6月30日閉会本会議で、島田けい子議員(京都市右京区)が議案討論に立ちました。全文をご紹介します。
日本共産党の島田けい子です。 議員団を代表し、ただいま議題となっています議案13件のうち、第4号議案、「府税条例の一部改正の件」について反対し、他の議案は賛成の立場から討論を行います。
第4号議案「京都府府税条例一部改正の件」については、地方税法等の一部改正に伴う所要の改正を行うものですが、軽油引取税にかかる規定の改正には重大な問題が含まれており反対です。
今回の改正は、「締結国の軍隊」の軽油引取税の免除適用について、二国間の部隊間円滑化協定を締結するたびに地方税法の改正をしなくてもよいようにし、これに府税条例も連動させようとするものです。
2023年6月、日豪円滑化協定に基づきオーストラリア国軍と自衛隊の共同演習などの際に輸入される軽油などへの課税が免除できるよう改定し、その後フィリピン、英国と協定を結びました。今後も、契約国の拡大が想定されます。軍事的同志国への支援拡大につながり、武力行使を前提とした訓練や演習の拡大・強化を税制面から支えることになります。こうしたことは憲法9条に反するもので到底認められません。さらに、今アメリカ・イスラエルがイランの核施設を攻撃し、中東での紛争、戦争への危機が一層強まっており、議案には反対です。
第1号議案「令和7年度京都府一般会計補正予算(第1号)」については全体として賛成ですが、医療機関等経営改善支援事業費10億700万円には、「病床適正化支援事業」5億7000万円が含まれているので反対です。
今、医療は、物価や賃金上昇分を反映しない診療報酬など、国の医療費抑制政策によって病院の6割が赤字経営など経営危機に追い込まれており、病院6団体が「このままでは、ある日突然、病院がなくなる」と訴えるなど深刻な危機に見舞われております。
今回の「病床適正化支援事業」は、病床を削減する医療機関に削減1床あたり410万円の給付金を出すというものです。本来、病床削減を条件にすることなく、看護師確保や病院経営に直接支援することが必要です。
「病床適正化支援事業」には全国で5万4000床もの活用申請があり、衝撃が走っています。
知事は「すでに休止中のベッド、もしくは稼働率の観点から休止予定のベッドであるから、地域医療への影響は生じるものではない」と答弁されましたが、府内医療機関の活用意向を示した病床削減の数は2047床であり、今回の第一次内示分では、139床の削減となり、さらに、27日付厚労省からの事務連絡では第二次内示分152床が示されるとともに、公的・公立病院を対象とするなど、給付金対象要件を拡大しています。公的・公立病院も含む病床削減を加速する懸念があり、重大です。
令和3年12月末から令和5年5月の第6波・7波・8波の間だけでも新型コロナで亡くなった方は1340人、そのうち在宅死亡が57人、高齢者入所施設での死亡が221人に上りました。なぜか。
「地域医療構想」の名によって府内ではこの10年余の間に3240床削減をされていますが、コロナで医療がひっ迫している最中にも病床削減が行われた結果、医療がひっ迫し、在宅や施設留め置きで多数の命が奪われたのです。それらの総括も反省もなく、さらにベッド削減を加速することは許されません。
医療崩壊の危機という緊急事態に、こともあろうに、自民・公明・日本維新の会が「医療費4兆円削減」の合意を結び、その第一歩として「11万床の病床削減」計画を打ち出すなど言語道断です。
併せて、分娩取扱施設への支援や訪問介護事業所への支援については、現場の危機的現状からいたしまして、支援の額が一桁違う、との声です。診療報酬や介護報酬の期中改定も含め、物価高騰や人材確保のための抜本的予算の拡充を国へ求めるとともに、本府独自の対策を求めるものです。
今回の補正予算案は国の予備費を活用した重点支援交付金の増額措置によるものですが、交付金10億2000万はそもそもその規模が小さいことが問題です。その中でも示された額の半分程度しか今回予算では対応していません。
物価高騰のもと日々暮らしは深刻さを増しており、暮らしの実態と現場の要望に応えた施策を補正予算も含めて早急に示すことを求めて、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。