2025年3月27日
日本共産党京都府会議員団
団 長 島 田 け い 子
2月12日に開会した2月定例府議会は、予算特別委員会をはさみ、3月19日に閉会した。
今議会は、昨年の総選挙で自公政権が過半数を割ったもとでの初めての通常国会で当初予算審議が行われる中で開かれた。また、西脇知事にとって二期目最後の本格予算(来春は知事選挙となるため骨格予算)であり、その特徴や性格が明らかになる中で開かれた。
わが党議員団は、物価高、資材高騰等による暮らしや地域の深刻な行き詰まりを明らかにし、府民の願いに寄り添い、運動をおこし、要求実現に全力をあげるとともに、自民党政治と西脇府政の大本の転換の必要性を浮き彫りにする論戦を行った。
1、本議会に提案された当初予算議案及び先行議決含む議案86件のうち、第1号、第13号、第16号、第28号、第29号、第31号、第33号、第45号、第46号、第75号の議案10件に反対し、第17号議案は保留し、他の議案に賛成した。
第1号議案「令和7年度京都府一般会計予算」に反対の理由は第1に、府民生活や、地域経済を支える土台である中小事業者などへの直接支援に背を向け、一部の先端産業・成長産業に偏重した施策で、中小事業者を切り捨てる道を進めようとしているためである。
賃上げと中小企業への直接支援を求める我が党の質問に、西脇知事は「賃上げは重要」「(中小企業への直接支援は)即効的な効果がある」と認めながら、「持続的な賃上げができる環境づくりに取り組む」として、直接支援策の具体化には全く取り組むつもりがない上に、従業員の賃上げに取り組む事業者を支援するための金融・経営一体型支援事業の「賃上げ枠」まで、制度改善を求める声に応えず、わずか1年で廃止した。これらは結果として、賃上げに耐えられない中小事業者を切り捨てることになる。
第2は、府民負担が限界に達している国民健康保険料をはじめとした、医療や介護の負担軽減策に取り組んでいないためである。
国民健康保険は、2025年度京都府が7.6%の納付金を引き上げたことにより、京都市の国民健康保険料が10.35%の引き上げとなるなど、府内市町村で相次いで国保料・税の大幅な引き上げになっている。今行うべきは、府として一般会計からの法定外繰り入れの実施や、「小規模加算」の廃止誘導をやめることなど、保険料・税の値上げを食い止める緊急の手立てを打つことである。
第3は、京都アリーナ(仮称)の建設、大規模開発と一体の先端産業支援や、大阪関西万博のイベントなどにより、財政の硬直化を進め、本来急ぐべきものを後回しにしているためである。
京都アリーナ(仮称)整備は、住民説明会を開かないまま、強引に契約議案を提案し可決させた。また、北陸新幹線の京都延伸計画は説明会の開催に道を開くなど明確な中止の立場に立たず、さらに産業政策の中心事業の一つである「産業創造リーディングゾーン」では「拠点整備」として、大山崎町での「アート&テクノロジービレッジ京都」整備4億円、今後、農林センターの移転に伴うフードテック拠点整備に数十億円、南部卸売市場の「中食開発拠点」整備、けいはんな学研都市「フードテックヒル(仮称)」開発をはじめ、大規模開発と一体に具体化されることが明らかとなった。
また、「大阪・関西万博」関連事業費は、2022年以降、総額22億円を超え、2025年度当初予算に6億5,000万円を計上するなど、新たな大規模開発や「大阪・関西万博」には巨額の予算をつぎ込む一方、府立大学の体育館や老朽校舎整備など、必要な整備が後回しにされている。
第4は、西脇府政の看板政策である「子育て環境日本一」は、経済的負担軽減より、風土づくり中心とし、2025年度当初予算の中心に「子育ての楽しさ広げる」として、プロスポーツ選手と子育て世代の交流や学生と子どもたちの交流など、イベント型の環境整備にとどまっているためである。
また、保育現場から批判が出されている「親子誰でも通園制度」の府内全域への拡大を進める一方、少人数学級の実現や学校給食無償化等には取り組まず、生徒数の減少などを理由に、生徒や保護者、現場の声を無視した府立高校の再編を進めようとしているためである。
第5は、府職員の勤務環境の改善や人材確保が緊急課題であるにもかかわらず、その対応が本格的にとられていないためである。
予算特別委員会書面審査で、他会派からも「専門職をはじめ、必要な人材確保、育成に一層の努力が必要」と指摘があるほど、建設交通部、農林水産部、健康福祉部の3部局だけでも、今年度末の退職見込みが90人に達し、また技術系職員のあいつぐ退職が起こり、またメンタルヘルス疾患により7日以上休んでおられる職員が100名を超えるなど異常な事態となっている。
第13号議案「令和7年度京都府水道事業会計予算」、第16号議案「令和7年度京都府流域下水道事業会計予算」、および第33号議案「京都府営水道の供給料金等に関する条例一部改正の件」は、次期2025年から2029年は建設負担料金を引き下げる計画となっているものの、施設整備は「府営水道ビジョン」で広域化・官民連携以外の選択肢を示さず、最も困難な配水管の管理は引き続き市町村に残しながら、利益の得やすい浄水場などを統合するというものになっており、市町村の自己水を含む清浄で低廉な水を保障するという水道法に定められた公の役割を弱め、広域化・民営化を進めるものとなっているため反対した。なお、下水道管の老朽化が原因で発生した埼玉県道路陥没事故も踏まえ、水道管および下水道管の老朽化対策を抜本的に強化することが必要である。
第28号議案「京都府勤労者福祉会館条例一部改正の件」は、城南・中丹・丹後の勤労者福祉会館を「役割を終えた」という理由で廃止しようとするものである。しかし、職業訓練の充実が必要であり、また貸会場が少なく利用料が高騰しているもとで、これまで続けられてきた様々な府民による文化等の活動ができなくなるもので、存続を求め反対した。
第29号議案「京都府立高等技術専門校条例一部改正の件」は、他の施設では行えない知的障害者を対象とした全寮制による技能訓練と生活訓練の役割を担ってきた府立城陽障害者高等技術専門校を廃止しようとするもので反対した。
第31号議案「京都府立都市公園条例一部改正の件」は、昨年12月議会で提案された手数料・利用料いっせい値上げと同様に、受益者負担の適正化を理由に嵐山公園、宇治公園、山城総合運動公園の各都市公園の使用料を引き上げるもので、反対した。
第45号議案「指定管理者指定の件(公営住宅吉田近衛団地等)」は、京都市内の府営団地、府営住宅25団地の指定管理者を、引き続き株式会社東急コミュニティーに指定するもので、住まいのセーフティネットとして公の役割を直接果たすことが必要であり、反対した。
第46号議案「関西広域連合規約変更に関する協議の件」は、関西財界と車の両輪となり、「大阪・関西万博」や北陸新幹線延伸など大規模開発を推進してきた関西広域連合の機能強化するため、副連合長を1人から3人に変更するもので反対した。
追加提案し先議した第75号議案「京都アリーナ(仮称)整備等事業契約締結の件」は、府民的説明もなく、また道路拡幅など向日市や市民から出された要求などはまともな方針も取り組みもないまま、アリーナ建設ありきで令和10年度完成にむけ契約を急ぐことに反対した。
2、物価高騰や資材高騰のもと、調査をふまえ、要求実現に全力をあげ、論戦で追い詰めるとともに、これまで積み重ねてきた府民の運動と議会論戦により、いくつか実現した。
経済対策補正予算は、本来昨年12月議会に提案すべきで、国の重点支援地方交付金を活用し、生活者支援がなく、また国のメニューそのままのプレミアム商品券などにとどまっていることを批判し、直接支援を求めた。
中小企業支援と一体の賃上げの課題について、全国最大の最低賃金引き上げを行った徳島県の賃上げと中小企業支援のとりくみの調査をふまえ、県職員が中小企業の現場に足を運び中小企業・小規模事業者へのヒアリングを行い、昨年10月8日に2024年度補正予算で、最低賃金引き上げにより影響を受ける事業者への「賃上げ支援事業」11億円を可決したことを紹介し、府として職員が厳しい中小企業等を直接訪問し、賃上げのための直接支援策の具体化を迫った。
さらに、京丹後市間人などに展開する地元スーパー6店舗が相次ぎ閉店する動きに対し、現場調査を踏まえ、地元での運動を起こしつつ、京丹後市議会や府議会でも対策を強く求めた。
こうした中、当初予算に計上された「物価高騰対策・生活困窮者支援事業費補助金」8,000万円は、京都府内で取り組まれてきた「食料提供」の取り組みと、そこで掴んだ実情を京都府に要請するなかで実現し、制度も柔軟な運用ができるよう改善されてきたものである。「府立大学体育館整備検討費」2,600万円は、同大学内へのアリーナ建設が府民的反対により頓挫するもとで、「学生のための体育館整備を急げ」とする府民や学生等からの声をふまえ、ようやく「検討費」が計上された。また、「私立高等学校あんしん修学支援事業費」32.6億円は、京都府では府民の運動等により、すでに私立高校授業料に対する支援が拡充されてきたが、今回、さらに新たな年収区分を設け、兄弟姉妹が府内高校に同時在学する場合の上乗せを行うなど、きめ細かく拡充された。また「体育館空調整備費」では、特別支援学校と府立聾学校2校の体育館での整備予算が計上され、今後の高校体育館への設備導入につながることになった。さらに、「小児期発症慢性疾患・移行期医療体制強化事業費」300万円は、小児期発症慢性疾患の患者をスムーズに成人診療科につなげるもので、また「避難生活環境改善事業費」1.4億円として、簡易ベッド3,000台、パーテーション1500台、簡易トイレ30基、調理師等派遣協定など、市町村との広域連携を行うことを前提に予算化され、住宅耐震化も引き続き令和6年度から7年度までの時限的措置であるものの実施されることとなった。要望の強かったカメムシ被害によるコメの色彩選別機購入への補助が実現するなど、いくつか前進したことは重要である。
3、現場調査や多数の請願など、運動や府民の切実な要求と結んだ議会論戦を貫き、その実現に全力をあげた。
今議会には、632件の請願と1,791筆の署名が寄せられるとともに、請願を審査する常任委員会や本会議等への傍聴も相次いだ。
城南・中丹・丹後の各府立勤労者福祉会館の廃止条例提案に対し、各地域や団体、労働組合などから多数の請願が寄せられた。また各会派にも要請に回られ、わが党は、当事者である利用者や地域の意向をふまえ、採択にむけ論戦したが他会派が反対して否決した。この一連の運動を通じ、傍聴に来られた利用者さんから「お忙しい中、共産党の議員さん方々には貴重な時間を取って頂きありがとうございました。常任委員会では勤労者福祉会館の存続に向け尽力していただいているのがよく分かりました。請願書については事前に聞いていただいていたことを利用者の声としてお伝えいただき嬉しかったです。残念ながら請願は通らなかったのですが、勤労者福祉会館の利用者のこと、和裁講座の置かれている状況を他の議員さんや府の職員さんに知って頂く良い機会になったと思います。本当にお世話になり、ありがとうございました。」など感想が寄せられた。こうした運動を通じ、中丹勤労者福祉会館は当面福知山市が運営し、城南及び丹後の職業訓練機能は極めて不十分ながら代替施設が準備されることとなった。この問題は、今後の京都府の公的施設の在り方にかかわる問題でもあり、引き続き運動でも論戦でも府民の皆さん、利用者のみなさんと取り組みを進めるものである。
本議会には、府立大学の公認サークルの「府立大学を考える会」の学生の皆さんから、老朽校舎の整備と学費負担軽減を求める請願2件が提出された。学生の皆さんが、空きコマを使った校内宣伝等に粘り強く取り組まれたアンケート結果が添えられ、そこには、校舎が、耐震基準を満たしていないことについて「不安に感じる」68.4%、「まあ不安に感じる」26.3%、合計94.7%がなんらかの不安を感じ、「授業中に地震が来たら死んでしまうなと思う」等の声が多数寄せられた。さらに、閉会本会議の3月19日に、京都府立大学の学生、教職員の皆さんらが「京都府立大学の老朽校舎耐震化を求める署名」1158筆、「大学内に巨大商業施設アリーナはいらない新しい体育館の早期建設を求める署名」13,140筆を知事あてに追加提出された。引き続き学生や教職員の教育環境と命を守るため、力を尽くす。
この他、「選択的夫婦別姓制度を直ちに導入するための国会審議を求める意見書の提出に関する請願」「米の高騰・農業支援に関する請願」「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の廃止を求める意見書を政府に送付することに関する請願」等、切実かつ重要な請願が多数提出されたが、いずれも他会派がすべて否決した。
4、論戦を通じ、自民党政治とそれと一体の西脇府政による開発優先、府民不在ぶりが明らかになるとともに、その歪みを正すために運動と連携し全力をあげた。
向日市に建設予定の「京都アリーナ(仮称)」にかかる288億円の契約議案が追加提出された。わが党議員団は代表質問や知事総括質疑をはじめ論戦した。そもそも、議会途中に追加提案し先議すること自身があまりに拙速であるため、本会議場で付託前質疑として住民説明がされないまま契約を急ぐ理由や、公共事業の「効率性」や「透明性」の向上を目的とした「事前評価」を行っていない理由について質した。論戦を通じ、知事総括質疑でようやく西脇知事から「住民説明会はできるだけ早く行う」と答弁があり、また整備費288億円や付帯設備のリース費60億円の大まかな内容について初めて明かされた。しかし、予算特別委員会では、府立大学学長から老朽校舎の整備について「ぶっちゃけ、急ぎたいが現状大きく遅れている」「耐震化ができればいいが、予算が必要」、また府立医科大学学長から「設計に何とか入りたいが、いつになるかはわからない」など、府民生活に重要な施設整備は後回しにし、アリーナ建設最優先であることが浮き彫りとなった。
このため、わが党議員団は本会議反対討論で、①計画段階で住民説明会を開き、住民の声が反映された計画になっていない、②周辺道路整備など周辺整備・環境対策を明らかにしないままの契約になっている、③公共事業事前評価を行わないままの契約である、ことを指摘し、アリーナを成長産業、ビジネスモデルと位置付け、集客力優先の事業とする全国アリーナ構想のもとで、Bリーグの日程ありきの令和10年開業で、今後の府民負担が膨れる可能性も否定できないことを厳しく指摘した。
「北陸新幹線延伸計画」は、自民党府議からですら「少数与党になって、与党だけで通されないわけですよ。いつまでこんなこと続けとんかなと。それもずっとこれ税金を使いながらやってるわけ。仏教界のみなさんも出てこられたりして、もはや宗教の世界とか神様とかの世界なんで、どんなことを言うたってあかんものアカンって言われたらもうそれ以上言いようがない世界に今入ってきたわけですね。」と質問で取り上げる事態に陥っている。
目前に迫った「大阪・関西万博」では、本会議でも自民や維新から相次いで期待を込めた質問が繰り返された。また京都府は当初予算で職員を動員した関連イベントを多数予定し、一方で市町村支援の「きょうと地域連携交付金」の「地域づくり事業」を大幅に減額しながら、万博推進事業は倍増したため、他会派議員からも「市町村にとっては予算を切られたとの受け止めもある。どう説明するつもりなのか」との質問が出された。さらに、万博体験のための小中高校生などの入場料支援では、熱中症対策など様々な危惧が指摘されている中で、「責任はどうするのか」と問われ、理事者は「学校の責任」と答弁するなど、生徒の安全より「万博ありき」の姿勢が際立った。
2025年度の政府防衛予算に、舞鶴のイージスシステム搭載大型艦の入港のための港湾浚渫や、火薬庫3棟の増設計画、また祝園弾薬庫では火薬庫14棟もの増設(6棟は追加)など、急ピッチで「安保3文書」具体化が盛り込まれており、反対や説明を求める強い批判と全要説明を求める署名をはじめ運動が広がる中、府が「敵基地攻撃能力」拠点化の中止を求めるとともに、情報を府民に開示すべきと強く求めた。
5、維新のひどさもあらためて明瞭となった。
「大阪・関西万博」について複数の維新の会所属議員が取り上げたが、代表質問で「大阪府では学校単位で参加しない生徒にも入場料相当分を支援し、すべての子どもたちにチケットを渡すことになっている。さらに子ども優先列車なども計画している」と紹介し、「京都府として学校単位で参加することを決定していない児童生徒にもサポートすべき」と求めた。答弁で「京都府としては、教育の一環として学校単位で参加する」と一蹴された。
また、「救急搬送における不適切利用」「緊急性の低い救急搬送に係る選定療養費の徴収」「訪日外国人の医療費の未払い」等について、医療が必要な方や訪日外国人をことさら取り上げ、あたかも医療給付費が膨れ上がる原因のように印象づけ、分断を図るような悪質な質問を軽々しく取り上げた。
さらに維新・国民会派が提案した「要支援者の持続的な引き受け手確保のための法改正を求める意見書案」及び「首都機能のバックアップ体制強化を求める意見書案」は、わが党は反対し、他会派も反対し否決されたが、その内容は重大な問題を含んでいる。
「要支援者の持続的な引き受け手確保のための法改正を求める意見書案」は、地域包括支援センターの業務負担が増加し続けている現状を理由に、地域包括支援センターを介さずに直接契約を広げることができるよう介護保険法を改正することを求める内容で、それにより地域における実態の把握が困難になるなど、介護に係る公的責任を放棄することに道をひらくものであり反対した。いま取り組むべきは、地域包括支援センターの機能と体制を国や自治体の責任で強化することをはじめ、国や自治体の公的責任を拡充する介護保険制度の抜本的な改正こそ必要である。
また「首都機能のバックアップ体制強化を求める意見書案」は、首都機能移転を理由に南海トラフ地震で大きな影響を受ける関西で、関西財界による再開発をすすめようとすることをねらったものである。
6、今議会に提案された第17号議案「京都府人権尊重の共生社会づくり条例制定の件」をめぐり、多くの府民から様々な意見が京都府議会に寄せられた。
わが党議員団は、人権に関係する団体と懇談を重ね、また多様な意見をうかがう機会をもち、議会で積極的に論戦した。他党からも「賛成するが慎重に」など意見が出されるにいたった。
そもそも、「人権」とは日本国憲法で「国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない」「侵すことのできない永久の権利」とされており、人が生まれながらに持つ、侵すことのできないものである。しかし、不当な差別や人権侵害、インターネット上での誹謗中傷など新たな問題も起こっており、その防止や被害者の救済をどう図るのか等が行政には問われている。その点で、昨年12月13日から本年1月5日までのパブリックコメントには97団体255件もの多岐にわたる様々な意見が寄せられ、府や議会に対しても意見が多数よせられた。このように「人権」にかかわる問題は、極めて多岐にわたるため、条例案を作る段階から幅広い府民の声を聞き、丁寧で真摯な議論が必要であり、条例案を提案するまでの府の取り組みには、その点、不十分であった。
また、条例を作る以上、具体的に起こっている事象やどのような対策が必要なのかなど、立法事実を踏まえた議論が当然必要であり、その点にも課題がある。
わが党議員団はこうした理由から、本議案について議決を急ぐより、丁寧な府民的議論を積み重ねることが必要と判断し、条例が付託された文化生活・教育常任委員会で「京都府人権尊重の共生社会づくり条例案」の継続審議を求める緊急動議を提案し、府民的熟議を求めた。しかし、他党議員が動議を否決した後にわが党以外の委員が全員賛成し委員会可決した。その後開かれた閉会本会議でも討論に立ち、「仮に本条例案が可決し、条例を実施するのであれば、懇話会の人選には慎重な検討が必要であること。また、運用に当たっては立法事実に基づいた実効性ある計画の策定を求め」ることを指摘し、議案そのものの採決を急ぐべきでないという立場から保留した。
7、府議会によせられた請願や陳情を踏まえ、意見書・決議案を提案
わが党議員団は「インボイス制度の廃止、消費税の緊急減税を求める意見書案」、「京都が京都でなくなる北陸新幹線延伸計画の中止を求める意見書案」、「食料自給率を引上げ、米の減産から増産への抜本的な政策転換を求める意見書案」、「舞鶴や祝園へのトマホーク配備、弾薬庫増設など『敵基地攻撃』の拠点化中止を求める意見書案」、「医療・介護・障害・保育等で働く労働者の抜本的な処遇改善と事業所への物件費に対する支援を求める意見書案」「選択的夫婦別姓制度を直に導入するための国会審議を求める意見書案」「2025年度国民健康保険料(税)の緊急引下上げを求める決議案」、「府立大学の老朽校舎及び体育館の建て替えを求める決議案」、「府立大学の学費無償化等を求める決議案」を提案したが、すべての会派がその理由も述べず否決した。
なお、自民・公明・府民クラブ3会派提案の「インボイス制度の支援策の一層の強化を求める意見書案」は、インボイス制度の存続を前提としたもので、そもそも廃止すべきであり反対した。
また、自民・公明・府民クラブ3会派提案の「性犯罪の再犯防止の取組への支援の強化を求める意見書案」については賛成したが、性犯罪を犯した者の情報提供のあり方など、人権上の課題についてさらなる検討が必要であることを指摘した。
わが党議員団は、府民の暮らしも京都経済も深刻ななか、府民に寄り添い立場の違いを超えた対話と共同を通じ、府民の声が生きる京都府政の実現に全力をあげるとともに、新たな軍事拠点化や北陸新幹線延伸計画など、自民党政治のゆきづまりをおおもとから転換するため、来る参議院選挙に力を尽くす。
以上