2月16日、京都府議会2月定例会一般質問に立った水谷修議員【宇治市・久御山町】の質疑の大要をご紹介します。
<質問テーマ>
●農業及びフードテックビジネスについて
●宇治川と淀川水系整備について
農業 多面的機能の維持、新規就農への支援拡充を
【水谷議員】日本共産党の水谷修です。一般質問を行います。農業及びフードテックビジネスについて。
まず稲作など、農業の現状と対策についてです。コメ不足、価格高騰は「令和の米騒動」とまで言われました。コメの消費者価格は、農水省「スーパーでの販売価格推移」によれば、昨年9月以降は5キロあたり4,000円を上回る水準で横ばいで推移しており、前年比2割程度高い状況です。円安・物価高の中、主食の高騰は深刻です。この原因は、田んぼの減少、コメ農家の急減と超高齢化によるものなのではないでしょうか。
水稲の経営体数は、全国で2005年140万2千経営体だったものが2025年53万3千経営体に減少し、稲作農家が20年間で38%にまで減ったのです。減反政策という政治に起因した減少です。
「農林業センサス2025年」での個人経営体の基幹的農業従事者数は、京都は農家10987人で、そのうち70歳以上の方が6587人で、占める割合が60.0%です。全国55.1%に比べて高齢化が進行しています。また、京都の29歳以下の農業従事者は99人でしかありません。
私は「地域計画」づくり等にも関わってきましたが、正直申し上げると、近い将来の農地と農家、農業経営に光明が見えているとは思えません。「後継者の目処がない」との声も多いです。長年、稲作組合の中心を担ってきた方は「昨年でやめようと思っていたが、もう一年やるわ」と話されました。長年、野菜生産の中心を担ってこられたある農家は、ご子息が就農されたが離農し、ご本人が体を悪くされ、最近全農地を手放されました。
農家の減少と高齢化のもとで農業があと数年持つかどうかという状況なのではないでしょうか。京都府は、「儲かる農業」をうたう国の農政の柱である、大規模農業、大型機械化を進め、小規模農地・中山間地が多い京都農業の実態にそぐわない100ヘクタール農場づくりを推し進めましたが、目標だった府内10組織は、6組織にとどまりました。国連は2019年~2028年を「家族農業の10年」として定め、食料安全保障確保と貧困・飢餓撲滅に大きな役割を果たしている家族農業に係る施策の推進・知見の共有等を求めています。
知事は9日の中村議員への答弁で農山村農業の多面的機能の重要性を述べ、人材育成などを強調していましたが、農家と農地の減少歯止め策は具体的でなく、農家も後継者も減る一方です。中村議員も「中山間地の農地をどう守るかが大きな課題だ」と強く指摘されました。
そこでお伺いします。コメの不足や価格高騰という深刻な実情であった稲作や、2025年農林業センサスの結果について、どのように分析し対応するのか。また、中山間地・小規模農地が多い京都の実情を踏まえ、100ha農場などの大規模化でなく、多面的機能の維持、家族農業や小規模農業への支援の拡充とともに、後継者および非農家からの新規就農対策の拡充に舵を切る必要があると考えますが、知事のご所見をお聞かせください。
知事は9日の中村議員への答弁で農山村農業の多面的機能の重要性を述べ、人材育成などを強調していましたが、農家と農地の減少歯止め策は具体的でなく、農家も後継者も減る一方です。中村議員も「中山間地の農地をどう守るかが大きな課題だ」と強く指摘されました。
そこでお伺いします。コメの不足や価格高騰という深刻な実情であった稲作や、2025年農林業センサスの結果について、どのように分析し対応するのか。また、中山間地・小規模農地が多い京都の実情を踏まえ、100ha農場などの大規模化でなく、多面的機能の維持、家族農業や小規模農業への支援の拡充とともに、後継者および非農家からの新規就農対策の拡充に舵を切る必要があると考えますが、知事のご所見をお聞かせください。
茶 新規就農者、後継者対策、リーフ茶の消費拡大を
【水谷議員】茶農業の現状と対策についてです。京都府茶業会議所の「緊急報告令和7年京都府産新茶の状況について」によれば、生産量(茶市場での取引数量)は前年比で「『宇治てん茶』60%、『初茶てん茶』82%」となり、「一番茶は、全体で前年度比71%に」すぎないとし、価格は「全茶種で高騰し、特に現在人気の抹茶原料である「宇治てん茶」、「初茶てん茶」の価格は、前年比200%を超えて」「抹茶需要増加に対応するためのてん茶生産への転換で、玉露・かぶせ茶・煎茶の取引数量が減少し、取引価格は、前年比で130%~150%となっている」「ほうじ茶原料の価格は、前年比で180%と高騰している」としました。
この報告以降もたとえば「秋番」においても価格高騰がさらにものすごいものになりました。つまり、昨年の京都府内産の茶の収量が激減し価格が高騰したとのことです。
いま、番茶、ほうじ茶の材料になる茶葉が全くない。お茶屋さん、問屋さんから「番茶、ほうじ茶が作ることできない」「売るお茶がない」と悲鳴が上がっています。茶農家も、不安で「茶園や設備を増やせる状況でない」と困っておられます。
かつて商店街には茶の小売店が一つぐらいありましたが今は無くなってきています。小売がなくなれば、農家は作っても売れない。茶がなくなれば、小売も問屋も続けられない。農家と問屋と小売が一蓮托生の業界です。
京都の茶園は、中山間地の割合が85%で、傾斜度15%以上の茶園が15%を占めており農作業も改植も大変です。
茶の経営農家数は府の統計資料によれば、2004年1886戸だったものが、2024年625戸と、20年間に3分の1に減少しました。
お伺いします。茶農家と茶園面積の著しい減少が、茶の不足と価格高騰が起きた要因と考えますがいかがでしょうか。
新規就農者・後継者を短期間に増やすことが重要となるが、親元就農の場合は、10年20年の間、二世帯分の収入が必要になる一方で、現行の支援策の期間が短かい。親元就農支援に係る事業継承の条件緩和など、抜本的な拡充が重要と考えるがどうか。
苦境にある茶の小規模問屋・小売店の状況と対策はどうか。また、茶の消費がリーフ茶から茶飲料に置き換わる中、「急須でお茶を」と裾野を広げ、リーフ茶の消費拡大を講ずるべきと考えるがどうか、お聞かせいただきたいと思います。
フードテックヒル開発についてです。「けいはんなフードテックヒル」は府の用地約43.7haにおいて、(株)フジタが土地区画整理事業として事業計画認可申請をし、事業費約179億円で昨年10月事業着手しました。食関連等の研究施設、研究開発型産業施設および京都府の施設を作ると見込まれます。
お伺いします。「けいはんなフードテックヒル」の整備に向け、土地区画整理事業が着工されたが、保留地の規模、府整備の施設概要、建設費用、および、保留地処分費の見込みについてはどうか。農林水産事業が苦境にある中、フードテックなど新たな食ビジネスへの「投資」より、農林水産業者への支援策の拡充を優先すべきと考えるがどうか、お聞かせいただきたいと思います。
【知事・答弁】水谷議員の御質問にお答えいたします。米政策と持続可能な農業に向けた取り組みについてでございます。
今般の米価高騰は、国の検証によりますと、高温障害等に伴う精米歩留まりの低下に加え、インバウンド需要や家計購入量の増加などにより、生産量が需要量に対して不足し、流通段階で競争が発生したことが要因であると分析されております。
京都府では、米の安定生産に向け、常態化する高温、渇水に対する効果的な技術の確立、普及と生産基盤の強化を進めるため、累次にわたる補正予算におきまして、収量や品質向上に資する機器導入や新技術の実証を実施しており、今後、産地単位での新技術導入など、さらに支援を拡充するための予算案を今定例会に提案しているところでございます。
先般公表された農林業政策では、府内の水稲作付面積規模別の農業経営体数につきまして、10年前と比べ10ha以上の形態が倍増する一方で、1ha未満は約4割減少するなど、担い手構造が大きく変化していることから、経営規模や特徴に応じたきめ細かな支援が必要だと考えております。
具体的には、規模拡大や法人化を目指す経営体に対しましては、経営状況に応じた農地のあっせんや機械導入、スマート化などの生産性向上とともに、専門家派遣による法人化を支援しているところでございます。
小規模な経営体に対しましては、機械や施設の共同利用による経営の効率化を図るため、集落営農への参画を促進いたしますとともに、経営発展に意欲のある経営体に対しましては、高収益作物への転換や6次産業化などの経営改善に向けた伴走支援を行っております。
また、地域農業の維持に不可欠な新規就農者の確保に向けましては、後継者や非農家出身者の初期投資を支援する、国の経営開始資金を活用し、新規作物や新技術の導入に必要な設備や機械の整備などを支援しております。
こうした取り組みと併せまして、地域コミュニティーの維持、活性化を図るため、「日本型直接支払制度」を活用した地域ぐるみでの農地、水路の保全管理や営農継続などの取り組みを支援し、農業の持つ多面的機能の発揮にもつなげているところでございます。
引き続き、現場実態を踏まえた効果的な支援により、持続可能な農業が実現できるよう取り組んでまいりたいと考えております。その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
【農林水産部長・答弁】茶業の振興についてでございます。令和7年の緑茶の急激な価格高騰は、世界的な抹茶ブームを背景に、輸出額が前年比でほぼ倍増の721億円に達するなど、海外需要の急拡大とそれに伴う国内での供給不足が最大の要因でございます。
京都府では、玉露、煎茶などのリーフ茶から抹茶の原料となるてん茶生産への移行が急速に進む状況を踏まえ、昨年、京都府茶業振興計画を定め、リーフ茶の需要喚起や高品質茶生産のための技術開発、人材確保などに総合的に取り組んでいるところでございます。
親元就農への支援につきましては、茶業研究所における技術研修制度により人材育成を行うとともに、早期の経営確立や経営発展に向けて制度拡充が図られております国の新規就農者育成総合対策を活用して伴走支援しているところでございます。
また、取引価格が高騰している現状において、小規模な茶問屋や小売店が原料確保や価格転嫁による事業継続に取り組まれている中、京都府といたしましては、「京都食ビジネスプラットフォーム」を通じて、新たな商品開発や販路開拓による経営強化を支援しているところでございます。
さらに、リーフ茶の消費拡大に向けては、昨年の大阪・関西万博を契機に開催されました「急須でお茶をいれる会」において、お茶のいれ方による旨味や香り、効能の違いを体験するプログラムが好評であったことから、こうしたリーフ茶の新たな魅力発見につながる機会の創出に努めてまいりたいと考えております。
次に、フードテックビジネスについてでございます。
京都府では、物価高騰や気候変動などの影響を受ける農林水産業者の経営安定を図るため、省エネ、高温対策機器の導入や販路開拓など、生産・販売両面から長期的な視点に立った支援を実施してきたところでございます。
加えまして、京都府農業の持続的な発展には、将来を見据えた研究開発を着実に進め、生産性や付加価値の高い農業を実現することが必要なことから、スマート化などの先端技術を活用した生産性向上や、需要創出や高付加価値化につながる京の食文化を生かした商品開発など、京都ならではのフードテックの取り組みを進めているところでございます。
引き続き、こうした施策を総動員し、魅力ある農林水産業を実現してまいりたいと考えております。
【商工労働観光部長・答弁】フードテックヒル土地区画整理事業についてでございます。
けいはんな学園都市の南田辺西地区において、フードテック関連企業の集積拠点の形成を目指し実施しているこの度の土地区画整理事業は、プロポーザルにより選定された事業者が建設費を負担し、土地の造成と公共施設である道路、公園の整備を行い、造成した土地を売却することで費用を賄うこととなっております。
事業計画の認可時点において、保留地の規模は約30ha、建設費及び保留地処分金はともに約179億円で、保留地処分金は事業者が建設費を賄うためのものとなっております。
フードテックビジネスより、農業水産支援の拡充を
【水谷議員・再質問】米は、とりわけ中山間地の農地、どう守るかというのは私も大切だというふうに思います。稲作3000年のこの国は、水のあるところで稲を植え、人が住み、集落・里ができて国土が築かれてきました。今、農山村で米で食うことができず、田んぼが荒れ、日本の国土が崩れてきているのではないでしょうか。
中山間地の田んぼの多面的機能維持に着目して、農山村でも稲作で生活できるように所得補償をする仕組みなど抜本的に対策を講じなければ、京都の地域の特徴に合った稲作農業は守れないというふうに思います。
今知事がおっしゃった対策がされているのは承知していますけれども、その今の状況では、超高齢化が進んで稲作農家が減ってる状況、抜本的に改善することはできないというふうに思いますので、対策の抜本的な改定を求めるものでございます。これ要望しておきたいと思います。
茶についても同様で、去年の収量不足がやはり1番の値段が高騰したのと茶葉がないという問題の根幹にあります。これをしようと思えば新規就農者が必要ですが、茶の木は植えてから4年、5年経たないと茶葉を収穫することができません。3年ぐらいの新規就農者対策というのではやっぱりなかなか難しい。樹園地での農業というのはそういう側面ありますので、抜本的な新規就農者そして後継者対策を改善するということなしに先行きがないというふうに思いますので、この点は強く指摘し、新規就農者対策の改善を求めておきたいと思います。
再質問ですが、区画整理事業は、土地所有者の普通同意を取るために所有者さんとまちづくりなどを検討して、所有面積がどの程度減って、保留床がどのように売って事業者の経費にどれだけ当てるのか、また利益はどうなるのかなど説明がされて、土地所有者の同意を取り付けることをします。
本件は、公有財産であるにもかかわらず、議会も府民にも、またまちづくりの資金計画、きちんと示すことが必要で、公表するべきですが、なぜこれをしないんでしょうか。
また、京都府の施設の概要も何ら示されていません。内容は事業スタート時点の今明らかにするべきだと思いますが、この点について再質問をさせていただきますので、明快な御答弁していただきますようにお願いします。
【商工労働観光部長・再答弁】水谷議員の再質問にお答えいたします。フードテックヒル土地区画整理事業でございます。
先ほど答弁いたしました通りですね。この度の土地区整備事業は、プロポーザルにより選定された事業者が建設費を負担し、土地の造成と公共施設である道路・公園の整備を行い、造成した土地を売却することで費用を賄うこととなっております。
土地区画整理事業の事業費約179億円は、今後の事業費の増減等により変動する可能性があるため、京都府が取得する土地の規模は現時点で決まっておらず、したがって、その活用方法についても現時点では決まっておりません。
【水谷議員・指摘要望】フードテックヒルの概要を示してないということは聞いて知っているんです。区画整理事業というのは、土地所有者に内容を示して同意を得て始まるというのが一般的。
この場合は、土地が1人、京都府の土地ですから、京都府の府議会、あるいは府民の皆さんに内容を示すということが必要だし、その京都府の何を作るのかについても明らかにしないというのはやはりやり方としてはダメだと私は思いますので、早急にこうした主要な中身について府民や議会に説明をして、その上で事業を進めるのかどうか判断をするというのが必要だというふうに思いますので、強く指摘しておきたいと思います。
宇治川バックウォーターなど安全性に課題 上流開発容認するな
【水谷議員】宇治川の河床が広い範囲でこの間、数メーター低下しています。河床が低下し、橋梁や堤防などの構造物が洗掘され危険な状態になりつつあります。
京阪電鉄宇治川橋梁は2016~17年にかけて洗掘対策工事を施工されました。国道24号線観月橋は河床低下に伴い基礎部分の洗掘が進んでいることから、洗掘対策工事が2億1450万円で昨年7月落札され、河床低下、洗掘の対策工事が始まりました。
また、最近では観月橋直上流の右岸、隠元橋直上流の左岸の堤防川表側の改修もされました。
国の「R5年淀川・宇治川における進捗点検結果説明資料」によれば、宇治川では、「河床低下・河床材料の粗粒化が著しく、中流部(京滋BP橋梁付近)より下流では河道の二極化が進行するとともに、粘性土層の露出が確認されている」としています。
天王山と男山による狭窄部に桂川、宇治川、木津川の三川合流点があります。この三川合流点から宇治川にバックウォーターが起きます。
宇治川はもともと三川のうち河床が最も低く、河床勾配も緩く、それがため、増水時により多くの流量を持つ木津川や桂川の河水の一部は、その際の両川の水位上昇も相まって、宇治川を経てそれにつながる巨椋池に容易に注ぎ込む構造となっていました。こうして、かつては巨椋池は、三川合流部の手前に位置して、出水時には宇治川のみならず三川いずれの河水に対しても遊水機能を果たしていたのです。巨椋池干拓事業によってこの遊水機能がなくなった今日、洪水時に三川合流点の水位が上がり、宇治川を上流に向かって逆流するバックウォーターとなります。
宇治川のバックウォーターについては、私自身も現地で2度目撃しています。かなり上流になる隠元橋付近でも水流が止まることがあります。
宇治川の水位が上がり、計画高水位を超え宇治川堤防が危険な状態になると、宇治川本川を守るための流域の内水を宇治川に吐き出すポンプを停止させることになります。古川や山科川など支川流域で内水氾濫も起きます。
そもそも、宇治川左岸堤防は、「秀吉の命」により築堤された堤防に積み増しして作られています。基礎やコアが基本的にないもので、過去にも繰り返し破堤してきました。
2013年台風18号の時にも天ヶ瀬ダムに大量の流入があり、緊急放流をして、それがために下流では堤防が漏水し、4箇所で堤防を守る「月の輪工法」が施され、宇治川の脆弱さが露呈しました。
宇治川で、1500トン放流を行うことは大変危険です。大戸川からの放流が合流した瀬田川の下流に鹿跳渓谷があります。この渓谷は岩でできた狭窄部で、宇治川への流下量が絞られているため、この間はかろうじて、大水害を免れてきたのではないでしょうか。しかし、国は宇治川に毎秒1500トンを流下させるために鹿跳計画の岩を断ち割る開削工事をしようとしています。
そこでお伺いします。宇治川の河床低下、洗掘が進行する中、京阪電鉄宇治川橋梁に続き、国道24号線観月橋の洗掘対策工事が着手されました。河床低下、粗粒化、堆積、樹林化が進行している中、橋梁、堤防・護岸、水管橋などの構造物への影響と対策についてどのように考えているかお聞かせください。
宇治川のバックウォーターによる、流域における内水排除の支障や破堤の危険などの影響および安全対策についてはどうかお聞かせください。
宇治川はいま述べたように、安全な状況ではありません。平成25年台風18号の洪水により漏水や噴砂などの堤防被災があり、危機に直面したことから、瀬田川の狭隘部である鹿跳渓谷の開削や、宇治川1500トン放流は容認すべきでないと考えますが、考えをお聞かせください。
【建設交通部長:答弁】宇治川の河床低下等による構造物への影響と対策についてでございます。河川沿線地域の安全性確保のためには、流下能力や河床変動の状況に応じて、必要な河道断面の確保や堤防を護岸等の河川管理施設の整備・管理により、洪水時でも安全に水を流下させる状態を維持させることが重要でございます。
宇治川においては、管理者である国において河床低下による河川管理施設の基礎の露出などの状況を把握し、堤防や護岸の基礎部分を保護する護床ブロックを設置するなど必要な対策がとられているところでございます。橋梁等の横断工作物については、各施設管理者によって必要な対策が講じられるものでございます。
議員ご紹介の国道24号観月橋につきましては、橋梁の管理者である国において橋脚の先掘対策として橋脚の基礎周辺をコンクリートで補強する工事を実施中と伺っております。
京都府といたしましては、府が管理する橋梁等について、適切に管理を行うと共に、引き続き宇治川沿川地域の安全性確保のため、国とも連携して河川管理者や、橋梁等の管理者にたいし、適切に施設の点検を行い、必要な対策を講じるよう働きかけてまいります。
次に、宇治川の水位上昇による支川への逆流、いわゆるバックウォーター現象による支障と安全対策についてでございます。バックウォーター現象に対する対策としましては、「支川への逆流による越水を防ぐため本川堤防の高さまで、支川堤防を嵩上げ」「本川からの逆流を防止するため、合流部に樋門を設置。緋門閉鎖後の支川の水位を下げるため、本線へ強制排水するポンプ場の整備」「支川の流下能力を向上させるための河道断面の確保」等がございます。
京都府が管理する宇治川支川の古川におきましては、宇治川合流部に樋門や排水ポンプ場を整備するとともに、平成24年8月豪雨などにより人家や田畑に浸水被害が生じたことから、現在は古川及びその支川の河道断面の確保のための、河道拡幅や河床掘削を進めており、引き続き流域の治水安全度の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、瀬田川鹿跳渓谷の開削や宇治川の毎秒1500トン流下についてでございます。国が策定した淀川水系河川整備計画では流域全体の上下流バランスを確保しつつ、宇治川においては戦後最大規模の平成25年台風第18号に伴う洪水時でも安全に流下させることが可能な1500トンが整備の目標流量となっているところでございます。
これまで、目標流量を安全に流下させるための対策としまして、国において「塔の島地区等における河道掘削、平成25年第台風18号の洪水被害もふまえた、漏水対策や護岸口による堤防強化対策」「天ヶ瀬ダム再開発事業による放流能力の増強」「宇治川の流下能力を維持するため、点検や補修等を適切な管理」などが順次実施されており、今後は瀬田川の狭窄部である鹿跳計画の開削を進めていくとされております。
河川整備計画で位置づけられている1500トンの流量を安全かつ速やかに流下させることが可能になることが、京都府域を含む淀川水系を全体の治水安全点を含むものであり、京都府といたしましては、引き続き河川整備の推進と宇治川の適切な管理について国に要望してまいります。
【水谷議員:再質問】 宇治川は先ほど述べたとおり危険な場面が多々ありました。宇治川の水位が上がれば古川のポンプが動きませんから、内水氾濫が起きるという状況で、1160トンの放流で、宇治川の堤防は危機に瀕した状態でした。ですから上流の開発については、今の状態ではダメだとはっきり言うべきだと思います。滋賀県知事に意見を求められましたが、京都府知事は、鹿跳の開削について意見を述べていません。きちっとこれについても、安全確保が出来るまではダメだと言うべきだと思いますが、いかがですか。
【建設交通部長・再答弁】鹿跳渓谷の開削に対する京都府知事の意見についてでございます。京都府知事の意見に関しましては、淀川水系河川水系河川整備計画の策定過程におきまして、河川法に基づき流域の関係自治体に対して意見聴取がされまして、京都府知事からも意見をだしているところでございます。議員からご指摘がありました、鹿跳渓谷に関する検討に関しましては、河川整備計画に位置づけられた事業を個別に進めていくと言うことにあたって、景観ですとか、それぞれの地域の親水性の確保であるとか、工事にあたって配慮すべき観点が検討がされている中で、地元の滋賀県等に対する意見が求められているところでございます。京都府としましては引き続き河川整備計画の進捗を把握しつつ必要に応じて意見を申してまいりたいと考えております。
【水谷:指摘要望】淀川河川整備の時の意見については承知しています。今、新たに上流で開発されて下流の安全が担保できない状況であるのに、きちんと「このままではだめだ」と言うことを指摘すべきだと思います。河川の改修については「早く流す改修」から「ゆっくり流す」河川整備に考えかたを変えるすべきだと指摘して終わります









