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2026年03月13日

2026年2月定例会|議案討論【成宮まり子議員】

3月12日閉会本会議で、成宮まり子議員(京都市西京区)が議案討論に立ちました。

全文をご紹介します。

日本共産党議員団の成宮真理子です。議員団を代表し、ただいま議題となっています議案71件中、第1号、第13号、第16号、第23号、第25号、第35号、第40号の7件に反対し、他の議案に賛成の立場で討論致します。

 

まず第1号議案:令和8年度京都府一般会計予算、および第13号議案:令和8年度京都府水道事業会計予算、第16号議案:令和8年度京都府流域下水道事業特別会計予算についてです。

続く物価高騰のもと、府民の暮らしも生業もいっそうの危機にあります。来年度当初予算案は知事選挙を前にした骨格予算ですが、府民に寄りそい、支え、希望を示す役割が求められます。

政府の来年度予算案は、消費税減税や賃上げに背を向ける一方、軍事費の異常な突出、大企業へのばらまき、アメリカへの投資支援を拡大し、地方自治体には、公共施設の統廃合・集約化、行政のデジタル化、上下水道の広域化、地域医療構想による病床削減などを押し付け、誘導しています。

そうしたもと、本府が、国の動きと一体の実行機関として、府民の切実な願いを抑え、自治体本来の役割を果たさず歪めていることが、予算審議を通じて浮かび上がりました。反対の理由を、以下6点述べます。

 

1つめに、物価高から暮らしや生業を守るための抜本的な賃上げと、一体での中小事業者への直接支援には取り組まず、一方、産業政策は一部の先端産業・大手企業への支援に偏っていることです。

高市政権は、「最低賃金1500円以上を2020年代に」という目標さえ投げ捨てていますが、京都総評などの試算では、時給1700円から1900円が必要であり、そのためには最低賃金を毎年80円から90円引き上げることが求められます。その要になる中小企業への賃上げ直接支援に、国が背を向けるなかで、徳島県、岩手県、山形県、群馬県、奈良県など、独自支援が全国に広がっています。

ところが知事は、「持続的な賃上げができる環境づくり」「生産性向上」ばかりを繰り返されて、事業所の倒産率で京都が全国ワースト1位という、これまでとは違う深刻な局面にあるのに、中小企業の賃上げ直接支援をいまだ決断されず、一方で「産業リーディングゾーン」など、一部の先端産業、大手企業やスタートアップ支援への偏重は問題です。

農業政策では、大規模化推進でなく、中山間地や小規模・家族農業の多い京都の実情に沿った支援こそ求められます。

 

2つめに、暮らしの困難が増すなか、国民健康保険の市町村納付金を引き上げて保険料値上げをもたらし、また、医療機関の7割が赤字となるなど、医療・介護の危機のもと、地域医療構想による病床削減など、国と一体で推進していることです。

国保の納付金を、本府はこの間2年連続で引き上げて、さらに来年度は、子ども子育て支援金の上乗せにより、とりわけ低所得者や高齢者の多い国保加入世帯には重い負担となります。

知事は、子ども子育て支援金の上乗せを容認し、高い国保料に府民から悲鳴が上がっているのに何の手立てもありません。本府は、国保都道府県化を先導した責任があり、法定外繰り入れや市町村支援など、国保料引き下げに役割を果たすべきです。

政府が診療報酬を低く抑えてきたことに加え、物価や人件費高騰などにより、医療機関の倒産・休廃業が急増し、あらゆる医療機関が経営の危機に瀕しています。さらに高市政権は、改正医療法にもとづき、医療機関の再編・病床削減を加速し、その実行・推進役を地域医療構想により都道府県に押し付けようとしています。

知事は、舞鶴の4病院再編を「先進的取組で注目している」と発言されるなど、国と一体にこの方向を推進することを示しておられます。これでは府民への医療提供体制が失われてしまいます。府民の命を守るため、医療機関や介護事業所を守り支える立場で、直接的な支援や、人材確保・処遇改善への支援を強めるべきです。

 

3つめに、「子育て環境日本一」を掲げているのに、子育てをめぐる最大の願いである経済的負担軽減や、教育環境整備は遅れ、一方、「風土づくり」などの施策への偏りが正されていないことです。

京都府の合計特殊出生率は、2023年に1.05まで落ち込み、出生数は1万3千人を割り、経済的支援をはじめ、子育てへの総合的な支援が待ったなしです。

そうしたなか、子どもの医療費助成は、運動と世論の力で、府内では京都市を除く全市町村が高校卒業まで対象拡充となります。全国的には、青森県のように市町村支援も含め、9割以上の自治体が高校卒業まで対象にしています。ところが本府は、京都市とともに一番遅れたままです。

学校給食無償化も、ねばりづよい運動と世論が、ついに国も動かしました。しかし、国の補助は小学生1人当たり月5200円にとどまっており、保護者負担も、京田辺市や木津川市などで発生しています。小・中学校での給食完全無償化へ、支援を求める願いに府が応えるべきです。

教育環境整備では、府民の運動により、府立高校のトイレ改修、体育館のエアコン整備がようやく道が開かれましたがスピードアップを求めます。特別支援学校では、マンモス化、校舎老朽化のもと、新たな校舎や学校整備こそ必要です。府立大学の学生専用体育館や老朽校舎の建て替えも、いつまでも後回しではなく、速やかに着手すべきです。

 

4つめに、京都アリーナ事業や、府立植物園の管理運営民間委託、上下水道一体の「広域化・民営化」など、住民サービスよりも企業利益を優先し、「公共の役割」を歪めていることです。

京都アリーナ計画には、1月の住民説明会でも「まだ疑問がある、工事は了解していない」と多くの声が上がりましたが、住民の疑問は置き去りのまま着工しました。設計・施工・管理運営まで民間企業グループに丸投げする事業方式のもと、住民の願いや利益よりも、企業利益を優先する歪みが現れています。

また、府立植物園の管理運営を、公募型プロポーザルで民間委託し、植物園使用料収入が年間2億2千万円を超えれば、超過額の40%をインセンティブとして事業者に配分するなど、初めての仕組みを導入しています。収入と入場者を増やすことを優先し、府立植物園がもつ「生きた植物の博物館」という本来の魅力を歪めるものです。

さらに、大企業の「水ビジネス」のため、国の方針に忠実に、上下水道一体での「官民連携」「広域化・民営化」を推進しており、そのもとで、職員の高齢化、退職者が増えるなど、担い手不足が深刻になっています。

消防についても「消防指令センターの一体的な共同運用」など、府内全域で広域化をめざす方針は、消防力を弱めることにつながり、大問題です。

 

5つめに、府民を支える府職員の定数増や、会計年度任用職員の皆さんの「3年公募撤廃」、府立高校英語指導助手(ALT)の直接雇用など、切実な願いと運動に、応えていないためです。

府民サービスを現場で支える府職員体制を拡充し、給与は物価高騰に見合う抜本的な引き上げが求められます。

また、会計年度任用職員の皆さんが、ネットワークをつくり「3年目公募の撤廃を」と立ち上がり、国でも自治体でも上限撤廃や正規化の動きも進むなかで、本府が「公平性」などと言って向き合わないことは問題です。

派遣ALTの皆さんが処遇改善を求めて立ち上がり、その力と運動により、派遣会社が給与を追加支給し、府教育委員会でも任用のあり方の検討が始まりましたが、速やかに直接雇用やより安定した雇用へ踏み出すことが求められます。

 

6つめに、北陸新幹線京都延伸を推進し、米トランプ政権が求める通りの大軍拡と京都のミサイル拠点化、福島第一原発事故を忘れたかのような原発再稼働と新増設など、国と一体で容認していることです。

北陸新幹線は、自民・維新の与党整備委員会で、JR西日本社長が「小浜・京都ルートが望ましい」とし、国会会期末までにルート決定・着工をめざすとの合意など、新たな局面となっています。知事は、「国に丁寧な説明を求める」と繰り返し、府民的な反対世論に応えていません。

米国とイスラエルによるイランへの先制攻撃は、国際法、国連憲章違反であり、許されません。同時に、国際的ルールを踏み破るトランプ政権に、ひと言も抗議もせずに追随する高市政権による、大軍拡、京都をミサイル拠点化する動きは極めて危険です。

ところが知事は、高市政権を「国際協調を旨とする積極的平和主義」「平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」などと代弁・擁護されています。また、4年前、ロシアによるウクライナ侵略に対して、知事は「力による一方的な現状変更であり、国際秩序の根幹を揺るがすもので、断じて認められない」と発言されましたが、今回の米国などによる「力による現状変更」には一言の批判もありません。

東京電力福島第一原発事故から15年になりますが、事故は収束せず、いまだ多くの被害者が避難を余儀なくされています。知事が、原発再稼働や新増設を容認することは、関西電力などが使用済み核燃料の中間貯蔵施設の設置を検討しているなかで重大です。

 

よって、第1号、第13号及び、第16号議案には反対です。

 

次に、第23号議案:京都府国民健康保険事業費納付金の徴収に関する条例の一部改正の件は、納付金の徴収事務上の手続きに関する一部改正であり、子ども子育て支援法の成立に伴うものです。そもそも子育て支援の財源を医療保険に上乗せすることは道理がなく、容認すれば、国民皆保険制度を掘り崩すことにつながり、反対です。

 

第25号議案:京都府公営企業の設置等に関する条例一部改正の件は、城陽東部丘陵地開発に伴う管路延長に合わせ、木津川流域下水道の処理区間の存する市町に「綴喜郡宇治田原町」を加えるものですが、国による上下水道一体での広域化・民営化方針にもとづき民間開放を進め、公共の役割を壊すもので、反対です。

 

第35号議案:指定管理者指定の件は、府営住宅五ヶ庄団地など27団地の指定管理者として、近鉄住宅管理株式会社を指定するものです。セーフティーネットである公共住宅の管理は、公共の役割で行うべきであり、反対です。

 

第40号議案:京都府公立高等学校等教育改革促進基金条例制定の件は、文部科学省「高校教育改革に関するグランドデザイン2040」に沿って、交付された国の補助金を積み立てるための基金設置です。

この改革は、国が定める「3つの類型」に応じた改革先導拠点校を指定し、「エッセンシャルワーカー等育成」「理数系人材育成」「多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保」など掲げ、国からの予算は「上限62億円程度」で、3年間支援するとされています。しかし、公立高校全体の支援とは言えず、学校間格差を当然視し、少子化のもと、産業界のための人材育成と、学校統廃合を進めようと狙うものです。

高校は地域の大切な拠点であり、いま必要なのは、統廃合ではなく、少人数学級や教育条件整備など、全ての高校の教育の充実・発展への支援です。これらに反する国の狙いに沿った基金制定には反対です。

 

なお、39号議案:令和7年度京都府一般会計補正予算(第11号)には賛成するものですが、含まれている京都式自治体業務次世代モデル創発事業は、自治体システム統一・標準化を促進するために、総務省のモデル事業で、11市町の参加で共同して同一事務の外部委託を進めるものです。国主導で、個人情報も含め、民間のビジネスチャンスへ誘導することは、公的責任を放棄し歪めるもので、この部分には反対です。

 

以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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