3月5日に行われた京都府議会予算特別委員会知事総括質疑に、党議員団からばばこうへい議員【京都市伏見区】が質疑に立ちました。以下、質疑と答弁の大要を紹介します。
<質問テーマ>
●府民生活や地域経済に寄り添う府政の役割について
●子育てに係る経済的負担の軽減について
●国の安全保障政策に対する本府の姿勢について
中小事業者の深刻な局面に賃上げのための直接支援を
【馬場議員】日本共産党の馬場紘平です。よろしくお願いいたします。
まず最初に府民の暮らしや地域経済に寄り添う府政の役割についてお伺いをいたします。
異常な資材や物価の高騰は、3年以上にわたって続いております。深刻な人件費の増加、人手不足も含めて事業者の声など、例えば「物価高で利益が下がっていて、仕事を増やさないと事業が回らない。そのためには人手を増やさないといけないが、賃上げしないと人が来てくれない。でも賃上げのための原資がない。進むも戻るも地獄」など深刻さを増していると感じています。価格転嫁が進んでいません。中小企業庁の調査でも、企業物価指数が28%上昇する一方で、価格転嫁が、全額転嫁できているとするのは27.3%、全くできなかったとするのが15.8%、1~3割が24.4%などとなっていて、極めて深刻な実態です。京都府内企業の倒産件数は昨年392件と過去15年で最も多くなっています。さらに、東京商工リサーチの調査によると、今年1月の人手不足倒産が36件と最多だった前年に引き続き高水準が続いていること、内訳で「人件費高騰」が前年より3.1倍に急増するなど、賃上げが資金繰り悪化に拍車をかけている状況が見えてまいります。
そこでお伺いをいたします。中小事業者を取り巻く事態は、これまでとは局面が異なった深刻さがあると考えます。対策が遅れれば多くの事業者が深刻な事態に陥る局面だと考えますが、知事のご所見をお聞かせください。
また、これまで知事は「実態をお聞きしながら寄り添った支援を」と繰り返してこられましたが、多くは生産性の向上など環境整備の支援になっています。しかし、そうした支援の中で、今申し上げたような深刻な事態になっており、これまでの延長線上の対策では間に合わないと考えますが、知事のこの点でのご認識をお聞かせいただきたいと思います。
異常な物価高から暮らしを守り、地域経済を支える上で欠かせないのは、思い切った賃上げと、そのための中小企業への抜本的な支援の強化だと考えます。本来、国の責任が極めて重要ですが、高市首相は、「物価上昇を上回る継続的な賃上げを実現します」とする一方で、これまで政府が掲げてきた「2020年代に最低賃金1500円」という目標を事実上投げ捨てています。
国が背を向ける中で、全国では徳島県、岩手県、山形県、群馬県、奈良県などのように、独自の直接支援に踏み出す自治体が広がっています。企業の企業数に対する倒産、倒産率の一昨年のワースト1は岩手県でした。その岩手県が今取り組んでいるのが、賃上げを行う中小事業者への従業員一人当たり6万円の直接支援で、補正予算を組みながら、3度目の募集が2月から始まっています。その予算は27億円です。ここで少し試算をしてみると、京都府と岩手県の財政規模は1.4倍。京都府で考えますと、約37.8億円になります。例えば岩手県と同じように賃上げを要件にして、中小企業の労働者一人当たり6万円の支援を行うとすると6万3000人分の賃上げ支援ができます。
そこでお伺いをいたします。高市首相は物価高を上回る賃上げが必要というだけで、ついてこられない中小企業を淘汰、こういうふうにも見えるような状況になっています。中小事業をとりまく局面が深刻に変化をしています。国に対して求めるだけでなく、府民生活や地域経済に府が責任をもつ知事の決断が求められています。思い切った賃上げとそのための中小事業者への直接支援の実施が必要と考えますが、お考えをお聞かせください。
【知事・答弁】馬場委員のご質問にお答えいたします。中小企業を取り巻く環境への認識についてでございます。
国内企業を取り巻く経営環境は、物価高騰や人手不足、持続的な賃上げなど非常に厳しい状況であり、中小企業に対する必要な支援を時期を逸することなく行うことが重要であると認識しております。このため、累次にわたり補正予算を編成し、金融機関、経済団体、経営支援機関などと共に、オール京都体制で経営基盤強化や事業継続のための施策を講じていたところであり、今年度におきましても、米国関税対策や持続的な賃上げに向けた対策など、新たな局面に対しまして迅速に対応してきたところでございます。
市中金利が上昇していることや、令和8年度にはすべてのゼロゼロ融資の返済が開始することもあり、今後、中小企業の事業継続に向けた経営環境はより厳しくなるものと考えております。このため、令和8年度当初予算におきましても、金融面での対策が急務と考え、中小企業の事業継続を下支えする制度融資の金利を据え置きますとともに、新たに借換え融資利用時の信用保証料負担の軽減など、金融支援を拡充するための予算案を本定例会に提案しているところでございます。加えまして、生産性向上への支援や人手不足対策、金融支援と経営支援が一体となった伴走支援など中小企業支援を大幅に拡充しており、今後とも、あらゆる施策を総動員して中小企業の事業継続に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、賃上げの直接支援についてでございます。賃金の引き上げは、労働者の生活の安定と向上が図られることにより経済の好循環をもたらし、さらには地域経済の活性化にもつながることから、重要だと考えております。また、賃金の引き上げが持続的に行われるためには、中小企業が原資となる収益を確保できるよう、経営基盤の強化を図るための支援を重点的に行うことが重要だと考えております。
このため、京都府におきましては、生産性向上への支援や人手不足対策、金融支援と経営支援が一体となった伴走支援など、累次にわたり賃上げができる環境整備のための支援を行ってきたところでございます。さらに、令和7年12月定例会におきましてご議決いただきました賃上げ実現緊急支援事業費におきましては、国の重点支援地方交付金を活用し、持続的な賃上げの実現に取り組む中小企業者を緊急的に幅広く支援いたしますとともに、今定例会におきましても、事業活動を守り、発展させ、賃上げにつなげるための予算案を提案しているところでございます。
今後とも、オール京都で賃上げや正規雇用化ができる環境の整備に取り組み、経済の好循環をもたらし、地域経済の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
【馬場議員・再質問】厳しい状況にあるということを認識をしているということと、その中で中小企業に対する抜本的な支援の強化を行っているんだということがありました。
ただ、先ほども申し上げましたように、この間の支援というのは、賃上げであれば、賃上げをするところに対して、生産性の向上、こういったものと抱き合わせの支援になっていまして、先ほども申し上げましたように、価格転嫁がまともに進んでいない中で、こういった生産性を中心に置いた制度というのは、事業の継続のために賃上げが必要な今の局面で言うと、残念ながら応えられないと私は思っていまして、先ほど「厳しい実態を認識している」ということがあったんですけれども、例えば中小企業団体中央会の令和7年度の中小企業労働事情実態調査報告書を見ますと、京都府内の企業の初任給、大卒で言いますと平均が22万円というふうになっています。1日8時間、月22日勤務として考えますと、時給で大体1200円ぐらいになります。まさに最賃目前だと思うんですね。最賃がこの間と同じようなレベルで上がっていくということになれば、それこそ今年、来年にはこのレベル(1,200円)を超えてくるということになってきまして、そうなると当然ベースアップが求められてくることになってくるわけで、今でさえこの中小企業の取り巻く環境、極めて厳しい状況にあるし、そういった局面が変わってきている中で、私は、本当にこのまま行くと堰を切っていろいろなところが潰れていくということになりかねないのではないかと危惧をしています。
こういった局面になっているんだということについての知事の認識を改めてお聞きをしたいと思います。
【知事・再答弁】馬場委員の再質問にお答えいたします。先ほども答弁いたしましたけれども、やはり中小企業をめぐる環境は厳しいけれども、なんと言っても構造的に少子高齢化、人口減少によって、これはすべての業種、分野にわたりまして人手不足がありますから、その人手を確保するために、防衛的賃上げとも言われていますけれども、賃上げがある。逆に、その必要な賃上げを実現するためにこそ、持続的に賃上げができる企業の環境整備を支援していくことが、中長期的に見れば、最も財政の使い方としては効率が良いものと考えておりますので、引き続きあらゆる施策を総動員して、時機を逸することなく中小企業が賃上げをできる環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
【馬場議員・指摘要望】正面から答えていただけなかったなというふうに正直思っていまして、今、厳しい局面は理解をしているということだったんだけれども、おっしゃっているような、いわゆる厳しいという言葉で表せないぐらいに本当に深刻な状況になってきていると。今申し上げましたように、このまま行くと、本当に京都経済を支えている多くの中小事業者のところで立ち行かないような状況が出てきかねない状況だというふうに思うんです。そういった意味で言いますと、先ほど来申し上げていただいているみたいな持続的に賃上げできる環境を作っていくのがいいんだということだけではなくて、本当に賃上げしていけるような状況を作っていっていただかなければいけないというふうに思っていまして、そういった意味では、本気で寄り添って必要な施策を打っていくということが今知事に求められている役割だと改めて指摘をしたいと思いますし、本府よりも財政規模の小さなところで、そういった県でも様々な取り組みが広がっているわけですから、こういった経験にも学びながら直接支援に踏み切ると、知事の決断を改めて強く求めておきたいというふうに思います。
府民要求である経済的負担の軽減を子育て支援の柱に
【馬場議員】次に、子育てにかかる経済的負担の軽減について伺います。
知事は2023年に「子育て支援条例」「少子化対策条例」を廃止して、「子育て環境日本一推進条例」に変えました。その中で削られたのものが、「子どもの権利」と「経済的負担の軽減」です。その結果、経済的負軽減は大きく遅れ、施策の中心は風土づくりや環境づくりになっています。府の取り組みが遅れる中で、子どもの医療費の無償化や給食の無償化などは、市町村で保護者のみなさんの粘り強い運動の中で、子どもの医療費無償は京都市を除いて、来年度すべての市町村が高校卒業まで対象になります。給食費無償も、コロナ禍の取り組みなども含め6市町村が無償化に踏み出して、ついに国も来年度予算で給食費の負担軽減を打ち出しています。さらに、あんしん修学支援制度は来年度予算では、国の高校無償化に伴って、国制度の上乗せをさらに充実させる予算が提案されていますが、予算額は約11億円の減額となっています。
そこで伺います。これまで、子育てへの支援で最も求められてきた経済的負担の軽減が本府では大きく遅れてきましたが、例えばあんしん修学支援制度の減額分を、府の子育て支援医療助成制度を高校卒業まで対象にするなど、さらなる負担軽減に取り組む選択肢もあったと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
2026年度の各市町の国民健康保険料について、相次ぐ値上げが報道されています。その要因の一つが、子ども・子育て支援金の上乗せです。この間の度重なる値上げもあり国保加入者の負担は限界を超えているとの指摘もあります、本来京都府や国による財政的な手立てこそ必要だと私は考えています。
国保に上乗せされる子ども・子育て支援金は、総額約31億円に上り、加入者の多くは年間約2,000~3,000円程度の負担増となります。協会けんぽ、共済保険、後期高齢者医療保険など、保険によってその負担額は大きく異なりますが、国民からは「独身増税」と言われています。また、子育て世代を含む現役世代の社会保険料の負担軽減のためとして、高齢者の窓口負担を原則3割にすることなどが言われています。こうしたやり方は、結局国民に負担を押し付けることにしかなりません。
そこで伺います。社会保険料の負担などは、社会保障の削減や医療保険料に上乗せして国民に負担を求めるようなことではなく、例えば資本金10億円以上の大企業の企業負担割合の引き上げなど、負担能力のある所へ適切な負担を求めることでこそ財源を作るべきと考えますが、知事のご所見をお聞かせください。
【知事・答弁】子育てに係る経済的負担の軽減についてでございます。
私は、知事就任以来、子育て環境日本一京都の実現を府政の最重要課題として位置づけ、出会い、結婚から妊娠、出産、子育て、保育、教育、就労に至るまでの切れ目のない支援を行いながら、オール京都でその実現に向けて取り組んでまいりました。京都府におきましては、全国トップクラスとなる、私立高校に通う生徒が安心して勉学に勤めるために学費等の支援を行う「私立高等学校あんしん修学支援事業」や、子どもに対する医療費の自己負担額を京都府、市町村で助成する「子育て支援医療助成制度」など、他の都道府県と比較しても高い水準での支援を行っており、子育て世帯の経済的負担の軽減に努めているところでございます。
毎年度の予算編成につきましては、国の制度改正などによる財政需要の増減も含め、様々な要素を考慮して行いますものであり、その上で、来年度は、私立高等学校あんしん修学支援事業につきまして、今般措置される国制度に上乗せして、兄弟姉妹が高校や大学等に同時在学している世帯への支援や、私立幼稚園が実施する2歳児の利用料減免に対する支援の拡充を実施することとしており、引き続き子育て環境日本一京都の実現に向けた総合的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、社会保障制度についてでございます。
社会保障制度は、子どもから高齢者まで、すべての府民の生活を生涯にわたり支えるセーフティーネットであることから、重要だと考えております。一方で、我が国におきましては、本格的な少子高齢化と人口減少時代を迎え、制度を支える現役世代の負担などが全国的な課題となっております。現在、国は、全世代型社会保障を構築する観点から、国民会議などにおいて検討を行っておりますが、国民健康保険などの社会保険制度につきましては、負担と給付が連動していることから、両者を一体的に考える視点が欠かせないものと考えております。
大企業の事業主負担につきましては、会社員等に適用されている社会保険制度が、労働者本人と企業が共同で支えるという社会的合意のもとで、企業規模にかかわらず労使折半で保険料を負担する原則が成り立っておりますことから、負担のあり方につきましては、事業主、被保険者、公費の3つの財源のバランスを踏まえた上で、慎重に議論されるべきだと考えております。
社会保障は、世代間や世代内の公平を確保し、生活の安心、安全を支える制度であると考えております。京都府といたしましては、国に対しまして、社会保障制度の見直しにあたっては、現役世代を含む全ての世代の理解を深められるよう取り組むことや、府民の生活実態を踏まえた持続可能な制度とすることを引き続き求めてまいりたいと考えております。
【馬場議員・再質問】子育て支援の充実については、例えば京都府は土台を支えると繰り返しおっしゃってきた医療費助成も、もはや最も遅れているのが京都府と京都市というような状況になっています。先般、京都市長が新聞報道では府と一緒にやっていきたいというようなことをおっしゃっているということも言われていますが、正直、「今更何を言っているのか」というのがほとんどの当事者の声ではないかと思っていまして、思い切ってそこを支援していくっていうことこそ、本来、子育て環境日本一を掲げる本府がやっていかなければいけないことではないかと思います。
1点再質問したいんですけれども、社会保障の負担については、国の制度改革の中で、すべての世代に平等な負担になるようにというふうに申し入れをされているということでしたけれども、今般の子ども子育て支援制度の財源、これについては、こんなことをやっていけばどうなるかっていうと、今後、子育ての負担、子育ての充実、こうしたものをやっていこうと思うと、国保なんかにも負担を求めていくということにもなってくるような状況になってくるわけで、こういったやり方というのはやっぱり国に対して見直しを求めていくということが私はいるんではないかというふうに思うんですが、その点について知事のお考えをお聞かせください。
【知事・再答弁】馬場委員の再質問にお答えいたします。
子ども子育て支援金の財源措置についての御質問だと思っておりますけれども、いずれにしても、新しい行政サービスをやる場合は、国としては当然それに見合うだけの財源措置を決めた上でないと無責任な財政運営になると思っておられると思うので、そこをどこに求めるかというのは国民的な議論が必要だと思っておりますけれども、私どもとしては、それが例えば子育て施策全体について影響するようなことではダメですし、まして、我々地方財政を預かるものとしては、地方財政についてもきちっと議論した上で、総合的な議論の中で、施策の充実と財源の確保については、ぜひ住民、国民、府民の理解を得られるように進めていただきたいというふうに考えております。
【馬場議員・指摘要望】支援の柱は、私はやはり、子育てにあまりにもお金がかかりすぎると。ここの経済的な負担の軽減以外にはないと思っています。本府の状況で言いますと、2024年の出生率は1.05、年間の出生数はついに1万3,000人を切りました。
また、指摘をされてきた子育て世代の人口流出には歯止めがかかっていません。改めて、府の取り組みを積極的に前に進めていくっていうことが必要です。さらに、子育て支援の問題ですら、先ほどお話もしましたけれども、国民に負担をお願いをすると、押し付けると。こういうことにしか財源論を持たないっていうことでは、本当にこれからの社会で安心して子どもを育てていくっていうことにはならないと思いますので、改めて国に対してもしっかりとものを言っていただきたいと、これも強く求めておきたいと思います。
「力による現状変更」は許さない この立場で国にモノを言うべき
【馬場議員】最後に、国の安全保障政策に対する府の取り組みについて伺います。
アメリカのトランプ大統領が、2月28日にイスラエルと共に、イランに対する先制攻撃を行い、イランの最高指導者ハメネイ氏を殺害しました。この間の攻撃により亡くなった方は子どもも含め1,000人以上にも上っています。イランの報復攻撃など、報復の連鎖による泥沼化が強く懸念されています。国連事務総長などをはじめ各国からも批判の声が上がり、国内でも沖縄県や滋賀県の知事、一般市民からも非難と中止を求める声が上がっているのは報道の通りです。そもそも、今回の攻撃は武力行使、主権平等を明記した国連憲章を無視したもので、力による現状変更であり国際法を無視したものであることは明らかです。ところが高市首相は、「法的評価はしない」など、一言も批判しないどころか事実上肯定しているのが実態です。
こうしたもとで高市政権が進めているのが、大軍拡路線です。少子化対策などでさらに充実が急がれる教育関連予算や頻発する災害やライフラインの老朽化など対策が急がれる公共事業関連予算、それぞれ6兆円規模。防衛費は来年度予算で9兆円を超え、さらにトランプ大統領から迫られるGDP比5%水準約30兆円なども見据えていくともいわれています。財政への影響は計り知れません。さらに、昨年の高市首相の台湾有事発言が、深刻な日中関係の悪化につながり、わが党議員団の府北部漁業者からの聞き取りでも、ナマコなどをはじめとした海産物の深刻な値崩れなど、生業にも重大な影響が広がっています。なによりも、この京都では、大軍拡の具体化が突出して進められています。祝園や舞鶴で弾薬庫17棟もの大幅増設が進められて、舞鶴基地に所属するイージス艦への長距離ミサイルの搭載などが進められようとしています。家のすぐ近くにある自衛隊の関連施設で何が行われているのか、何かあった時にどうなるのかという住民の不安は当然のことです。
そこで伺います。高市政権の進める大軍拡路線は、財政の悪化や日中関係の悪化などによる生業への影響も無視し、府民の不安にも背を向けています。府民の代表として知事に求められているのは、府民の立場に立って、すでに反対の声をあげている自治体・首長とも連帯し、大軍拡路線にきっぱりと反対の声をあげることだと考えますが、知事のご所見をお聞かせください。
【知事・答弁】国の安全保障政策についてでございます。国におきましては、国家安全保障会議での議論等を踏まえ、令和4年12月に「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の三文書を閣議決定し、防衛力の強化に取り組まれているものと承知をしております。
「国家安全保障戦略」や「国家防衛戦略」におきましては、国際協調を旨とする積極的平和主義を維持するとともに、平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないとの基本方針を堅持することを安全保障政策の前提としつつ、複雑な安全保障環境の中で国民の命と平和な暮らしを守るための防衛力の抜本的強化を行う必要がある旨明記されているところでございます。
また、そのための財源につきましては、「防衛力整備計画」におきまして、歳出改革や税外収入の活用、税制措置等、歳入歳出両面において所要の措置を講ずることとされており、令和7年12月に行われた高市首相の記者会見におきましても、新たな家計の負担増とならない形の決着を目指す旨の発言がなされたものと承知をしております。
いずれにいたしましても、防衛力の強化につきましては、我が国の安全保障に関わる国の専権事項であり、国におきまして国民に対する丁寧な説明と適切な判断がなされるべきものと考えております。
【馬場議員・再質問】本会議とほぼ同じような答弁だったわけですが、例えば、今、高市首相が国民に負担を求めない形、家計に負担を求めない形での財源確保なんていう話をしているということでしたが、先ほども申し上げましたように、こんな規模になってくれば、財源をどこから求めるか以前に、これにお金を使ってしまえば本当に私たち国民に向けられる予算っていうのを確保できるのか、本来増やさなければいけないものを増やしていくことができるのかという事態だと思うんです。そういった意味での財政への影響というものを無視したやり方だと私は指摘をしております。
高市政権がこうやって進めている大軍拡が、今申し上げましたような財政の問題でも、さらに国民の生活なども無視をして突き進む背景にあると思っているのは、今回のイラン攻撃での対応でも私は明らかだと思いますが、「力による現状変更」というものに対して、それを否定するということを持っていない、こういったことにあるのではないかというふうに思っています。
そこでお聞きをしたいんですけれども、知事は、世界で今広がっているこの「力による現状変更」というものに対してどういう認識をお持ちなのか、教えていただけますか。
【知事・再答弁】馬場委員の再質問にお答えいたします。今の国際情勢をめぐる様々な状況につきましては、それぞれが、どの国とは申しませんけれども「自国第一主義」に立ちつつ、それぞれの立場で行動されているところが実は大きな原因の一つじゃないかと私自身は思っておりますけれども、日本は資源を海外に頼る国として、引き続き経済の活性化、国民生活を安定させる立場からは、分断とか対立ではなくて、国際社会が協調していく道を進むべきだと、そのために我が国がどういう形で貢献できるかということを議論していただければありがたいと思っております。
【馬場議員・指摘要望】私がお聞きしているのは、今世界で広がっている力によって物事を変えようとする動き、こういった中で、私は大軍拡っていう動きが出てきているというところにあると思うんですね。そこに対して知事はどう思うかいうことを聞いているわけで、国際協力の中で様々な物事の解決を図っていってほしいと、そういう一般的な話は分かるんですけれども、一方で、「力による現状変更(は許されない)」という、第2次世界大戦以降で世界が獲得をしてきて守り抜いてきた最も大切なルールの一つだと私は思うわけですけれども、こういったものが崩されてきているということが現状あるわけで、こういったものをどう考えるのかっていうことに対しても、私は知事から答弁がいただけないっていうのは極めて問題だと思うし、そういった中で、今の国が進めている大軍拡路線に物が言うことができない背景は、私は同じように土台はそこにあるんじゃないかなというふうに改めて思っています。
今、国連のグテーレス事務総長が昨年発表した報告書では、国際社会は、軍事費の増大が世界の平和につながらない、平和の強化をもたらさない、こういう厳しい実態を直視しなければならないというふうに指摘をされていることは、私は極めて重いと思っています。これはやっぱり受け止めて、しっかりと前に進めていくっていうことなしに、大軍拡で周りの国々と向かっていくと。さらには、そういった中では力によって現状を変更するっていう様々な動き、こういったものにものが言えない、こういった政治があるのだと思っています。
今もお答えがいただけなかったのは、議会でも答弁されていますが、根底には国の専権事項ということが背景にあって、そこにものを言わないということになっているのではないかなと思っていますが、こういう事態の中で、それでは済まない知事の役割っていうのが私はあると思います。府民の命や暮らしを守ろうと思えば、こういった大軍拡の路線に対してどういう態度で向かうのか、力による現状変更に対してどういう態度を示すのか、このことをしっかりと知事として明確に示していかなければいけないし、そうした府政が私はどうしても必要だと思っています。私たち日本共産党議員団としても、そうした府政をぜひとも府民の皆さんと一緒に実現をしていく、そのために全力を尽くす決意を最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。










