また大企業の研究開発減税や1億円の壁の解決など、大企業・富裕層への優遇税制を見直せば11兆円の財源が確保でき、消費税5%への緊急減税は実施できます。
 「インボイス制度を考えるフリーランスの会」が24年度の確定申告を受けて実施したアンケート調査はわずか18日間で1万人を超える回答が寄せられました。消費税分等を全額転嫁できたのは5%にも満たず8割が価格転嫁できていません。消費税を納税するために4割を超す方が所得や貯蓄を減らし、借金をして納税している実態が明らかになっています。
 消費税の5%への緊急減税を実施し、インボイス制度は廃止すべきです。
 

 次に、我が党提案の「沖縄戦の歴史に真摯に向きあうことを求める決議」案についてです。
 今年5月3日の憲法記念日に那覇市で開催されたシンポジウムにおいて、自民党西田昌司参議院議員が、沖縄県のひめゆりの塔の展示をめぐり、歴史の書換えと発言。この発言に対し沖縄県議会は抗議と謝罪を求める決議をあげ、決議文を持ち手渡すために上京されましたが、面会に応じることはありませんでした。自らの主張を繰り返し、誤った歴史観を改めない西田議員の発言やこの間の対応は、沖縄県民の心を深く傷つけています。
 第二次大戦において、沖縄は国内唯一の地上戦を経験し、捨て石とされた結果、県民4人に1人が犠牲となり、筆舌に尽くし難い苦難と損害をうけたことは数々の証言、政府見解などを通じ明らかな歴史の事実です。
 6月23日、沖縄県・沖縄県議会主催の戦後80年沖縄戦全戦没者追悼式の「戦後80年平和宣言」は「この地で繰り広げられた、住民を巻き込んだ沖縄戦の実相と教訓を県民一丸となった不断の努力によって、世代を超えて守り続けていくいことは、いまを生きる私たちの使命」と宣言し、平和の詩を朗読した城間一歩輝(いぶき)君は「80年前の戦争でおばあちゃんは心と体に大きな傷を負った、その傷が何年経っても消えない人の命を奪い苦しめる戦争を二度と起こさないように、おばあちゃんから聞いた戦争の話を伝え続けていく。おばあちゃんが繋いでくれた命を大切にして一生懸命生きていく」と沖縄戦の正しい歴史を語りつなぐ決意を詩にこめています。
 沖縄戦においては沖縄県民とともに京都出身者の多くも犠牲になり、戦後、京都の多くの方々が沖縄と京都を結ぶ友好の絆を深めてこられた歴史があります。
 戦後80年の夏を迎える節目の京都府議会において、京都選出の議員が沖縄県民の心を深くきずつけた時にこそ、沖縄県議会に連帯し、沖縄県民の心情に寄り添い、沖縄戦の歴史に真摯に向き合う決議をあげるべきです。
 

 次に、我が党提案の「医療・介護労働者の持続的賃上げと財政支援等を求める意見書」案についてです。
 日本病院会など6団体が公表した2024年度診療報酬改定後の「病院経営」状況報告では、改定前後で経常利益率が急速に悪化、経常赤字病院が10.4%も増え、6割以上が赤字となる深刻な事態となっています。このままでは「ある日突然、地域から病院がなくなる」と、危機的状況にある病院経営に対し物価・賃金の上昇に適切に対応できる仕組みを設けること、そのために社会保障関係費の伸びを抑制する取り扱いを改める必要があると提言しています。
 日本医労連の昨年の賃金・労働時間実態調査では、看護師の初任給平均は203,900円、介護福祉士は同じく166,173円です。一方、昨年の府人事委員会の民間給与実態調査の初任給平均は244,339円となっており、年齢とともにその給与格差は広がっていきます。人材の確保に支障が生じるのは明らかです。
 患者・利用者などの負担に頼らず、国費を緊急に投入し、診療報酬・介護報酬を引き上げ医療機関、介護事業所等の経営を守り、医療・介護労働者の賃金を全産業並みに引上げる政策への転換が必要です。そのことを求めるものです。
 維新・国民会派提案の「医療・介護現場の人材確保のための就労環境整備及びDXの推進を求める意見書」案は、賛成するものですが、意見書が紹介している日本看護協会が要望書の第一にあげられている「診療報酬の期間中改定も視野に、看護職の賃金上昇に結び付く財政支援」がありません。また医療・介護現場のDX導入効果も、対応するそもそもの人材確保なくしては機能しないことなど問題点を指摘しておきます。
 

 次に我が会派提案の「北陸新幹線延伸計画の中止を求める意見書」案と「北陸新幹線京都延伸計画の中止に関する決議」案についてです。北陸新幹線延伸計画において、京都府が示す6項目の懸念の解決は不可能で、採算性、財政負担など着工5条件を満たさないことはもはや明らかです。我が党は、これまで府議会で一貫して北陸新幹線延伸計画がもたらす問題を明らかにし、計画の中止を求めてきました。各地域でも運動団体が活発に運動され、先日は京都仏教会が街頭で署名を呼びかけられるなど運動が広がっています。総事業費5兆3千億円、事業期間30年もかけ、京都の貴重な自然や地下水に深刻な影響を与える北陸新幹線延伸計画はきっぱり中止し、サンダーバードをはじめ在来線を拡充することこそ、最も現実的で府民の願いにも応えるものです。
 維新・国民会派提案の「北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対と着工5条件を満たす別ルートを検討することを求める決議」案は、北陸新幹線延伸を前提にしたもので、また自民・公明・府民クラブ3会派提案の「北陸新幹線延伸計画に係る国等の適切な対応を求める決議」案ですが、結論は「早期の事業推進」を求める内容でありいずれも反対です。
 

 次に、我が会派提案の「大阪・関西万博への学校行事としての子どもの動員中止を求める決議」案です。
カジノを含むIRの誘致のために夢洲の埋め立て地を整備し、行われている大阪・関西万博は、総事業費13兆円とも言われます。同時にメタンガス、レジオネラ、ユスリカの大量発生、熱中症や台風・大雨災害への防災・避難対策など重大な安全上の課題が次々と生じており、我が党は中止を求めてきました。
6月27日大阪教職員組合などは、学校単位の無料招待事業で、暑さで体調を崩し救護施設を利用した中学生が、体調が回復しないまま20分で退出させられた事例があったことなど、熱中症と思われる体調不良が複数以上発生していることをうけて、万博協会には、救護施設の充実、熱中症の事案を協会として把握し公表することなどを、大阪府教育委員会に対しては、責任もった対応を学校に明示し、学校と連携し子どもの命を守ること、熱中症ガイドラインに基づき万博遠足中止の判断を府教育委員会が行うことなどを申し入れました。
 京都府の「子どもの大阪・関西万博体験支援事業」には、安全上の課題、教育効果など保護者や現場の教職員からも声があがっています。万博推進へと一路旗を振り、安全対策は万博協会の情報任せ、実際の対応と判断は学校だのみでは子ども達の安全は守れません。京都府として、とりわけ熱中症の危険が差し迫る時期を迎え、体験事業の実施状況を把握、検証し、今後の実施可否を府が主体的に判断し、責任もった対応を行うべきです。
 

 次に自民・府民クラブ・公明3会派提案の「地方消費者行政に対する恒久的財源確保等を求める意見書」案です。賛成するものです。我が党はこれまで複雑高度化する消費生活相談を担う消費生活相談員が会計年度任用職員という年度を任期とする極めて不安定な状態に置かれている問題を指摘し、正規職員化を求めてきました。速やかに正職員とし、安定した消費生活行政の基盤を整備することを求めます。
 次に自民・府民クラブ・公明3会派提案の「米価の適正化及び米の安定供給を求める意見書」案です。意見書案は安定的な米の生産にむけ農政の転換を求めており賛成するものですが、そもそも米不足と価格高騰の責任はこれまで農家に減反・減産を押し付けてきた自民党・公明党政権にありその総括が必要です。また、意見書では米不足や災害等に備えるための備蓄米を米価適正化対策としていることは問題です。
 最後に自民・公明・府民クラブ3会派提案の「米国の関税措置に対応した中小企業等支援策の拡充を求める意見書」案です。賛成するものですが、そもそもトランプ政権が日米合意を一方的に破り、関税を課したことが、国際的なルールを踏みにじるものとして問題であり、日本政府が関税措置の撤回を求めるべきです。
 以上意見書・決議案への討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

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